Go言語とは?
今を時めく人気言語の「Go言語」(別名:golang)を知らないITエンジニアの方はいないでしょう。「2020 Developer Skills Report」(米HackerRank社)によると、「Go言語」はエンジニアが次に学びたいプログラミング言語として、Pythonを抑えてトップに躍り出ました。今回は、この人気の「Go言語」について、その特徴や将来性、習得に向いている人などを解説します。
Go言語を一言で解説すると
「Go言語」の"Go"の読み方は(ゴー)で、稀に「グー言語」と呼ばれることもあります。Go言語は2009年にGoogleがソフトウェア開発の効率アップのためにリリースしました。
Go言語はオープンソースで、Goのダウンロードサイトからダウンロードして、誰でも自由に使うことができます。リリース当初はLinux OS、mac OS版の2種類でしたが、2013年にリリースされたバージョン1.0からWindowsにも対応しています。
Go言語の特徴
Go言語は無駄がなく読みやすいシンプルなコードや、並列処理が得意でCPUに対する負荷が少ない身軽さ、そして実行速度の速さを特徴とした言語です。
また、コンパイル型言語であり、予めバグを回避するため実行時のエラーが起きにくい安定性と、マシンへの負荷が少なくコストパフォーマンスの良い点もメリットとして挙げられます。
Go言語でできること
Go言語の特徴を一言で述べると、非常に汎用性の高いプログラミング言語と言えます。どの言語も得意分野があり、PHPはWebサービス開発、SwiftならiOSを中心としたスマホアプリ、組込みシステムを開発するならC言語といった棲み分けがありますが、Go言語は苦手分野が少ないオールマイティの汎用的プログラミング言語と言えます。
では、Go言語で何ができるのか代表的なものをピックアップしてみましょう。
Webサービス開発に
「Go言語」は文法がシンプルでコーディングしやすく、実装後にフレキシブルな対応が求められるWebサービスの開発に適しています。また、メモリ負荷が小さく並行処理が得意であるため、スマホ側の処理をサーバーで行うことができます。YouTubeなどの大規模データを処理するWebサービスにも対応できます。
幅広いアプリケーション開発に
「Go言語」は、マルチプラットフォームに対応しているため、Linux・Windows・macOS、スマホではAndroidやiOSなどさまざまなOSに対応できます。
このように「Go言語」はWebアプリケーション以外に、スマホアプリの開発にも対応しており、フリマサービス・アプリで人気の「メルカリ」も一部にGo言語が採用されています。
ロボットやドローンなどの開発に
東京オリンピックの開会式では、1824機のドローンが大空を舞って世界をあっと言わせましたが、ドローンのIoTフレームワークである「Gobot」にも「Go言語」が利用されています。「Gobot」はロボットやドローン開発には欠かせないIoTフレームワークです。
「Gobot」はネットワークを利用して複数のデバイス間で相互通信を行うことができ、遠隔地からのリモート操作、デバイス同士の連携を容易に行うことができます。
Go言語の(作品)事例
「Go言語」がWebサービスなどで利用されているものとしては、身近なところではYouTubeやクックパッドなどがあります。アプリでの採用事例としては、フリマサービス・アプリとしては圧倒的なシェアを誇る「メルカリ」が有名です。
メルカリに「Go言語」が採用されたのは扱いやすさや高速処理ができる点、Android・iOSの両方に対応しているなどの理由によるものです。自身の作品を作ってみたい方は「Go言語」の作品例がネット上に数多くあるため、それらを参考にしてみると良いでしょう。
Go言語の特徴
元々Google社内でのソフトウェア開発の生産性を上げるために開発されたGo言語ですが、オープンソースのプログラミング言語としてリリースされ、各方面で利用が拡大しています。。
Go言語は非常にシンプルで理解しやすい言語ですが、CやJavaなどと同じ「コンパイル言語」で、その実行スピードが速い点も特徴の1つです。ここでは、G言語の特徴でもあるG言語のメリット・デメリットについて解説します。
Go言語のメリット
■初心者にも理解しやすい
Go言語は大変シンプルな言語で文法が分かりやすく、初心者に馴染みやすい言語です。JavaやCと構文が似ており、どちらかを習得した人ならすぐに使えるようになるでしょう。
■並行処理が可能で処理スピードが速い
Go言語はコンパイル言語で、機械語に変換されたプログラムを実行することから、スクリプト言語と比較して処理を高速に行うことが得意です。さらに、Go言語は並行処理が得意な言語であり、並行処理が苦手なPHPなどで開発されたWebサービスをリプレイスする際にGo言語が採用されるケースが増えています。
■コーディングミスの削減ができる
Go言語はシンプルな言語仕様である故に、少ないコードでコーディングが行え、コーディングミスが発生しにくい言語です。
■安全性が高い
