そもそもScalaとは
Scalaについて、どのようなプログラミング言語なのか、そもそも用語について知らない方も多いでしょう。近年、Scalaは注目を浴びているプログラミング言語の1つです。ここでは、Scalaの詳細や特徴について詳しく紹介します。
Scalaとは
Scalaは、およそ2003年頃に開発されたプログラミング言語のことを指します。例えば、Javaはおよそ1995年頃から使用されるようになった言語です。そのため、Scalaは比較的最近に開発されたプログラミング言語であることがわかります。
また、Scalaはオブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語を統合させたプログラミング言語です。なお、オブジェクト指向とは柔軟にプログラミングを行うための手法の1つです。オブジェクト指向言語は、モノを組み立てるようにコーディングを行い、コンピュータに動作をさせる言語を指します。一方、関数型プログラミング言語は、関数を組み合わせることでプログラミングを行います。したがって、Scalaはオブジェクト指向言語のなかでも関数型言語の機能が利用できる言語といえるでしょう。
さらに、ScalaはJavaとの互換性をもつように開発された言語であるため、Javaのライブラリを使用することができるため、効率よく開発をおこなうことができるでしょう。なお、ライブラリとはシステムやアプリケーションを開発する際に、複数のプログラムを1つのまとまりにしたものを指します。ライブラリは無料で提供されていることが多く、さまざまな分野で活用されています。
Scalaの特徴
これまでにも説明しましたが、Scalaはオブジェクト指向言語と関数型言語を統合させたプログラミング言語であるため、両方の機能も使える点が特徴です。つまり、両方の良い点を組み合わせたプログラミング言語といえます。こちらも先述しましたが、Javaとの互換性が高い点も特徴です。理由は、ScalaではJavaの環境を利用できることや、Javaのライブラリを使用できることなどが挙げられます。さらに、Scalaはコードがシンプルにできているため、Javaよりもコードの記述する量が少なくてすみます。Javaとの互換性が非常に高いためJavaの後継言語ともいえるでしょう。
近年では、アメリカを中心にScalaのプログラミング言語は拡大しつつあります。最近では、トレンドの波が日本にも普及してきているため、人気が上昇しているプログラミング言語ともいえます。さらに、Scalaは効率よく開発を行うことができるので、日本企業でも導入する企業が増加しており、需要は高まりつつあります。以上より、Scalaを学びたいITエンジニアも増加しています。米HackerRank社が行なった「2020 Developer Skills Report」によると、今後習得したい言語ランキングにおいて、Scalaは6位を獲得しています。
ScalaはJavaの機能が使用できるプログラミング言語なため、Javaライブラリの使用に加えて、JVMで動作させるためのJavaの知識やJVMのスキルを活かせる言語でもあります。なお、JVMとは「Java Virtual Machine」の略称で、プログラミング言語を動かすためのソフトウェアを指します。JVM言語について例を挙げると、JavaとScala、Kotlinなどです。JVM言語を用いて作成したプログラムはJVMの環境さえあればOSに依存することはないため、Windows・Linux・MacなどのさまざまOSで動かすことが可能です。
Scalaの将来性
ScalaはJavaの後継として世界的に普及しつつあります。例えば、Twitterではバックエンドの処理にScalaを採用しています。また、大手企業などではScalaを採用する動きがあり、Scalaの需要は拡大しているといえるでしょう。Scalaを習得するにあたって、Javaの知識やスキルが必要です。最近の案件では、Javaで稼働しているシステムをScalaで動作するように移行するという開発案件が多い傾向にあります。よって、JavaとScalaの両者を扱えるスキルが重要です。
さらに、Scalaは関数型プログラミング言語という観点から、アジャイル開発にも向いています。また、高生産性と低コストで品質の高いサービスを開発するというスタイルも確立されつつあるので、Scalaの将来性は高く、高収入も期待できるでしょう。今後はScalaを扱うプログラマーの数は増加し、Scalaの普及も広がることが予想されます。
Scalaのメリット・デメリット
これまでに、Scalaの詳細や特徴、将来性について解説しました。ここからは、Scalaのメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
Scalaの3つのメリット
Scalaの特徴の部分でも述べましたが、ここではScalaのメリット3つについて解説します。
1.Javaとの互換性が高い ScalaはJavaとの互換性が非常に高いため、Javaを使用してコーディングしたプログラムをScalaに容易に移行することが可能です。これまでにも説明しましたが、ScalaはJavaと同様で、JVMで作動するプログラミング言語です。そのため、ScalaはJavaを利用するために用意されていたライブラリを使用できるため、効率よくシステムやアプリケーション開発を行うことができます。
2.オブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語を統合 これまでにも説明しましたが、Scalaはオブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語の2つの特性を持ち合わせているプログラミング言語です。オブジェクト指向型プログラミング、関数型プログラミングの両方の利点を持っているというのはメリットといえるでしょう。
3.ソースコードの記述する量が少ない Scalaはソースコードの量が少なく、シンプルなコードという特徴があります。JVM言語であるJavaと比較しておよそ半分ほどコードの量を少なくできます。例えば、Javaで複雑なプログラムを作成する場合、ソースコードの量は多いです。しかし、Scalaの場合、コードの量をJavaの半分にできるため、コードが見やすくコードレビューも効率よく行えるというメリットがあります。さらに、コードがシンプルなのでエラーの発生件数も減少することが期待できます。コードの量が多く、プログラムが複雑になってしまうとエラーの発生件数の量は多くなる傾向にあります。Scalaの場合、コードの量が少ないためエラー件数は減少するとともに、仮にエラーが発生したとしてもどこで発生しているのか探す手間が減るというメリットもあります。
Scalaの2つのデメリット
もちろんScalaを使用するにはメリットだけではありません。ここでは、Scalaのデメリットについて2つ解説します。
1.学習コストが高い これまでにも説明しましたが、Scalaはオブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語の2つの特性を含んでいるため、両方の知識を身に付ける必要があります。Javaのプログラミング経験者の場合、オブジェクト指向の知識は習得しているかもしれません。一方、プログラミング未経験者や初心者の場合、オブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語の両方をいきなり習得するのはハードルが高いかもしれません。Scalaは学習コストが高い言語といわれることもあります。
2.統合開発環境(IDE)が充実していない IDEの機能がJavaと比較すると充実していないため、コンパイルの速度も遅いというもデメリットもあります。Scalaは後に開発されたプログラミング言語です。そのため、Javaなど昔からあるプログラミング言語と比較すると、IDEについては種類や機能が豊富ではありません。コーディングする際の入力サポート機能やエラーチェック機能が劣っている可能性もあります。しかし、Scalaを利用する企業やエンジニアが今後増加していくにつれて、豊富な機能が揃っているIDEがリリースされることも予想されます。
Scalaを扱えるエンジニアの市場価値は高い!
これまでに、Scalaの詳細・特徴・将来性・メリット・デメリットについて解説しました。Scalaは、オブジェクト指向言語と関数型プログラミング言語を統合させたプログラミング言語です。Javaとの互換性をもつように開発された言語という特徴があり、効率よく開発できるという観点から有用性が高く、需要は増加しています。また、Javaの後継言語なので学習コストは高いですが、習得することができればITエンジニアとして市場価値を高めることができるでしょう。
Scalaを扱うことのできるITエンジニアを多くの企業では求めています。キャリアアップやプログラミング言語について未経験者の方には、ぜひScalaの習得を目指すことをおすすめします。
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