CCNA受験にはまずCCNAについて知っておこう
CCNAは「Cisco Certified Network Associate」の略称で、ネットワーク業界で最大手のシスコ社が認定する、ネットワークエンジニアの初級レベルの資格です。初級レベルとは言え、実際にはその試験範囲は広範囲に及び、決して簡単な試験ではありません。
CCNAはネットワーク技術者として必要な知識やスキルを有する証です。ネットワークを始めとするIT業界で活躍するには、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。 CCNAの受験に際しては、試験の概要、資格を取得する目的、どういった面で役立つのかを正しく理解した上で勉強をしてから受験するのが合格への早道です。
この記事では、CCNAの受験を検討されている方にとって必要な知識や情報などを中心に解説していきますので、ぜひ受験の参考にしてください。
CCNAは世界的に認められた資格
CCNAは公的資格ではありませんが、世界基準の資格であり、ネットワークやIT業界においては知名度、認知度の高い資格です。CCNAの資格を取得すれば、ネットワークに関する基礎的な技術を有する証明となり、仕事をしていく上では大変有利になります。
CISCOの資格区分におけるCCNAのレベル
シスコ技術者認定資格には、以下の5つのレベルが設けられています。エントリーレベルのCCT資格は、日本語の試験が廃止されたため、実質的に日本ではCCNAは入門資格的な位置づけと言えます。ネットワーク関係のエンジニアを目指す方は、まずはCCNAから受験するのが一般的です。
5.アーキテクト(CCAr):シスコ認定資格の最高位 4.エキスパート(CCDE・CCIE):世界的に通用する上級レベル 3.プロフェッショナル(CCNP、DevNet Professional、CyberOps Professional):業務で直ちに使える中級レベル (シスコスペシャリスト認定取得) 2.アソシエイト(CCNA、DevNet Associate、CyberOps Associate):ネットワーキングの基礎レベル 《1.エントリー(CCT)※英語試験のみ》:ネットワーキングの入門レベル
資格の有効期限には注意
シスコ技術者認定資格は1度取得すれば、それで終わりとはなりません。資格の有効期間は3年間で、3年経過すると自動的に失効します。ITやネットワーキングの分野は日進月歩で技術革新が起きており、その知識やスキルは更新される必要があるためです。シスコ技術者認定資格を維持するためには、3年以内に同一レベル以上の試験を改めて受験し、合格することが条件です。そのため、資格を取得してもうかうかとはしていられません。
CCNAの資格取得メリット
CCNA資格の取得により、IT関係のあらゆるビジネスシーンで、ネットワークスキルの証明が可能です。ここでは、CCNA資格の取得メリットについて確認をしておきましょう。
ネットワークスキルの証明によって活躍の場が広がる
前述したように、CCNAは世界に通用する資格です。将来、海外で仕事をする場合、あるいは海外企業との取引がある場合においてもCCNA資格は有効です。もちろん、日本国内でも定評のある資格であるため、名刺にCCNA資格取得と入れるだけで、受注が増える可能性もあります。
就職や転職で有利になる
IT関係、ネットワーク系の求人情報を眺めてみると分かりますが、「CCNA資格取得者優遇」といった文言を見かけることがあります。シスコ認定資格の保有は、就職や転職において優遇される可能性が高いのです。
また、現代はほぼ全てのビジネスシーンにおいてネットワークが不可欠です。シスコのルーターやHUBなどを操作できる人材はさまざまな場面で重宝されます。
スキルチェックとして活用できる
既にネットワークの最前線で仕事をしているエンジニアでも、業務によってその知識は偏りがちになります。CCNA試験の出題範囲は、網羅的であるばかりか、実践力を問う内容も多く、自身のスキルチェックに役立ちます。また、CCNA試験の受験勉強を行うことで、知識やスキルの再確認、補強が行え、ステップアップにも役立ちます。
CCNA試験の出題について
CCNA試験は単なる知識だけではなく、実践力も試されるという特徴があります。具体的には、どのような試験なのか、出題範囲と出題形式について見ていきましょう。
CCNA試験(200-301)の出題範囲
