インフラエンジニアが資格を取得すると良い理由
インフラエンジニアとして働いたり活躍したりするために役立つ資格について、気になる方は少なくありません。ここでは、インフラエンジニアになるために資格は必要かどうか、インフラエンジニアとして資格を保有する意味について詳しく紹介します。
インフラエンジニアになるために資格は不要
インフラエンジニアとして働くために必要な資格はありません。資格は不要ですが、資格取得を目標としてインフラエンジニアに必要なスキルを身に付けることが大切です。ITエンジニアは資格だけでなく、現場経験やスキルも重視されるためです。
また、自己学習においては、現場で利用するOS環境を自身のPCにインストールするなどして、実際に学んだ知識をアウトプットすることが重要です。近年では「Oracle VM VirtualBox」などの仮想環境を利用して実践の勉強をすることもできます。
環境構築を自身の力で実施することで、参考書だけでは理解しづらい部分を把握することができます。また、実務に役立つスキルを習得することも可能です。
【参考】:Oracle VM VirtualBox
スキルの証明と知識の体系化ができる
資格を取得することで、保有しているスキルを証明することができます。例えば、就職や転職する際の書類選考や面接などで、資格があることで自身のスキルを客観的にアピールすることが可能です。
また、資格勉強の過程で知識を体系的に整理して理解することができます。技術さえあれば資格はいらないだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、資格取得にはメリットがあると言えます。
ITエンジニアの資格にはさまざまなものがあるため、自身のキャリアプランを明確にした上で必要なスキルにあった資格を取得することが大切といえます。
もし、キャリアプランを明確に持てていない場合や悩んでいる場合は、転職エージェントの活用をおすすめします。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
資格取得によって年収を上げられる可能性がある
資格を取得することで必ず年収が上がるわけではありません。しかし、資格取得に向けた勉強でスキルアップしたり、資格を保有することでスキル証明ができたりするため、キャリアアップやより良い条件での転職によって年収アップを目指せます。
例えば、インフラエンジニアの一種であるサーバーエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は462万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、インフラエンジニアは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
インフラエンジニアに役立つ資格10選
ここでは、インフラエンジニアにとって必要なスキルを身に付けたり、スキルを保有していること証明したりするために役立つ資格10選を詳しく紹介します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が主催する国家試験の1つです。難易度は高くなく、ITエンジニアとして働くにあたり、最初に求められる資格とも言えます。
基本情報技術者試験を取得することで、ITに関する基礎知識を習得していることを証明できます。
基本情報技術者試験の特徴は、ITに関して幅広く問題が出題される傾向にあります。そのため、基本情報技術者試験の資格を取得するための勉強をすることで、サーバー・ネットワーク・セキュリティ・プログラミングなどの基礎知識を網羅的に学習できます。
【参考】:基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験と同様に、IPAが主催する国家試験の1つです。応用技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格であるため、取得の順番としては基本情報技術者試験の後に目指す資格とも言えます。
応用技術者試験の資格を取得することで、ITに関する応用的な知識やスキルを有することを証明できます。ITエンジニアとして専門的に活躍していくことを考えている方に向いている資格です。
【参考】:応用情報技術者試験
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、ネットワークに関する高度な専門知識を有することを証明できる認定資格です。合格すると、ネットワーク技術を活用した最適なシステム基盤の設計・開発・運用・メンテナンス等の業務が可能であると見なされます。
合格するには、要望に応じたネットワークシステムの要求仕様書を作成できるスキルや、ベンダーを活用してネットワークシステムの設計・運用・保守ができるスキルなどが求められます。
【参考】:ネットワークスペシャリスト
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストは、データ管理者としてデータを管理するスキルや、データベースシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守に関するスキルを有することを証明できる認定資格です。
インフラエンジニアとしてデータ管理スキルは重要です。データベース管理システムに関する知識を有し、セキュリティを考慮したデータベースの設計や開発、運用などができることが求められます。
【参考】:データベーススペシャリスト
LinuC
LinuCは、LPI-Japanが主催する民間資格です。インフラエンジニアの職種の中でも、サーバーエンジニアにとってLinuxの操作スキルが重視されることがあります。LinuCの資格を取得することで、インフラエンジニアにとって重要なLinuxの技術力を証明できます。
また、資格取得のための学習によってLinuxの操作スキルを習得することも可能です。実際の現場での業務にも役立てることができます。なお、合格率は非公開とされています。
【参考】:LinuC
CCNA
CCNAは「Cisco Certified Network Associate」の略称で、シスコシステムズ社が主催している世界的に通用する資格試験の1つです。シスコシステムズ社は、ネットワーク機器に関する製品を販売している世界でも有数のネットワーク機器メーカーです。
そのため、CCNAの資格を取得することでネットワークの基礎知識やスキルが備わっていることを証明できます。特に、ネットワークエンジニアとして活躍していきたい方におすすめな資格です。なお、合格率は非公開とされています。
【参考】:CCNA
AWS認定資格
AWS認定資格とは、Amazon社が主催している資格試験の1つです。レベル別・役割別・専門知識別に試験が分類されているのが特徴です。これまでにも説明しましたが、クラウド技術が非常に注目を浴びています。
