CCNAの難易度は?
CCNAとは「Cisco Certified Network Associate」の略称で、シスコシステムズ社が主催している資格試験のことを指します。ネットワークエンジニアを目指している方や、キャリアアップを考えている方におすすめの資格です。
CCNAの資格を取得したいけど「どのくらいの難易度なのか」という疑問をもっている方も少なくないでしょう。ここでは、CCNAの難易度と勉強時間について詳しく紹介します。
シスコ技術者認定資格内の位置づけ
まず、シスコ技術者認定資格の中で、CCNAがどの位置にあるのかを確認しましょう。
シスコ技術者認定資格は、エントリー・アソシエイト・スペシャリスト・プロフェッショナル・エキスパートという5つのレベルがあり、CCNAは下から2番目のアソシエイトに属しています。
アソシエイトレベルの資格は、ネットワークエンジニアにとっての入門的資格です。基礎知識はもちろん最新技術を利用して、より高いレベルの仕事をする方に適しています。
CCNAの難易度はやや高め
CCNAの難易度について参考になる合格率は、公式的には発表されていません。そのため、難易度を定量的に説明するのは難しいですが、CISCO技術者認定資格のレベルから見ると、ネットワークに関する資格の中では初歩的な位置づけです。
ただし、CCNAの試験に合格するためには、ネットワークに関する基礎知識を網羅して理解する必要があります。実際に「落ちた」「難しかった」という声も聞かれます。そのため、ネットワークに関する知識や実務経験が全くない方が受験する場合、基礎から丁寧に勉強を行わないと合格することは難しいでしょう。
また、2020年2月にCCNAを含むシスコ技術者認定試験の改定が行われ、難易度が上昇しました。
理由は、これまで10種類の専門分野において実施されていた試験が、新しい試験では1つに集約され、「ネットワーク基礎」「IPコネクティビティ」「ネットワークアクセス」「セキュリティ」「自動化」など試験の範囲が幅広くなったためです。
旧試験と比較すると「ルーティング」「スイッチング」に関する範囲は減少しましたが、「セキュリティ」「自動化」に関する出題率が増加しました。範囲が拡大したため、苦手分野を作らないように勉強することが重要です。
【参考】:CCNA - Training & Certifications - Cisco 【参考】:200-301 CCNA 試験トピック
合格に必要な勉強時間
CCNAに合格するのに必要な勉強時間は、160時間程度が目安とされています。毎日1時間勉強した場合は半年ほどかかり、毎日2時間勉強した場合は3ヶ月程度の期間が必要です。ただし、経験者や初心者で必要な勉強時間は異なり、経験者の場合は早くて1ヶ月程度の勉強で合格が目指せます。
CCNAはIT試験の中では基本レベルのものですが、しっかりと勉強しないと合格が難しい試験です。社会人では勉強時間を設けるのは難しいですが、通勤時間や隙間時間を活用しながら効率的な勉強方法を取り入れて、一発合格を目指しましょう。
CCNAとは
CCNAは世界に通用する資格なため、資格を取得することでネットワークに関するスキルが充分に備わっていることを証明できます。また、シスコシステムズ社の「Ciscoルータ」「Catalystスイッチ」などに関するスキルや、基本的なネットワークに関するスキルを証明することも可能です。
ここでは改めてCCNAがどういった試験なのかを説明します。試験の対象者や概要をチェックしておきましょう。
CCNA試験の受験条件
CCNAの試験を受験するにあたって、特別な条件はありません。ただし、公式ではシスコ ソリューションの導入と管理の経験が、 1 年以上あることを推奨しています。また、公式サイトでは、試験に合格するまでの学習ステップがわかりやすく解説されているので、受験を考えている方はぜひ活用しましょう。
【参考】:CCNA 認定
CCNAの試験概要
新CCNA試験の概要は以下の通りです。年に1回、2回の頻度で行われる資格試験もありますが、CCNAは随時開催されるため、自分のペースで計画的に受験できる点は独学に有利と言えます。
▪試験時間:120分 ▪問題数:非公開 ▪出題形式:CBT方式(コンピュータテスト) ▪受験場所:会場受験とオンライン受験の選択可能 ▪受験料:300ドル(税別) ▪合格点:非公開 ▪受験資格:特になし(但し13歳以上で、17歳までは保護者の同意が必要) ▪試験日:通年実施(ただし、試験会場によって受験不可の日もあり)
【参考】:Cisco Certified Network Associate (200-301 CCNA) 【参考】:シスコ認定試験のチュートリアルビデオ 【参考】:試験、テスト、認定に関するポリシー 【参考】:シスコ技術者認定 【参考】:オンライン監督試験 Cisco Systems | シスコ技術者認定試験
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CCNAを活かせる仕事と年収
CCNAの資格取得後に活かせる仕事や職種は、どういったものがあるのでしょうか。また、資格取得者の年収についても解説します。
テクニカルサポート
コンピュータやソフトウェアに関する問い合わせやサポート業務を担当する、テクニカルサポートの仕事にもCCNAの資格が活かせます。また、テクニカルサポートの仕事には海外からの問い合わせもあるため、TOEIC600点以上が推奨されるなど英語力も求められます。
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ネットワークエンジニア
CCNAの資格はネットワークエンジニアの設計・構築・運用・保守といった仕事で活かせます。24時間体制でネットワークの稼働をチェックする必要があるため、CCNAに関する知識の網羅は欠かせません。
ちなみに、ネットワークエンジニアに活かせる資格は、CCNA以外だと「基本情報技術者試験」「ネットワークスペシャリスト」「CCNP」などが挙げられます。
CCNA取得者の年収
一般的なネットワークエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は380万円(※2023年7月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ネットワークエンジニアの年収は、調査媒体によってバラつきがあることが分かります。
