Windows11で電源モードの違いとは
Windows11を搭載したパソコンには「電源モード」機能が搭載されています。電源モードの意味は、CPUのパフォーマンスや省電力、バランスの中で最優先にしたいモードを設定できる機能のことです。
同様の機能はWindows10にもありましたが、名称や操作方法が変わり、「電源モードがない」「電源モードの変更ができない」と困っている人もいるでしょう。特にノートパソコンを携行し、事務所や家庭以外で仕事をする方は、消費電力の節約、管理は必須です。
この記事では、Windows11に搭載されている3つの電源モードについて、その機能と使い分け方法などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
【参考】:PC の電源モードをWindowsする |Microsoft サポート 【参考】:Windows 11 の電力効率の高い設定 |Microsoft サポート
Windows11の3つの電源モード
Windows11の電源モードには3つの機能が用意されており、目的に応じて使い分けます。では、それぞれのモードがどのような機能を持っているのかについて見ていきましょう。
以下の表は、Windows11の3種類の電源モードがそれぞれどのような機能を持っているのかを一覧にしました。
「トップクラスの電源効率」
「トップクラスの電源効率」はバッテリーの持続時間を最大化することを最優先にしたモードで、システムのパフォーマンスを犠牲にします。
このモードでは、システムのリソース(CPUやディスプレイなど)使用率が最小限に抑えられ、バックグラウンドで実行されるアプリケーションやプロセスが制限されます。長時間バッテリーだけでパソコンを動かしたい時におすすめします。
「バランス」
「バランス」はバッテリー寿命とパフォーマンスのバランスを取るモードで、システムのリソース使用率を調整します。電源モードのデフォルトはこの「バランス」モードです。
バックグラウンドで実行されるアプリケーションやプロセスが制限されることで、システムのパフォーマンスとバッテリー寿命のバランスが取れます。通常利用ではバランスモードがおすすめです。
「最適なパフォーマンス」
「最適なパフォーマンス」はシステムの高パフォーマンスを引き出しますが、一方でバッテリーの持続時間を犠牲にします。このモードでは、システムリソース使用率が最大限に引き出され、バックグラウンドで実行されるアプリケーションやプロセスが優先されます。
負荷の高いタスクの実行や、ゲームなどでの利用におすすめします。ただし電力消費が増えるためバッテリーの消費が速くなります。
電源モードを利用する
3種類の電源モードが分かったところで、実際に電源モードを利用してみましょう。以下に手順を示しますので、実際に操作して各モードの違いを確認しましょう。
ただし、パソコンの機種やOSのバージョン、ドライバーの関係で電源モードが使用できない場合もありますので、万一利用できない場合は製造メーカーのヘルプデスクに問い合わせをしてください。
バッテリー節約機能の設定を行う
まず最初にバッテリー節約機能を見てみましょう。常時電源接続してパソコンを使っているとほとんど触れることがありませんが、パソコンを持ち出して電源のない場所で利用する方は意識しておきたいところです。
1.電源オプションの選択 Windows11の[スタートメニュー]を右クリックし、表示されたメニューから「電源オプション」をクリックします。
2.「バッテリー」項目の選択 「電源とアプリ」画面が表示されたら、画面を下にスクロールして「バッテリー」をクリックします。
3. バッテリー節約機能の設定 電源モードを設定するためにバッテリー節約機能をオフにします。バッテリーモードで動作している場合には、「今すぐにオフ」はグレーアウトしていませんが、電源接続で動作している場合にはグレーアウトしており、操作ができません。
また「次の値になったらバッテリー機能を自動的にオンにする」の箇所は、プルダウンメニューから値を選択できます。「なし」あるいは、10%刻みで50%まで設定できます。
電源モードの変更
Windows11の電源モードには3種類があり、簡単な操作でモードを変更することができます。ここでは、その電源モードの設定方法について解説します。
■ バランスモード 「 バッテリー節約機能の設定」と同様に「スタートメニュー」の右クリックから「電源オプション」を選択し、「電源とバッテリー」画面で、「電源」項目の下にある「電源モード」で選択します。デフォルトは「バランス」になっています。
