基本情報技術者試験とは?試験概要や合格率、ITパスポートとの違い
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基本情報技術者試験とは?試験概要や合格率、ITパスポートとの違い
アンドエンジニア編集部
2024.01.21
この記事でわかること
基本情報技術者試験とは、情報処理推進機構(IPA)によって定められた国家試験の区分の1つです
ITプロフェッショナル向けの資格の1つであり、学生や20代社会人に人気があります
試験に合格することでIT専門知識の理解度の高さが証明でき、活躍の場が広がります

基本情報技術者試験とは?

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基本情報技術者試験とは、情報処理推進機構(IPA)によって実施される情報処理技術者試験の区分の1つです。「Fundamental Information Technology Engineer Examination」、略称(FE)とも言います。

情報処理技術者試験制度で定義されているスキルレベル1から4の範囲で、基本情報技術者試験はスキルレベル2に相当します。

【参考】:情報処理推進機構 基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験とITパスポート試験との違い

情報処理技術者試験制度の区分は大きく一般利用者(ITを利活用する者)向けの資格と、ITプロフェッショナル(情報処理技術者)に大別されます。ITパスポート試験は一般利用者向けの資格となり、スキルレベル1に相当します。

一方基本情報技術者試験はITプロフェッショナル向けの資格となり、スキルレベル2に相当します。したがって、出題内容もITパスポート試験は一般利用者向けの初歩的な出題内容に留まるのに対し、基本情報技術者試験はITプロフェッショナル向けの出題内容となっています。

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基本情報技術者試験の資格名の変遷

従来は「第二種情報処理技術者試験」として実施していましたが、試験制度改正により2000年から「基本情報技術者試験」と改称し、出題範囲と形式が変更されています。

同様に2009年より初級システムアドミニストレータ試験の一部を吸収し、出題範囲と形式が変更となりましたが試験区分名はそのまま維持されています。

【参考】:旧制度の試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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基本情報技術者試験は意味ない?

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基本情報技術者試験は「取得しても意味ない」と言われてしまうことがありますが、その理由はどういったところにあるのでしょうか。ここでは、「意味ない」と言われる理由について、深掘りします。

また、試験に合格することでどういった職種で資格を活かせるのか、資格取得による年収への変化についても解説します。

年齢や経験を問わない試験

基本情報技術者試験が「意味ない」と言われる理由として考えられるのが、受験に関する条件が挙げられます。基本情報技術者試験は年齢や経験を問わず、誰でもチャレンジできる試験であるため、高校生や大学生でも受験可能です。そのため、「敷居が低い試験に合格しても意味ないのでは」などの意見があるようです。

しかし、学生であっても社会人であっても、試験勉強の過程で得た知識は、就職や業務に活かすことができます。意味がないどころか、メリットは多くあります。

資格を活かせる職種

基本情報技術者試験は基礎的なIT知識を証明する資格であるため、資格を活かせるエンジニア職としてはプログラマーやシステムエンジニア、インフラエンジニア、アプリケーションエンジニアなどが挙げられます。また、ITエンジニアではありませんが、WebデザイナーもIT基礎の知識が求められるためおすすめです。

現在のキャリアよりもさらに上位職を目指すなら、基本情報技術者試験にチャレンジして損はありません。

資格取得者の年収

基本情報技術者試験を取得することで、キャリアアップや年収アップにつながりやすくなります。ここでは、資格取得者の年収例として、システムエンジニアを参考に紹介します。

システムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では431万円(※2023年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは平均年収と同等、もしくはやや高いことが分かりました。

システムエンジニアは、勤める企業によって年収に大きな幅が出やすい職種です。今後さらに年収アップを目指すなら、基本情報技術者試験の上位試験である応用技術者試験にチャレンジしたり、マネジメント業務に進んでみたりするのもおすすめです。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

基本情報技術者試験合格のメリット

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IPAでは、基本情報技術者試験の対象者を「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」と定めています。

そのため、ITプロフェッショナルとして実践するための基礎能力が基準をクリアしている証明となります。本試験は経済産業省が定めた国家試験となりますので、その後の実践の場が広がるでしょう。

IT業界を目指す学生のメリット

IPAの統計によると学生の受験者は約30%です。基本情報技術者試験は各種IT系学校でも取得が推進されており、教育カリキュラムの理解度・達成度が証明できます。同時に就職活動時においても社会人になってから必要とされるITスキルについてプロフェッショナルレベルとして能力が高いことをアピールできるでしょう。

