プログラマーとシステムエンジニアの違いは?年収はどっちが高い?
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プログラマーとシステムエンジニアの違いは?年収はどっちが高い?
アンドエンジニア編集部
2022.02.17
この記事でわかること
プログラマーとシステムエンジニアは同じITエンジニアの1つの職種である
システム開発工程の多くをシステムエンジニアが担い、プログラマーは主にプログラミングとテスト工程を担当する
AIによってプログラマーの役割は変わる可能性はあるが、システムエンジニアは引き続き需要があり将来性は高い

プログラマーもシステムエンジニアも同じエンジニア?

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この記事をお読みの皆さんの中には、プログラマーやシステムエンジニアを目指して勉強中の方、就活中の方がいることと思います。皆さんはプログラマーとシステムエンジニアとの違いについて、正しく理解をされていますか?

どちらも同じITエンジニアですが、職種が異なり、仕事の内容や役割が違います。この記事では、システムエンジニアやプログラマーの職種の違いについて、さまざまな視点から解説していきます。ITエンジニアを目指している方は、自身のキャリアバスを描く上で参考にしてください。

プログラマーとは

「プログラマー」(略称PG)はITエンジニアの職種の1つで「プログラム言語」を用いてシステムやソフトウェアを作ることを仕事にしている人を指します。

世の中にはさまざまなソフトウェアやシステムがあります。身近なところではテレビやビデオ、家電製品などから、宅配システム、金融システム、医療システムなど、普段私たちが利用しているものが無数にあり、それぞれにプログラマーが作成したプログラムが利用されています。

システムエンジニアとは

「システムエンジニア」(略称SE)は、ユーザーやクライアントの要求に従って、最適なシステムの開発を行う人を指し、ITエンジニアの1つの職種です。

「システムエンジニア」はシステム設計書、プログラム仕様書を作成し、プログラマーにプログラミングを依頼します。また、上級のシステムエンジニアになると、システム開発プロジェクトのリーダーとして、プロジェクトを率いることもあります。

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や年収、必要スキルを解説!

平均年収の違い

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プログラマーとシステムエンジニアの平均年収での違いについて見てみましょう。システムエンジニアはプログラマーの上位職的な位置づけにあるため、概してシステムエンジニアの平均年収はプログラマーを上回る傾向があります。

以下、数字は厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査(2019)に基づき、「1月当たり現金給与額×12カ月+年間賞与支給額」にて年収を計算しています。

【参考】:賃金構造基本統計調査 (2019)

プログラマーの平均年収は548万円

プログラマーの平均年収は362.5千円/月×12カ月+1,127.6千円=548万円(平均年齢32.9歳)です。システムエンジニアと比較して年収で80万円ほど低くなっていますが、システムエンジニアよりも平均年齢で5.3歳若いことも原因の1つと考えられます。

「プログラマーはきつい仕事なのに、システムエンジニアより給料が低い」という声を聴くことがありますが、きついという点では、どちらも大差はありません。仕事をきついと感じる原因の多くは、「タイトな納期」にあり、納期に間に合わせるために徹夜を余儀なくされるケースもあります。

プログラマーはプログラミングやテスト工程で納期に縛られますが、システムエンジニアはシステム開発工程の全てにおいて納期の制約を受けていることを理解しておきましょう。

システムエンジニアの平均年収は627万円

システムエンジニアの平均年収は397.8千円/月×12カ月+1,498.7千円=627万円(平均年齢38.2歳)です。平均年収で比較するとシステムエンジニアはプログラマーより上位にありますが、いきなりシステムエンジニアを目指すのは現実的ではありません。

「システムエンジニアとプログラマー、目指すならどっち」という方もいますが、大半のシステムエンジニアはプログラマーとしてキャリアを積んでいることを理解しておきましょう。

仕事や役割の違い

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プログラマーとシステムエンジニアはいずれもシステム開発、ソフトウェア開発を主な仕事としていますが、仕事の範囲や役割はそれぞれ異なります。ここではシステム開発工程の視点から、その違いを見ていきましょう。

