注目を浴びるフルスタックエンジ...
フルスタックエンジニア
注目を浴びるフルスタックエンジニアを目指す方法と必要な資格は?
アンドエンジニア編集部
2021.04.02
この記事でわかること
1.DX時代にフルスタックエンジニアは非常に期待の大きいIT職種
2.フルスタックエンジニアはプログラミングスキルと実務経験が必要
3.フルスタックエンジニアのブームは一過性ではなく、将来も活躍が期待される

フルスタックエンジニアとは

最近「フルスタックエンジニア」という言葉を聞く機会が増えてきましたが、「フルスタックエンジニア」とはどのような技術者なのでしょうか。フルスタックは、英語で書くと(full-stack)です。Stackは「積み重ね」を意味し、フルスタックエンジニアは複数分野の技術や知識に精通したエンジニアのことです。

例えば、Web系システムの場合であれば、Webサーバーやソフトウェア環境などのインフラ関係の知識を持ち、プログラミングやコーディング、データベース設計やWebデザインなどに精通し、1人で全てを行えるようなエンジニアを指します

イメージ的にはこのようなスーパーエンジニアとも呼べる存在ですが、「フルスタックエンジニア」にはまだ明確な定義はなく、また資格要件もありません。つまり、新しいエンジニアの概念であり、フルスタックエンジニア像が固まっていくのはこれからでしょう。

フルスタックエンジニアが注目されている理由

「フルスタックエンジニア」という言葉自体は主にアメリカで使われるようになり、近年になって日本でも知られるようになりましたが、今、注目のエンジニアとして脚光を浴びつつあります。その理由をこれから解説ます。

「フルスタックエンジニア」は、主にITベンチャーやスタートアップ事業において求められています。それは、市場からの少人数・低コスト・短納期のニーズが強いこともあります。

また、クラウドの普及によってインフラに掛かる工数や人材の必要性が薄まり、クラウド環境でのさまざまなフレームワークの活用によって、開発の工数が大きく短縮されたことも大いに関係しています。つまり、従来は複数のエンジニアによって分業していたものが、1人のエンジニアでも対応できるようになってきたからです。複数工程を1人のエンジニアで対応できれば、担当者間の調整やマネジメントも不要となり、生産性は向上し、コストは低減できますフルスタックエンジニアを擁するIT企業は、それだけで競争優位に立てることにもつながるのです

これが「フルスタックエンジニア」が注目されている大きな理由です。

フルスタックエンジニアを目指すには

ここまでで、フルスタックエンジニアに興味を持たれた方も少なくないでしょう。市場が求める「フルスタックエンジニア」になるには、広い技術と知識が欠かせません。また、複数の領域経験を持っていると有利です。これは待っていて得られるものではありません。強い意志を持って能動的に動く積極性が求められます。また、「フルスタックエンジニア」には高い判断力、ユーザーの欲求をくみ取る力、そのためのコミュニケーション能力・企画力・プレゼンテーション能力なども求められます

こうしたことを念頭に置いて、「フルスタックエンジニア」を目指すために必要なことについてこれから述べていきます。

 

フルスタックエンジニア出現の背景

「フルスタックエンジニア」が出現したのにはIT環境の変化、市場ニーズの高まりなど、さまざまな背景がありますが、まずはそこを理解しておきましょう。

アジャイル開発の普及

「フルスタックエンジニア」が必要とされる要因の1つ目に、アジャイル開発の普及が考えられます。アジャイル開発は、従来の開発手順に従って、順番にこなしていく「ウォーターフォール型開発」とは異なり、機能ごとに短期間で設計・開発・テストを繰り返す開発方式で、全体として納期を大きく短縮できるという特徴をもっています。この「アジャイル型開発」においては、1人で設計から開発、テストまで一貫して対応できる「フルスタックエンジニア」が最適人材なのです。

クラウド技術の普及

「フルスタックエンジニア」の活躍の場が広がった背景として、「クラウドサービス」の普及と、「クラウドサービス」を利用したシステム開発の増加があります。「クラウドサービス」によって、サーバーやソフトウェア環境などのインフラ構築が不要となり、システム開発にリソースを集中でき、開発スケジュールの短縮が可能となったのです。

