インフラエンジニアに向いている人とは?
ITエンジニアの中でもインフラエンジニアは少し異質なイメージがあるようで、ネットやSNSでは「やめとけ」「ついていけない」といったネガティブな意見を見かけます。
そもそもIT分野においてインフラは非常に重要であり、インフラエンジニアの存在は欠かせません。実際にインフラエンジニアの仕事にやりがいを感じている人、魅力を感じてインフラエンジニアに憧れる人もいます。
それにも関わらず「向いていない」と感じてしまう理由として考えられるのは、実はインフラエンジニアとしての適性が低く、他の職種に向いているだけなのかもしれません。目指す仕事に対する向き不向きを知ることで、自分にとっての天職を見つけるきっかけにもなるでしょう。
ここでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴について解説します。未経験からインフラエンジニアを目指す人は、ぜひ参考にしてください。
インフラエンジニアには適性が重要
インフラエンジニアに向いている人には、一定の特徴があります。 自分の適性が分からないという方は以下の「インフラエンジニアが向いている人の特徴」を利用して適性検査をしてみましょう。これからインフラエンジニアに向いている人、向いていない人について解説します。
【参考】:わかりやすいIT・エンジニアの職種図鑑(マイナビIT AGENT)
インフラエンジニアに向いている人の特徴6つ
インフラエンジニアとして活躍している人の特徴から、インフラエンジニアに向いている人の特徴を挙げてみましょう。
■ 機械いじりが好きな人 インフラエンジニアの仕事ではサーバ機器、ネットワーク機器などのハードウェアに触れることが少なくありません。機械音痴や機械が苦手という人には務まらない仕事です。普段から家電や機械をいじるのが好きという人に向いています。
■ コミュニケーションスキルが高い人 ネットワークやインフラ設計、構築を担当する際、ユーザやクライアントからヒアリングをして、要件定義を行います。障害対応の際には多くの関係先と調整を行う必要があるため、コミュニケーションスキルとマネジメントスキルが求められます。
■ 論理的に考えることが得意な人 インフラエンジニアの役割として、システムの障害や故障の対応があります。障害や故障の原因を特定化し、有効な対策を講じる必要があり、その際に論理的思考(ロジカルシンキング)が求められます。
■ 知的好奇心が強い人 インフラの分野は日進月歩で進化しており、今学んだ知識が明日になると陳腐化することがあります。知的好奇心や探求心が旺盛な人は、その変化や進化に対して強い興味を覚え、自ら学ぼうとします。知的好奇心が強い人が向いているでしょう。
■ 改善や工夫が好きな人 仕事内容は単にシステムの監視や保守するだけではありません。担当しているシステムや仕組みの問題点を発見し、担当エンジニアやクライアント、ベンダーなどに改善提案を行います。ただ与えられた仕事を黙々とこなすだけではなく、改善提案を行うのも大切な役割です。
■ 沈着冷静な人 システムが正常に稼働しているかを監視し、障害が起きればその対処を行うため、障害に直面して慌てたり、パニックに陥ったりするようでは務まりません。常に沈着冷静で、物事に動じない性格であることが求められます。
インフラエンジニアに向いていない人の特徴3つ
これからインフラエンジニアに向かない人について挙げていきます。該当する項目があれば、改善を目指しましょう。
■ 不規則なシフト勤務が苦手な人 インフラエンジニアは24時間365日の対応が必要な場合が多く、交代制によるシフト勤務が一般的で、夜勤や休日出勤を求められることがあります。また突発的な障害対応などで緊急出動することもあり、定時出勤以外の仕事に抵抗がある場合は向かないと言えます。
■ 地道な仕事が苦手な人 インフラエンジニアの仕事に派手さはありません。ルーティンワークが中心で、できて当たり前の仕事です。コツコツと地道に仕事を行うケースが多くあり、目立ちたい人、脚光を浴びたい人にはあまり向いていません。
■ 変化が苦手な人 インフラエンジニアは所属企業によっては比較的短期のサイクルで客先派遣されるケースがあり、また扱うシステムや機器も頻繁に変わることがあります。そのため、安定志向が強く、早い変化が苦手な人や勉強嫌いの人はインフラエンジニアには向いていません。
