DXとは?その意味と日本の現状、DX推進の障壁となる要因を分かりやすく解説!
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DXとは?その意味と日本の現状、DX推進の障壁となる要因を分かりやすく解説!
アンドエンジニア編集部
2021.02.18
この記事でわかること
DXとは、デジタル化によって企業経営が「さま変わり」して推進力を得ること
日本ではDXに手つかずの企業が60%以上ある
部門ごとに進めたデジタル化によるレガシーシステムがDX推進の足かせになっている

DXとは

AI

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術(デジタル化)によって何かが「さま変わり」してしまうことです。この「何か」は、例えば消費者の買い物行動だったり、土木工事の測量現場だったりと、さまざまなものがあります。

トランスフォーメーションとは「さま変わり」すること

トランスフォーメーションとは、蛹が蝶になるような、劇的な変化のことです。動物学でいう「変態」ですね。アニメでは車がロボットになるような「変身」をトランスフォーメーションといいます。(Digital TransformationをDTではなくてDXと略すのは、transをXと略記する英語圏の習慣によるものです)

人々はいくつもの紙袋を持って店を歩き回らなくても、居間のソファに座ってスマホでポチッとするだけで様々な物を買えるようになりました。土木建設の現場では測量士の姿が消えて、ドローンが飛び回って3次元測量のデータを集めるようになりました。

世の中や企業のいたるところで、このような「デジタル化によるさま変わり」が起きています。これがDXです。

DXを達成しない企業は失速して崖(がけ)から墜落する

デジタル・トランスフォーメーションという言葉は、2004年にエリック・ストルターマン(情報学・スウェーデン・ウメオ大学教授)が使い始めたものですが、2018年には日本の経済産業省が「2025年までに日本のすべての企業がDXを達成しないと、国際競争力を失う」と警告するほどの重要な概念になりました。

経産省はこれを「2025年の崖」と呼んでいます。デジタル化による変身で翼(推進力)を獲得しないまま進み続けると、企業は競争に勝てずに断崖絶壁から墜落してしまうというのです。

DXの取組事例に学ぶDX成功のポイントとITエンジニアへの期待

DXの成功事例から多くを学ぶことはできない

Winning horse

Amazonやメルカリ、LINEのような世の中の「何か」を変えた企業の輝かしい成功例を研究しても、そこから自社のDXの役に立つ知見を得ることはあまり期待できません。それは、競馬の結果を翌日の新聞で読むのと似た行為だからです。

成功事例では「失敗の要因をどう消してきたか」が分らない

勝ち組の勝因をあれこれと列挙することは可能ですが、そこに抜け落ちているのはレースの途中で切り捨ててきた選択肢と、結果がでる前にその企業が何をどのように分析し、決断したかというプロセスです。

プロセスの途中で現れた障害をクリアしたマネジメントの実態を学ぶことで、初めて参考にすることができます。

DX推進が捗らない企業が、喉から手が出るくらいに欲しいIТ人材とは

DXの現状

Flight Delayed

日経PB社が国内900社を対象に行った調査(2019年7~8月)によると、DXを推進していると答えた企業は36.5%で、企業規模で大きな差があることが分りました。 (日経PB『DXサーベイ 900社の実態と課題分析』2019年11月25日号)

DXを全く推進していない企業が61.6%

同調査によると、全体では61.6%の企業がDXをまったく推進していないと答えていますが、企業規模によってその割合が大きく違っています。

DXを推進中の企業の割合 ●従業員300人未満   21.8% ●300人~1000人未満  34.4% ●1,000人以上   57.2% ●5,000人以上   80.3%

日本の企業の約8割を占める従業員300人未満の会社では、DXを推進中と答えたのはわずか21.8%に過ぎません。

取り組んでいるがまだ成果を上げていない企業は39.4%

DXへの取り組みの本気度と成果を見ると、次のようになっています。 ●本気で取り組み、成果を上げている 26.3% ●本気で取り組んでいるが、まだ成果を上げていない 39.4% ●まだPoC(概念検証)の段階 33.9%

PoCとは、新しい技術や理論などが実現可能か、目的の効果が得られるか、などを検証することで、この段階にある企業が全体の1/3あることになります。

DXの達成をはばむ要因とは

History

経産省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」が数年先に迫っているのに、超大企業を除いてDXの推進があまり進んでいないのはなぜでしょうか?