プログラミング技術の一般化

「フルスタックエンジニア」出現の背景として、プログラミングに関するフレームワークやライブラリが大きく進化したことで、プログラミング技術が一般化し、プログラミングのハードルが下がったことも大きく影響しています。つまりプログラミング技術の習得にさほど時間やエネルギーをかける必要がなくなり、プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップすることが容易になったことも大きいと言えます。

DXの推進

「フルスタックエンジニア」のニーズの高まりには、DX推進も外せない背景として考えられます。欧米や急成長を遂げるアセアン諸国に比べ、日本のITは遅れをとっています。この状態を脱却しない限り、日本企業の再生、発展はあり得ないという危機感が共有されつつある今、経産省主導の「DX推進」が各企業の重大な関心事となっています。

このDX推進には優秀なIT人材が欠かせません。しかも、2025年までという期限まで設けられ、短期間で、しかも効率的効果的、低コストでの対応が求められています。この厳しいハードルを乗り越えるには、「フルスタックエンジニア」の参画と活躍が欠かせないのです。

 

フルスタックエンジニアの強み

このように市場の期待が集まる「フルスタックエンジニア」ですが、客観的に見て「フルスタックエンジニア」の強みは何でしょう?逆に言えば、この強みがあるからこそ、市場価値が高いのであり、市場から期待されているのです。

高い生産性

システム開発には様々な工程がありますが、工程ごとに求められるスキルや経験は異なり、工程ごとに専門エンジニアが担当するのが一般的ですが、これによって人件費は増大し、さらに工程間の調整にエネルギーを取られ、生産性を阻害されるという問題があります。「フルスタックエンジニア」は複数の工程を1人で担当することができ、結果として人件費は抑制され、生産性は向上します

  柔軟な対応力

「フルスタックエンジニア」はチームでタスクを組んだ場合でも、遅れた工程を手伝ったり、メンバーの欠けた穴を埋めたり、柔軟な対応が取れるため、「作業待ち」や「作業ストップ」を招かず、プロジェクトを効率よく回すことができます。

リーダーを掛け持つことが可能

「フルスタックエンジニア」は複数の工程を担当できるだけの幅広い知見があり、プロジェクト全体を見渡すことができるため、プロジェクトリーダーの役割を担うことも可能です。さらには各工程間の連携を取るPMとしての活躍も可能なため、PMを兼務しながら工程を任せられるのも強みです。

 

フルスタックエンジニアに必要なスキル

「フルスタックエンジニア」に関する大まかなイメージは湧いたかと思いますが、では「フルスタックエンジニア」にはどのようなスキルが求められるのでしょうか?少なくともこれから述べるスキルについては必須と考えてください。

基礎的なプログラミングスキル

システム開発に関わる者として、「フルスタックエンジニア」にはプログラミング知識と実務経験は絶対に外せないスキルでしょう。

「フルスタックエンジニア」は基本的に、要件定義からシステム運用まで一通りこなします。そのためにはプログラミングスキルに加えて実務経験が欠かせません

また、システム障害が発生した際は、プログラミング経験があると、障害の切り分け、原因究明やプログラム修正などが迅速に行えます。

一定の実務経験

システム開発は、単なる知識だけでは対応が困難なケースが多々あります。時には経験がモノをいう世界でもあるのです。実務経験を重ねることで、教科書にはないことが学べ、その経験がエンジニアとしての勘を養います。どんなに学業成績が優秀であっても、実務経験は欠かせません。

OSに関する知識

一口にシステム開発と言っても、Windows系のシステムもあれば、Linux系、或いはMacOSやAndroid OSでの開発もあります。プログラミング言語のJAVAは仮想マシン上で動作するため、基本的にOSに左右されない言語ですが、コマンド操作などはOSごとに異なりますし、サーバー設定やインストールもOSごとに異なります。そうした点から「フルスタックエンジニア」にとってOSに関する知識は必須なのです。

クラウドに関する知識

最近のシステム環境はクラウドの利用が圧倒的に多くなっています。クラウドサービスとしてはAmazonのAWSやMicrosoftのAzureが有名ですが、クラウドに関する知識がなければ、顧客へのシステム提案すらできません。「フルスタックエンジニア」にとってクラウドに関する知識は必須となっています。

