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システムアーキテクト試験とは?難易度・年収・勉強法を解説
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システムアーキテクト試験とは?難易度・年収・勉強法を解説

アンドエンジニア編集部
2023.08.25
この記事でわかること
システムアーキテクトは深い知識と実践能力が求められる職種です
システムアーキテクト試験の難易度は決して低くありません
合格後はより上流工程で求められる人材として認知され、目指すキャリアの選択肢が広がります

システムアーキテクトになるには試験が必須?

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システムアーキテクト試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)によって実施される情報処理技術者試験の一区分です。経済産業省が認める国家資格であり、4段階あるスキルレベルの最上位レベル4に属します。

システムアーキテクトとして働くのに資格は必ずしも必要ではありませんが、受験することでさまざまなメリットが考えられます。

本記事ではまず、システムアーキテクトがどういった職種なのかを解説したうえで、試験の概要やメリット、勉強方法を詳しく紹介します。

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:システムアーキテクト試験

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そもそもシステムアーキテクトとは?

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システムアーキテクトは、システム開発の上流工程において豊富な業務経験・知識に基づいて情報システムを設計しシステム開発を担当する上級エンジニアです。具体的にどのような仕事を担当するのかは、次項で解説します。

情報システム戦略への貢献

システムアーキテクトは、情報システム戦略を具体化するために全体最適化の観点からシステムを設計します。同様に、対象となるシステムの要件を分析・整理しまとめていきます。

加えて、システムの方式設計において情報セキュリティを確保し、要求される品質を確保したソフトウェア設計・開発、テスト、運用、保守を検討して、最適なシステムを開発していきます。

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システム最適化への貢献

システムアーキテクトは情報システム戦略をシステム化するにあたり、ITストラテジストと連携しシステム方式を決定していきます。プロジェクトを進めるためにプロジェクトマネージャと連携し、計画・実施・評価を進めていきます。

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対応満足度の向上

システムアーキテクトの設計は、国家資格に認定された知識と経験に基づいた高品質な設計となります。依頼側と受け側のコミュニケーションを滞りなくすることにより、安心・安全なシステム設計を行う技術者として広く認知されています。

システムアーキテクトになるには

プログラマーやSEの上級職であるシステムアーキテクトになるには、知識・経験・実績が必要な職種であるため、順を追ってキャリアアップしていく方法が一般的です。

また、国家資格となる「システムアーキテクト試験」に合格することで、システムアーキテクトの適性を持った人材であることを証明できます。

【参考】:マイナビAGENT:システムアーキテクトとは?上級エンジニアへのキャリアアップを目指す

システムアーキテクトに求められる能力は?

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システムアーキテクトは、求められる業務と役割を円滑に遂行するために、以下の知識や経験・能力が要求されます。

会社の情報システム戦略を理解していること

会社の戦略から立案された情報システム戦略を正しく理解し、情報システム全体構想に基づいた業務モデルや情報システム設計を検討することが求められます。

業種固有の業務・アプリケーションを理解していること

業種ごとのプロセスを理解し、業界ベストプラクティスの選択・システム方式や開発手法の選定が求められます。同時に、ソフトウェアパッケージの選定やカスタマイズの知見が求められます。

IT技術を理解していること

情報システムの基盤となるハードウェア・OS・データベース・ミドルウェア・ネットワーク・セキュリティの各要素技術を理解しており、適切なアーキテクチャの選定とリスク低減策の策定をすることが求められます。同時に、保守保全の観点での業務運用に踏み込んだ設計と評価を担当します。

また、システムの最適化や開発品質向上のためにサービス連携を検討し、API・スクリプトの利用・開発のための高度なプログラミング能力を身に付けていることも大切です。

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コミュニケーション能力が高いこと

システムアーキテクトは全体戦略をITストラテジストと連携し、プロジェクト進捗をプロジェクトマネージャと連携します。同様に、開発チームや開発者並びに協力会社とのコミュニケーションを円滑に実施することが求められます。

仕様書・進捗管理・緊急時の文書・口頭連絡など、多様な形態に対応する柔軟なコミュニケーション能力が必要とされます。

企業によっては研修制度が整っている場合もあり、徐々に知識をつけながらシステムアーキテクトを目指すことも可能です。ITの知識や経験を生かして転職を考えるなら、自分のスキルに合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。

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システムアーキテクト試験の概要

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システムアーキテクト試験(SA)は情報処理技術者試験として情報処理推進機構(IPA)により実施されています。ここではその詳細について見ていきます。

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:システムアーキテクト試験

試験日と合格発表日

システムアーキテクトの試験日は、毎年4月の第3日曜日です。2023年は4月16日に実施されました。合格発表は約2ヵ月後の2023年6月29日です。解答例や採点講評も公式サイト内で一定期間閲覧することができます。

