
Javaとは?

Javaについて知らないITエンジニアはいないでしょう。JavaはSun Microsystemsによって1995年に公開されて以来、世界中のあらゆる場面で利用されているメジャーなプログラミング言語です。エンジニアの中には、「Javaはオワコンだ」という方もいますが、実際のところはどうなのでしょうか?良く知られているようで実は良く分かっていないJavaについて、この記事では初心者目線で見ていきましょう。
Javaは人気のプログラミング言語
JavaがC言語をベースに開発されたメジャーなオープンソースのプログラミング言語であることは、皆さんご承知の通りです。
ITエンジニアを目指している方の多くが実際にJavaについては学ばれたことでしょう。
実際、Javaは学びたい言語の1位であり、エンジニアの求人においても人気のPHPやJavaScriptを押さえてトップ(2021年2月現在)をキープしています。
Javaに人気が集まる理由は、OSに依存せず、もっとも多くの現場で利用されているからです。
OSに依存しないという事は、例えばMacで開発されたものがWindowsでも使え、さらにはAndroidでも動くというわけです。
OSごとに二重、三重の開発が必要なケースが多い中、これは大きなアドバンテージです。
Javaでのプログラム開発の際には、JDK(Java Development Kit)というものを使用します。このJDKをインストールすれば、自動的にJavaがインストールされます。以下の公式サイトから無料ダウンロードができますので、これから学習を始める方は覚えておいてください。
※Javaの最新バージョンはJava SE 16.0.です(2021.7現在)
Javaが活用されているところ
人気のJavaですが、実際にはどんなところで活用されているのでしょうか?身の回りでも、あちこちにJavaで作られたプログラムが存在しています。
普段使っているパソコンのアプリ・Webの開発やスマホアプリ(特にAndroid)・ATMやカーナビ・組み込み家電・IoT機器、意外な所ではクレジットカードのICチップでも使われています。
また、大きなところではAmazonやGoogleも基幹システムの構築に利用しています。日本の従業員3,000人以上の大企業では、実に80%以上がJavaを導入済みとの調査結果もあり、Javaの浸透度合いがよく分かります。
特にAndroidスマホアプリの開発では、Javaがよく利用されています。もちろん、iOSでもJavaは利用できますが、iOSはSwiftが主流ですので、iOS系の開発に携わりたい方はJavaに加えてSwiftを学んでおくと良いでしょう。
また、Javaと言えば端末系が主流と思われがちですが、COBOLベースのシステムをJavaに切り替えたメガバンクもあり、金融機関の基幹システムでも利用されるほどJavaの信頼度は高いといえます。
JavaとJavaScriptは別もの
JavaとJavaScriptは名前がよく似ているので混同されがちですが、この2つはまったくの別ものです。Javaはどんなマシンでも動く汎用言語ですが、JavaScriptはWebページに動きをつけるためのプログラミング言語です。
また、Javaは主にサーバー側で動くプログラミング言語ですが、JavaScriptは主にクライアント側(端末側)で動くという点でも異なります。
ちなみにJavaScriptはJavaが開発されてから4年後に登場しています。当時はLiveScriptと命名されていたのですが、Java人気にあやかって、JavaScriptに改名しました。
Javaの特徴

人気のプログラミング言語であるJavaの特徴について、今1度確認しておきましょう。
オブジェクト指向
エンジニアの皆さんは、オブジェクト指向という言葉を散々聞かされているでしょう。分かったようで分かりにくい言葉ですが、Javaはまさにオブジェクト指向型プログラミング言語の代表挌です。オブジェクト(object)は「モノ」です。
オブジェクト指向では、プログラムを「モノ」として捉えます。一般的にプログラミングは動作の手順を記述していきますが、オブジェクト指向型プログラミングでは、扱うモノの属性や動作に関してあらかじめ定義し、それを操作するという考えでプログラミングをしていきます。
プログラムそのものが「モノ」として分類されており、複数人で同時にプログラム開発する場合にも作業の効率が良いのと、ソースコードを再利用したり、機能を追加や修正したりといったことが容易に行えるのです。
またメインの処理がシンプルで、1度理解すれば大変扱いやすく、バグの発生が抑えられる点もJavaの特徴といえます。
ガベージコレクション
ガベージコレクションとは、ゴミ収集を意味します。プログラムは動作する際にメモリ領域を利用しますが、その際に行儀の悪いプログラムはメモリを掃除(解放)することなく処理を終えます。
これが続くとメモリは圧迫され、時にはメモリ不足でコンピューターの処理能力が大幅に低下することがあります。Javaは「ガベージコレクション」機能が備わっており、プログラムがゴミ掃除を意識しなくとも不要なメモリを消去し、メモリ領域を解放してくれるのです。
安定性が高い
Javaは開発されてから25年以上経過し、しかも利用人口が圧倒的に多いことから改良が進み、安定性が非常に高くなっているプログラミング言語です。そのため、Androidアプリの開発に利用されるばかりか、金融系の大規模システムなどでも採用されるなど、信頼性が高いのが特徴の1つです。
Javaのメリット

