CCNAは難しい?
CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」で、世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施するネットワークエンジニアのスキルを証明する資格試験です。また、CCNAは国際的に通用する資格であり、有用性が高い資格のためCCNAの難易度について気になる方は少なくないでしょう。
ここでは、CCNAの概要と難易度について紹介します。
CCNAの概要
CCNAはシスコ技術者認定資格の1つであり、シスコ技術者認定には4つのレベルがあります。難易度の高い順より、エキスパート・プロフェッショナル・アソシエイト・エントリーです。CCNAはアソシエイトのレベルに位置する資格です。
CCNAでは、ネットワークの基礎・ネットワークアクセス・IPコネクティビティ・IPサービス・セキュリティの基礎・自動化とプログラマビリティなど、ネットワークに関する幅広い知識が問われます。
受験資格は特にありませんが、推奨条件として1年以上のシスコソリューションの実装や管理経験・基本的なIPアドレス指定に関する知識・ネットワークの基礎の深い理解があります。
また、CCNA認定の有効期間は3年間です。再認定も可能なため認定有効期限までに受ける必要がありますが、認定の有効期限が切れた後に認定を再び取得するには、認定試験の全てのプロセスを初めからやり直さなければならないため、注意しましょう。
【参考】:再認定ポリシー - Cisco
試験概要をまとめると以下の通りです。
▪試験日:通年受験(基本的にいつでも可能、試験予約は前日まで) ▪試験会場:全国にあるテストセンター(オンライン受験も可能) ▪出題内容:ネットワークやIT職種に必要なネットワークや情報技術の基礎知識が問われる ▪言語:英語と日本語から選択可能 ▪合否:試験終了後その場で確認可能 ▪受験料:42,900円(税込) ▪試験時間:120分 ▪問題数:非公開 ▪出題形式:CBT方式(コンピュータを利用したテスト) ▪合格点:非公開 ▪受験資格:特になし(13歳以上で、17歳までは保護者の同意が必要)
CCNAでは選択問題が多い傾向にありますが、入力問題やシミュレーション問題も出題されます。さらに問題数や出題範囲が多いため、試験対策はきちんと行いましょう。
【参考】:Cisco Certified Network Associate (200-301 CCNA) - Cisco
CCNAの難易度
CCNAでは合格率や合格点は公表されていないため、正確に難易度を把握するのは難しいです。
アソシエイトレベルであるためネットワークに関する資格の中では比較的易しい部類に入りますが、ネットワークの知識や技術を基礎から理解する必要があります。そのためネットワークに関する知識が全くない未経験者の場合、基礎からきちんと学習しなければ合格できないでしょう。
なお、CCNAに合格するために必要な勉強時間は160時間程度と言われています。ただし、実務経験の有無や勉強のやり方などによって勉強時間は人によって異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
また、2020年2月にシスコ技術者認定は大幅に改正されたため、難易度が上昇したとも言われています。理由はCCNA改定の影響で専門分野の統一により、試験範囲が拡大されたためです。苦手な領域を作らず、全ての分野を満遍なく勉強することが合格するために重要と言えます。
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CCNAと他のIT系資格を比較
CCNAの難易度は把握しづらいため、勉強をきちんと行った上で試験に臨むことが大切です。CCNAの他にもIT系の資格は数多くあります。ここでは、CCNAと他のIT系資格の比較について詳しく紹介します。
ITパスポート試験と比較
ITパスポート試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格の1つです。IPAの主催する情報処理技術者試験は、レベル1からレベル4までに難易度が区分されており、ITパスポート試験はレベル1に位置します。
ITパスポート試験では、ITに関する幅広い基礎知識が問われます。試験は基本的に全国の都道府県で毎月実施されており、受験条件や資格の有効期限はありません。
合格率は50%程度であり、ITエンジニア職でない事務職や営業職、学生などでも合格を目指せる試験であるため、ITリテラシーを高めたい方におすすめの資格です。
CCNAはネットワークエンジニア向けの資格であるため、ITパスポート試験よりもCCNAの方が難易度は高いと言えるでしょう。
【参考】:ITパスポート試験 【参考】:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
基本情報技術者試験と比較
基本情報技術者試験とは、ITパスポート試験と同様でIPAが主催する国家資格の1つであり、情報処理技術者試験の中ではレベル2の難易度に位置します。基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門とも呼ばれる試験であり、ITに関する幅広い知識に加え、アルゴリズムやプログラミングの問題も出題されます。
試験はITパスポート試験と同様、いつでも好きな日程で受験できます。
科目A試験と科目B試験の両試験で60%以上の得点率を取得すれば合格できます。試験はCBT方式で実施され、合格率は40〜50%程度です。ITパスポート試験と同様、受験条件や資格の有効期限はありません。
専門性でみるとCCNAの方が難易度が高いですが、幅広いITの知識が問われる基本情報技術者試験の場合、きちんと時間をかけて対策を練ることが大切です。中にはITエンジニアとして実務経験のある方でも基本情報技術者試験に落ちたという人もいます。
まずは基本情報技術者試験でITエンジニアとしての土台を身に付け、インフラエンジニアやネットワークエンジニアとして活躍していきたい方は、CCNAにチャレンジしてみるのがおすすめです。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
LinuCと比較
LinuCとは、LPI-Japanの主催するLinuxに関する知識や技能を身につける資格試験です。難易度はレベル1からレベル3まであり、上位レベルの認定を受けるためには、下位レベルの認定が必要です。LinuCは再認定ポリシーとして有意性の期限があるため、CCNAと同様で一定の期間が経つと再認定を受けなければなりません。
