サーバーサイド言語とは?
まずは、サーバーサイド言語とは何かについて解説します。サーバーサイドの意味や、フロントエンド・バックエンドとの違いについてもまとめました。
サーバーサイドの意味
サーバーサイドとは、Webアプリにおけるサーバ側の処理のことです。サーバーサイドで使われているプログラミング言語は、サーバーサイド言語と呼ばれることも多いです。また、サーバーサイドの処理を担当するプログラマはサーバーサイドエンジニアと呼ばれることもあります。
フロントエンドやバックエンドとの違い
Webアプリでは、サーバ側とクライアント(Webブラウザ)側の2つに分かれて処理が行われています。
サーバ側ではWebページの生成に必要なデータの作成を行っており、クライアント側では表示されたWebページの動作処理を行っています。サーバ側の処理はサーバーサイドと呼ばれ、クライアント側の処理はフロントエンドもしくはクライアントサイドと呼ばれています。
ちなみにバックエンドとは、ユーザの目には見えない裏側のサーバ部分のことを指すため、広い意味ではサーバーサイドと同じように扱われます。
Webアプリ開発に携わりたい場合、サーバーサイド(バックエンド)とフロントエンドのどちらで活躍したいかをまず決め、その分野で使われる言語を勉強していく必要があるでしょう。
また、サーバーサイドとフロントエンドでは使われている言語が異なるため、多くのWeb開発企業ではサーバーサイドとフロントエンド、それぞれ専門のエンジニアを雇用しています。
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サーバーサイド開発で多く使われている言語
プログラミング言語には多くの種類がありますが、実務で使われているものはそこまで多くはありません。その中でもサーバーサイド開発で頻繁に使われている言語を4つ紹介します。サーバーサイドエンジニアへの転職を目指すなら、まずはこれらの言語について知っておきましょう。
PHP
PHPはWebアプリ開発で多く使われているプログラミング言語です。HTMLに直接コードを埋め込んで書ける、動的型付け言語のため変数の型の記述が不要など、Webアプリ開発に適した特徴を多く持っています。また、文法も比較的平易なため初心者にも向いている言語と言われています。
また、PHPは数多くのフレームワークやライブラリがあるのも強みです。たとえば、Symfonyというフレームワークは大規模なWebアプリを開発するのに適しています。
【参考】:PHP: Hypertext Preprocessor
Python
PythonもPHP同様にWebアプリ開発で多く使われているプログラミング言語です。Pythonはソースコードの可読性の高さが評価されているのが特徴です。
コードの記述ルールが厳しく、インデントを正しく整えるなどしないとエラーが表示されるようになっているため、誰が書いても同じようなコードになりやすく、ソースコードの可読性の高さに繋がっています。
また、Pythonは人工知能開発でも多く活躍しており、データ分析や機械学習で使えるライブラリが豊富にあります。
人工知能開発と言うとハードルが高いイメージがありますが、Pythonのライブラリを使えば自分で複雑な処理を記述する必要がないため、簡単にディープラーニングなどを行うプログラムを開発することができます。
Ruby
Rubyは日本人が開発したことで有名なプログラミング言語です。公式サイトが日本語で書かれており、日本語の情報も多く存在しているのが強みです。また、RubyもPHP同様に学習難易度が低く、初心者でも無理なく習得することができます。
さらに、RubyにはRailsというフレームワークがあるのもメリットです。PHPやPythonは有力なフレームワークが複数ありますが、RubyはRailsほぼ一強です。Rubyを勉強する場合、Railsをひとまず極めれば良いため、学習の負担を減らすことができます。
【参考】:オブジェクト指向スクリプト言語 Ruby
Java
Javaはサーバーサイドに限らず、幅広い分野で活躍しているプログラミング言語です。業務システムやAndroid開発といった分野でもJavaが使われています。幅広い分野で活躍するプログラマを目指すならJavaがおすすめです。
学習難易度はPHPなどに比べるとやや高めですが、人気の高い言語のため参考書や学習サイトが多くあり、勉強はしやすいでしょう。
【参考】:Java|Oracle
サーバーサイド向けとしてトレンドの言語
続いて、現状サーバーサイド開発において主流ではないものの、最近注目度が上がっているトレンドの言語を紹介します。これらの言語を習得してもサーバーサイドエンジニアに転職できるとは限りませんが、これまで紹介した言語を習得した後に次のステップとして習得を目指してください。
技術の幅を広げたい方は、以下の言語についても知っておきましょう。
JavaScript(Node.js)
JavaScriptはサーバーサイドよりもフロントエンドで多く活躍している言語ですが、Node.jsという学習環境をサーバにインストールすることでサーバーサイドでも活躍させることが可能です。
JavaScriptをサーバーサイドでも使うようにすれば、言語を1本化することができ、プログラマの負担を減らすことにつながるでしょう。
現状Node.js対応のサーバが少ないこともあり、JavaScriptの活用は主流にはなっていませんが、今後流行る可能性もあります。
【参考】:JavaScript 【参考】:Node.js
Scala
Scalaはオブジェクト指向型と関数型と両方の特徴を持った言語です。Javaによく似た言語であり、Javaでできることは基本的にScalaでもできるためJavaの後継言語とも言われています。
Scalaは学習難易度こそ高いものの、オブジェクト指向型と関数型の良いところを柔軟に取り入れることができ、今後さらに人気が高まる可能性もあるでしょう。
【参考】:The Scala Programming Language
Go
GoはGoogleが開発した比較的新しいプログラミング言語です。構文のシンプルさと動作の軽量さを両立しており、今後評価が高まる可能性もあります。特に並行処理が得意な点がメリットとして挙げられ、並行処理が苦手なPHPに代わってGoをサーバーサイドで使う企業もあります。
【参考】:The Go Programming Language
サーバーサイド言語を使用するエンジニア職
サーバーサイド言語について一通り分かってきたところで、サーバーサイド言語を活用するサーバーサイドエンジニアについて解説します。ここでは、どのような職種なのかにフォーカスし、仕事内容や年収についてまとめました。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアは、WebアプリやWebサービスにおいて、データの登録や決済処理など、利用者の目に見えない裏側の処理の開発を担当します。
具体的な仕事内容は、データベースの設計・APIの開発・Webサーバの設定・パフォーマンスの最適化・セキュリティの実装など、多岐にわたります。これらの領域は、バックエンドエンジニアも同じように担当します。
平均年収はどの程度?
