CBT試験とは?概要やメリット、採用されている資格一覧を紹介!
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CBT試験とは?概要やメリット、採用されている資格一覧を紹介!
アンドエンジニア編集部
2022.09.22
この記事でわかること
CBT試験はコンピュータで受ける資格試験や検定試験のこと
CBT試験は全国の試験会場で受けられ、日時の変更が可能など、メリットが多い
CBT試験は、情報セキュリティマネジメント試験を始めとする多くのIT関連試験でも採用されている

CBT試験が増えているのはなぜ?

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資格試験や検定試験には、紙に回答を記述する一般的な筆記試験や、マークシート試験など様々な試験方法があります。その中でも近年注目を集めているのが、CBT試験です。

CBT試験はコンピュータを使用した試験方法で、従来の筆記試験に代わる方法として増加しています。CBT試験はすでに国家試験や民間の資格試験や、企業の社内試験など、多くの場面で活用されつつあります。

そのため、これから資格試験や検定を受けることを検討する際、CBTを採用している試験を受ける機会も多くなると考えられます。

そこでこの記事では、CBT試験の概要やメリット・デメリットを解説し、CBT試験を採用しているIT関連の資格試験もご紹介します。

CBT試験とはどんなもの?

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そもそも、 CBT試験とはどのようなものでしょうか。CBT試験は「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを使用した試験方式です。

一方、従来からの一般的な方式である、紙に問題と回答欄を紙に印刷し、受験者に配布して行う試験を「PBT」(Paper Based Testing)と呼びます。

CBT試験の受験方法

CBT試験では多くの場合、試験用のコンピュータが設置された試験会場に行って、会場のコンピュータを使って受験します。試験会場では替え玉受験がないように、運転免許証などの身分証明書で本人確認が行われ、試験官の監督のもとで公正に試験が行われます。

試験が始まったらコンピュータのディスプレイに表示される試験問題を読み、マウスやキーボードを使用して選択肢から回答を選択したり、回答を入力したりして回答を行います。試験の内容によっては、スピーキング問題に席に備えられたマイクに音声を吹き込んで回答する場合もあります。

CBT試験の実施場所

CBT試験は、CBT試験を請け負うCBT試験運営・委託会社が全国各地に用意しているテストセンターで受験することができます。企業によっては、全国に300ヶ所以上のテストセンターを用意しているところもあります。受験者は最寄りの受験会場を選んで受験することができ、試験時間も選択可能です。

受験可能なテストセンターは試験により異なる可能性があるため、試験の受験要項を確認してください。

IBT試験との違いは?

コンピュータを使用した試験には、「IBT」(Internet Based Testing)もあります。コンピュータを使用して受験する点ではCBTと同じですが、テストセンターに行く必要がなく、インターネットを使って自宅や会社など、好きな場所で試験を受けることができます。

自宅で受けるIBT方式の問題点として、カンニングを防ぐことが難しいという点があります。例えば、回答用のコンピュータとは別のコンピュータやスマートフォンなどで調べながら受験するという不正が考えられます。

しかし、Webカメラで受験者を撮影・録画したり、顔や目線の動きを検知して不審な動きを感知するシステムの実装など、カンニング対策が進められています。

CBT試験のメリットとは?

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CBT試験には、近年の情勢に合わせて分散型の試験の実施が可能であることを始め、受験者の利便性向上、試験実施者の業務効率化など、多くのメリットがあります。

集合型から分散型の試験実施方法への移行

CBT試験は海外で始まり、日本では1990年代ごろから導入され始めたと言われていますが、2020年の新型感染症を懸念してテレワークやWeb会議が導入される中で、特に注目を集め始めるようになりました。

従来型のPBT試験(紙ベースの試験)では、問題用紙を一斉に配布して回答後に収集する必要性があるため、多数の受験生が1ヶ所に集合して受験する、「集合型」の試験がほとんどです。

一方、全国のテストセンターで受けられ、受験時間も受験者によって異なるCBT試験は密を避けることができる「分散型」の試験方法として、多くの資格・検定試験に採用されるようになりました。

受験者の利便性が高まる

従来のPBT試験は、多くの受験者が1ヶ所に集合する必要があることから、年に1回から多くても2回などの実施回数で、会場も都市部が中心でした。そのため、都市部から離れた場所に住む受験者は、試験会場に行くこと自体のハードルが高く、受験が難しいこともありました。

しかし、CBT試験では全国のテストセンターの中から最寄りの試験会場を選ぶことができ、ほぼ1年間を通して受けられます。また、事前に申告すれば受験会場や時間の変更も可能なため、受験者の利便性が大きく高まりました。

これまで、遠方だったことを理由に受けられなかった試験も、CBT方式になれば受ける機会が増えるでしょう。

試験を実施する側の管理業務が効率化できる

試験を実施する側にも、多くのメリットがあります。

CBT試験では、PBT試験の場合に必要な問題・回答用紙の印刷・配送・配布・回収といった、用紙の管理が一切不要です。人の手による採点もなくなるため、採点する人員が不要になり、採点ミスもなくなります。このように、CBTを採用することで試験の実施に関わる大きな業務効率化が実現可能です。