データベースに関する知識

バックエンド側のシステムを担当する場合は、プログラミング知識に加えデータベースに関する知識が求められます。「フルスタックエンジニア」はフロントエンドのみならず、バックエンドも担当できなければなりませんので、データベースに関する知識は必須です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルはエンジニアにとって必要なスキルですが、各工程間の調整をし、時にはプロジェクトリーダーやPMとして顧客と折衝することが求められる「スタックエンジニア」にとっては非常に重要なスキルです。

 

フルスタックエンジニアが取得しておきたい資格

フルスタックエンジニアに必要な資格というものは特に存在しません。資格よりも実践力が問われるからです。とは言っても、資格を得ることで、スキルの客観的判断が可能となります。資格は名刺にも刷り込まれ、信頼度を高めてくれますので取得しておくことをおすすめします。

ITストラテジスト試験(ST)

情報処理推進機構主催の国家資格です。情報技術を用いて、事業改革や高度化、最適化するための基本戦略を練り、策定・提案・推進する者が対象者像です。CIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適な資格といえます。合格率15.4%と難易度は高いですが、「フルスタックエンジニア」のみならず、キャリアパスを描く上でもぜひ取得しておきたい資格の1つです。

ITストラテジスト試験(ST)

システムアーキテクト試験(SA)

情報処理推進機構主催の国家資格です。ITストラテジストの提案を受けて、情報システム戦略の具現化に向けて業務モデルの検討、情報システムの要件定義や開発の主導などができる人材が対象者像です。試験の合格率は15.3%と、こちらも難易度の高い資格です。

システムアーキテクト試験(SA)

プロジェクトマネージャー試験(PM)

同じく情報処理推進機構主催の国家資格です。その名の通り、プロジェクト全体責任者を担える人材が対象者像です。システム開発全般に関する深い知識に加え、マネジメントスキルが求められます。合格率は15.1%と難易度の高い資格ですが、フルスタックエンジニアを目指す方は最初に取っておきたい資格です。

 プロジェクトマネージャー試験(PM)

フルスタックエンジニアの将来性

現在、フルスタックエンジニアは急速に需要が高まっています。IT系の求人情報を見ても、以前には見かけなかった「フルスタックエンジニア募集」の広告を見かけるようになりました。では、「フルスタックエンジニア」の将来性はどうなのでしょうか?一過性のブームに過ぎないのでしょうか?

フルスタックエンジニアの需要

DXが日本経済の大きな課題となった今日、短期間の開発に強いアジャイル開発が脚光を浴びていますが、「フルスタックエンジニア」はアジャイル開発に非常に馴染みやすいエンジニアです。実際にスピード開発を得意とするITベンチャーや、アジャイル開発を売りにしているシステム開発企業の需要は確実に高まっています。

「フルスタックエンジニア」がさらに浸透し、実力が認められるに従って、さらに需要は高まっていくでしょう。

フルスタックエンジニアのキャリアパス

脚光を浴びる「フルスタックエンジニア」ですが、単なる便利屋として使い捨てに遭うリスクはないのでしょうか?器用貧乏という言葉が脳裏をよぎった方も少なくないかもしれません。しかし、客観的に考えれば「フルスタックエンジニア」ほど将来の可能性を秘めたエンジニア職は他にはありません。推奨資格として、 ITストラテジスト試験(ST)、 ITストラテジスト試験(ST)、プロジェクトマネージャー試験(PM)の3つをあげましたが、これらの資格だけでもCEO、CIO、CTOといった経営層を目標にすることができます。ITコンサルタントを目指すのも良いでしょう。プロジェクトマネージャーとして第一線で活躍する道もあります。

AIの進化によって、プログラミングや運用などはAIに置き換わっていく可能性がありますが、経営やマネジメント分野はまさに人が得意とする分野です。「フルスタックエンジニア」を目指す皆さんはぜひ夢を持ち、大志を抱いて上を目指してください。

フルスタックエンジニアへの道

エンジニアが不足しているから安泰だ、という時代はそう長くはないかもしれません。一方、フルスタックエンジニアの市場における価値と需要は安定しています。1人2役、3役をこなせるフルスタックエンジニアへのニーズはますます高まることでしょう

IT業界は日進月歩の勢いで変化しています。1部のIT職種はAIに置き換わっていくかもしれません。この機会に複数のITスキルを身に付け、フルスタックエンジニアへの道を真剣に考えてみませんか?

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