ここでは、サーバーサイドエンジニアの年収について、近い職種であるデータベースエンジニアの年収を参考に紹介します。
「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は424万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは一般平均年収と同等か、やや高めであることが分かります。
サーバーサイドエンジニアとしてより高い年収を目指すには、サーバーサイド言語の資格を取得することをおすすめします。転職の際には向上心をアピールでき、面接でも有利に働きます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
自分に合ったサーバーサイド言語を選択するには?
サーバーサイドで使われているプログラミング言語を紹介しました。最後に、自分に合ったサーバーサイド言語を選択する方法について解説します。言語の選択に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
プログラミング言語検索ランキングで上位か
TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す検索数ランキングを毎年発表しています。このランキングで上位に来ている言語は将来性が高いと予想されるため、ランキング上位の言語を優先して勉強するのもおすすめです。
2023年のプログラミング言語検索ランキングではPythonが1位となっており、その下にC言語やJavaが続いています。CやJavaは長年に渡りシステム開発の現場で活躍し続けている言語であり、Pythonは人工知能開発に向いているとして近年注目されてきています。
【参考】:TIOBE Index - TIOBE
他ジャンルでも活躍しているか
Webアプリのサーバーサイドだけでなく、幅広い分野の開発に携わりたい方は、言語としての汎用性の高さを重視すると良いでしょう。たとえば、JavaはWebアプリだけでなく業務システムや基幹システム、Androidアプリなど幅広い分野で活躍しています。
また、JavaScriptはサーバーサイド・フロントエンド両方で活用することが可能です。このように、他ジャンルでも活躍できるかも考慮して勉強する方法もおすすめです。
学習難易度は低いか
特にプログラミング初心者の場合は、言語の学習難易度を基準に選択するのも良いでしょう。プログラミング言語の中には難しいもの・簡単なものがあります。たとえば、PHPは公式サイトにも初心者にとって分かりやすい言語と書かれています。
また、PHPやPythonなどの人気言語は、それだけWeb上に多くの情報が掲載されており、学習するうえで分からないことを調べやすいと言えます。このように、学習難易度を考慮し勉強する言語を決めるのも1つの手です。
コミュニティは活発か
コミュニティが活発かどうかも、プログラミング言語を選択する1つの指標です。プログラミング言語のフレームワークやライブラリは、コミュニティに所属する有志の方によって開発されることも多いからです。
コミュニティが活発な言語は、今後多くのフレームワーク・ライブラリが発表される可能性が高いと言えます。フレームワーク・ライブラリが豊富だと、開発にかかる工数を削減することができるため、業務効率化に繋がります。
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サーバーサイド言語の学習方法
サーバーサイド言語を習得するには、参考書の活用や学習サイトの活用がおすすめです。また、こういった言語習得の勉強には目標を定めておくことで捗りやすくなるため、サーバーサイド言語の資格取得に向けた学習を心掛けると良いでしょう。
おすすめの資格は、「PHP技術者認定試験」「Ruby技術者認定試験」「Oracle認定Javaプログラマ」などです。
【参考】:PHP技術者認定試験 | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ 【参考】:Ruby技術者認定試験 【参考】:ORACLE MASTER Portal - be an ORACLE MASTER - | オラクル認定資格制度 | Oracle University
これらの資格は難易度別に試験が分かれているため、初心者の場合は1番難易度の低い試験からチャレンジし、徐々に難易度を上げていく方法がいいかもしれません。
また、資格取得によって知識やスキルの習得だけでなく、キャリアアップ転職や未経験からサーバーサイドエンジニアに転職する際にも大変有利になります。
自分のキャリアに適したサーバーサイド言語を選択しよう
本記事では、サーバーサイドで使われているプログラミング言語について解説しました。サーバーサイドではPHPやPythonといった言語が多く使われています。これからサーバーサイドエンジニアへの転職を目指す方は、このような主要な言語の習得を目指すと良いでしょう。
サーバーサイドエンジニアとしてさらにステップアップする場合は、GoやScalaなど今後将来性を高めると予想されている言語の習得がおすすめです。エンジニアとしての市場価値を高めるためにも、トレンドの言語を先回りして習得しておきましょう。
また、資格取得を目指すことで転職が有利に働くため、当記事で紹介した資格以外にもどういったものがあるか探してみてください。特に未経験からスタートする場合は、アピール材料がないと転職への不安が大きいかと思います。そういった場合は転職エージェントの活用がおすすめです。
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