システム開発工程

一般的に、システム開発の工程は次の通りです。まずこの工程を頭に入れておきましょう。

1.要求分析 2.要件定義 3.基本設計 4.詳細設計 5.プログラミング 6.テスト 7.全体マネジメント 8.運用・保守

プログラマーの仕事

前述の「システム開発工程」の内、プログラマーは、「5.プログラミング」および「6.テスト」を担当します。「8.運用・保守」は主にインフラエンジニアが担当しますが、開発システムの運用移行に関してはシステムエンジニアの下で、プログラマーも関わる場合があります。プログラマーはさまざまな言語を用いてプログラミングを行います。

プログラミング言語にはC言語、Java、JavaScript、Perl、PHP、PythonやRubyなど数多くあります。プログラマーになるには複数の言語を扱えると有利ですが、少なくとも1つは得意な言語を習得しておきましょう。

まずは1つのプログラミング言語を極め、それから扱える言語の幅を広げていくと良いでしょう。

現場で多く使われるプログラミング言語一覧!種類別に詳しく解説

システムエンジニアの仕事

システムエンジニアは、システム開発工程のプログラミングを除くほぼ全ての工程を担当します。

システムエンジニアは、顧客やユーザーの要求に基づく開発システムの仕様決定、基本設計や詳細設計などのシステム開発における上流工程を主に担当します。

他に予算や開発要員の確保、プロジェクトの進捗管理などマネジメント業務も担います。システムエンジニアの担当工程は、上級エンジニアはより上流工程に重きを置き、初級エンジニアはプログラミングなどの下流工程を担当する場合もあります。

必要とされるスキルの違い

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プログラマー、システムエンジニアのいずれも特別なスキルが求められるわけではありませんが、ある程度の適性がなければ続けることが難しくなります。そのため入社試験で適性検査を実施している企業もあります。 エンジニアの適性検査が受けられるサイトなどもありますので、あらかじめ自身の適性を見ておくのも良いでしょう。これからプログラマーとシステムエンジニア、それぞれに求められるスキルの違いについて見ていきましょう。

プログラマーに必要なスキル

プログラマーに求められるスキルとしては、次のようなものがあります。不足するスキルがあっても、スキルを磨くことは可能ですので悲観する必要はありません。

▪プログラミングスキル

▪論理的な思考力

▪新しい技術を身に付ける向上心

▪コミュニケーション能力(プロジェクトリーダーやメンバーとのコミュニケーション)

▪不備発見ができる注意力

システムエンジニアに必要なスキル

システムエンジニアはプログラマー経験を経た人が大半です。そのため、プログラマーに求められるスキルは既にあるものとして、さらに次のスキルが求められます。

▪ヒアリング能力(特にクライアントの要求をヒアリングし、要件としてまとめる能力)

▪コミュニケーション能力(クライアントやプログラマーとコミュニケーションを図る能力)

▪マネジメント力(プログラマーやプロジェクトをマネジメントする能力)

キャリアパスの違い

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ITエンジニアが明確なキャリアパスを描くことは大変重要です。一般的なサラリーマンの場合は、昇進や昇格によって自らの地位を高めていく人が多いですが、ITエンジニアはより活躍範囲を広げるとともに、キャリアパスによって年収を上げていく人が多いでしょう。

ここでは、プログラマーとシステムエンジニアのキャリアパスの違いについて見ていきましょう。

プログラマーのキャリアパス

プログラマーには、システムエンジニアを目指してプログラマー経験を積む方が少なくありません。一般的にはプログラマーのキャリアパスとしては、システムエンジニアやWebエンジニアが一般的です。他に、エキスパート系のプログラマーを目指す人もいます。 ゲームプログラマーやサウンドプログラマー、組み込みプログラマー、Webプログラマーといった専門領域への道もあります。

