CCNA資格とは? 難易度や勉強法、ネットワークエンジニアが取得するメリット
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CCNA資格とは? 難易度や勉強法、ネットワークエンジニアが取得するメリット
アンドエンジニア編集部
2022.06.15
この記事でわかること
CCNAはスキル証明に有効な資格と定評があるCISCO認定技術資格の初級レベルで、ネットワークで活躍したいエンジニアなら取得したい資格
CCNA試験は2020年の改定によって、試験科目や出題範囲などが大きく変わった
CCNA資格の取得は、スキル証明、就職・転職に有利、資格手当の支給が期待できる等、さまざまなメリットがある

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CCNA資格を取得しよう

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CCNA(読み方:シーシーエヌエー)「Cisco Certified Network Associate」は、ネットワーク機器大手シスコ社の認定資格で、ネットワークエンジニアの初級レベルの資格です。CCNA資格が要求するのは、例として「レイヤー2のスイッチング」「レイヤー3のルーティング」、WAN、セキュリティなどのネットワークに関する広範な知識です。

CCNAの資格取得はネットワーク技術者として最低限の知識やスキルを有する証となり、ネットワークエンジニアとして活躍するための第一歩となるでしょう。

CCNAは大幅に改定された?

CCNAは2020年2月24日から新たなCCNA試験に移行されましたが、それに伴い試験範囲や内容が大幅に改定されました。

改定の理由は大きく分けて2つあり、1つ目は最新技術動向や最新の知識への対応、2つ目は9分野に分かれていた試験科目・試験方法をまとめて分かりやすくすることで、この改定によって試験は1度で済むようになりました。一方、最新技術に対応したことでIoT関連の出題が新たに追加されるなど、出題範囲が広がり、かつ実務に即した内容にシフトしています。

CISCOの資格一覧

CISCOの認定資格は種類が多く、分かりにくいという声もあります。現時点(2022年)の資格区分は以下の5つに分かれており、最上位(最難関)のアーキテクトを頂点に5段階あります。エントリーレベルのCCTは英語試験のみのため、日本ではCCNAが実質的なエントリーレベルと言えます。

5.アーキテクト(CCAr) 4.エキスパート(CCDE、CCIE、DevNet ExpertE) 3.プロフェッショナル(CCNP、DevNet Professional、CyberOps Professional)  (シスコスペシャリスト認定取得) 2.アソシエイト(CCNA、DevNet Associate、CyberOps Associate) 1.エントリー(CCT)※英語試験のみ

CCNA資格の有効期限

シスコ技術者認定資格は、CCNAを含めて有効期間は3年です。3年を経過すると自動的に失効します。シスコ技術者認定資格の保持には、3年以内に同一レベル以上の試験に合格し、資格更新を行う必要があります。

これは大変厳しい制度ですが、この仕組みによってシスコ技術者認定資格の高い評価が保たれていると言えます。

CCNAの改定内容

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ここでは、2020年2月24日に改定されたCCNAの試験内容について説明します。改定前よりも問題の出題範囲が広くなり、新たな分野からの問題も追加されています。改定された内容を理解し、試験勉強に臨みましょう。

認定トラック数が9→1になった

改定前のCCNAは9つの資格試験に分かれていましたが、改定後に1つの資格試験にまとめられています。改定前は各分野に特化した資格試験となっており、受験の際は特定の分野についての知識があれば合格できました。

しかし、特定の分野のスキルを証明する資格となっていたため、就職や転職の際のアピールポイントとするには就職先・転職先の企業に合ったスキルの資格に合わせる必要があったのが難点でした。改定後のCCNAはあらゆるスキルを証明する資格となり、自分のスキルをより高くアピールできる資格となっています。

試験範囲が広くなった

9つの資格試験に分かれていたCCNAが1つにまとめられたことによって、出題範囲も9つの分野を総合した内容に変更されました。問題は、ネットワークの基礎・ネットワークアクセス・IP接続・IPサービス・セキュリティの基礎・自動化とプログラマビリティから出題されます。

Ciscoの公式ホームページでは各分野の出題範囲の割合が公開されており、また受験者同士が問題について知識を共有したり、交流したりできるページもあります。参考書や問題集に加え、公式ホームページでも情報収集をして受験の準備をしましょう。

【参考】CCNA試験トピックス

【参考】CCNA Certification Community

新たな試験範囲が追加された

試験範囲は改定前のCCNAの9つの分野が含まれますが、新たに自動化とプログラマビリティも追加されました。改定前にはなかった分野のため、新しく勉強する必要があります。具体的な内容は、ネットワークの構成・管理の自動化や、API、プログラミングなどの知識が問われる問題となっています。全体の問題数から見ると出題の割合は低い傾向にありますが、ほかの分野と同様しっかりと対策をしましょう。