AWS認定資格を取得することで、AWSを使いこなせるスキルがあることを証明できます。クラウドサービスの中でも比較的有名であるAWSに関するスキルを証明できれば、市場価値の高い人材となることが期待できます。なお、合格率は非公開とされています。
【参考】:AWS認定
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERとは、Oracle Databaseの管理スキルを証明する資格です。資格取得のための学習によって、インフラエンジニアにとって必要なOracle Databaseに関するスキルを体系的に身に付けることができます。
レベルはブロンズ、シルバー、ゴールドの3段階に分けられており、Oracle Databaseの基礎から応用までの知識・スキルを証明できます。
【参考】:ORACLE MASTER
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティに関する専門的な知識やスキルを活用し、安全な情報システムの企画・設計・開発・運用ができることを証明する資格です。また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価スキルも証明できます。
ITインフラを構築する際、外部からの攻撃や情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策は重要です。そのため、インフラエンジニアにとってセキュリティに関する知識は必要不可欠です。
【参考】:情報処理安全確保支援士試験
CompTIA Cloud+
CompTIA Cloud+認定資格は、クラウドテクノロジーの基礎知識を有し、クラウドの設計、構築、管理、運用などのスキルを証明できる資格です。
近年ではコスト削減や業務効率の向上などのためにクラウドサービスを利用する企業もあり、インフラエンジニアとしてクラウドの知識・スキルは重要です。資格取得のための学習によって、オンプレミスからクラウドサービスへの移行に関するスキルも身に付きます。
【参考】:CompTIA Cloud+
インフラエンジニアに必要なスキル
ここでは、インフラエンジニアに必要なスキルについて詳しく紹介します。
ITインフラに関するスキル
インフラエンジニアとして働くにあたって、サーバやネットワークなどのITインフラに関する基礎知識やスキルが必要です。
また、ネットワークに関する知識も必須といえます。例えば、ルーター・スイッチ・ファイアウォール・ロードバランサなどの知識や配置・設定のスキルが求められます。
さらに、システム開発における作業工程の知識・経験・システムトラブルが生じたときの障害対応スキルなども要求されます。このように、インフラエンジニアとして働く際にはITに関する幅広い基礎知識を習得することが重要です。
クラウドに関するスキル
インフラエンジニアはクラウド技術に関するスキルも身に付けることが重要です。クラウドサービスの代表例は、AWS・Azure・GCPなどが挙げられます。クラウドサービスを利用したシステムでのITインフラに関する業務も、インフラエンジニアの業務に含まれます。
クラウドサービスの普及率は、総務省が令和2年に発表している企業におけるクラウドサービスの利用動向から確認できます。2015年では45%程度、2019年では65%程度の企業がクラウドサービスを利用していると回答しています。
このことから、クラウドサービスの普及は年々増加していると言えます。そのため、クラウドに関する知識や技術を身に付けることで、企業から重宝される人材となることが期待できます。
【参考】:第2部 基本データと政策動向-総務省
セキュリティに関するスキル
近年ではセキュリティに関する企業の課題は多いです。情報セキュリティ白書2021では、情報セキュリティに関する国内外の政策や脅威の動向、インシデントの発生状況、被害実態などについて解説しています。
近年では新型感染症の影響でテレワークを取り入れている企業もあることから、テレワーク時の情報セキュリティに関する課題もあります。インフラエンジニアは、このようなセキュリティ問題に対する対策も求められます。
そのため、インフラの設計・構築の段階からセキュリティに配慮し、堅牢なシステムを構築しなければなりません。
セキュリティ対策が充分でないことによって、顧客情報や自社情報が流出し、多額の資産を失う恐れもあります。セキュリティに関するスキルを有するインフラエンジニアは、企業がセキュリティ対策を行う上で重要な存在です。
【参考】:情報セキュリティ白書2021
プロジェクトマネジメントスキル
将来的にプロジェクトマネージャーを目指す方は、マネジメントスキルを身に付けることも必要です。プロジェクトマネージャーは業界・業種を超えて活躍することができます。
プロジェクトマネジメントスキルを習得するには、問題解決力やコミュニケーション力などのヒューマンスキルを、現場経験を通じて身に付けることが大切です。
このように、インフラエンジニアには様々なスキルが必要となるため、転職の際には、自分のスキルと企業が求めるスキルのマッチングが重要になります。そこで、転職エージェントの活用をおすすめします。
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資格取得のための勉強法
資格取得のためにはしっかりとした準備が必要です。座学と経験のどちらか一方だけで取得できる資格は限られるでしょう。
過去問や書籍による学習
資格試験対策として最も効果的なのは、過去問を解くことです。過去問から出題形式や出題内容の傾向を掴むことで、効率的に試験対策ができます。
また、書籍による学習も効果的です。書籍は内容が体系的にまとまっているため、学習効率を上げることができます。インフラエンジニア向けの書籍は多く出版されているため、自分にとって読みやすい書き方や、記載内容のレベルなどを考慮して選択しましょう。
実際に手を動かして学ぶ
実務経験がない方は、実際にサーバー構築などを試してみるのがおすすめです。「知っていること」と「出来ること」は異なるため、実際に手を動かして学ぶことは重要です。サーバの構築や運用に利用されるOSは、Linux・Unix・Windowsなどが挙げられます。
キャリアプランを明確にし、自分に合った資格を取得しよう!
これまでに、インフラエンジニアにおすすめの資格や、資格が必要な理由、必要なスキルなどについて解説しました。資格を取得することによって、スキルが身に付く、スキルを保有していることを証明できるなどのメリットがあります。
インフラエンジニアは幅広いIT知識やスキルが要求されます。そのため、基本知識を証明できる資格を取得することが重要です。また近年では、クラウド技術やセキュリティ技術が注目を浴びています。
クラウドやセキュリティに関するスキルを身に付けられる資格を取得すると、より市場価値の高いインフラエンジニアを目指せます。また、キャリアプランを明確にした上で自分に適した資格の取得を目指すことも大切です。
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