インフラエンジニアの仕事はやりがいがある?
インフラエンジニアは、企業のITシステムを支える基盤となるインフラの構築、運用、保守を担当するITエンジニアです。具体的には、サーバやネットワーク、ストレージなどのハードウェア、OS、ミドルウェアなどのソフトウェアを設計、構築、運用し、システム全体の安定稼働を責任を持って担います。
インフラエンジニアは守備範囲が広く、大変そうな仕事に思える方もいるでしょう。インフラエンジニアへの転職を希望する方は、そんなインフラエンジニアの仕事に「やりがい」があるのかどうか、気にかかるところです。
この記事では、インフラエンジニアにはどのようなやりがいがあるのか、目指す上で知っておきたいこと、企業選びの方法などについても解説します。インフラエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてください。
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インフラエンジニアの仕事と年収
身近にインフラエンジニアがいない人は、どのような仕事をするのかイメージが湧かないかもしれません。
これから、インフラエンジニアの仕事や種類について見ていきますので、自分はどの分野が向いているのか、どのような職種を目指したいのか、自分の目標を定めると良いでしょう。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事は大別すると、インフラ企画・設計、インフラ構築、運用・保守に分かれます。それぞれについて、詳しく見てみましょう。
■ インフラの企画と設計 ITインフラの構築に向けて要件定義を行い、企画や計画立案、インフラのアーキテクチャ設計、ネットワーク設計やセキュリティ対策を行います。さらにハードウェアやソフトウェアの選定を行います。ハードウェアとしてはサーバ、ネットワーク、ストレージなどが含まれます。
■ インフラの構築 設計に基づき、物理的または仮想的なITインフラを実際に構築します。機器の設定やソフトウェアのインストールを行います。インフラ構築では具体的にハードウェアの設置・設定、ネットワークの構築、OSのインストール・設定、ミドルウェアの導入・設定、システム全体のテストまで行います。
■ 運用と保守 構築したインフラの安定稼働を監視し、障害が発生した際には迅速に対応します。また、定期的なメンテナンスやアップデートも行います。具体的には、システムの監視、トラブルシューティング、定期的なメンテナンス、セキュリティ対策、障害発生時の復旧作業などです。
インフラエンジニアの種類
インフラエンジニアは大別すると、「ネットワークエンジニア」、「サーバーエンジニア」、「保守・運用エンジニア」の3つの種類があります。それぞれの仕事内容や担当範囲は異なります。以下、それぞれの種類について、簡単に説明します。
■ ネットワークエンジニア ネットワークエンジニアは、企業や組織のネットワークインフラを設計、構築、運用、保守する専門職です。具体的には、ネットワークの構成やトポロジーの計画、最適なネットワーク機器や技術の選定、ルーター、スイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器の設定とインストールなどを行います。
■ サーバーエンジニア サーバーエンジニアは、サーバの設計、構築、運用、保守を担当する職種です。主な業務内容は、サーバのハードウェアやソフトウェア構成の設計、サーバのセットアップ、オペレーティングシステムや関連ソフトウェアのインストール、サーバのパフォーマンス監視、バックアップ、障害対応、セキュリティ対策などです。
■ 保守・運用エンジニア 保守・運用エンジニアは、ITインフラの運用および保守を専門とするエンジニアです。運用業務としては、 ITシステムの安定稼働の確保、日常的な監視やメンテナンスを行います。
また、保守業務としては、障害対応やシステムの修正、更新、最適化を実施し、システムの長期的な安定運用をサポートを行います。保守と運用の両方を担当するエンジニアもいます。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアは大別して3つの職種に分かれますので、ここではネットワークエンジニアの年収を見てみましょう。
「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は380万円(※2024年6月執筆時点)ですが、経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」の中から、近しい職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))では平均年収758万円と分かりました。