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インフラエンジニアはITの基盤に関わる重要な仕事
インフラエンジニアという響きに憧れるものの、インフラエンジニアが具体的にどのような仕事をしているのかが分からないという方もいるでしょう。インフラエンジニアの仕事には大きく分けて、インフラ・ネットワーク・サーバの3つの分野があります。
自分自身がどの分野に興味があり、向いているのかを確認しておきましょう。
インフラエンジニアの仕事内容
「インフラ」という言葉は、インフラストラクチャー(Infrastructure)の略称であり、その意味は「基盤」です。
インフラエンジニアはITにおける「基盤」、具体的にはサーバ構成やネットワーク構成などの設計や構築、或いはそれらの運用、保守に関わる重要な役割を担っているエンジニアのことです。
インフラエンジニアの仕事の種類
インフラエンジニアの仕事は3つの分野に分かれ、それぞれの仕事内容や範囲は異なります。
以下、仕事の種類ごとに簡単に説明します。
▪ネットワークエンジニア 主に、ユーザ(顧客)環境におけるサーバやストレージ間のネットワークの設計・構築・運用などを行います。
▪サーバーエンジニア サーバ類(アプリケーションサーバ・Webサーバ・メールサーバなど)サーバの選定・設計・導入・運用などを行います。
▪保守・運用エンジニア 稼働しているシステムの保守・オペレーション(操作)・システム監視・障害対応などを行います。
インフラエンジニアに必要なスキルと知識
インフラエンジニアの仕事では顧客(ユーザ)やITベンダー、メーカーなどとの関係が深く、要件定義や障害対応では関係先と直接調整することがあり、コミュニケーションスキルに加えてマネジメントスキルが必要です。
インフラエンジニアは裏方的な仕事にみられがちですが、対外折衝や調整の機会は少なくありません。
また、一部にはインフラエンジニアのプログラミング不要論がありましたが、運用の標準化、自動化が進んで時間的な余裕が生まれたことから、インフラエンジニアがプログラミングやシステム開発について学ぶケースが増え、中には万能エンジニアと言われるフルスタックエンジニアを目指す人もいます。
インフラエンジニアの年収
前述の通り、インフラエンジニアはサーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、システム運用・保守エンジニアの3種類に分けられます。ここでは、インフラエンジニアの年収例として、この3分野の平均年収をそれぞれ紹介します。
データは「マイナビ ITエージェント」の調査結果から参考にしました。(※2024年5月執筆時点)
▪サーバーエンジニア:465万円 ▪ネットワークエンジニア:455万円 ▪システム運用・保守エンジニア:416万円
【参考】:IT・インターネット・通信 年収ランキング|マイナビエージェント
さらに、他の調査媒体を参考にすると、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))」では、平均年収758万円という結果が出ています。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、インフラエンジニアは職種やスキル次第で平均年収以上を目指せることがわかります。
スキルアップには資格取得やキャリアアップを目的とした転職がおすすめです。
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
インフラエンジニアになるデメリット
インフラエンジニアの仕事について理解できたところで、ここからは、インフラエンジニアを目指して後悔しないためにも、インフラエンジニアのデメリットを紹介します。
夜勤や休日出勤
インフラエンジニアにネガティブな意見がある理由の1つに、夜勤や休日出勤が挙げられます。しかし、これはITエンジニアの宿命のようなもので、システムエンジニアやプログラマー、セキュリティエンジニア、クラウドエンジニアでも担当業務で障害が発生すれば、時間を問わず緊急出動を要請されます。
また、最近は自動監視システムが定着したことで、システム監視の業務も自動化され、むしろ夜勤は自由時間が多く歓迎的に受け入れている人も増えています。
想定外の障害対応