CCNAの試験概要と難易度など

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CCNA資格の概要が分かったところで、次はCCNA試験に関する内容について解説しましょう。

試験時間・出題形式

旧資格ではCCNAの試験は複数に分かれていましたが、新体系では1つの試験に統合されました。出題範囲は、下記のリンク先を参照してください。以下、CCNA試験の概略です。

▪試験時間:120分

▪問題数:非公開

▪出題形式:CBT方式(コンピュータテスト)

▪受験場所:会場受験とオンライン受験の2つから選択可能

▪合格点:非公開

▪受験資格:特になし(但し13歳以上、17歳以下は保護者の同意が必要)

▪試験日:2022年の試験日は、「ピアソンVUE」のサイトで確認できます。

【参考】Cisco Certified Network Associate (200-301 CCNA) - Cisco

【参照】Cisco Systems :: ピアソンVUE

CCNAの試験申込み方法

CCNA試験の受験申込みは、シスコの委託先である「ピアソンVUE」のサイトで行います。受験地は、全国にあるピアヒンVUE公認の試験会場か、自宅などオンライン環境のある場所を選択できます。自宅などでのオンライン受験では、Webカメラが備わっていることや安定したインターネット環境が求められ、あらかじめ受験環境のチェックを受ける必要があります。

【参照】Cisco Systems :: ピアソンVUE

CCNAの受験料

CCNAの受験料は、39,960円(税込)です。旧試験の受験料と比較して10%ほど安くなりました。受験料は基本的に前述の「ピアソンVUE」の試験申込ページから、クレジットカードや事前に購入したバウチャー、プロモーションコードなどで支払います。またピアソン認定の試験会場で、当日現金で支払う方法もあります。

CCNAの難易度

シスコは合格ラインや合格率の情報を一切公表していないため、難易度などは不明です。しかし、CCNAはシスコ技術者認定資格の中では「アソシエイト」レベルであることから、特別難易度が高いわけではないと考えられます。

ネットワークの基礎知識がある・1年間程度ネットワークの実務経験がある・シスコ製品の設定作業の経験があるなどの人であれば、試験対策の勉強をしていれば、さほど合格は難しくないでしょう。ネットでの合格情報や口コミなどから、テキストや模擬テストなどで3ヶ月程度しっかりと勉強をすれば、合格できるレベルの難易度と推測できます。

CCNA資格取得のメリット

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ここでは、CCNAの資格取得によるメリットについて紹介します。資格試験の受験は勉強のモチベーションがアップし、かつ必要な知識を効率的、体系的に学べるというメリットがあります。ぜひCCNA資格の取得に向けてしっかり勉強しましょう。

知名度が高い資格であり、能力の証明となる

ネットワーク関連の資格の中で、CCNAはIT業界では非常に知名度の高い資格です。CCNA資格の取得で、ネットワークに関する知識や技術の客観的な証明となり、就職や転職に有利になります。実際に求人情報を見ると、「CCNA資格保有者優先」といった文言を見かけます。また、企業側もCCNA資格取得者の在籍をアピールできるメリットがあり、資格取得を推奨している企業が多くあります。

ネットワークの基礎を身に付けられる

シスコ技術者認定試験は、ネットワークについて体系的に学べる以外にも、シスコネットワーク製品に関する問題、実務に即した問題も出題され、バランスよく実践的な知識を身に付けられるのが特徴です。試験勉強を通じて、実践でも役立つ知識が身につくことは受験者にとっても大きなメリットであるといえるでしょう。

CCNA資格手当を支給する企業が増えている

CCNA資格の求人をインターネットで検索すると、多くの企業がCCNA手当制度を設けていることが分かります。CCNA資格はアソシエイトのレベルのため、大きな手当は期待できませんが、それでも月に3,000円~5,000円程度の手当が支給されると、年収が数万円ほどアップします。

CCNA試験に向けた勉強法

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CCNA資格の取得には勉強が欠かせませんが、効率的に学習して短い期間で資格取得を実現するには、どんな勉強方法があるのかを紹介します。ここでは4パターンの勉強方法を説明します。時間的な余裕があれば紹介する4つの勉強法を全て試しても構いませんし、まとまった時間を取れない方は自身に合った勉強法を1つ選択してください。

参考書や試験対策書を利用する

ネットワークの実務経験がない方やネットワークに疎い方は、まずは参考書などで一通り読み込んで、試験で求められる知識について、一旦把握すると良いでしょう。以下、おすすめの参考書を4冊紹介します。