バランスモードではシステムのパフォーマンスとバッテリー寿命のバランスが自動的に維持されますので、通常の使用では特に変更する必要はありません。
■ 最適なパフォーマンス 電源モードの右端にバランスと表示されている箇所はプルダウンメニューとなっており、下矢印ボタンをクリックすると、3種類の設定モード(トップクラスの電力効率、バランス、適なパフォーマンス)が表示されます。ここでは「最適なパフォーマンス」を選択します。
主にゲームなどを快適に動作させたい場合などに有効です。ただし、バッテリー稼働時にはバッテリーの消耗が早まりますので、電源のない場所では注意が必要です。
■ トップクラスの電力効率 先ほどと同様にプルダウンから「トップクラスの電力効率」を選択するだけです。この電源モードではバッテリーの持ちを最大限にしてくれますが、重たい処理には向いていません。レスポンスが悪化しますので、メールチェックやサイトの閲覧程度の使用におすすめします。
電源モードが選択できない
Windows10からWindows11にアップデートした後に、“電源節約設定を使用している場合は、電源モードを設定できません。”と表示され、電源プランの変更や設定の表示ができなくなるケースがあります。
その場合には、Windows11のタスクバーにある検索窓にコントロールパネルと入力して、検索結果からコントロールパネルを選択し、[システムとセキュリティ]から[電源オプション]を選択して、[バランスの取れた電源プラン]を選びます。
【参考】:PC の電源モードをWindowsする| Microsoft サポート
Windows11パソコンで電源モードを利用するメリットとデメリット
電源モードの使い方は分かりましたが、Windows11パソコン電源モードを利用するメリット、デメリットは何があるのでしょうか?電源モードの利用はメリットばかりではないため、電源モードの利用目的を検討しながら判断するとよいでしょう。
電源モードを利用するメリット
電源モードのメリットは、自分の使い方や目的に合わせて、パソコンの動作を最適化できることですが、使用目的を誤るとデメリットになります。以下、モードごとのメリットを挙げてみます。
■ 「トップクラスの電源効率」のメリット 「トップクラスの電源効率」電力を節約する省電力モードで、バッテリーの持ちが良くなります。ただし、このモードはCPUの処理能力が低下するため、メールやWeb閲覧などの比較的軽作業で利用することをおすすめします。
■ 「最適なパフォーマンス」のメリット 「最適なパフォーマンス」は、パソコンの性能を最大限に引き出す高速モードですので、動画の編集やゲームなどの重い作業に適しています。パフォーマンス重視でアプリなどを利用したい場合におすすめです。
電源モードを利用するデメリット
電源モードはある一定の条件下ではメリットが得られますが、条件に合致しないケースでのモード利用は、デメリットになることがあります。以下、デメリットになるケースを挙げましたので、意識してモードを利用してみましょう。
■ 「トップクラスの電源効率」のデメリット 電源モードが「トップクラスの電源効率」に設定されているにも関わらず、稼働負荷が上がったり、室温が高くてパソコン自体が高温になったりすると、冷却ファンがフル回転してしまい、逆に電源効率が悪化することがあります。
■ 「最適なパフォーマンス」のデメリット バッテリー残量が少ない場合に電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定すると、パソコン自体が自動的にパフォーマンスを下げて電力を節約しようとするため、期待するパフォーマンスを得られないことがあります。
電源モードを上手に使ってパソコンを快適に利用しよう
ここまではWindows11で電源モード(バッテリーモード)を利用する方法、メリットやデメリットについて解説しました。バッテリー節約機能により、バッテリーの稼働時間を向上させることができますが、一方でパフォーマンスの低下の問題もあります。
バッテリー稼働でどれくらいの時間利用するのか、主にどのような処理をしたいのかなどによって選択肢が変わります。また、長時間稼働を謳っているモバイルパソコンと、主にオフィスで電源に接続して利用するノートパソコンでは利用条件も異なります。
Windows11の電源モードを上手に利用して、ぜひ快適な作業環境を実現させましょう。
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