
Windows 11での画面録画の仕方

Windows 11ではWindows 10同様に、標準搭載ソフトウェアを使用して画面録画を行うことができます。ここでは、Windows 標準搭載の画面録画機能の使い方や、追加ソフトウェアの情報も交えて解説していきます。
画面録画とは
画面録画とは、ゲームなどの動的な動きを伴うスクリーンの表示を切り取ったり、保存したりすることを表します。切り取って加工したものをクリップと読んだり、そのまま格納したものをキャプチャと読んだりします。
標準搭載のアプリを使う方法
Windowsに搭載されているXbox Game Barには、ゲームの動作記録用に画面録画の機能があります。この機能は、ゲームだけではなく、一般的なWindows用アプリの録画にも用いることができます。
さらに2023年2月28日には、「Snipping Tool」の録画機能が正式リリースされました。
【参考】:Windows の Xbox Game Bar の概要 【参考】:Windows Experience Blog
追加でソフトウェアを使う方法
後ほど解説しますが、Xbox Game Barではいくつかの制限があります。標準ソフトウェアで物足りない場合は、フリーソフトウェアのOBS Studioや無料版が提供されるVideoProc Converter、Bandicamなどから希望に合わせて導入することもできます。
【参考】:OBS Studio 【参考】:VideoProc Converter 【参考】:Bandicam
おすすめの画面録画ソフトウェア

ここでは、Windowsに標準搭載される新登場のSnipping Tool、およびXbox Game Barを解説していきます。標準搭載のソフトウェアに加えて、評価の高い無料のソフトウェアについても説明を加えます。Snipping ToolやXbox Game Bar以外を試す際には、こちらを参考にすると良いでしょう。
Snipping Tool
Snipping Toolとは、PCの画面全体あるいは一部分を指定して、画像や文字を保存するツールです。最新版では画面のキャプチャ機能に、画面録画の機能を追加しました。2022年12月8日にWindows Insiders向けに展開を開始し、2023年2月28日、正式リリースとなりました。
【参考】:Windows Experience Blog 【参考】:Screen recording in Snipping Tool begins rolling out to Windows Insiders
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Xbox Game Bar
Xbox Game Barは、Windowsで動作するマイクロソフト社製PCゲーム用アプリです。Windowsに標準搭載されており、Windows 10のほかWindows 11でも提供されますので、そのまま使用することができます。
【参考】:Windows の Xbox Game Bar の概要
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無料版ソフトウェア
無料版のソフトウェアとしては、OBS Studioをおすすめします。 OBS Studioは、OBS Projectが開発しているオープンソースソフトウェアで、フリー(無料)で利用できます。
ウィンドウ全体の録画が可能であり、リアルタイムの録画と配信に対応します。APIを利用したプラグインの開発やカスタマイズ性の高さに特長があります。WindowsやmacOS、Linuxのマルチプラットフォームに対応しています。
【参考】:OBS Studio
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無料お試しが可能なソフトウェア
製品版ソフトウェアでありながら、無料版が提供されているものでは、以下の2つをおすすめします。無料版のキャプチャーデータには、透かしデータが入りますので、気に入ったら有料版を使用しましょう。
・VideoProc Converter VideoProc Converterは、Digiartyが開発する製品で、WindowsとMac PCに対応します。さらにPCだけではなく、iPhoneやiPadのディスプレイ表示もそのまま録画できます。全画面の見たまま録画と範囲指定録画が選択でき、4K録画にも対応します。
本製品は無料体験版と製品版があります。無料体験版では5分間のコンテンツに制限されており、搭載機能にも制限があります。
【参考】:VideoProc Converter
・Bandicam Bandicamは、Bandicamが開発するWindows用画像録画ソフトウェアです。指定した領域あるいは全画面のキャプチャーが可能です。本製品はシェアウェアとなっており、無料版と有料版があります。無料版は評価目的のため、録画時間が連続10分に制限されています。
【参考】:Bandicam
Snipping Toolを使った画面録画