国税庁の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円であり、各種統計でインフラエンジニアの年収にはバラつきがあることが分かります。
インフラエンジニアとして高い年収を得るには、明確なキャリアパスを設定し、高いスキルを身につけ、専門分野の経験を積むことが重要です。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
インフラエンジニアのデメリット
インフラエンジニアの仕事をさらに理解する意味で、インフラエンジニア職のデメリットについて見てみましょう。
責任が重いと感じる
インフラは全てのシステムのベースになり、安定稼働が当たり前と考えられています。インフラの障害は影響が甚大なため、障害発生時には迅速な復旧が求められるなど、インフラエンジニアの責任は重大です。
休日出勤や夜勤がある
インフラは1年365日稼働しており、システムのメンテナンスや障害対応で、インフラエンジニアは休日出勤や夜勤があり、これが辛いと感じる人もいます。
一方で、「平日に休めて趣味に専念しやすい」、「時間外手当や休日手当がある」、「障害が起きなければ楽すぎ」といった肯定的な声もあります。
常に最新技術を学ぶ必要がある
IT技術は日々進歩しており、特にインフラ分野では次々と新製品や新しい技術が登場します。そのため、常に最新技術を学ばなければ変化についていけません。これを負担と感じる人にはデメリットとなります。
一方、新しいものが好きだという人は、最新技術に触れられる仕事を面白いと感じることでしょう。
インフラエンジニアのメリット
ここまでインフラエンジニアに関するネガティブな見方を確認しましたが、次にインフラエンジニアのメリットについて見ていきましょう。
キャリアアップしやすい
インフラエンジニアは経験やスキルを積むことで、開発エンジニアやマネージャーなど、様々なキャリアパスを選択することができます。また、常に最新の技術に触れられ、楽しいという声もあります。
またインフラエンジニアは「コミュニケーションスキル」や「マネジメントスキル」などのヒューマンスキルが求められ、インフラに関する幅広い知識に加えて、要件定義や設計などの開発スキルを必要とすることから、豊富なキャリアパスを想定できる職種といえます。
需要が高い
インフラは全てのシステムに欠かせない基盤であることから、インフラエンジニアはあらゆる場所で必要とされます。その結果、インフラエンジニアに対する求人倍率は高く、転職がしやすいというメリットがあります。
オンプレミスからクラウドへの移行が加速度的に強まっており、インフラ技術に長けた人材の必要性が高まっているのも強みです。
AIに置き換えにくい職種
AIの急速な発展に伴って、消滅すると考えられる職種が増えていますが、インフラエンジニアの仕事をAIに置き換えるには、まだまだ時間が必要です。インフラ監視などの仕事はAIに置き換わる可能性はありますが、サーバやネットワーク構築はAIにはまだできません。
インフラエンジニアの仕事内容が変わる可能性はありますが、インフラエンジニアの職種全体がAIに置き換えられることはなく、将来性のある安定職種といえます。
幅広い知識とスキルを身につけられる
インフラエンジニアは、ネットワーク、サーバ、ストレージなど、幅広い知識とスキルを必要とします。これらの知識とスキルは、将来的に他の職種に活かすこともできます。
インフラエンジニアのやりがい5選
インフラエンジニアの仕事は、社会インフラを支える重要な役割を担っており、やりがいのある仕事として人気があります。
具体的には、以下のようなやりがいを挙げられます。「やりがい」は大きな志望動機となりますので、自分がどのような「やりがい」を求めているのか、ぜひ確認してみましょう。
システムの根幹に関われる
インフラエンジニアは、サーバやネットワーク、ストレージなどの基盤となるシステムを構築・運用・保守します。これらのシステムは企業活動や社会生活において不可欠なものであり、インフラエンジニアはそれらの根幹に関わることで、大きな責任とやりがいを感じることができます。
規模の大きなプロジェクトに関われる
近年では、クラウドサービスの普及やビッグデータの活用などにより、大規模なシステム構築の案件が増えています。インフラエンジニアは、そうした大規模なプロジェクトに関わることで高度な技術を磨き、幅広い経験を積むことができます。
クライアントと信頼関係を構築しやすい
インフラエンジニアは、システムの構築・運用・保守を長期にわたって担当することが多いため、クライアントと密接な関係を築くことができます。そうした中で、クライアントのニーズを深く理解し、信頼関係を構築することは、インフラエンジニアにとって大きなやりがいとなります。
キャリアプランを立てやすい
IT化が進む現代社会において、インフラエンジニアの需要は今後も安定しています。そのため、将来のキャリアプランを立てやすく、安心して仕事に取り組むことができます。