【参考】:令和5年度春期試験 合格発表スケジュール

試験範囲と内容

試験は午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱに分かれています。

午前Ⅰおよび午前Ⅱにおいては、テクノロジー系・マネジメント系・ストラテジ系に分類されているコンピュータ要素技術と理論、システムの企画・戦略・開発技術、セキュリティから択一式で出題されます。

午後Ⅰは記述式で4題中2題を選択します。設問文に従い、問題点や改善策を提示していきます。午後Ⅱは論文課題形式で3題中1題を選択し、業務経験を踏まえた内容を小論文にまとめて回答・論述します。

午前Ⅰ・Ⅱ・午後Ⅰとも、満点の60%を基準点として基準点に達しなかった場合は不合格となります。午後ⅡはA・B・C・Dのランクで採点され、Aランクが最終合格となります。

それぞれの試験時間は以下の通りです。

▪午前Ⅰ:9:30〜10:20(50分)多肢選択式(出題数:30問、解答数:30問) ▪午前Ⅱ:10:50〜11:30(40分)多肢選択式(出題数:25問、解答数:25問) ▪午後Ⅰ:12:30〜14:00(90分)記述式(出題数:4問、解答数:2問) ▪午後Ⅱ:14:30〜16:30(120分)論述式(出題数:3問、解答数:1問)

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:システムアーキテクト試験

合格率からみる試験の難易度

情報処理推進機構(IPA)発表によると、令和4年の合格率は15.0%でした。過去の合格率もおよそ14〜15%で推移しています。高度情報処理技術者試験の中では平均的な数字ですが、一般的な試験と比較すると合格率はかなり低く、難易度の高い試験であることがわかります。

スペシャリスト系試験で採用されている、午後Ⅱ記述式試験の次のステップとして論述式試験に挑戦される方は、システムアーキテクト試験を目指すことをおすすめします。

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料

受験料と受験資格

システムアーキテクト試験の受験料は、7,500円です。当試験を受験するにあたって、特別な受験資格はなく、また年齢制限なども設けられていません。誰でも挑戦できる試験です。

ただし、対象者像としては以下のような人材が想定されています。

・高度IT人材として確立した専門分野を持つ ・ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義する者 ・また、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者

【参考】:スケジュール、手数料など 【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験に合格するメリットは?

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システムアーキテクトの資格取得には、多くのメリットがあります。ここでは、システムアーキテクトの資格を取得することで得られるメリットを見ていきましょう。

自身のスキルの証明

システムアーキテクト試験は、情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格です。したがって、自身の保有する知識と豊富な経験を公的・対外的に証明することができます。

その結果、周りからは「情報システムにおいて深い知識を持ったすごい人材」と認められ、評価が変わることが感じられるはずです。

自社の上位職種や他社転職に有利

システムアーキテクト資格取得者は高度なスキルを保有する証明となりますので、職場での上位職へのチャレンジや重要なプロジェクトを任されることが増えるでしょう。

同様に、他社への転職時に採用基準として自身の差別化ポイントとしてアピールすることが可能です。

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他の資格試験での優遇

システムアーキテクトの資格保有者は、他の資格試験で科目免除等の優遇を受けられます。具体的には、午前Iの基準点通過者は2年間にわたり、情報処理推進機構(IPA)の高度情報処理試験並びに情報処理安全確保支援士試験の午前Iの科目受験が免除されます。

同様に、弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V(情報)が免除されたり、技術士第一次試験の専門科目の情報工学部門が免除されたりもします。

ITコーディネータ(ITC)においても専門スキル特別認定試験の受験や資格更新ポイント対象となります。

【参考】:午前Ⅰ試験免除 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験 【参考】:公益社団法人 日本技術士会:第一次試験のよくあるご質問 【参考】:【別表2】 弁理士試験の選択科目が免除される情報処理技術者試験合格者の試験区分 【参考】:ITコーディネータ協会:対象の専門資格一覧(2020.4.1改訂)

情報処理安全確保支援士試験とは?難易度やおすすめの参考書を紹介
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年収アップが期待できる

一般的なシステムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアの年収は一般平均年収と比べて、同水準かやや高めであることが分かります。

マイナビエージェントの公開求人検索で「システムアーキテクト」を検索すると、年収は500万〜1,000万円で募集している企業がたくさん見つかります。

このことから、システムアーキテクト試験に合格することで、民間の平均より高いシステムエンジニアの年収を、さらに上回ることが期待できます。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁 【参考】:マイナビAGENT:検索結果 システムアーキテクト 【参考】:マイナビAGENT:システムエンジニア・プログラマー