どんなに精緻なシステムでも、人が設計して開発している以上、障害を100%排除するのは困難と言われています。例えば、1年近く安定稼働していたシステムが突然障害を起こし、システムダウンすることも珍しくはありません。この予期せぬ障害に真っ先に直面するのがインフラエンジニアです。
そのためきつい仕事と思われがちですが、社会的意義の大きなやりがいのある仕事とも言えます。
最新の技術を勉強する必要がある
クラウドサービスの充実やリモートワークの増加により、数年前よりもインフラエンジニアが求められる機会が増えています。それに伴い、日々新しいIT技術が取り入れられており、時代についていくためにも常に学習を続けなければなりません。
そのため、勉強嫌いの人にとってはインフラエンジニアは向いていない職種であると言えます。しかし、継続的な学習は知識やスキルアップに大きく役立ち、自身の市場価値をさらに高めるための強力な材料となるはずです。
インフラエンジニアになるメリット
ここでは、先ほどとは反対に、インフラエンジニアになることで得られるメリットを紹介します。
縁の下の力持ち
インフラエンジニアはシステムエンジニアと比べて、表舞台に登場する機会は少ない職種です。派手さはなく、人気もシステムエンジニアほど高くはありません。裏でシステムを支えるインフラエンジニアは言わば、「縁の下の力持ち」です。派手さを求める人にはこの地味さがデメリットと感じるかもしれません。
豊富なキャリアパス
インフラエンジニアには豊富なキャリアパスが想定されます。具体的には、「ITコンサルタント」「プロジェクトマネージャー」「ITアーキテクト(設計士)」などです。
【参考】:インフラエンジニアの3つのキャリアパスとやりがいを徹底解剖!(マイナビAGENT)
実力重視
インフラエンジニアの仕事は実力主義であり、学歴で差別されることはほとんどありません。
あくまでもインフラエンジニアとしてのキャリアと実力が重視されます。実力を客観的に示せる資格、例えば「LinuC」や「シスコ技術者認定資格」などの資格を取得しておくと、資格手当が支給されるケースもあります。
企業のITシステム中枢部であるインフラに関わるインフラエンジニアを、正社員として採用する大企業は少なくないため、大企業の正社員として採用される可能性もあります。
未経験でも目指しやすい
インフラエンジニアに限らず、ITエンジニアの人手不足は深刻です。特にインフラを支えるインフラエンジニアの存在は常に求められると考えられるため、未経験でも積極的に採用している企業は多くあります。
研修内容が充実した企業に就職することで、未経験者でも挑戦しやすいでしょう。未経験者が転職・就職活動を行う際には、ITエンジニアの基礎となる資格や、ネットワーク系の資格があれば有利に働きます。
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インフラエンジニアにおすすめの資格
インフラエンジニアになる際に資格取得は必須ではありませんが、実力主義のインフラエンジニアの世界では資格は有効です。ここでは、インフラエンジニアにおすすめの資格をまとめました。インフラエンジニアを目指す人はぜひ参考にしてください。
Linux技術者認定 LinuC level1
インフラエンジニアを目指す上でまず最初に取得しておきたい資格としては、サーバ系の資格となるLinux技術者認定資格の「LinuC」レベル1(LinuC-1)をおすすめします。ITの未経験者でも比較的取得しやすい資格で、企業からも一定の評価を得られます。
【参考】:LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
シスコ技術者認定 CCNA
ネットワーク系資格の中でも、国際的にも通用するシスコ技術者認定のCCNAは特におすすめしたい資格です。難易度はLinuC-1よりは少し上がりますが、日本でも認知度の高い国際資格です。
未経験からインフラエンジニアを目指すには
この記事では、インフラエンジニアに向いている人の特徴やメリット・デメリットなどについて解説しました。インフラエンジニアへの不安を払拭し、業界未経験からインフラエンジニアを目指すには、自分に合う最適な企業を選ぶことが重要です。
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