Javaは汎用性が高く、OSへの依存性がない優れた言語ゆえに人気がありますが、ここでは、そのメリット・デメリットを確認してみましょう。まず最初にメリットについて解説します。
実行環境の自由度の高さ
Javaで1度書いたコードはJVM(Java Virtual Machine)と呼ばれるJava仮想マシンを通すことで、あらゆるOSの機器で使えます。この実行環境の自由度が高いのはJavaの大きなメリットの1つです。
安定性と高セキュリティ
Javaはコンパイル言語であるため、処理速度が速いのと安定性の高さが特徴です。また、仮想マシンの内部で実行するためセキュリティが高い点も大きなポイントです。これによって、基幹システムで安心して使えることから、金融系などミッション・クリティカルなシステムにおいても使える点がメリットです。
利用人口が多い
Javaの利用人口は他の言語を抜きん出ています。このため、Javaには直ぐに利用できるAPIやライブラリー、さらにはマニュアルや教育テキスト、フォーラムが豊富にあり、システム開発を効率化できる点がメリットと言えます。
Javaのデメリット

以上、Javaのメリットについて述べましたが、Javaも万能ではありません。いくつかのデメリットもありますので、そのデメリットを知った上で、今後のJavaとの関わり方について判断をすることが大切です。これからそのデメリットについて述べていきましょう。
高性能がゆえに難易度が高い
Javaは高性能なプログラミング言語ですが、その分コーディングルールが難しく、習得するのは容易ではありません。
JavaはC++やC#などのプログラミング言語と構文構造が似ているため、これらを習得しているエンジニアにはなじみやすいでしょうが、初めてJavaプログラミングに接する人には、オブジェクト指向という考え方も1つのハードルとなるでしょう。
Javaを独学で習得する方も少なくはありませんが、初めてプログラミングを勉強する方は、オンラインスクールなどの利用をおすすめします。
小規模開発には不向き
Javaの強みとして、拡張性や再利用性が挙げられますが、それらは逆に小規模開発では活かしにくいのです。小規模開発を専門にする方は、併せてRubyやPHPなどのプログラミング言語を習得しておいた方が良いでしょう。
Javaの将来性

JavaエンジニアやこれからJavaを学ぼうとしている皆さんにとって最大の関心事は、Javaに将来性はあるのかということでしょう。結論からいうと、将来性はあります。もちろん、Java以外のスキルもあるに越したことはありませんが、冒頭でもお伝えした通り、Javaは最も人気の高い言語だということがその根拠です。
Javaの資格
Javaのスキルを認定するプログラムはさまざまな種類がありますが、株式会社サーティファイ提供の「Java™プログラミング能力認定試験」やOracle社提供の「Oracle認定Java資格」などが有名で、これらの資格を取得しておくと、転職や就職の際に有利でしょう。ここでは詳細の説明は割愛しますが、Javaエンジニアを目指す皆さんはぜひチャレンジしてください。
Javaエンジニアの強み
Javaエンジニアの強みは、Javaエンジニアの需要の多さです。言語別求人数で、Javaは常にトップです。それはシステムの多くがJavaで開発されているためで、Javaでの新規開発以外にもJavaで組まれたシステムの再構築、改修や「運用・保守」の案件が豊富にあります。
企業にとっても、Javaの開発であれば、エンジニア不足と言われる今日でもJavaエンジニアを確保しやすいことから、Javaの開発や運用の案件は今後も増えていくと考えられます。
Javaの需要や将来性はある
「Java オワコン」というワードでネット検索をしてみると、さまざまな記事が目に入ります。Javaエンジニアの収入が伸びていなかったり、Python・Ruby・PHPなどの他の言語が伸びたりしていることから、Javaの需要低下の不安を抱く人がいます。
しかし、Javaはクライアントサイドからサーバーサイド・スマホアプリ・IOT機器などのあらゆる領域で使われており、そのすそ野の広さは群を抜いています。
また、日本ではスマホのシェアでiPhoneがリードしていますが、世界の潮流はAndroidです。Androidアプリの需要はこれからも伸びていくでしょう。
とはいえ、Javaはやや難解な言語であり、独学での習得の壁は決して低くはありません。これからJavaの勉強を始める方で、他の言語の経験がない方は、オンラインスクールなどの活用をおすすめします。Javaエンジニアを目指す皆さんの今後の活躍を期待しています。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから