Windows11のハードウェアアクセラレーションとは?メリットも解説
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Windows11のハードウェアアクセラレーションとは?メリットも解説
アンドエンジニア編集部
2024.04.08
この記事でわかること
Windows11のハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリングについて
Windows11のハードウェアアクセラレーションを利用するメリットとデメリット
Windows11のウィンドウゲームの最適化の設定およびメリットとデメリット

Windows11のハードウェアアクセラレーション

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Windows11に搭載されているハードウェアアクセラレーション機能は、パソコンなどのデバイスが受け持つ処理やタスクをより高速に、効率的に実行するための技術や機能を指します。それらは「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とも呼ばれます。

この機能を有効にすると、CPUが行っているメモリ管理を、グラフィックボード内のGPU(Graphics Processing Unit)が直接管理することが可能になり、GPU自体がCPUよりも速い処理が行えることから、パフォーマンスの向上が見込めます。

たとえばゲームのように、CPUの負荷が大きな処理ではカクつきが低減され、滑らかになる効果が期待できます。このように、ハードウェアアクセラレーションを活用すると、パフォーマンス向上を図れ、より高速で効率的なユーザ体験の実現に役立ちます。

ハードウェアアクセラレーションのメリットとデメリット

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ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリングはデフォルトで無効になっていますが、これを有効にするとどのようなメリットを得られるのでしょうか?また、デメリットについても気になります。

メリット

GPUスケジューリングを有効にすべきか否かは要件やシステム構成によって異なりますが、一般的にはその有効化によって以下のようなメリットが期待できます。

■ グラフィックスパフォーマンスの向上 ハードウェアアクセラレーションを有効にすると、グラフィックス関連のタスクが高速に処理され、より滑らかな映像表示と低遅延の実現につながります。特にゲームや高機能なデザインソフトなど、グラフィックスを多用するアプリにおいて効果的です。

■ システムの応答性向上 GPUスケジューリングの使用によって、システム全体の応答性が向上し、Windows11のパフォーマンス向上に役立ちます。

■ GPUの最適な利用 ハードウェアアクセラレーションによって、GPUがメモリを直接制御できるようになるため、グラフィックスカードの最大限の利用が実現し、全体的なシステムパフォーマンスの向上につながって、効率的なリソース利用が可能になります。

デメリット

GPUスケジューリングの有効化には多くのメリットが期待できる一方で、その適用に注意すべきことやデメリットもありますので、利用シーンを考えながら利用する必要があります。

■ 互換性の問題 Windows11パソコンでも、ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリングには、ハードウェアアクセラレーションをサポートするGPUと、 WDDM 2.7以降をサポートするグラフィックスドライバーが必要です。

また、一部のアプリケーションや古いハードウェアでは、ハードウェアアクセラレーションが正常に動作せず、動作が不安定になることもあります。

■ グラフィックス依存度の低い処理では効果が限定的 Web閲覧やメール処理など、もともとグラフィックスの依存度が低い処理では、GPUスケジャーリング有効化によるハードウェアアクセラレーションの効果は限定的となり、効果を実感できないケースが多くなります。

■ GPUとWindowsの互換性に依存 GPUスケジューリングは適切なGPUドライバーとWindows11が必要であり、同じパソコンでもWindows10には機能がありません。またGPUスケジューリングの利用には、WDDM(Windows Display Driver Model)3.0以降をサポートし、互換性があるGPUが必要です。

【参考】:Windows 11ディスプレイおよびグラフィックス ドライバーの新機能 | Windows drivers | Microsoft Learn

動きの大きなゲームや画像処理に特化したアプリを頻繁に利用するケースでは大変有効ですが、それ以外の基本的な処理に対してはハードウェアアクセラレーション機能を有効にすることで、デメリットが目立つケースも考えられます。

ハードウェアアクセラレーションを有効・無効にする方法

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利用シーンや利用環境から判断し、Windows11のハードウェアアクセラレーションを有効化・無効化を行いたい方は、以下の手順で試してみましょう。

有効にする方法

ここでは、Windows11のハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリングを有効化する方法、手順について紹介します。

まずはスタートボタンを右クリックし、表示されたメニューから「設定」ウィンドウを開きます。左側メニューで「システム」を選択し、続いて右側メニューから「ディスプレイ」を選択します。

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【図】:[設定]>「システム」>「ディスプレイ」

「ディスプレイ」を選択したら、画面を下にスクロールし、「グラフィック」を選択します。

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【図】:[設定]>「システム」>「ディスプレイ」>「グラフィック」

