Windows 11のフォント変更
PCを使用する際、ディスプレイに表示される文字はフォントと呼ばれ、デザインの統一の観点からあらかじめ標準設定されています。Windows 11で使用されるシステムフォントも、OSのデザインに従って設定されています。ここでは、Windows 11のシステムフォントを変更する方法について学んでいきます。
Windows 11搭載の日本語フォント
Windows 11では、Windows 10と同じフォント「Yu Gothic UI」が標準フォントとして用いられています。それ以前には、「メイリオ」や「Meiryo UI」などが用いられていました。
Windows 11の日本語フォント「Yu Gothic UI」は、従来のフォントと比べて若干線が細くなります。古い環境からバージョンアップした場合に、何かフォントが変わったように感じるのはそのためです。
【参考】:Windows 11 標準フォント一覧 【参考】:Windows 10 標準フォント一覧 【参考】:Windows 国際フォント一覧
Windows 11のフォントの登録と変更
Windows 11のシステムフォントは、レジストリに登録されており、システムが設定・参照します。フォントのレジストリ情報は、次の図のように「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Fonts」に登録されています。
Windowsメニューを右クリック、あるいは「Win」+「R」で「ファイル名を指定して実行」から”regedit”を実行します(①②)。レジストリエディタの「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Fonts」に登録フォント一覧が表示されます(③④)。
実際のフォントファイル自体は、”%windir%\fonts” フォルダに格納されています。登録されているフォントは、アプリごとに必要なタイミングで指定することができます。
例えばデスクトップパブリッシング(DTP)やウェブデザインなどのようなグラフィックデザインでは、都度必要なフォントやサイズを変更することができます。
インストールされているフォントを確認する
インストール済みのフォントは、レジストリエディタを使わずにコントロールパネルから確認できます。次の図をご覧ください。
Windowsメニューを右クリック、あるいは「Win」+「R」で「ファイル名を指定して実行」から”control”を実行します(①②)。コントロールパネルの「フォント」をクリックすると、インストール済みのフォント一覧が表示されます(③④)。
同様に、「設定」アプリからもフォントの確認が可能です。次の図をご覧ください。Windowsメニューを右クリックし、メニューから「設定」を選択し、「設定」アプリを起動します。
続いて次の図のように、「個人用設定」をクリックし、「フォント」からフォントの一覧を確認することができます(①②③)。
レジストリに登録されているフォントの情報
システムフォントの変更は、Windows 11の標準機能では提供されていません。変更できるのはフォントのサイズのみです。システムフォントを変更するには、レジストリエディターを使用します。まず最初に現在のレジストリ情報をバックアップしておきます。次の図をご覧ください。
「ファイル」「エクスポート」から「レジストリファイルのエクスポート」を表示します(①)。
ここで、「エクスポート範囲」を、「すべて」または「選択した部分」に「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontSubstitutes」を指定し、任意のファイル名で保存します(②)。
指定したレジストリは、代替フォントの指定を行う機能です。システムフォントの置換は代替フォントの指定で実現できます。
ここで指定するフォントが存在しない場合、代わりのフォントを代用することができます。この機能を用いて、システムフォントの差し替えが可能になります。なお、この手順を積極的におすすめするものではありませんので、ここではあくまでも概要レベルの紹介に留めます。
システムフォントとして使用されている、「Yu Gothic」「Yu Gothic UI」「Yu Gothic UI Light」「Yu Gothic UI Regular」「Yu Gothic UI Semibold」「Yu Gothic UI Semilight」などを差し換えます。
このほか、「游ゴシック」「游ゴシック Bold」「游ゴシック Light」「游ゴシック Medium」「游ゴシック Regular」も代替フォントを設定します。
ここでは、代替フォントを従来の「Meiryo UI」「Meiryo UI Bold」と指定してみます。次の図をご覧ください。最初に「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontSubstitutes」に移動します(①)。
ここで、「新規」「文字列値(S)」で項目を追加します(②③)。名称を「Yu Gothic」のように変更したら、ダブルクリックして「文字列の編集」から「値のデータ」を「Meiryo UI」などとして「OK」で保存します(④⑤⑥)。
この作業を代替フォントの種類ごとに行い、次の図のようにすべてを登録し、システムを再起動します(①②)。
この作業は手動で行うために、労力と入力間違いのリスクがあります。レジストリ登録のスクリプトを作成する方法もありますが、あくまでも方法論の1つです。
フォントサイズを変更する
フォントサイズの変更はWindows 11の標準機能で行うことができます。次の図のように、「設定」アプリの「個人用設定」「フォント」から任意のフォントを選択します。ここでは、標準フォントの「Yu Gothic UI」を選択します(①)。
続いてフォントの詳細が表示されますので、「フォント サイズの変更」のスライダーを用いて任意のフォントサイズに変更することができます(②)。
フォントの表示を調整する
フォントがギザギザしているよう感じる場合は、全てではありませんが「フォント」の「ClearType テキストの調整」で調整できる場合もあります。
次の図のように、「コントロールパネル」「フォント」から「ClearType テキストの調整」をクリックします(①)。「ClearType を有効にする」にチェックが入っていることを確認し、「次へ」を押します(②③)。画面のフォントが5種類のメニューで表示され、「完了」で終了します(④)。
システムフォントを簡単に変更する
日本語フォントを差し換えるにはレジストリ変更の手作業が煩雑であるため、あまりおすすめできません。細かく気にしないのであれば、アプリ単位で変更するのが良いでしょう。
フォントを一括で変更したい場合には、フォント設定ツールを用いるのがおすすめです。「Meiryo UIも大っきらい!!」は、Windows 11で動作するフォント設定ツールで、複雑な作業をすることなく簡単に設定することが可能です。
【参考】:Meiryo UIも大っきらい!! (No!! Meiryo UI) 公式サイト
「Meiryo UIも大っきらい!!」を使ってみる
「Meiryo UIも大っきらい!!」Version 3.1.0では、最新のWindows 11 2022 Updateにも対応します。使用するには次の図のように、公式サイトから”noMeiryoUI3.1.0.zip”をダウンロードしておきます。(①②)。
【参考】:Meiryo UIも大っきらい!! (No!! Meiryo UI) 公式サイト
「Meiryo UIも大っきらい!!」でフォントを変更する
実行するためには、ダウンロードしておいたZipファイル ”noMeiryoUI3.1.0.zip”を、あらかじめ展開しておきます(①)。Zipファイルの実行ファイルはインストールせずに起動することができます(②)。
簡単にフォントを変更するには、次の図のように「全体設定」の「選択」をクリックします(①)。「フォント選択」から必要なフォントを選択します。ここでは、「Meiryo UI」を指定し「OK」をクリックします(②③)。
メインの画面に戻りますので、「一括設定して終了」または「適用」をクリックします(④)。
このように、複雑な操作が不要であり、「プリセット」からWindows 11のデフォルト設定に簡単に戻すこともできます。
Windows 11のフォントは慣れることも選択肢の1つ
ここまでWindows 11のフォント変更を解説してきました。使用しているWindows 11 PCの台数が多い場合や、職場や他のPCを操作することを考えると頻繁にフォントの変更も難しいのでは、と想像します。
将来にわたってフォント変更を続けることも考えると、設定変更は最小限に留めて、徐々に標準フォントに慣れていくことも選択の1つに入れるのが良いでしょう。
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