累積更新プログラムとは
Windowsを使用していると、定期的に更新プログラムが導入されて自動更新されます。累積更新プログラムとは、CU(Cumulative Update)と言われるもので、最新の累積更新プログラムは、LCU(Latest Cumulative Update)と呼ばれています。累積ですのでこれまでの関係する更新プログラムが累積されています。
ここでは関係する用語を解説し、システムメンテナンスの理解を深めていきます。
累積更新プログラムと更新プログラムの違い
そもそも累積更新プログラムと更新プログラムの違いですが、個別の更新プログラムは単体で管理が必要であるのに対し、累積更新プログラムは過去の関連更新プログラムが累積されています。そのため累積更新プログラムは一括導入が可能で、個別管理の手間を省くことができます。
Windows Updateとは
Windows Updateとは、Windows OSの環境を維持する目的で実装されているマイクロソフト社のオンラインサポート機能です。OSのモジュールやコンポーネント提供以降に発生した不具合の解消や、セキュリティの維持・強化を目的とします。 【参考】:Windows Update の基礎知識
Windows Updateの実行方法
更新方法は、自動更新と手動更新に対応しており、更新のタイミングも設定可能です。自動更新は、重要度に応じて更新されるもので、重要な更新の場合に更新プログラムをダウンロード・インストールします。 【参考】:How to keep your Windows computer up to date
手動更新は、「スタート」「設定」「更新とセキュリティ」からWindows Updateを表示させ、「更新プログラムのチェック」をクリックしインストールするかどうか判断します。 【参考】:Windows Update:よくあるご質問
Windows Update カタログ
Windows Update カタログは、マイクロソフト社の「Microsoft®Update カタログ」のサイトで公開されています。企業が社内向けに更新プログラムを配布する際に、利用するサービスです。
キーワード検索で該当する更新プログラムを絞り込んだり、直接KBで始まるサポート技術情報の番号を入力して詳細を得られたりすることができます。 【参考】:Microsoft®Update カタログ
Microsoft®Update カタログから更新プログラムの詳細を表示すると、以前の更新プログラムとの関係と最新の更新プログラムの有無等が表示され、より詳細に更新プログラム導入を判断することができます。累積更新プログラムの一覧表示や、過去に公開された更新プログラムを調査することができます。
修正内容の確認方法
マイクロソフト社では、修正内容をサポート用情報公開システムの仕組みを用いて公開しています。その仕組みは、Microsoft Knowledge Baseというものです。それぞれの公開情報にはサポート技術情報として、Knowledge Baseの略であるKBから始まる識別番号が設定されています。
例えば、2022年6月のWindows 10 バージョン 21H2累積更新プログラムはKB5014699となります。 【参考】:2022 年 6 月 14 日 — KB5014699 (OS ビルド 19042.1766、19043.1766、19044.1766)
更新プログラムの分類
お使いのPCのWindows Updateの履歴を見るとわかる通り、Windows 10以降は以下のように更新プログラムが分類されています。
・機能更新プログラム ・品質更新プログラム ・定義更新プログラム ・ドライバー更新プログラム ・その他の更新
マイクロソフト社のドキュメントサイトでは、以下のように用語が解説されています。 【参考】:Microsoft ソフトウェア更新プログラムの説明に使用される標準用語の説明
以降では、より詳しく更新プログラムを解説していきます。
機能更新プログラムとは
機能更新プログラムとは、大型アップグレードでWindows OSそのものの機能を更新するプログラムを指します。従来は約半年ごとに大型更新として、配布されていました。Windows 10 バージョン 21H2や、Windows 10 バージョン 21H1が代表的な機能更新プログラムです。
Windows 11やWindows 10 バージョン 21H2以降は、年に1回、暦年の後半にリリースされる計画です。
品質更新プログラムとは
品質更新プログラムとは、月次の累積更新のほか、セキュリティやWindowsの問題を修正する更新プログラムを指します。Windows 10 バージョン 21H2の累積更新プログラムや、.NET Framework 3.5 および 4.8 の累積的な更新プログラムが該当します。 【参考】:Microsoft 毎月の品質更新プログラム
セキュリティ対策については、Microsoft セキュリティ レスポンス センター(MSRC)が自社製品・サービスに関するセキュリティ脆弱性を調査し、調査内容を公開しています。 【参考】:Microsoft セキュリティ更新プログラム ガイド
定義更新プログラムとは
定義更新プログラムとは、マルウェア対策やスパイウェア対策関連の更新プログラムを指します。日次ベースに対応されており、高頻度に更新されています。Microsoft Defender Antivirusのセキュリティ インテリジェンス更新プログラムや、マルウェア対策プラットフォームの更新プログラムが該当します。 【参考】:Windows Defender の定義ファイルの更新について
ドライバー更新プログラムとは
ドライバー更新プログラムとは、PCのチップセットや部品を制御するドライバープログラムを指します。ディスプレイ、マウス、タッチパッド、カメラ、有線・無線ネットワーク、などの制御ドライバーが該当します。
Windows Updateから更新するほか、デバイスマネージャーからドライバーを更新することもできます。 【参考】:Windowsでドライバーを手動で更新する
その他の更新とは
その他の更新とは、上記カテゴリーに分類されないプログラムを指します。具体的には、悪意のあるソフトウェアの削除ツールの問題を修正する更新プログラム・更新プログラムプレビュー・個別導入サービス・修正プログラムなどがあります。
累積更新プログラムの必要性
累積更新プログラムでは、過去の更新プログラムが累積させているので、最新の累積更新プログラムのみアップデートするだけで導入が完了します。過去分を一気にアップデートするイメージです。作業が簡単で、機能面のみならず安全面でも品質が維持できます。
アップデートに時間がかかり、できれば適用したくない人もいると思いますが、安全性を確保するためにも必要な作業でしょう。
Windowsのリリース情報
Windows 10ではこれまで、年に2回の機能更新プログラムを提供していました。バージョン 21H2 以降は、年に1回、暦年の後半にリリースされます。Windows 11は当初から年に1回、暦年の後半にリリースですので、同等の更新サイクルです。 【参考】:Windows 11 リリース情報 【参考】:Windows 10 リリース情報
累積更新プログラムやセキュリティ更新プログラムは、引き続き月次に行われます。
Windows Updateのトラブルシューティング
Windows Updateでは、アップデートが進まなかったり終わらなかったりするトラブルが生じるケースも報告されています。マイクロソフト社では、切り分けの進め方や代表的な対処をまとめています。詳細は、以下のリンクをご確認ください。 【参考】:Windows Updateトラブルシューティングのガイダンス
Windows OSの機能と安全性を維持しましょう
累積更新プログラムは、従来の個別更新プログラムを一括適用するイメージで、更新プログラムの整合性も含めてユーザの負担が軽減されています。インターネット活用が拡大する中、より安全な環境維持が求められます。更新作業の理解と積極的な利用をおすすめします。
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