Windows 11のエクスプローラーが遅い
Windows 11のエクスプローラーは、エクスペリエンスの向上を目的に豊富な機能が搭載されています。そのWindows 11のエクスプローラーが遅いという声が、時々聞かれます。
Windows 11の最新版である22H2が、いまだ安定していないために生じる不具合の面もありますが、追加機能による所も多いのが実状です。機能面については、運用で回避できることもあります。ここでは、エクスプローラーの動作を安定化させたり、高速化したりするための流れを解説していきます。
Windows 11のエクスプローラーの確認項目
Windows 11は、エクスペリエンス向上のための改良が数多くあります。その中でエクスプローラーについても機能追加がされていますが、必要に応じてカスタマイズ機能を用いて手動で調整した方が高速化が図れる部分もあります。ここでは、改善項目を順に解説していきます。
Windows 11のエクスプローラーのバージョン
Windowsは定期的なアップデートが提供されており、不具合修正も多数リリースされています。特に22H2については、多くの修正パッチがすでにリリースされていますので、今後もバージョンアップは欠かせないでしょう。
エクスプローラーのプレビューウィンドウ
エクスプローラーの表示オプションに、プレビューウィンドウがあります。プレビューウィンドウはファイルを開かなくてもファイルの内容がサムネイル表示される機能です。この機能は、画像表示などで便利ですが、表示がワンテンポ遅いと感じる場合もあります。不要であれば表示機能を停止することをおすすめします。
エクスプローラーのクイックアクセス
エクスプローラーのクイックアクセスは、これまでのアクセス履歴を集計して頻繁に使用するフォルダーをあらかじめクイックアクセスに表示してくれます。明示的にピン留めして表示することもできます。
このような自動追加の機能は、アクセス頻度が高まってくるとフォルダー表示がごちゃつくと感じる場合があります。同様に表示に時間を要することもあるため、自動追加が不要であれば停止することもできます。
エクスプローラーの履歴
Windows11ではエクスプローラーの履歴を、お気に入りやクイックアクセスに表示できるように、データとして保存しています。自動追加が不要であれば履歴の保存も不要ですので、定期的に履歴を消去するのが良いでしょう。
遅くなるその他の要因
エクスプローラーではネットワーク接続を通じた検索や、ウェブやフォルダー検索などとも連携しています。そのため、エクスプローラー自体の問題ではありませんが、検索処理の問題やネットワーク接続の問題により、ハングしたわけではないものの遅い状態となることもあります。
Windows 11のエクスプローラーを保全する
ここでは、実際にWindows 11を使用してエクスプローラーの高速化や保全を行っていきます。重要な部分は図を用いて解説していきます。詳しくは、以降で解説していきます。
Windows Updateでバージョンを最新に
Windows 11の最新版は、22H2です。最初のリリース後数カ月以上経過していますが、現在も定期的なバージョンアップが提供されています。動作の安定化のためには、Windows Updateを定期的に実行するのが良いでしょう。
手動で行う場合の手順ですが、次の図をご覧ください。Windows Updateは「設定」アプリから起動します。タスクバーのスタートアイコンを右クリックメニューを表示させて、「設定」をクリックし、起動します。
起動した「設定」アプリの左下の「Windows Update」あるいは右上の「Windows Update」をクリックします(①②)。この表示で「最新の状態です」となっていることを確認します(③)。手動で確認を行う場合は、「更新プログラムのチェック」をクリックすると、その時点の最新の更新プログラムを手動でインストールすることができます(④)。
エクスプローラーのデフォルト画面をホームから変更
エクスプローラーのホーム画面は最初に開く画面です。クイックアクセスやお気に入りが追加されており、エクスプローラーが遅くなる場合があります。ホーム画面の表示が不要であれば別の画面を表示させることもできます。次の図をご覧ください。
この図は、最初に開くホーム画面です。ここで右上の「・・・」をクリックすると、メニューが表示されます(①)。ここで「オプション」をクリックすると、フォルダーオプションで開く画面を選択することができます(②③)。