システムアーキテクト試験の勉強法

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システムアーキテクト試験に合格するためには、試験範囲における幅広い知識と経験に基づいた論述回答が求められます。勉強時間を有効に使うために効率良い学習方法についてご紹介します。

独学でも学習できる

システムアーキテクト試験は、独学でも合格できる試験です。具体的な学習方法としては、学習サイトなどにある過去問の活用や、市販の参考書を活用した勉強がおすすめです。

暗記やどれだけ問題演習をこなすかが重要になる試験なので、それぞれの試験内容に合わせた学習時間を確保しましょう。

その上で1週間ごとの目標や勉強スケジュールを立てて、継続しながら少しずつタスクをクリアすることが大切です。以下におすすめの学習サイトをまとめたので、ぜひ学習の参考にしてください。

【参考】:システムアーキテクト過去問対策.com 【参考】:システムアーキテクト試験 過去問サイト

午前Ⅰ・Ⅱは過去問を活用しよう

午前Ⅰ・Ⅱにおける択一式問題は過去問が相当数含まれます。したがって、情報処理推進機構(IPA)が公開している過去問題を確認しましょう。

また、過去問と一緒に参考書も併用することで、より理解を深めることができます。おすすめの書籍は後述して紹介します。

【参考】:過去問題

午前Ⅱ・午後Iは参考書を活用しよう

午前Ⅱは専門領域の出題比率が高いので、過去問題を中心に学習します。ただし、「理解を深めたい」「じっくり進めたい」といった場合は参考書の活用がおすすめです。午後Ⅰは記述式となりますので、解法手順を参考書でしっかり確認して理解しましょう。

午後Ⅱは参考書でのインプットと論文作成のアウトプットを

午後Ⅱは、自身の経験を元に小論文を作成する論述式となります。そのため、参考書で解答形式を学び、解法のポイントを理解することが重要です。ある程度理解が進んだら実際に論文を作成し、論述練習を重ねましょう。

システムアーキテクト試験におすすめの参考書3選

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ここでは、システムアーキテクト試験の対策におすすめな参考書を3つご紹介します。過去問と併せて活用してください。

情報処理教科書 システムアーキテクト 2023~2024年版

システムアーキテクト試験における午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの対策を、この1冊でまかなえる参考書です。出題傾向を把握して知識を効率的にインプットし、長文問題対策としてどういう風に読んで解答すれば良いかも丁寧に解説してあります。

▪著者:松田幹子、松原敬二、満川一彦 ▪ページ数:616ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/09/14

【参考】:情報処理教科書 システムアーキテクト 2023~2024年版

2023-2024 システムアーキテクト 「専門知識+午後問題」の重点対策

システムアーキテクト試験の合格者を多数輩出した人気講師による、合格テクニックやノウハウが凝縮された参考書です。付録として「論文設計ワークシート」があったり、「配点付き午後Ⅰ問題の解答用紙/午後Ⅱ問題の論文用紙」などがダウンロードできたりと、知識を学ぶだけでなく、本番同様の対策ができます。

▪著者:岡山昌二 ▪ページ数:622ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2022/10/25

【参考】:2023-2024 システムアーキテクト 「専門知識+午後問題」の重点対策

2023 システムアーキテクト 総仕上げ問題集

直近3期分のシステムアーキテクト試験を収録しており、試験対策の総仕上げとして活用できる参考書です。分野別Web確認テスト・本試験過去問題・実力診断テストなど、どれだけ知識が定着して対策力が付いているかを客観的に図ることができます。ある程度学習し終えたら、ぜひチャレンジしてほしい1冊です。

▪著者:アイテックIT人材教育研究部 ▪ページ数:563ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2022/12/1

【参考】:2023 システムアーキテクト 総仕上げ問題集

幅広い分野で活躍できるシステムアーキテクトを目指そう

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今後はデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、企業のIT活用がますます進んでいきます。特にAIや機械学習にはそれに適した設計が必要です。

高度情報処理技術者は、官民全てのシステム変革で求められるIT技術者です。その中でも、システムアーキテクトは豊富な業務知識を活用できることから、一層ニーズが高まってきます。

同時に、システムアーキテクト試験(SA)合格者は、プロジェクトマネージャやITストラテジトにつながるキャリアプランを描くことが可能です。将来的なキャリアの選択肢が大幅に増えることで、自身の成長を一層確実にできるでしょう。

しかし、いざ転職となると、自分のスキルに合った企業が見つけられるか不安になりますよね。間違った選択をしてしまうと、思ったようなキャリアアップができない可能性もあります。

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