フロントエンドとは?
まずは、フロントエンドとは何かについて解説します。混同しがちなバックエンドとの違いについても、わかりやすくまとめました。
フロントエンドの意味
フロントエンドとは、WebアプリではWebブラウザ側の処理を指します。Webアプリの各ページはブラウザに表示された後、ユーザの動作によって動かす必要があります。
たとえば、ユーザのボタンクリックに従って表示内容を変更したり、スライドショーを動かせるようにしたりなどです。このような表示後のWebページの処理をフロントエンドと呼び、フロントエンドの処理を行うプログラム開発を行うエンジニアを「フロントエンドエンジニア」と呼びます。
バックエンドとの違い
バックエンドとは、WebアプリではWebサーバ側の処理を指します。WebサーバではWebアプリの各ページの表示に必要なデータを生成しています。
たとえば、SNSの書き込み内容などはバックエンド側でデータベースからデータを取り出しすることで表示されています。Webアプリはフロントエンドとバックエンドの2つの処理から成り立っています。
フロントエンド開発において使われる言語
続いて、フロントエンド開発において多く使われるプログラミング言語について解説します。フロントエンドエンジニアを目指す場合、これらの言語を習得する必要があります。
HTML
HTMLはWebサイトを作成するための言語です。HTMLではタグというものがあり、タグを組み合わせることでWebサイトのレイアウトや配置を調整することができます。また、ページ上に画像や表を表示したり、リンクを指定したりするのもHTMLの役目です。
このように、HTMLはWebサイト制作において必要不可欠な言語であり、フロントエンドエンジニアを目指す際にも必要です。
JavaScriptではHTMLのコードを変更する処理を書く場合が多くあるため、JavaScriptを学ぶ前に先にHTMLをマスターしておくことが重要です。HTMLはプログラミング言語と違い、タグの使い方さえ理解すればそこまで難しくはありません。
CSS
CSSはWebサイトのレイアウトや色、大きさなどを調整するための言語です。HTMLだけでもWebサイト制作は可能ですが、HTMLだけで作るとどうしてもコードが複雑になり、後で変更がしにくくなります。
そのため、レイアウト調整の処理に関してはCSSのコードにまとめ、HTMLコードの簡略化を図る場合が多いです。CSSはHTMLと平行してマスターするのが良いでしょう。
JavaScript
JavaScriptは、フロントエンド開発で主要に使われているプログラミング言語です。JavaScriptによってHTMLのコードを変更し、アニメーションやスライドショーを作成することができます。その他、サーバ側と通信を行ったり、ユーザがフォームに入力した内容を確認したり、さまざまなことが可能です。
JavaScriptはHTML・CSSに比べると難しめなので、しっかり勉強時間を確保する必要があります。学習サイトなどを活用すると効率的にJavaScriptを習得できるのでおすすめです。
jQuery
jQueryは、JavaScriptフレームワークの1つです。jQueryを使うことで、JavaScriptで書くよりもコード量を減らして書くことができます。コード量を減らせるということはその分開発工数を減らせるということなので、jQueryは多くの企業で活用されています。
そのため、フロントエンドエンジニアを目指すならJavaScriptだけでなくjQueryも習得すると良いでしょう。
jQueryも学習サイトを活用して勉強することで、効率的に習得できます。JavaScriptを覚えた方ならjQueryはそこまで難しくはありません。
フロントエンドエンジニアに求められるその他のスキル
フロントエンドエンジニアには、プログラミング以外にも多くのスキルが求められます。ここでは、フロントエンドエンジニアとして活躍するために身につけておきたいスキルを4つ解説します。これらのスキルは転職後でも良いので、少しずつ身につけていくことをおすすめします。
Web開発全般の知識
フロントエンドエンジニアを目指すなら、フロントエンド周りだけでなくWeb開発全般の知識は持っておきましょう。その方がバックエンドエンジニアやWebデザイナーと連携を取りやすくなるためです。
たとえば、WebブラウザとWebサーバ間で非同期通信を行いたい場合、サーバ側の処理内容もある程度把握しておく必要があります。
また、Web開発全般の知識があった方が将来マネジメント職などにキャリアアップする際も役立つでしょう。Web開発のスケジュール管理や予算交渉などを行う際は、Web開発全般の知識が必要不可欠です。