Snipping Toolは、画面のキャラクターツールとして用意されているツールです。2023年2月28日には、画面録画機能が正式リリースされ、順次展開されています。ここでは最新のSnipping Toolを用いて、画面録画を行っていきます。
Snipping Toolの起動と更新
Snipping Toolの起動方法は、通常のアプリと同様にスタートメニューの「すべてのアプリ」から、「Snipping Tool」をクリックし起動します(①②③)。

Snipping Toolは登場間もないので、搭載済みのSnipping Toolを更新する必要があります。この図の場合も、搭載済みの旧バージョンが起動されています(④)。
Windows 11 22H2の環境では、Microsoft Storeから最新のSnipping Toolを入手することができます。
次の図のように、タスクバーの「Microsoft Store」アイコンをクリックし、「Snipping Tool」を検索します(①②)。候補から日本語の「切り取り領域とスケッチ」を選択し、「入手」をクリックします(③④)。「開く」が表示されたら、クリックすると最新のSnipping Toolが起動します(⑤⑥)。

Snipping Toolの画面録画の開始
最新のSnipping Toolでは、キャプチャーと録画のアイコンが表示されます。画面録画を開始するには、次の図のように録画アイコンをクリックし、「新規」ボタンをクリックすると記録領域の選択画面が表示されます(①②③)。これで画面録画の準備ができました。

実際に画面録画を行うには、次の図のように、記録範囲を指定し「スタート」ボタンをクリックして録画を始めます(①②)。

画面録画の実施と終了
録画が始まると、「録画を停止」を押すまで操作を記録しています。次の図は、ペイント3Dを操作する例です。操作が完了したら「録画を停止」をクリックします。

録画ファイルの再生と保存
録画が完了すると、録画内容を再生することができます。次の図では、ペイント3Dの操作を12秒録画したことが分かります。下部の再生ボタンを押すと録画内容が再生されます。

この録画機能は、PCの画面を対象としています。次の図のように、ウェブの操作手順を録画することもできます。

録画内容を確認したら、ファイルとして保存します。次の図のように、Snipping Toolの右上部「・・・」をクリックし、「保存」を選択して任意のフォルダに保存します(①②③④)。ファイル形式はMP4となります。

Xbox Game Barを使った画面録画

Xbox Game Barを使う場合ですが、一般的な画面録画ソフトウェアを使ってキャプチャする場合と同様です。具体的には、ゲームアプリや動画再生アプリ、ブラウザやExcelなど録画したいウインドウを先に開いておきます。
ここでは、EdgeからOffice 365へアクセスし、PowerPoint(プレゼンテーション)を作成する場合を例に解説していきます。

【参考】:Windows の Xbox Game Bar の概要 【参考】:Xbox Game Bar を使って PC でゲーム クリップを録画する 【参考】:Windows でゲーム クリップやスクリーンショットをキャプチャするために Xbox Game Bar を使用する
Xbox Game Barの起動と画面録画の開始
Xbox Game Barは、キーボードの「Windowsロゴキー+G」を同時に押すことで起動します。「キャプチャ」「オーディオ」「パフォーマンス」などのアプリウィンドウが表示されます。「Windowsロゴキー+G」のキーのほか、「スタート」「すべてのアプリ」「Xbox Game Bar」でも起動します。
Xbox Game Bar の「キャプチャ」ウィンドウを見てみると、図の青枠で囲った場所に録画対象のアプリケーション名が表示されています。先にクリックしておいたアプリケーションのアクティブウィンドウが、録画対象となります。
この例では、先に立ち上げたPowerPointの編集ファイル「プレゼンテーション.pptx」が表示されています(①)。ここで録画を開始するには、「キャプチャ」ウィンドウの「録画を開始」ボタン(●)をクリックすると録画が始まります(②)。

録画開始は、「Windowsロゴキー+Alt+R」でショートカット実行することもできます。
画面録画の実施と終了
録画が開始したら、画面右上に「キャプチャの状態」ウィンドウが表示されます。この状態で、録画するアプリケーション上で必要な作業を行います。この例では、PowerPointのスライド編集を進めます。