高収入を期待できる
インフラエンジニアは、その専門性と責任の高さから、比較的高い給与を得ることができます。経験やスキルを積むことで、さらに収入アップを目指すことも可能です。
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未経験からインフラエンジニアになるには
IT分野の経験がない方、経験が浅い方がインフラエンジニアを目指すのは決して簡単なことではありません。それなりの準備と心構えが必要です。ここでは、インフラエンジニアを目指す上で取得しておきたい資格と、企業選びのポイントについて紹介します。
インフラエンジニアになるために取得しておきたい資格
未経験の方がインフラエンジニアを目指すには、少なくとも関連する基礎知識は欠かせません。アピールできるような資格を有していると、転職活動を有利に運べます。ここでは、スキル証明となる、ぜひ取得しておきたい資格を紹介します。
■ 基本情報技術者試験(FE) 基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の1つで、IT業界を目指す方にとって必須とされる国家試験です。試験に合格することで、ITに関する幅広い知識と基礎技能を証明することができます。
試験範囲は、情報システムの基礎知識、ネットワーク、データベース、セキュリティ、ソフトウェア、ハードウェアなど、多岐にわたります。基本情報技術者試験はエンジニアを目指す人には必須資格と考えましょう。
【参考】:基本情報処理技術者試験(FE)
■ シスコ技術者認定資格(CCNA) シスコ技術者認定資格(CCNA)は、米国のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が提供する、ネットワークエンジニアのスキルを認定する資格です。ネットワークの基礎知識、IPサービス、セキュリティ、自動化などの幅広い知識とスキルが問われます。
CCNAは、ネットワークエンジニアを目指す方にとって登竜門的な資格であり、取得することで、キャリアアップや転職に有利になります。また、IT企業への就職にも役立ちます。
【参考】:CCNA - Training & Certifications | Cisco
■ LinuCレベル1 LinuCレベル1は、Linux技術者認定試験の1つで、仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者を認定します。試験合格者は、Linuxに関する幅広い知識と基礎技能を証明することができます。
試験内容は、ファイル操作やネットワーク設定、コマンド操作、シェルスクリプティング、システム管理など、多岐にわたります。LinuCレベル1は、サーバーエンジニアを目指す方にとって登竜門的な資格であり、就職や転職に有利になります。
【参考】:LinuCレベル1 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
■ AWS認定資格 AWS認定は世界最大のクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)主催の民間認定資格です。役割毎・レベル別の認定資格であり、基礎レベル、アソシエイトレベル、プロレベルの3種類と、専門知識認定のスペシャリティがあります。
資格取得によって、インフラエンジニア、とりわけクラウドエンジニアを目指す方にとって、キャリアアップに役立つ資格として注目されています。まずは基礎レベルから取得することをおすすめします。
【参考】:AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS
自分を高められる企業に転職する
スキルアップを図り、希望の職種に就くには、職種選びとともに企業とのマッチングが非常に重要です。相性の良い企業、自分を伸ばしてくれる企業、やりがいを持って働ける企業に転職することが活躍するための1つの鍵です。
特に未経験者を積極採用し、教育に力を入れている企業を選ぶと良いでしょう。そのためには、業界や個々の企業を熟知した、有力な転職エージェントを利用することをおすすめします。
未経験からインフラエンジニアを目指すには
ここまで、インフラエンジニアへの転職を目指す方に向けて、インフラエンジニアの仕事内容や種類、年収、デメリットとメリット、取得しておきたい資格などを解説しました。
未経験者歓迎の募集広告は豊富にありますが、やりがいのあるインフラエンジニアを目指すには、乗り越えるべき壁も少なくありません。特に未経験の方は、自分が成長してスキルや能力を伸ばし、活躍できる企業選びが重要です。
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