Windows 11でブルースクリーンが頻発して発生?原因と対策
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Windows 11でブルースクリーンが頻発して発生?原因と対策
アンドエンジニア編集部
2023.10.27
この記事でわかること
ブルースクリーンは、Windowsが正常に動作しない場合に表示される仕組みの1つです
ブルースクリーンが発生する原因は多岐に渡り、頻発する場合は問題への対処が必要です
問題を切り分けて必要な対処を行い、システム動作の安定化を図ります

Windows 11のブルースクリーン

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Windowsのエラー処理機能として、ブルースクリーンがあります。Windows 11においても、ブルースクリーンが表示される場合があります。ブルースクリーンが頻繁に発生する場合は、PCの故障のみならず保存したデータへの影響も起こり得ます。

ここでは、ブルースクリーンの発生原因と対策について解説していきます。

ブルースクリーンとは

ブルースクリーンとは、Windows OSに異常が生じた際に通知されるもので、システムが正常に動作しない場合に表示される仕組みを指します。英語の頭文字から、BSoD(Blue Screen of Death)と略す場合もあります。

通常OSにはエラー通知の仕組みがあり、エラー通知の内容からリカバリーを試みることができます。しかしながら、制御できないエラーの場合はシステムダメージを最小にするために、自ら復帰手順に従う処理に移行する場合があります。

Windowsではその状態遷移を通知するために、青色の画面を表示して利用者に通知する仕組みを持ちます。この画面やその状態を、ブルースクリーンと呼びます。

ブルースクリーンの発生原因

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ブルースクリーンは、WindowsがOSの正常動作を維持できない場合に発生します。正常動作は、想定した動作によりハードウェア並びにソフトウェアが正しく制御できる状態です。ハードウェア並びにソフトウェアが正しく制御できなくなると、ブルースクリーンが発生します。その発生原因は、多岐に渡ります。

ブルースクリーンの発生後は、再起動によりデバイスやメモリー情報などが初期化され正常な状態に戻ります。ブルースクリーンが頻発する場合は、何らかの問題があると考えられます。具体的な想定原因は以降で解説していきます。

ハードウェアの障害

ハードウェアに故障などの問題があると、システムの正常動作を維持することができません。特にメモリーは大容量化しており、故障率としては多くのウェイトを占めています。メモリーはパリティやECCなどで保護されていますが、ブルースクリーンが発生したら確認が必要なハードウェアモジュールです。

システムのディスクドライブはメモリーページを一時的に退避して活用していますので、HDDやSSDなどのシステムドライブに問題がある場合もブルースクリーンが発生します。周辺機器を多数接続している場合においても、故障時の動作によっては正常動作を維持できない場合はブルースクリーンが発生します。

ソフトウェアの障害

ソフトウェアの障害発生時も、正常動作を維持できなくなります。直接的にはWindows OSのカーネルモジュールからブルースクリーンが実行されますが、その動作はアプリケーションのシステムコールなどからカーネルに処理を要求した際に発生することもあります。

特にサードパーティ製ドライバーなどのモジュールの不整合やドライバーの互換性については、最新のWindows 11のバージョンでの検証が十分されていないために、ブルースクリーンが発生する場合もあります。

周辺機器を多数接続している場合においても、ドライバーバージョンの組み合わせにより同様の問題が生じることがあります。

ファームウェアの問題

ファームウェアはハードウェアとソフトウェアを仲介するシステムのプログラムコードです。BIOS(Basic Input Output System)やUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)と言われるものです。

BIOSなどのファームウェアが古いと、システムコンポーネントの動作を維持できない場合があります。PC本体やマザーボードのメーカーは定期的にファームウェアを更新し、不具合の修正やセキュリティ対策を行っています。

Windows更新プログラムの問題

Windows 11ではWindows Updateにより、システムモジュールを定期的に更新しています。このシステムモジュールは、 Windows更新プログラムと呼ばれる単位で提供されます。この更新が古い場合には、手立てが必要な不具合に対応できないためにブルースクリーンが発生する場合があります。

Windows 11は登場してから進化を続けていることから、まれに最新のWindows更新プログラムに問題が内包されていることもあります。その場合は、次の更新サイクルまで待つか古いバージョンに戻して安定させる場合もあります。

ウイルスなど人為的に発生させたもの

コンピューターウイルスやマルウェアなど悪意を持ったコードは、PCに侵入した時点で正常動作を妨げる場合があります。意図的にシステムをクラッシュさせたり、ディスクドライブを暗号化してアクセスできなくすることもあります。

マイクロソフト社の分析結果

マイクロソフト社は、ブルースクリーンの発生原因として以下の根本原因が問題となっていると報告しています。

・70%がサードパーティ製のドライバーによる ・10%がハードウェア障害による ・5%がマイクロソフト社のコードによる ・15%が原因不明(メモリー破損のため分析できない)

この比率からすると、追加したサードパーティ製ドライバーやハードウェアを最初に調べるのが効率的でしょう。

【参考】:Microsoft Windows: 停止エラーまたはブルー スクリーン エラーの高度なトラブルシューティング

ブルースクリーンの対策方法

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ブルースクリーンは再起動で初期化され、正常動作に戻ります。もしブルースクリーンが頻発する場合は、根本原因を突き止めて対処する必要があります。通常はハードウェアとソフトウェア、どちらに問題があるのか切り分けを行います。

