
Pythonとは?

Pythonは、今もっとも注目を集める人気のプログラミング言語の1つです。文法が平易で、プログラミング初心者でも比較的習得しやすいことや、今話題のAI関連の開発で利用されていることが注目を集める理由です。AIはDX推進には欠かせない技術です。
この記事は、Pythonに興味を持った方、これからPythonを学んでみようというエンジニアに向けた入門編となっています。Pythonの人気の秘密を探りながら、Pythonについてエンジニアとして知っておきたいことを中心に解説していきます。
Pythonは人気のプログラミング言語
ソフトウェアの品質評価や追跡を行うオランダの「TIOBE Software」が発表している通称「TIOBEインデックス」の2023年1月版によれば、プログラミング言語の検索数ランキングではPythonが1位に位置しています。

Pythonの歴史と名前の由来
Pythonの歴史は意外に古く、1990年にオランダのグイド・ヴァン・ロッサム氏によって創り出され、1991年にリリースされました。
グイド・ヴァン・ロッサム氏は、自身が参加していた分散システムプロジェクトで既存プログラミング言語を用いた開発がうまく進まなかったため、シンプルで使いやすい言語としてPythonを自ら作り出しました。
Pythonはカタカナ表記では「パイソン」で、開発者のグイド氏が好んで観ていた英国のコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン(Monty Python's Flying Circus)』がその由来です。
Pythonで何ができるのか
Pythonで作れるものにはどのようなものがあるのでしょうか。Pythonは、Webアプリケーション開発でよく活用されています。例えば、皆さんが日常的に利用しているYouTube・Instagram・DropBoxなどは主にPythonによって作られています。
最新のWebアプリ開発でPythonが多く利用される理由としては、読み書きがしやすいこと、少ないコードの記述で開発できる効率の良さ、さらには「C」言語との相性が良い点などが挙げられます。
統計処理・数値計算などを得意とするPythonはデータ処理系の豊富なライブラリを持っており、AI開発分野において機械学習・深層学習(ディープラーニング)・データ解析処理によく利用されています。他にも、ゲームアプリやデスクトップアプリの開発などで活用されています。


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Pythonの特徴

Pythonの人気の秘密に迫る前に、Pythonの特徴について確認しておきましょう。
Pythonは高級言語の1つ
コンピューターは基本的に「0」と「1」しか認識しません。コンピューターに何かを指示する時には、この「0」と「1」の組み合わせによる命令を与えます。これをマシン語と呼び、初期のコンピューターではこのマシン語を使って動作命令を行っていました。
しかし、マシン語を人が習得するのは大変な困難を伴うため、人がより簡単に理解することができるプログラミング言語が編み出されました。このプログラミング言語を「高級言語」と呼びます。
Pythonはインタープリター言語
ただ、高級言語でコンピューターに指示を与えてもコンピューターは理解できません。これをコンピュータが理解できるマシン語に翻訳する必要があります。この翻訳のことを「コンパイル」と呼びます。
汎用機でよく使われる「COBOL」などは、必ずコンパイルを通じてプログラムを動かしています。Java・C#・C++なども同じく、コンパイルを通してから利用するため、コンパイル言語と呼ばれています。
一方、Python・JavaScript・PHP・Ruby・Perlなどのプログラミング言語は、あらかじめコンパイルを行うのではなく、その場でコンパイルしながら動作する方式を採用しています。このような言語を「インタープリター言語」と呼びます。
スクリプト言語
Pythonの特徴の1つとして「シンプルさ」が挙げられます。プログラミング言語には特定の意味でしか使うことのできない「予約語」が定められていますが、Pythonにはこの予約語が35しかないため、非常に覚えやすいです。
例えば、比較的シンプルな言語だと言われるPHPでも予約語は80もあります。他の言語と比較すると、Pythonのシンプルさがよく分かります。
このように、シンプルさに重点を置いて作られた言語をスクリプト言語と称します。Pythonはスクリプト言語の代表と言っても過言ではないでしょう。
オブジェクト指向言語
オブジェクト指向言語としてはJavaが有名ですが、Pythonもオブジェクト指向言語です。オブジェクト指向では、プログラムを「モノ」として捉えます。扱うモノの属性や動作をあらかじめ定義しておき、それを操作するという考え方でプログラミングを行います。
プログラムそのものが「モノ」として分類されているので、複数人で同時にプログラムを開発する場合でも作業効率が良く、ソースコードの再利用や、機能追加・修正も容易に行える点が強みです。

Pythonのメリット

ここまでで、Pythonの概要が理解できたでしょうか。Pythonは誰でも無料で利用できるオープンソースのプログラミング言語ですが、それ以外にも多くのメリットがあります。Pythonの人気の秘密である、Pythonのメリット(強み)について見ていきましょう。
言語がシンプルで初心者でも覚えやすい
Pythonには文法が必要最低限しか設けられておらず、予約語もJavaの半分以下の35と、シンプルな言語であることが特徴です。そのシンプルさは、覚えやすい言語の筆頭に挙げられるほどです。


読み書きがしやすく、ライブラリが豊富
Pythonはシンプルで読み書きがしやすい上に、ライブラリなどが豊富にありますエンジニアにとっては、そのコーディングのしやすさが魅力です。また、誰でも他人の書いたコードをすぐに解読できるため、修正やバグ対応がしやすい点も強みです。