ネットワークエンジニアを含むITエンジニアの報酬は実績が重要視される傾向があるため、さらに年収を上げるには、スキルアップを図る方法が効果的です。
CCNAの試験に合格するだけですぐに年収アップが見込めるわけではありませんが、試験合格に向けて勉強し知識とスキルを高めることで、キャリアアップの可能性が大きく広がります。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
他の資格とCCNAの難易度比較
ここからは、その他のIT資格とCCNAの難易度について比較しました。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構IPAが主催している国家資格の1つです。IT業界未経験者でも取得可能な情報処理技術試験であり、難易度は比較的低いと言われていますが、合格率は約20~30%台と決して高くはありません。
試験で出題される範囲や専門性、いつでも好きな日を選択して受験できる試験方法などを考慮すると、2つの試験の難易度は同等程度と言えます。
【参考】:基本情報技術者試験 【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験も、独立行政法人情報処理推進機構IPAが主催する国家資格の1つです。ネットワーク分野における唯一の国家資格であるため、資格取得に対して手当てが出る企業も多く、年収の向上が期待できます。
ネットワークスペシャリスト試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度の区分に位置する試験で、合格率は10%台です。基本情報技術者試験とは異なり、受験者は実務経験者が多くを占めるにもかかわらず合格率が低いため、難易度が非常に高いと言えるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験では1日に4種類の試験を受験しなければならないうえに記述式の問題もあり、実務経験者でも簡単には合格できません。
さらに、CCNAと比較しても試験範囲が広く、年に1回しか試験が実施されない点も難易度が高い要因です。独学のみでネットワークスペシャリスト試験の資格を取得することは難しいため、スクールに通う方も少なくありません。
【参考】:ネットワークスペシャリスト試験 【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表
LinuC
LinuCはLPI-Japanが認定するLinux技術者のための資格で、主にサーバに関する問題が出題されるのが特徴です。LinuCを取得すれば、サーバに関する最低限のスキルを持っていることが証明できます。
LinuCは暗記で解ける問題が多く、Linux操作で必要とされるコマンドについて知識を蓄えておけば合格できます。そのため、サーバに関する実務経験がない方でもLinuCを取得することは可能です。
一方、CCNAの場合はある程度の実務経験が要求されるため、LinuCよりも難易度は高いと言えます。もしも、インフラエンジニアとしてキャリアアップを目指す場合は、ネットワークとサーバに関する両方のスキルが必要なので、LinuCとCCNA両方の資格を取得するのがおすすめです。
【参考】:LinuC
CCNAを取得する3つのメリット
CCNAの資格取得にはメリットが多くあります。ここでは、具体的にメリットを3つ挙げ、それぞれについて詳しくご紹介します。
自分のスキルを確認できる
CCNAの試験は出題範囲が広く、ネットワークの基礎部分について網羅しているため、自身のネットワークに関するスキルの確認にも利用することができます。
例えば、現場で特定の業務を行っている場合、活用するスキルが偏ることも多いですが、CCNAの資格取得に向けた勉強を行うことで、自身に不足しているスキルや得意・苦手分野などを客観的に把握できます。
また、ネットワークについて勉強を始めたいと考えている未経験者の方にもCCNAの資格は向いているでしょう。CCNAではネットワークに関する知識を効率よく勉強できます。
転職する際のアピールポイントになる
CCNAは世界に通用する資格なため、日本国内はもちろん海外に拠点を置く外資系企業で働きたい方のアピールポイントにもなります。さらに、CCNAの試験は基礎知識だけではなく、実務経験がないと解けない問題が出題されます。したがって、即戦力として一定の実践スキルをもっていることの証明になるでしょう。
CCNAの資格を活かして転職を考えるなら、自分のスキルに合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。
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年収やキャリアアップが期待できる
年収の項でも説明したとおり、CCNAは年収アップやキャリアアップの足がかりになります。CCNAの試験では、シスコシステムズ社の製品に関する知識に加えて、ネットワークエンジニアとしての基礎スキルが問われる問題が多く出題されます。
そのため、CCNAを取得すればネットワークに関する技術があることの証明になります。将来を見据えてさらなるスキルアップをしたいと考えている方に、CCNAは向いている資格と言えるでしょう。
CCNAの難易度を把握して合格を目指そう
CCNAの難易度やCCNAを取得するメリットについて解説しました。CCNAを取得することで、基礎的なネットワークスキルがあることを証明できます。他の資格と比較すると難易度は低めですが、実務経験が1年以上あることが推奨されていることから、合格のためにはしっかり準備する必要があります。
また、CCNAを取得することで多くのメリットがあります。現場の業務でも、資格取得のために勉強した知識を活かすことができるでしょう。CCNAはスキルの証明だけでなく市場価値を上げられるため、転職やキャリアアップしたい方にとって役立つ資格です。
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