LinuCの合格点や合格率は公開されていませんが、公式サイトのよくある質問によると、合格点は目安として65%〜75%程度の正解率とされています。
【参考】:IT資格といえば LinuC(リナック) | Linux技術者認定試験LinuC | LPI-Japan
Linuxの知識はインフラエンジニアを目指すのであれば、土台となるスキルであるため、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。またサーバーエンジニアとして活躍していきたいと考えている方は、LinuCの上位資格を目指し、ネットワークエンジニアとして活躍していきたいと考えている方は、CCNAを取得するのがおすすめです。
資格があることで転職の際にも有利であり、好条件での転職が叶う可能性が高まります。
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CCNAを取得するメリット
ここでは、CCNAを取得する上で得られるメリットについて紹介します。
ネットワーク関連の知識の保有を証明できる
CCNAはシスコネットワーク製品に関する問題の他に、ネットワーク関連に関する知識やスキルを問う問題も多く出題されるため、ネットワークエンジニアとして活躍したい方におすすめの資格です。
また、CCNAでは実務的な出題も多いため、資格を取得することで知識の習得だけでなく、エンジニアとしてのスキルアップを図ることもできるでしょう。
特に近年ネットワークやセキュリティに関する関心が高まっており、それらの知識に長けた人材を確保したい企業が増えつつあります。ITエンジニアとしての市場価値を高めるためにも、CCNAのような名のある資格を保有することは大きなアドバンテージとなるでしょう。
最新の知識を得られる
前述の通り、CCNAを含むシスコ認定資格は3年の有効期限が設けられており、3年ごとに再認定、もしくは上位資格に合格することで資格の有用性を維持できます。ネットワークはもちろん、IT技術は日々進化しているため、3年も経てば今学習している内容はスタンダードではなくなる場合もあります。
常に最新の知識に更新していくことで、さまざまな案件に対応しやすくなります。資格取得はスキル証明だけでなく、最新知識の獲得や市場価値の高いエンジニア像を知るきっかけにもなるでしょう。
年収アップが期待できる
CCNAのような資格を取得することで、資格手当を得られたり昇給に繋がったりすることがあります。エンジニアとして実績を積むだけでなく、スキルを可視化した資格を保有することで、年収交渉や資格を活かした転職に活かすことができます。
特にCCNAを活かせるネットワークエンジニアは、スキルや実績によって年収に差が出やすいため、資格取得の有効性を実感しやすいでしょう。
以下では、参考として一般的なネットワークエンジニアの年収を紹介します。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのネットワークエンジニアの平均年収は380万円(※2024年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))」を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ネットワークエンジニアは平均年収を超えやすい職種であることが分かります。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
CCNAの勉強方法
CCNAは独学でも十分合格できる資格試験ですが、実務経験のない方の場合、きちんと時間をかけて学習しなければ合格するのは難しいでしょう。CCNAの独学での勉強方法として、参考書・学習サイト・動画などが挙げられます。
1つの教材だけではなく、複数の教材を組み合わせて学習するのがおすすめです。CCNAは過去問が公開されていないため、過去問を想定した問題集などを繰り返し解くことで本番に備えることができるでしょう。
おすすめの学習サイトとして「Ping-t」「CCNAイージス」などが挙げられます。
Ping-tではCCNAだけではなく、ITパスポート・CCNP・LinuC・LPIC・HTML5プロフェッショナル認定資格・オラクルマスターなど様々な試験の対策をすることが可能です。登録者数は30万人以上であり、人気のある学習サイトと言えるでしょう。
【参考】:IT試験学習サイト Ping-t
またCCNAイージスでは、CCNA(200-301)の全ての試験範囲を丁寧に解説しているため、CCNAイージスだけでCCNAの合格を目指すことも可能です。またネットワークエンジニアの業務に必要な知識も学べるため、資格対策だけでなく実務でも役に立ちます。
【参考】:CCNAイージス:CCNA(200-301)Web教科書
独学が苦手な方や、未経験からネットワークエンジニアを目指す方であれば、スクールの受講やシスコシステムズ社の下記のトレーニングを利用するのも検討してみましょう。
【参考】:Implementing and Administering Cisco Solutions (CCNA) - Cisco
CCNAはネットワークエンジニアとしてスキルアップにおすすめ
これまでに、CCNAの難易度・他のIT系資格との比較・勉強方法について解説しました。CCNAとは、シスコシステムズ社が実施するネットワークエンジニアのスキルを証明するための資格試験であり、受験する上での推奨条件として1年以上のシスコソリューションの実装や管理経験などがあります。
CCNAの合格率や合格点は公開されていないため、難易度を正確に把握するのは難しいです。しかし、シスコ技術者認定の中では4つのレベルの中のアソシエイトに位置するため、ネットワークエンジニアとして実務経験のある方であれば合格は目指せるでしょう。
おすすめの勉強方法には参考書・学習サイト・動画などが挙げられ、複数の教材を組み合わせて学習すれば、効率よく勉強できます。
また、資格取得後は給料交渉や転職に活かして、今よりも好条件の環境に身を置くことも望めます。自分の希望に沿った企業を見つけやすくするためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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