1.初学者の方に 【参考】1週間でCCNAの基礎が学べる本 第3版 - インプレスブックス

▪著者:宮田 かおり ▪出版社:インプレス ▪発売日:2021年4月13日 ▪価格:2,640円 ▪ページ数:336ページ

主に初学者の方が最初の1冊として、短期間で基礎を学ぶのに適した参考書といえます。2020年改定の新CCNA試験に対応しています。試験情報や模擬テストも掲載しており、下準備には最適な参考書としておすすめです。

2.実務経験のある方に 【参考】シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 電子書籍|翔泳社の本

▪著者:林口裕志、浦川晃 ▪監修:中道 賢 ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2020年06月24日 ▪価格:4,268円 ▪ページ数:888ページ

こちらは教科書と問題集が1冊に詰まった、おすすめのCCNA参考書です。実務経験がある方、ある程度ネットワーク知識がある方に向いています。これを1冊マスターすれば、合格の確率は一気に上がるでしょう。

一般的な参考書と同様、詳しい解説を網羅しているだけではなく、問題集も付属しており、この1冊で十分合格が目指せるほど充実した内容です。

3.多くの問題数をこなしたい方に 【参考】Cisco試験対策 Cisco CCNA問題集 [200-301 CCNA]対応 | SBクリエイティブ

▪著者:Gene、松田 千賀 ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2020年9月19日 ▪価格:3,960円 ▪ページ数:760

とにかく問題数をこなしたい方はこちらの本がおすすめです。一冊でCCNAの試験問題が網羅されており、本番と同等レベルの実践的な内容となっています。また、ポイントの解説が丁寧に書かれているため、参考書としても活用できるでしょう。

4.短時間で効率的に学びたい方に 【参考】徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応 - インプレスブックス

▪著者:株式会社 ソキウス・ジャパン 著/株式会社 ソキウス・ジャパン 編 ▪出版社:インプレス ▪発売日:2021年4月21日 ▪価格:3,828円 ▪ページ数:688

問題を解くだけで知識を身に着けることができる本書は、問題集と参考書を両方こなす時間がない方へおすすめです。問題には丁寧な解説が付いており、初心者の方にもわかりやすくなっています。また、読者限定特典として模擬問題1回分(PDF)と、スマホ問題集(豊富な132問の模擬問題+IPアドレスの計算問題)が付いており、通勤中や仕事の休憩中にスマホで問題を解くこともできます。

練習問題で知識を確認する

CCNAに関して、シスコの公式サイトでは無料の練習問題が公開されています。練習問題によって知識のチェックを行えるとともに、本試験の傾向がある程度つかめるでしょう。特に実務経験者が自身のスキルチェックに利用する、または初学者が勉強の成果を確認するために利用すると良いです。

こちらのサイトはPC以外に、スマホやタブレットからもアクセスができますので、スキマ時間を利用して活用できます。ぜひお試しください。

【参考】CCNA Routing and Switching v3.0 練習問題

オンライン学習を利用する

参考書や問題集を購入する前に、まずは手軽にCCNAの雰囲気や難易度を確かめたいという方も多いはずです。そのような方には、オンライン学習サイトを活用する方法もあります。

CCNAイージスは、CCNAに特化したWeb教科書サイトです。CCNAの出題範囲を完全無料で学べます。各章ごとの練習問題も利用でき、効果的な学習ができるでしょう。

【参考】CCNAイージス

Ping-tは、IT系資格の取得を目指す方が利用するオンライン学習サイトです。有料のサイトですが、ユーザー登録をするだけで多くのコンテンツや練習問題を無料で利用できます。またモバイル専用サイトも用意されているので、スマホやタブレットで移動中やスキマ時間に勉強したい方に適しています。

【参考】Ping-t

講座・スクールに通う

CCNAに特化した講座やスクールは多数あります。講座・スクールのメリットは、講師から直接勉強を教えてもらえることです。わからないところも直接質問できるため、独学よりも効率的に学べます。

デメリットは受講料が高額になる場合がある点です。無料体験を実施しているところもあるため、自分に合っているか・講師の説明はわかりやすいかなどをよく検討してから申し込みましょう。

ネットワークに強いエンジニアを目指して

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IT関連のベンダー資格の中で、特に知名度やブランド力が高いシスコ技術者認定のCCNA資格について紹介しました。2020年からは大きく試験制度や内容が改定され、さらに試験対策が必要です。この記事ではCCNAの試験対策についても解説しましたので、ぜひ記事の内容を活用して短期間で効率的な勉強をされ、一発合格を目指してください。

CCNAに無事に合格された暁には、3年後の更新タイミングで上位資格のCCNP取得を視野に、さらにスキルアップを図られることを願っています。

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