また、通年利用可能なテストセンターを使うことで受験者に平等な受験機会を与えることができる点や、CBT試験では受験者が問題の持ち出しができないため、過去問題を有効に活用できる点もメリットとして挙げられます。

災害時などの対応が迅速に行える

従来型のPBT試験では、試験日に地震や台風などの災害があり、試験が延期や中止となるケースも考えられます。

一方、CBT試験の場合、例えば自分が受ける予定の受験会場・受験日に、台風の影響で行けそうにない場合は、数日前にそれがわかった時点で受験日を変更できる場合があります。

また、地震などで急遽受けることができなくなった場合でも、後日振替受験が可能でしょう。

日本では地震や台風などの災害における対策を日頃から考慮する必要があることから、受験会場や受験日の融通が利き、万が一の場合に柔軟に対応できるCBT試験のニーズは高まっています。

不正を行うことが難しい

CBT試験では、多くの試験会場で監視カメラが設置され、試験官が巡回するなどのカンニング対策が行われています。

さらに、受験者は仕切られたブースで、自分の目の前のコンピュータに向かって回答するため、他の受験者の回答を覗き見したり、手や顔の動きを見てヒントにするといった不正が困難です。

また、プールされた問題の中から受験者ごとにランダムに問題が出題されるため、他の受験者から問題番号とその回答番号を聞いて回答することもできません。

PBT試験では難しい多様な出題ができる

CBT試験は、コンピュータを使用するという性質上、映像や音声を使うことができます。そのためPBT試験では出題することができない試験問題を出題でき、試験の幅を広げることができます。

CBT試験のデメリットとは?

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メリットが多いCBT試験ですが、いくつかのデメリットもあります。ここでは、2点ピックアップして解説します。

問題数を一定以上用意する必要がある

CBT試験はプールされた問題から受験者ごとにランダムに出題するという方式のため、試験の実施者側は一定数以上の問題を用意しなければなりません。

しかし、問題数さえ用意することができれば、前にも挙げたように受験者が不正をしにくい、問題を持ち帰ることができないなどのメリットは大きいと言えます。

システムや通信エラーの可能性がある

CBT試験はコンピュータを使用するという方式である以上、コンピュータのシステム不具合の発生や、通信エラー、停電などで障害が発生する可能性があります。そのため、CBT運営会社はそれぞれ、試験環境を公平に保つ管理を行なっています。

会社によっては万一コンピュータに障害が発生して試験が続けられなくなっても、障害発生前までの情報を記録して続きから受験できるようにしたり、インターネット回線が遅延した場合、システムが感知して試験時間を自動的に延長したりするところもあります。

CBT方式のIT関連試験一覧

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CBT試験は、近年では日本漢字能力検定(漢検)や実用英語技能検定(英検)、全国の医学部で医学生が臨床実習を開始する前に受ける共用試験の一部や、企業の社内試験でも採用されるなど、様々な団体での導入が進んでいます。

IT関連の検定試験や資格試験も例外ではありません。ここでは、 CBT試験に対応したIT関連の資格試験を紹介します。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家試験です。組織の情報セキュリティに貢献して脅威から組織を守り、より安全で積極的なIT活用を実現するスキルを認定します。

【参考】:IPA 情報処理技術者試験制度:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式)

同じくIPAが主催する、ITエンジニアとしてのより基本的な知識やスキルを問う、ITパスポート試験や基本情報技術者試験もCBT試験を採用しています。

【参考】:ITパスポート試験 【参考】:基本情報技術者試験

情報セキュリティマネジメント試験はCBT方式!申し込み方法も解説

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5とは、ホームページを記述するためのマークアップ言語であるHTMLのバージョン5に当たります。従来のHTMLに比べて、動画や音声・グラフィックの扱いが強化され、要素の定義の見直しや追加などで、より文書の構造化が強化されたものです。

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web技術者としてアプリを開発したり、Webデザイナーとして活躍したいエンジニアなどに向けた、HTML5に関する知識やスキルを認定する試験です。

【参考】:受験申込|Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト

HTML5プロフェッショナル認定試験が難しい?試験内容や取得方法

オラクル認定資格試験

オラクル認定資格試験は、世界で高い評価を受けているOracle製品に関する知識やスキルを認定するために、日本オラクル社が主催する試験です。

データベース管理・運用や、Javaによる開発などに関するいくつかの資格試験があり、内容によって全国のテストセンターに行って受けるCBT試験と、インターネット経由でどこからでも受けられるIBT試験があります。

【参考】:試験申し込みと受験 | オラクル認定資格制度 |

オラクルマスターシルバー取得のメリットは?転職で年収アップを狙える!

CBT試験について知り、これからの資格試験の受験に役立てよう

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ここまで、CBT試験の概要やメリット・デメリット、対応しているIT試験などを紹介しました。従来のPBT試験に代わって、多くのメリットがあるCBT試験が注目されつつある理由が分りました。

今後、昨今の新しい生活様式に基づいた「分散化」の考え方や、政府が推進するペーパーレス化、SDGsなどの環境問題への取り組みの重要性もあり、紙ベースの試験からCBT試験への移行が進むと予想されます。

これからは、受けたい資格試験がCBT試験であるということも出てくるでしょう。その時のために、CBT試験についてより理解を深めておくことをおすすめします。

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