Webデザイン
フロントエンドエンジニアには、ある程度のWebデザイン知識も求められます。Webサイトのデザインを作成するのは基本的にはWebデザイナーの仕事ですが、細かいところの調整はフロントエンドエンジニアが担当する場合が多くあります。
どのようなレイアウトにすればユーザにとって使いやすいかなどを常に意識しながら開発すると、フロントエンドエンジニアとしてさらに活躍できるようになるでしょう。
コミュニケーションスキル
フロントエンドエンジニアにもコミュニケーションスキルは必要不可欠と言えます。フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーやバックエンドエンジニアと常に歩幅を合わせて作業しないといけません。
他の職種と意思疎通が上手くできないと、開発予定がずれてしまったり、要望とは異なるものを開発してしまったりすることもあるでしょう。
また、昨今のWeb開発企業はテレワークを導入する企業が増えています。そのため、テレワークでもコミュニケーションツールなどを使って上手くメンバーと意思疎通を図れるスキルも求められます。
Webサービスに関する知識
フロントエンドエンジニアはWebサービスに関する知識も求められます。Webサービスの知識があると、新規でWebサービスを開発する打ち合わせに参加した際に、積極的に発言することが可能です。具体的には、現在トレンドとなっているWebサービスや競合他社のサービス内容などについて知識があると良いでしょう。
フロントエンドエンジニアの将来性について
ここでは、フロントエンドエンジニアの将来性について解説します。また、フロントエンドエンジニアがさらに市場価値を高めるにはどうすべきかも解説していきます。
フロントエンドエンジニアの将来性は高い
結論から言うと、フロントエンドエンジニアの将来性は高いです。Webサービスを日常的に使うユーザは昔に比べて増えたため、Webサービス開発に必要不可欠なフロントエンドエンジニアを多くの企業が欲しています。
また、フロントエンドで使われるJavaScriptの評価が高いのも理由の1つです。JavaScriptはTIOBEが2022年に発表したプログラミング言語ランキングで7位となっています。前回も7位だったため、JavaScriptは安定した評価を獲得していると言えるでしょう。
【参考】:TIOBE Index - TIOB
フロントエンドエンジニアがさらに市場価値を高めるには?
フロントエンドエンジニアがさらに市場価値を高めるには、マネジメントスキルを身につけるのがポイントになってきます。マネージャーとして開発メンバーを指揮する立場になった方が、IT業界では年収が高くなる傾向があるためです。
プロジェクトのスケジュール管理・部下の進捗管理・モチベーション管理など、マネジメントの基礎スキルをプログラミングと平行して学んでいくと良いでしょう。
フロントエンドエンジニアを目指すのに有効な資格
最後に、フロントエンドエンジニアを目指すのに有効な資格についてまとめました。これらの資格を取得することで、転職で有利になります。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験はHTMLだけでなく、CSSやJavaScriptなどフロントエンドで使われる技術全般に関する問題が出題されます。そのため、フロントエンドエンジニアを目指す方には最適と言えるでしょう。レベルは2段階に分かれており、初心者の方はまずレベル1を目指してみてください。
【参考】:Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はエンジニアの登竜門と呼ばれている資格であり、フロントエンドエンジニアを目指す際もやはり活用できます。プログラミングだけでなく、システム開発の基礎知識やハードウェア関連などエンジニアが知っておくべき基礎知識を幅広く学ぶことが可能です。
【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
Web開発に興味があるならフロントエンドエンジニアはおすすめ
本記事ではフロントエンドとは何かについて解説しました。フロントエンドエンジニアは将来性の高いエンジニア職と言えます。Web開発に興味があるならフロントエンドエンジニアを目指すのをおすすめします。転職前には、最低限のプログラミングスキルなどは身につけておくと良いでしょう。
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