「グラフィック」をクリックし、「既定のグラフィックス設定を変更する」をクリックします。

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【図】:「ディスプレイ」>「グラフィック」>「既定の設定」

「既定のグラフィックス設定」の画面が開いたら、ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリングのスイッチをオンにし、パソコンを再起動します。

これでハードウェアアクセラレータが有効になりますが、2Kや4K環境などの高い解像度の下では逆効果になる場合もありますので、思った効果が得られない場合は無効にしてください。

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【図】:[既定のグラフィック設定」>オン 

無効にする方法

ここでは、Windows11のハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリングを無効化する方法、手順について紹介します。

①有効化と同じ手順で「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」のボタンをオフに切り替える ②エラーが発生した場合は、レジストリエディターを使用して無効化することもできる

【参考】:Hardware accelerated GPU scheduling missing from Windows 11 settings. - Microsoft Community

(※注)グラフィックスカードが非搭載、搭載されているグラフィックスカードが古い、あるいは対応するドライバがない場合には、GPUスケジューリング機能は使えないので注意しましょう。

【参考】:I dont have the option to turn on or off hardware acceleration. - Microsoft Community

ウィンドウゲームの最適化

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ここでは、Windows11でのウィンドウゲームの最適化について解説します。

ウィンドウゲームの最適化とは

Windows11の「ウィンドウゲームの最適化」は、特定の古いゲーム(主に古いDirectX10およびDirectX11を使用するもの)で、ウィンドウモードでプレイした際のパフォーマンスを改善する機能です。以下に詳細を説明します。

■ 従来の問題点 ウィンドウモードやボーダーレスウィンドウモードでゲームをプレイすると、フルスクリーンモードよりも若干パフォーマンスが低下します。ウィンドウモードでは他の操作も行えるため、一部のゲームではこのモードを選択することで、パフォーマンスの低下が見られました。

■ ウィンドウゲームの最適化 ウィンドウゲームの最適化は、ウィンドウモードでプレイする際のパフォーマンスを改善してくれます。ただし、フルスクリーンモードでは既に最適化が行われているため、これを適用しても効果はありません。

■ 設定方法 以下の流れで設定します。グラフィックカードの搭載、非搭載、ドライバーのバージョンなどによって多少画面が異なる場合もあります。

①スタートメニューを右クリックし、表示されたメニューから設定を選択する ②左メニューからシステムを選択し、右側でディスプレイを選択する ③ウィンドウを下にスクロールして、[グラフィック]を選択する ④ウィンドウゲームの最適化のスイッチをオンまたはオフに設定する

変更を有効にするためには、ゲームを再起動する必要があります。

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【図】:「ウィンドウゲームの最適化」>オンorオフ 

一部のゲームではパフォーマンスが低下することもあるため、ゲームごとに最適化を無効にする設定も可能です。

【参考】:Windows 11でのウィンドウ ゲームの最適化 - Microsoft サポート

メリットとデメリット

ウィンドウゲームの最適化にはメリットとデメリットがあります。それらを理解した上で利用しましょう。

■ メリット ウィンドウ ゲームの最適化によるメリットとしては以下の2つが挙げられます。

▪パフォーマンスの向上 ウィンドウモードでプレイする際、一部の古いゲームはフルスクリーンモードよりもパフォーマンスが低下します。ウィンドウゲームの最適化を有効にすることで、ウィンドウモードでのプレイでも快適なパフォーマンスを実現できます。

▪マルチタスク ウィンドウモードでは他の操作(ウェブブラウジング、チャット、ビデオ視聴など)を同時に行えます。ウィンドウゲームの最適化を使用することで、ゲームプレイ中に他のタスクを実行できます。

■ デメリット ウィンドウゲームの最適化によるデメリットは以下の2点です。

▪適用されないゲームがある 一部のゲームは既にフルスクリーンモードで最適化されているため、ウィンドウゲームの最適化は効果がありません。逆に一部のゲームではパフォーマンスが低下することもあります。

▪画面の切り替え ウィンドウモードとフルスクリーンモードの切り替えが必要な場合、ウィンドウゲームの最適化の設定をオンまたはオフに切り替える必要があります。

Windows11のハードウェアアクセラレーションを活用してみよう

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この記事では、Windows11のハードウェアアクセラレーションの概要や利用シーン、使い方、操作方法などについて解説しました。また併せて「ウィンドウゲームの最適化」機能についても紹介しました。

Windows11は2022年10月に登場し、多くの方が利用するメジャーなOSとなっていますが、まだ知られていない機能、使われていない機能が少なからずあります。この機会に、ぜひそれらを試し、利用メリットを確認できた機能は積極的に活用しましょう。

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