プラットフォームが整っている
PythonはさまざまなOSをサポートしており、主要なOSすべてのプラットフォームで利用できます。また、クラウド環境ではブラウザ上でPythonを記述し実行できるサービスとして「Google Colaboratory」もあり、プラットフォームの豊富さはPythonの大きな強みです。

汎用性が高く活用範囲が広い
機械学習分野、データ解析の分野などで注目を集めているPythonは、実は汎用性が高く、あらゆる分野で利用されています。

AI技術を用いたIoTの開発・ロボット制御・Webアプリ・デスクトップアプリ・ゲームアプリなど、私たちに身近なものにまでPythonが浸透しています。転職の際の企業選びでも、選択肢は多いと考えられます。自分に合った環境を見つけるには転職エージェントの活用がおすすめです。
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Pythonのデメリット

以上、Pythonのメリットについて述べましたが、人気の高いPythonも万能ではありません。ここからはPythonのデメリットを解説していきます。これらのデメリットを踏まえて、Pythonが不向きな分野もあるという点を理解しておきましょう。
実行スピードにやや難がある
Pythonの難点としては、実行スピードがやや遅いことが挙げられます。Pythonはインタープリター型言語のため、どうしてもJavaなどのコンパイラ型言語よりは実行スピードが遅くなります。スピードを要求されるゲーム開発や、企業の基幹システムのような大規模システムの開発には不向きです。
日本語サポートがまだ少ない
Pythonはもともと世界的には大変人気の高い言語でしたが、Pythonが日本で利用されるようになったのは比較的最近のことです。このため、日本語によるサポートが十分に整っておらず、日本語で書かれたPython関係のサイトもJavaやC言語と比較するとまだまだ少ないという状況にあります。
Pythonエンジニアの需要と年収

Pythonは人気のある言語であるため、Pythonエンジニアは需要が高いと推測されます。「マイナビエージェント」でキーワード「Python」で求人を検索してみると、公開求人が2570件、非公開求人が789件と多くの求人がヒットします。
分野も多種多様で、全国的に様々な分野でPythonが使われていることがわかります。年収はまちまちですが、これは分野が多岐に渡ることとスキルや経験を考慮して判断する企業が多いことが要因と考えられます。
年収の参考として、ここではPythonエンジニアを含む「プログラマー」の平均年収を紹介します。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は344万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、マイナビでの調査では一般平均年収よりもやや低め、経済産業省の調査ではやや高めであることが分かります。
プログラマーはスキルアップや経験を積むことによってシステムエンジニアやプロジェクト・リーダー、プロジェクト・マネージャーへとキャリアアップすることが可能です。また、ある分野のスペシャリストとして「エキスパート系プログラマー」を目指すこともできます。
未経験から始めても、このようなキャリアアップによって年収を上げていくことができるので、成長著しいIT分野では参考として挙げた額よりも高い年収を狙うこともできるでしょう。
【参考】:Pythonの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント 【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonの将来性

ここまで、Pythonの人気の秘密やPythonの優位性などについて解説してきました。では、Pythonには将来性はあるのでしょうか。
結論から述べると、Pythonの将来性は高いと言えるでしょう。ここでは、Pythonの将来性が高い理由と、Pythonの習得方法について解説していきます。
Pythonの将来性が高いと言われる理由
Pythonエンジニアを後押ししてくれるのは、Pythonエンジニアに対する需要の伸びの高さです。言語別求人数でPythonはJavaやPHPに次いでいますが、Pythonの求人は急速に増えています。求人数の増加は、将来性が高いことを意味します。なぜPythonの将来性が高いのか、その理由を以下に述べます。
1.Pythonは期待が高まっているAIや機械学習の開発分野において注目されている
2.Pythonは年々需要が増しているデータサイエンス分野に適したプログラミング言語である
3.PythonはC言語系との相性がよく、連携しやすい
4.Pythonは汎用性が高く、AIや機械学習以外に大企業のWebサービスやWeb開発にも適している



Pythonの習得法
Pythonは日本での歴史が浅く、まだまだ教育面や資格面での整備が進んでいませんが、ここではおすすめしたい2つの資格について紹介します。資格取得は、そのスキルを保有する証となりますので、Pythonを習得したい方は以下の2つの資格取得を目指してみましょう。
■Python 3 エンジニア認定基礎試験
■Python 3 エンジニア認定データ分析試験
どちらも「一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会」の認定資格です。それぞれのサイトには勉強法・模擬試験などのコーナーもありますので、是非アクセスしてみてください。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 【参考】:Python 3 エンジニア認定データ分析試験


Pythonエンジニアを目指して

Pythonは将来性が高く、しかもシンプルなスクリプト言語で習得しやすいということをお伝えしました。既にC言語系やJavaなどを習得した方にもおすすめです。
Javaの需要は旺盛ですが、CやJavaに加えて、Pythonが扱えるとなれば、エンジニアの皆さんの活躍の場はさらに広がるでしょう。期待や需要が大きいPythonエンジニアをぜひ目標の1つにしてみてください。
もちろん未経験からPythonエンジニアを目指すこともできます。Pythonは、これからプログラミングを学ぼうと考えているエンジニアの皆さんにぜひおすすめしたいプログラミング言語でもあります。
また、未経験者の方は特にPython習得後に新たな分野で就職・転職活動をされる方も多いと思います。Pythonは需要が高いとはいえ、新たな分野に挑戦するのは不安要素が多いですし、活動をしていく中でわからないことも出てくるでしょう。
そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。
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