シスコ社の公式サイトには、CCNA試験の出題ガイドラインとして以下のものが示されています。このガイドラインは予告なく変更されることもあるため、一応の目安と考えてください。%表示は過去問題の出題比率です。
1.ネットワークの基礎:20% 2.ネットワーク アクセス:20% 3.IP コネクティビティ:25% 4.IP サービス: 10% 5.セキュリティの基礎:15% 6.自動化とプログラマビリティ:10%
CCNA試験の出題形式
CCNA試験はCBT(Computer-Based Testing)方式という、コンピューターを利用した試験方法で行われます。
マウス操作や、ドラッグ&ドロップ式の設問、コマンド入力によるシミュレーション問題などから構成されます。CBT方式を採用しているため、自宅や職場での受験も可能です。
CCNAの受験方法と受験の流れ
CCNA資格の概要やメリットなどは理解できたでしょうか。続いて、CCNA試験の受験方法、試験概要、受験の流れなどについて見ていきましょう。
試験時間・出題形式
CCNA試験の概要は以下の通りです。年に1回、2回の頻度で行われる資格試験もありますが、CCNAは随時開催されますので、自分のベースで計画的に受験できる点は、独学に有利と言えます。
▪試験時間:120分 ▪問題数:非公開 ▪出題形式:CBT方式(コンピュータテスト) ▪受験会場:会場受験と自宅などでのオンライン受験の選択が可能 ▪合格点:非公開 ▪受験資格:特になし(但し13歳以上で、17歳までは保護者の同意が必要) ▪試験日:2020年の試験実施日、2021年以降の試験予定日は下記の「ピアソンVUE」のサイトで確認できます。
試験申込方法と受験場所
CCNA試験はシスコの試験委託先である「ピアソンVUE」が手続きを行っていますので、CCNA資格の受験手続は「ピアソンVUE」のサイトで行います。
申込みは随時行え、受験希望日の前日まで申し込みが可能です。
試験場所は、全国の「ピアソンVUE」公認試験会場、あるいはオンライン環境のある職場や自宅も選択できます。ただし、自宅や職場で受験に利用するPCにはWebカメラが付いていること、安定、安全性が確認できるインターネット環境であることが求められます。
【申込み】:「ピアソンVUE|シスコ技術者認定」
受験申込みの流れ
前記の「ピアソンVUE」の申込みページにアクセスして、アカウント作成を行います。氏名・Eメールアドレス・住所などの必要情報を入力して、アカウント作成とサインアップを済ませます。
続いて、取得したアカウントでサインインして試験申込みを行います。 受験する試験・予約したい受験センター・日時などを選択し、クレジットカードなどの支払情報を入力して申込みが終了します。
受験料と支払い方法
CCNAの受験料は、39,960円(税込)です。受験料の支払いは、「ピアソンVUE」の試験申込ページにてクレジットカード、事前に購入したバウチャー、プロモーションコードなどで支払います。他、試験当日に試験会場での現金支払いも可能です。
試験結果の発表と認定証
CCNA試験が終了すると、「認定試験仮スコアレポート」を受取り、点数と合否が分かります。他、試験終了後にPCの画面でも確認可能です。CCNAの認定証は受験後1~2カ月後に自宅に郵送されます。
オンライン受験の不正について
CCNA試験は自宅からのオンライン受験を選択できますが、カンニングなどの不正が行われる心配はないのでしょうか?
自宅でのオンライン受験では、人の出入りがない個室で受験することが求められます。カメラでリモート監視されるため、人の出入りや、カンニングペーパーの類は発見されるリスクがあります。またホワイトボードや壁面に貼った紙などもあらかじめチェックを受けます。 万一不正が発見されると、試験は直ちに中止となり、受験料も戻りません。不正の様子はビデオで記録され、以降の受験資格すら剥奪される可能性があります。
【参考】:オンライン試験に関するよくあるお問い合わせ(FAQ)
CCNA合格に向けて
CCNA資格試験の受験に関する情報について解説しました。CCNA資格の概要、メリット、受験方法など理解されたと思います。
CCNAは独学で受かるレベルの試験なため、多くの方は参考書や問題集を利用して勉強します。CCNA試験は順次バージョンアップが行われており、最新のテキストや問題を利用して学びましょう。エンジニアの皆さんのCCNA資格の取得を願っています。
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