参考:プログラマーの種類とは?分野によって異なる将来性と強みについて

システムエンジニアのキャリアパス

システムエンジニアのキャリアパスは実に豊富にあります。システムエンジニアは経験を重ねるに従って、自らのスキルをより生かせる職種のイメージが膨らんできます。

クライアントの戦略策定に関わるITコンサルタント、ビジネスコンサルタント、専門性を強みとするITスペシャリスト、テクニカルエキスパート、あるいはプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなど、大変多くのキャリアパスが想定されます。

仕事に役立つ資格

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プログラマーやシステムエンジニアは資格が必須という職種ではありませんが、資格取得はスキル証明となり、就職や転職、昇給などで有利になります。また仕事の機会も広がりますので、次に挙げる資格はぜひ取得しておいた方が良いでしょう。

プログラマーに役立つ資格

プログラマーとしては、IT全般に関する基本知識に加え、プログラミングスキルを証明する資格があると良いでしょう。

1.基本情報技術者試験(FE)

IPA主催の国家資格で、高度IT人材を目指す上で必要な基本知識やスキルを見る資格試験です。

2.プログラミング資格試験

C言語プログラミング能力認定試験

PHP7初級試験

Ruby技術者認定試験

Javaプログラミング能力認定試験

Python 3 エンジニア認定基礎試験

などがあります。

皆さんが習得中のプログラミング言語のスキル証明として、これらの資格試験に挑戦されることをおすすめします。

参考:プログラマーに資格は必要?転職にも役立つ取得メリットをご紹介

システムエンジニアに役立つ資格

システムエンジニアにおすすめの資格としては、次のようなものがあります。基本情報技術者試験(FE)はプログラマーにも役立つ資格試験ですが、システムエンジニアを目指すプログラマーの方は取得しておくことをおすすめします。

1.基本情報技術者試験(FE)

2.システムアーキテクト試験(SA)

 システム開発におけるプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなど上級エンジニアを目指す人向けの資格試験です。

3.ネットワークスペシャリスト試験(NW)

 ネットワークシステムの構築や運用に携わるエンジニア向けの資格試験です。

4.ORACLE MASTER(民間資格)

 データベースでは世界的なシェアを持つ、オラクル社の資格試験です。4つのレベル(Bronze、Silver、Gold、Platinum)があります。

システムエンジニアがキャリアアップするのにおすすめの資格を解説!

将来性

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ここまで、プログラマーとシステムエンジニアの違いについて、さまざまな角度から見てきましたが、最後にそれぞれの職種の将来性について見ておきましょう。ITエンジニアを目指すエンジニアの皆さんはぜひ参考にしてみてください。

プログラマーの将来性

AIに置き換わる職業の1つとして、プログラマーが挙げられることがあります。そのため、プログラマーは将来性が低いのではないかと判断されている方もいるでしょう。

確かにAI技術を用いた自動プログラミングも登場するなど、プログラマーの将来性に不安を覚える方がいるかもしれません。しかし、フログラマーを含むITエンジニアの不足は深刻化しており、依然としてプログラマーに対する需要は高いものがあります。

また、AIの開発そのものにもプログラマーが欠かせません。将来は簡単なロジックはAIに任せ、プログラマーはより高度な部分を担当するという可能性も大いにあるでしょう。このように、プログラマーの役割は変わっていくかもしれませんが、他の職業と比較してプログラマーの将来性は決して悲観するようなものではありません

システムエンジニアの将来性

「2025年の崖」と言われるDX化の期限、AIやビッグデータのブームなどもあって、システムエンジニアに対する期待はさらに高まっています。

その結果、システムエンジニアを中心としたITエンジニアの不足は深刻なものとなっています。またシステムエンジニアの仕事はAIによって代替できるものではありませんので、その将来性は高いと判断できます

現在プログラマーの方は、スキルアップを図ってぜひシステムエンジニアを目指してください。これからITエンジニアを目指す方は、明確なキャリアパスを描いた上でプログラマー経験を積み、次のステップを目指してください。

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