【参考】:Microsoft Windows: 停止エラーまたはブルー スクリーン エラーの高度なトラブルシューティング

画面の表示コードをメモする

ブルースクリーンが発生すると、Windows 11では青色の画面にQRコードと「Stop Code」というエラーコードが表示されます。Stop Codeはやみくもに表示されるわけではなく、あらかじめWindowsのデベロッパー向けに確認方法として定義されており、その情報に基づいて表示されます。

最も正常動作を維持できなくなる場合としては、メモリーの情報が損傷する場合です。メモリーの情報が損傷するのは、メモリー自体の問題とともに、I/Oやディスクドライブ、カーネルモジュールの不正な書き込みなど多岐に渡ります。

以下が主なメモリー関連のStop Codeです。

・0x1A(MEMORY_MANAGEMENT)  メモリー管理上のエラー ・0x2E(DATA_BUS_ERROR)  メモリ不良などがパリティエラーで検知された場合 ・0x3F(NO_MORE_SYSTEM_PTES)  メモリーページロードが頻発し、メモリー管理が適切に行われていない ・0x50(PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA)  メモリーの破損など ・0x7A(KERNEL_DATA_INPAGE_ERROR)  ハードディスクの損傷などでメモリーにカーネルデータをロードできない。

Stop CodeはBug Check Codeとして定義されています。詳細は以下のリンクよりご確認ください。

【参考】:Microsoft Windows: ブルー スクリーン データ 【参考】:Microsoft Windows: バグ チェック コード リファレンス

イベントビューアーを確認する

イベントビューアーはシステムのログを表示できます。スタートメニューの「Windowsツール」に登録されています。エラーコードとして、Bug Check Codeが保存されています。再起動前の時間帯のWindowログを表示させて、「システム」の「重大」なレベルを確認するとわかります。

OSを最新にする

古いOSの状態では、不具合に対応できないために予期せずブルースクリーンが発生することがあります。OSを最新にするには、「設定」アプリのWindows Updateを用います。Windows UpdateでWindows更新プログラムがあれば、システムに適用します。

最新版であるWindows 11 22H2においては、既知の問題に該当しないか合わせて確認しておきます。

【参考】:Windows の更新 【参考】:Windows 11、バージョン 22H2 の既知の問題と通知

定期的に訪れる累積更新プログラムとは?Windows Updateの専門用語を解説

ファームウェアを最新にする

ファームウェアは、PCやマザーボードの供給元から提供されます。最新の状態を維持することで不具合を修正し、安定動作させることができます。詳細はお使いのPCの供給元の公式サイトをご確認ください。

不要な周辺機器を取り外す

周辺機器が多数接続される環境では、ソフトウェアやドライバーの互換性や組み合わせの問題が生じることがあります。むやみに使わないデバイスを接続するのではなく、必要最低限のデバイスのみで動作確認を行うのが良いでしょう。

トラブルシューティングツールを使用する

Windows 11に搭載されている、メモリー診断ツールやトラブルシューティングツールを使用し、エラー診断を行います。

「Windows メモリ診断」はスタートメニューの「Windowsツール」に登録されています。「ファイル名を指定して実行」から”mdsched.exe” を指定して実行することもできます。システムを再起動後にメモリーの診断を行います。

トラブルシューティングツールは、「設定」アプリの「システム」に登録されています。「トラブルシューティング」の「トラブルシューティングの推奨設定」から動作を指定します。

同様に「その他のトラブルシューティングツール」には、個別に診断箇所ごとのツールが格納されています。ある程度絞り込みができたら、「その他のトラブルシューティングツール」から実行します。

Windowsをセーフモードで起動する

ブルースクリーンで再起動を繰り返す場合などでは、Windows OSをセーフモードで起動します。動作が安定するようであれば通常起動時に使用するソフトウェアコンポーネントに問題がある可能性があります。

セーフモードで起動するには、「設定」アプリから行います。「システム」の「回復」をクリックし、「PCの起動をカスタマイズする」から「今すぐ再起動」をクリックします。再度「今すぐ再起動」をクリックすると、「オプションの選択」が表示されます。

ここで「トラブルシューティング」「詳細オプション」「スタートアップ設定」と順に進めて、「再起動」をクリックします。起動オプションは「4」でセーフモード、「5」でセーフモードとネットワークが有効となります。

再起動後、デスクトップ画面の隅に「セーフモード」と表示されれば、セーフモードで動作している状態です。この状態で問題発生の有無を確認し、切り分けを進めます。

Windows11でセーフモードを起動・解除する方法を図解で解説!

ウイルススキャンを実行する

ウイルスなどへの感染がないことを確認しておくことをおすすめします。タスクバーの「Windows セキュリティ」アイコンをクリックし、「ウイルスと脅威の防止」を表示します。ここで「スキャンのオプション」で「フルスキャン」を選択し、「今すぐスキャン」を実行します。

ブルースクリーンで再起動しない場合

ブルースクリーンではシステムログを書き込んでいる場合がありますので、むやみに電源を落とさず再起動を待ちましょう。10分以上待っても再起動しない場合は、電源ボタンを押して強制終了させます。

この操作は最後の手段として電源を停止させるものですので、焦ってすぐに押さずしばらく待つのが良いでしょう。

Windows 11のシャットダウン方法!動作の違いや操作方法を解説

Windows 11のブルースクリーンに備えましょう

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Windowsに限らずOSに問題がある場合は、対策が必要です。Windows 11は誰でも簡単に利用できるように改良が進められています。その半面、問題が生じると慌てる方もいるのではないでしょうか。ブルースクリーンが表示されてから焦って行動せずに、あらかじめ必要な問題切り分けの準備をすることをおすすめします。

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