ネットワークエンジニアの仕事内容とは?
今やネットワークを利用せずに生活をするのが難しいほど、ネットワークは私たちの生活に浸透しています。そのような時代を迎えて、ネットワークエンジニアへの転職を目指している方は少なくありません。
一方、ネットワークエンジニアの仕事に憧れるものの、その仕事内容がよく分からないという方もいます。この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容を紹介し、さらにネットワークエンジニアへの転職を目指す方法についてお伝えをしていきます。
ネットワークエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアの6つの仕事内容
ネットワークエンジニアは、ネットワークインフラの構築や運用に関わる6つのフェーズを担当します。構築フェーズは、ネットワーク構築の上流工程として要件定義、設計、構築の3つのフェーズに分かれます。
次に下流工程となる運用フェーズは、運用・保守・監視の3つのフェーズに分けられます。以上、6つのフェーズがネットワークエンジニアの仕事の範囲です。これから、それぞれのフェーズについて詳しく見ていきましょう。
上流工程3つのフェーズ
まず、ネットワークエンジニアにはネットワークインフラ構築という上流工程での役割があります。この上流工程には、要件定義・設計・構築の3つのフェーズがありますので、それぞれチェックしていきましょう。上流工程は運用業務の下流工程を経験し、一定以上のスキルをもった上級エンジニアが主に担当します。
■ 要件定義 ネットワークの構築においては、最初にクライアントやユーザがどのようなネットワークを必要としているのか、ヒアリングを行い、構築するネットワークの要件を定義します。
要件を洗い出し、要件に基づく機能を明らかにし、ネットワークの方式や導入機器、ネットワーク構成図を作成し、また工数や費用の見積もりを行って要件定義書を完成させ、クライアントの確認、承認を得ます。
■ 設計 設計には「基本設計」と「詳細設計」があります。基本設計では、IPアドレスやルーティング設計・障害対応・拡張設計などがあり、ネットワークを安定して利用するための構成や動きを決め、基本設計書として完成させます。
詳細設計では、基本設計書に基づき、より詳細に落とし込んでいきます。機器ごとのコンフィグ(設定)・物理ネットワーク構成・論理ネットワーク構成・ラック搭載図・機器ポート表などを作成し、詳細設計書として完成させます。
■ 構築 実際にネットワーク機器を配置し、詳細設計書に基づいてコンフィグ(設定)を行い、ネットワークに接続していきます。ネットワーク試験では、障害が発生していない状態での通常試験と、障害発生時の通信確認を行います。
さらに、サーバやストレージ類を接続し、意図的にネットワーク遮断時の対応についても模擬テストを行い、安全性の確認を行います。
下流工程3つのフェーズ
上流工程ではネットワークの構築を行いますが、構築されたネットワークは検収を経てユーザに引き渡され、下流工程である運用フェーズに移行します。下流工程では、運用業務、保守業務、監視業務の3つのフェーズがあります。それぞれの業務内容を見ていきましょう。
■ 運用業務 運用業務の目的はネットワークの安定稼働です。運用業務ではユーザーの環境変化に合わせた新規サーバの導入などでネットワーク構成の変更など、フレキシブルな対応が求められます。
また、大規模なネットワーク環境の変更を伴う場合は、設計・構築を担当するネットワークエンジニアが一緒に入り、要件定義や設計、構築などを行う場合もあります。
■ 保守業務 保守業務では、障害発生時の復旧対応と、保守期間が過ぎた機器の交換作業、ネットワーク機器のOSバージョンアップなどの業務があります。特に障害発生は業務や事業への影響が大きいため、迅速な対応が求められ、夜間に出動して対応に当たることもあります。
これらの対応はメンタル的にも負担が大きいため、「きつい」とか「やめとけ」といったエンジニアのネガティブな反応につながり勝ちです。
しかし、それは保守業務が重要な仕事であることの裏返しです。またそうした障害の経験をすることで、より堅牢で安全なネットワーク構築に生かされ、ネットワークエンジニアのスキルアップにつながっていきます。
■ 監視業務 ネットワークは基本的に1年365日稼働し続けており、障害発生に備えて24時間監視を行うケースも少なくありません。多くの場合は、データセンター側の監視要員が24時間監視を行いますが、その監視要員としてネットワークエンジニアが任に当たることがあります。
また以前には、手動や目視で監視をしているケースもありましたが、現在ではシステムを利用した自動監視が行われ、閾値を超えた場合に自動的に監視要員やエンジニアにアラート通知や障害通知が届く仕組みが一般化しています。
ネットワークエンジニアの年収
「マイナビエージェント 職種図鑑」によると、ネットワークエンジニアの平均年収は380万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」より類似職種の「IT保守(顧客向け情報システムの保守・サポート)」では平均年収592万円でした。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、ネットワークエンジニアは一般平均年収よりも、やや低い年収であることが分かります。
とはいえ、クラウド全盛の今日、ネットワークに対する期待や需要はさらに高まっており、ネットワークエンジニアは将来性の高い職種です。ネットワークエンジニアのキャリアパスとしては、上位職のネットワークスペシャリスト・プロジェクトマネージャー・セキュリティスペシャリストなどがあります。
期待が大きいネットワークエンジニアはキャリアアップを図り、より良い条件の企業に転職することでさらなる年収UPが期待できる職種です。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントにご登録いただいた方
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ネットワークエンジニアを目指す2つの方法
ネットワークエンジニアを含むITエンジニアは売り手市場の状況にありますが、ネットワークエンジニアになるには自ら道を切り開く努力も必要です。ここでは、ネットワークエンジニアになるための効果的な方法として「企業選択」と「資格取得」について解説します。
研修制度が整った企業を選ぶ
求人案内で「未経験者歓迎」を掲げている企業の中には、人材育成に積極的で研修制度が充実している企業があります。IT業界の経験がなく、知識やスキルに不安がある方は、こうした人材育成に熱心な企業に転職し、研修制度を利用してスキルアップを図ることをおすすめします。
とはいえ、人材育成に熱心で研修制度が整った会社を1から探すのは、簡単なことではありません。こうした転職希望者の要望を聞き、希望条件に合致する企業を紹介をしてくれる転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントは転職の専門家が親身に相談に応じてくれるため、安心して転職準備を行えます。
【参考】:マイナビIT エージェント
ネットワークスキル証明となる資格を取得する
ネットワークエンジニアを目指す上で、沢山の応募者から選考される際に、ネットワーク関連資格取得の有無は有利な材料になります。ここでは、ネットワークエンジニアにおすすめの資格を2つ紹介しますので、いずれか1つの取得を目指してみましょう。
「シスコ技術者認定資格:CCNA」 ネットワーク業界最大手のシスコシステムズ社認定のCCNA「Cisco Certified Network Associate」は知名度があり、評価の高いネットワーク関連資格です。CCNAは初級レベルの資格ですが、世界的に通用する資格であり、その取得はネットワークスキルの証明となります。
【参考】:CCNA - Training & Certifications - Cisco
「Linux技術者認定LinuC レベル1」 Linux技術者認定LinuCは日本のLPI-JAPANが主催する主にインフラエンジニア向けの民間資格です。Linuxサーバー利用に関するスキルを問う資格で、ネットワークとはやや対象分野に違いがありますが、ネットワークエンジニアにはサーバー系スキルも求められますので、CCNAと併せてLinuCの取得をおすすめします。
【参考】:LinuCレベル1 Version 10.0 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
ネットワークエンジニアに必要なヒューマンスキル
ネットワークエンジニアを目指すには、ヒューマンスキルによる、向き・不向きもあります。ヒューマンスキルの不足によって仕事に苦痛を感じてしまい、仕事が長続きしない原因になりかねません。ネットワークエンジニアに向いている人はどのような人なのか、必要なスキルについて確認しておきましょう。
コミュニケーションスキル
ネットワークエンジニアにはさまざまな工程があり、またチーム単位で仕事をすることが多い職種です。ネットワークの要件定義、設計から構築、運用、保守、監視までをすべて1人で担当することはなく、チームで分担して対応するため、互いにコミュニケーションを取ることが重要です。
そのため、複数人で仕事をするのが好きな人、コミュニケーションが得意な人がネットワークエンジニアに向いています。コミュニケーションスキルは、会話ができるということではなく、意図や考えを正確に伝えて、相手に理解してもらう能力です。
ヒアリングスキル
ネットワークの要件定義ではクライアントからヒアリングを行って要件を固めていきます。またネットワークの運用や監視では、問題が起きた際に原因の特定化を行うために、関係者からのヒアリングや打ち合わせが欠かせません。
このため、ネットワークエンジニアは正しく状況を把握し、判断を行うためにヒアリングスキルが重要です。
提案力と文章作成スキル
ネットワークエンジニアは要件定義を通じて、クライアントに最適なネットワーク環境構築に関する提案を行います。提案内容が的外れ、訴求力が乏しいといった提案では採用されません。
また、通信トラブルの報告、改善策の提案など、クライアントや関係策に対して文章やエビデンスをしっかり作成することが求められます。こうしたことから、ネットワークエンジニアには提案力と併せて文章作成力が重要なスキル要件となります。
ネットワークエンジニアを目指すなら
ネットワークエンジニアの仕事はITの進展とともに、さらに重要視されており、将来性の高い有望な職種と言われています。
ネットワークエンジニアの求人は豊富にありますが、逆に自分の希望条件や適性に合った企業、或いは研修制度の整った企業などを独力で見つけ出すのは容易なことではありません。ネットワークの資格を取得するのも重要ですが、面接対策もしっかり行っておくことも大切です。
たとえば、面接で必ず聞かれる志望動機の答え方について、不安な点があれば、あらかじめ専門家の指導を受けたいと思うことでしょう。
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