エコシステムと呼ばれる複雑な相互関係の調整が必要

DXを推進する難しさは、部分的、部門的な刷新や改革では済まないことにあります。

自然界では、オオカミを退治すると鹿が増えすぎるというような微妙なバランス(生態系=エコロジーシステム)があります。企業のデジタル化も、それにならって「エコシステム」という考え方を導入しないと、改善のつもりがやっかいな病巣を持ち込むことになりかねません。

経産省の「DXレポート」(2018年)でも、DXを「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら」行うものと定義しています。単に外部システム、内部システムといわずに、エコシステムといっているのは、無意味ではありません。

レガシーシステムへの対応

企業エコロジーに配慮したDX推進の中でも、既存システム(レガシーシステム)との調和はもっともやっかいな問題です。

各部署が必要に応じて行なってきた既存のITシステム(部署ごとに最適化されたバラバラなシステム)は、統合しようとするといたる所で「ブラックボックス」が露呈することがあります。それによって、システム同士の連携が非常に困難になります。

先述の「DXレポート」では、日本企業のIT関連費用の8割がレガシーシステムの維持・運営に当てられていると指摘しています。既存システムの維持にお金と人手をかけながら、新しいシステムを導入しなければならないことがDX推進の大きな足かせにっているのです。

「2025年の崖」とは、具体的にはレガシーシステムの切替に失敗した場合に、システム障害などによって企業が深刻なダメージを受けることを指しています。

経営戦略に基づくDXが必須

多くの困難が予想されるDX推進では、困難をクリアしていくためのしっかりした経営戦略が欠かせません。「みんながやっているからわが社もやろう」という発想では、「とりあえずデータを集めてみたけど、使い道が分らない」というような、ヒトとカネの無駄遣いに終わる可能性があります。

経営戦略を立てるには、まず経営者自身が自社にとってのDXの意味と目的を明確に把握するとともに、DXを達成できなかった場合の自社にとってのリスク(崖っぷち)もはっきりと意識しておかなければなりません。

DXを担う人材がいない

電通デジタルの「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)によると、DX推進の障壁として「スキルや人材不足」を挙げた企業が33%ともっとも多くなっています。「自社で育成するための教育プログラムや教育機会が乏しい」も23%と上位を占めています。

DXを推進する人材としては、システム構築ができるITエンジニア、データ分析とマーケティングに精通したデータサイエンティスト、ディープラーニングやビッグデータなどAIエンジニアなどがあります。

会社の規模や業種にもよりますが、これらの人材がまったくいないという企業も珍しくはなく、そういう企業ではDXと言われても何をしたら良いか分らないのが実情です。

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ベンダーに「おんぶに抱っこ」でやってきた

これまで日本の企業は、システム開発において、要件定義のヒアリングの段階からベンダーに任せるのが一般的でした。これでは、何を開発するのかまでベンダーに決めてもらうようなもので、自社にノウハウが蓄積せず人材も育ちません

言うまでもなく、このやり方でDXをベンダーに丸投げすることはできません。企業がトランスフォーメーション(さま変わり)を果し、崖っぷちから墜落せずに生き残るためには、もっと主体的で戦略的なIТ化が必要です。

DXの推進でエンジニアに期待されること

future

DXにITエンジニアが欠かせないのは言うまでもありません。彼らに特に期待されるのは、レガシーシステムから全体最適システムへのスムーズな移行に寄与することと、ビジネス革新に目標を据えたデータ分析・UX設計を行うことです。

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レガシーシステムからのスムーズなマイグレーション(移行)

DXでは既存システムから全体最適システムへのマイグレーションが最重要の課題になります。エンジニアはその移行に際して、既存システムの「ゴミ」を全体システムに持ち込まない細心の注意が求められます。できるだけシンプルで汎用性のあるロジックを用いて、間に合わせの連携でその場をしのいだりしないことが肝心です。

ビジネスマインドからのデータ分析とUX設計

DXの最終目的はビジネスの活性化によって競争に勝ち残ることです。ビッグデータもディープラーニングもビジネスへの適切な出口を見つけてこそ価値があります。DXに参加するエンジニアには、関与するビジネスやエンドユーザーの特性について深い知識と興味・関心が求められます。

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