録画終了は、「キャプチャの状態」ウィンドウの「録画を停止」ボタン(■)をクリックします。録画終了も、画面録画開始と同じく「Windowsロゴキー+Alt+R」でショートカット実行することもできます。
画面録画が終了すると、以下の通りXbox Game Barの再度開くように促す通知メッセージが表示されます。

録画ファイルの再生
Xbox Game Barを、「Windowsロゴキー+G」のショートカットあるいはスタートメニューから再実行します。ここで、「キャプチャ」ウィンドウの「キャプチャを表示する」をクリックします。

以下の図の通り、「キャプチャ」ウィンドウ(①)に加えて「ギャラリー」ウィンドウが表示されます(②)。表示される保存動画一覧から、希望する保存動画を選択し再生することができます(③)。

以下の図のように、順番に表示させたり一時停止したりし、使用します。これで編集過程を画面録画し、記録を確認したり授業や学習に活用したりすることができます。

録画ファイルの格納フォルダ
録画ファイルは、設定されている保存先に格納されています。デフォルト設定では、「PC¥ローカルディスク¥ユーザー¥ユーザー名¥ビデオ¥キャプチャ」です。
Xbox Game Barからは、以下の図の通りギャラリーのフォルダアイコン、あるいは選択動画の「ファイルの場所を開く」をクリックして表示されることができます。ポップアップメッセージが表示されますので、「続ける」をクリックします。

以下の図のように「エクスプローラー」のウィンドウには、格納先である「PC¥ローカルディスク¥ユーザー¥ユーザー名¥ビデオ¥キャプチャ」が表示されています。

Xbox Game Barの設定
Xbox Game Barでは、ショートカットキーやキャプチャの保存先を設定することができます。Windowsの設定を「スタート」「設定」「ゲーム」で表示させ、起動や画像録画などのショートカットを変更します。Xbox Game Barアプリの設定ボタンから変更することもできます。
画面録画に間するショートカットは、以下の通りです。
「Windowsロゴキー+G」 :Xbox Game Barを開きます。 「Windowsロゴキー+Alt+R」:画面録画の開始や停止を行います。 「Windowsロゴキー+Alt+PrtScn」:スクリーンショットを取得します。 「Windowsロゴキー+Alt+G」:直前の30秒を記録します。
【参考】:Xbox Game Bar 用のキーボード ショートカット
Xbox Game Barの制限事項
Xbox Game Barには、以下の通りいくつかの制限があります。
・画面録画の対象 Xbox Game Barは、Windowsアプリが対象のため、デスクトップ全体の録画はできません。同様にWindowsの機能である設定画面などは録画することができません。複数のウィンドウの同時録画もできません。
・録画記録中の制限 録画中には、録画画面のウィンドウサイズを変えることができません。リサイズをした時点で、録画が終了してしまいます。サイズを固定させて録画する工夫が必要です。
・録画保存の上限 初期設定では2時間の録画時間です。「スタート」「設定」「ゲーム」「キャプチャ」の「記録の最大長」で変更が可能です。上限は最長4時間までで、それ以上は保存できず、分割した録画データをマージするなどの加工が必要です。
トラブル時の対応
上手く録画できない場合ですが、以下のケースが考えられます。
・録画できない場合 Xbox Game Barは、録画制限があります。デフォルト設定の2時間あるいは上限の4時間の制限に該当する場合は録画できないことがあります。保存先の空き容量も確認しておくと良いでしょう。
・音声が入らない 「キャプチャ」ウィンドウの「設定」で「キャプチャ中」「録音するオーディオ」を確認してみてください。「ゲーム」は、アクティブなウィンドウの音声のみを録画します。「すべて」はすべての音声を録画します。「なし」は音声は無効となります。

カスタマイズ方法の詳細については、以下のリンクをご確認ください。
【参考】:Windows デバイスで Xbox Game Bar をカスタマイズする 【参考】:Windows のゲーム録画設定を調整する
Windows 11の画面録画は簡単にできる

Windowsでは標準で画面録画が可能です。これまでのXbox Game Barに加えて、Snipping Toolが登場し、利便性が向上しました。これらのWindows 11標準搭載の録画機能を試してみて、どうしても必要であればソフトウェアを追加導入するのが良いでしょう。






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