ホーム画面以外を指定する場合は、次の図のようにプルダウンメニューをクリックし、候補となる項目を表示します(①)。「ホーム」「PC」「OneDrive - Personal」が選択できることが分かります(②)。ここでは「PC」を選択し、「OK」で保存します(③④)。
設定後の動作は、次の図のようにエクスプローラーが起動します。タスクバーのフォルダーアイコンをクリックすると、最初に開くのは「PC」の画面に変更されたことが分かります(①②)。
エクスプローラーのプレビューウィンドウを非表示に
エクスプローラーは多機能ですので、様々な機能が使えます。例えばプレビューウィンドウを使うと、ファイルを開かずに中の情報がサムネイル表示されます。この機能も遅く感じる場合がありますので、不要であれば非表示に設定を変更します。デフォルトでは非表示となっていますが、誤って設定した場合は、次の図の様に解除できます。
この図のエクスプローラーは、プレビューウィンドウが表示されている状態です。この設定を非表示にする場合は、上部メニューの「表示」をクリックし、プルダウンメニューの「表示」をクリックします(①②)。ここで、「プレビューウィンドウ」の項目にチェックがついていると思いますので、チェックを外します(③④)。
「プレビューウィンドウ」のチェックが外れると、次の図のようにプレビューウィンドウの表示がなくなり、フォルダー表示のみとなります(①②)。
エクスプローラーのクイックアクセスの自動追加をオフに
エクスプローラーでは、自動でフォルダーやファイルをクイックアクセスやお気に入りに追加してくれます。この機能は便利ですが、画面表示が散らかってしまい、遅く感じる原因にもなります。
この機能を停止するには、次の図のようにエクスプローラー上部の「・・・」をクリックし、「オプション」を選択し、フォルダーオプションを表示します(①②)。
表示されているフォルダーオプションの「プライバシー」で「最近使用したファイルを表示する」と「頻繁に使用されるフォルダーを表示する」の2つのチェックを外します(③)。チェックを外したら、「OK」で設定保存します(④)。
設定を保存すると、次の図のようにエクスプローラーの画面が更新されます。フォルダー表示およびナビゲーションウィンドウが、それぞれインストール直後のような表示に更新されます(①②③④)。
エクスプローラーの履歴を消去
クイックアクセスの自動追加をオフにしても、使用した履歴は残っています。消去するには次の図のようにエクスプローラーのフォルダーオプションを表示させて、「エクスプローラーの履歴を消去する」の「消去」をクリックします(③)。
この手順で、「消去」をクリックする場合は確認メッセージが表示されず、そのまま消去が実行されます。
エクスプローラーを再起動
Windows 11の動作環境によっては、エクスプローラーが「応答なし」の状態となることがあります。この状態が頻発する場合は、エクスプローラーを再起動させるのが良いでしょう。Windows自体を再起動する方法もありますが、起動時間や影響範囲を含めていずれかで対応します。
実際の操作方法は、次の図のようにタスクマネージャーを使用します。タスクマネージャーは、タスクバーのスタートアイコンから右クリックメニューを表示させて、「タスクマネージャー」を選択し、起動します。あるいは、「Alt」+「Ctrl」+「Del」のキーで表示するメニューから「タスクマネージャー」を選択することもできます。
タスクマネージャーが起動したら、「アプリ」の項目からエクスプローラーを選択し、右クリックメニューを表示させて、「再起動」をクリックします(①②)。これで、エクスプローラーは再起動し、実行中のプロセスのアプリ項目から削除されます(③)。
なお再起動の場合は、「応答なし」の状況が再発することも想定されますので、Windows Updateでパッチ提供を待ちながら暫定対策として取り入れるのが良いでしょう。
Windows 11 エクスプローラーは「遅い」状態から改善できます
Windows 11のエクスプローラーは、高機能でエクスペリエンスの向上が期待できる一方で、「遅い」という声も上がっています。
自動的にアクセス履歴に基づきカスタマイズされる表示は魅力的ではありますが、定期的に手動で保全することで性能の維持を図ることもできます。手動による保全作業は体感的にも高速化をもたらしますので、おすすめの手順です。
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