【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料

IT業界に従事する社会人のメリット

IT業界に従事される社会人にとってのメリットは、ITプロフェッショナルとしての基礎能力の高さが証明されますので、より上位の職務へチャレンジできる機会が得られやすいことです。また、転職活動をする際にも採用会社の目に留まりやすくなります。

もちろん非IT企業に勤務している方でも資格取得によりIT企業で働く能力が証明できますので、基本情報技術者試験合格の価値は高いでしょう。

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基本情報技術者試験の難易度

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IPAによると、令和5年8月における基本情報技術者試験の合格率は48.4%です。ちなみにIT利用者向けのITパスポート試験は51.6%ですので、難易度は基本情報技術者試験が格段に高いと言えるでしょう。

同様に、上位のITプロフェッショナル向けの資格である応用情報技術者試験は合格率27.2%であり、難易度はさらに上がります。

【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料 【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験  推移表(平成21年度春期以降)

基本情報技術者試験の出題範囲

IPAによると、基本情報技術者試験を含む試験区分において「受験者の能力が期待する技術水準に達しているかを、科目A試験では知識を問うことによって、科目B試験では技能を問うことによって評価する」としています。

出題範囲については以下の通りです。

テクノロジ系(情報技術領域) - 基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術 ・マネジメント系(経営管理)  - プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント ・ストラテジ系(経営戦略)   - システム戦略、経営戦略、企業と法務

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱

試験実施方法と出題形式・出題数

基本情報技術者試験は、科目A(旧:午前試験)と科目B(旧:午後試験)に分けられ、それぞれ出題形式が異なります。

科目Aは出題範囲の知識を網羅する問題が出題され、科目Bではプログラミング全般やアルゴリズムに関すること、情報セキュリティの保護に関することなど、エンジニアとしてのIT技術を問われます。

試験時間や出題数については以下の通りです。

【科目A】 ・試験実施時間:90分 ・出題形式:多肢選択式(四肢択一) ・出題数:60問 ・解答数:60問

【科目B】 ・試験実施時間:100分 ・出題形式:多肢選択式 ・出題数:20問 ・解答数:20問

【参考】:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

試験は随時開催され、自身の都合に合わせて日程を選べます。令和2年実施分より試験実施方法がCBT(Computer Based Testing)に変更されています。CBT実施会場は株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズの会場実施となりますので、詳しくは以下の参考情報をご覧ください。

【参考】:情報処理推進機構 基本情報技術者試験(CBT方式) 【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト

2023年から基本情報技術者試験が変わる?変更点を確認して対策を!

基本情報技術者試験の学習方法

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基本情報技術者試験はITプロフェッショナル向けの資格の最初のステップとなります。問題は多肢選択式ですので正しい回答に絞り込んでいくプロセスを学びましょう。そのためには正しい情報を学び(インプット)、実際に回答して(アウトプット)理解を深めていくのが良いでしょう。

独学でおすすめの学習方法

基本情報技術者試験の出題はスキルレベル2です。スキルレベル2とは基本的な知識に基づき指示に従い実行することが目的となります。そのためスキル領域は、急激に受験年度により更新されるものではありません。

したがって、直近5年程度の過去問を反復演習するのがおすすめです。問題と解答は情報処理推進機構(IPA)に掲載されています。

【参考】:過去問題 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

同様に、過去問を学習サイトや学習アプリにより復習するのもおすすめです。繰り返し学習することにより、苦手な設問が特定されてきますので学習効率が向上します。特に科目Aの設問は反復演習が効果的ですので実践してみましょう。

より上位の資格を目指すには?

基本情報技術者試験の上位として、「応用情報技術者試験」が用意されています。「Applied Information Technology Engineer Examination」、略称は(AP)です。

IPAによると、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」を対象者と位置づけています。情報技術を活用した戦略立案や、システムの設計・開発・運用を主導することを想定していますから、より広範に求められる人材となるでしょう。

【参考】:情報処理推進機構 応用情報技術者試験(AP)

応用情報技術者試験の合格率は?試験の概要と合格するメリット・デメリット

基本情報技術者試験に合格し、ITプロフェッショナルとしての選択肢を広げよう

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基本情報技術者試験はITプロフェッショナルとしての登竜門となります。ITの専門家としての活躍の場を広げる最初のステップと位置づけて、学生あるいは入社間もない社会人に人気です。

試験に合格して将来性の高いIT人材として活躍の場を広げるには、能力を正しく評価してくれる企業の存在が欠かせません。数多くある求人の中から優良企業を見つけるのは至難の業でしょう。

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