Go言語は安全性の高さも際立っています。Go言語にはPythonと同じく、「ガベージコレクション」機能が備わっており、不要になったメモリを自動的に解放してくれます。そのため、都度プログラムで不要メモリの開放を意識する必要がなく、コーディングが楽で、メモリ不足などの障害の心配が要りません。
Go言語のデメリット
Go言語には多くのメリットが存在している一方で、デメリットも存在します。デメリットとしては、シンプルさに重きを置いた言語であるために拡張性に欠けており、他の言語と比較してできることが限られるといった点が挙げられます。他言語に馴染んだエンジニアには物足りなさを感じる点でしょう。例えば、
■オブジェクト指向プログラミングでは、当然とされる「継承」ができない
■同じプログラムコードでさまざまなデータ型のデータを処理できる「generics」がない
■「3項(条件)演算子」がない
といった、他の言語にはあるものがGo言語には存在していません。これはシンプルを基本とするGo言語開発の過程で意図的にそぎ落とされたと考えるべきでしょう。
Go言語のインストール
Go言語は誰でも利用が可能なオープンソース言語です。皆さんのパソコンにダウンロード、インストールして直ちにプログラミングを試せます。Go言語の公式のダウンロードページの「Microsoft Windows」のリンクをクリックすると、インストーラファイルがダウンロードされます。ダウンロードされたファイルをWクリックするとインストールができます。
Go言語の習得に向いている人
ここでは、Go言語の習得にはどんな方が向いているのかを考察します。Go言語はC言語やJavaに似ているため、これらを習得している方には馴染みやすいですが、実は初めて言語を学ぶ初心者の方にはあまりおすすめはできません。
Go言語が比較的新しい言語であることから、Go言語に関する情報が少なく、教材や資格制度が整備されていないことがあります。また、IT業界ではJava・Python・C言語ほどは求人が多くありません。Go言語はC言語やJavaエンジニアがスキルアップ目的で学ぶ第2言語としておすすめです。これから初めてプログラミング言語を学ぶという初心者の方には、以下の言語をおすすめします。
■Ruby:Webサービス系に強く、日本発の言語なため参考テキストなども豊富で学びやすい
■Python:今注目のAIや機械学習に向いており、求人も多く高年収も期待できる
■JavaScript:フロントエンドエンジニアを目標とする方にはHTMLやCSSと同様に必須の言語
Go言語学習の難易度は?
Go言語は文法が平易でコードがシンプルなため、学習の難易度は低いと言えます。C言語やJavaの言語経験者であれば、習得のハードルはさらに低くなります。Go言語はコンパイル言語のため、実行プログラムにするにはコンパイルが必要です。(制約付きでコンパイルと実行を同時に行うことも可能です)
コンパイルによって予めエラーチェックがされるため、コンパイルを行うことで、自然に構文などを学べる点も特徴の1つです。トライ&エラーで実践を繰り返す方法が好きな方にも向いている言語だと言えます。
Go言語入門
Go言語を学びたい方には、以下の講座がおすすめです。
【たった1時間で学べる】Go言語のプログラミング初心者向けの超入門講座【文字書き起こし、ソースコードも完全無料!】
こちらは動画を観ながらチュートリアル形式で、基本から丁寧に教えてもらえる入門講座です。多少でもプログラミング言語に触れた方なら、すぐに馴染めるでしょう。
Go言語の将来性
エンジニアが新たに言語を学ぶ際に最も気になるのは、その言語の将来性でしょう。せっかく苦労して習得しても、Go言語の需要が無ければ宝の持ち腐れになってしまいます。ここでは、Go言語の需要と将来性について探ってみましょう。
Go言語の需要は旺盛
求人情報に表記される給与(年収)は基本的にその需要に比例しています。求人ボックスでのGo言語の求人状況を見てみると、求人数は3,500件前後、求人の平均年収は697万円(東京都)と、かなり高年収であることが分かります。
Go言語はGoogle自体が「YouTube」の開発に利用しており、その知名度や安心感も手伝って、サーバー開発でGo言語を採用する企業が増加している点も見逃せません。
Go言語エンジニアの将来性
IT業界は5Gの時代に入り、これまで以上の処理スピードや迅速なレスポンスが求められます。これからのWebサービスはコンテンツの勝負も重要ですが、更なるレスポンス向上が勝敗の鍵です。5Gの普及によってネットワークはさらに高速になり、これまでは通信がボトルネックになっていたところが、近い将来サーバーサイドの処理遅延がボトルネックとして顕在化するでしょう。
5G回線を利用してもレスポンスが上がらないユーザーからWebサービスに対する不満の声が上がると、企業が受けるダメージは想像以上に大きくなる可能性があります。その点、並列処理や高速処理に長けたGo言語により一層の注目が集まるでしょう。
実際に、PHPで構築したWebサービスをPHPからGo言語にリプレイスする動きが強まっています。今後、ますます需要が高まるとみられるGo言語、この機会にぜひ習得してみてください。
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