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C言語にはどんな資格がある?
C言語は難易度が高い言語と言われますが、汎用性が高く、さまざまな分野で活用されています。そのため、需要は多く、C言語を習得することで仕事の幅を広げることができます。
そんなC言語のスキルを証明できる資格が「C言語プログラミング能力認定試験」です。3級から1級まで、レベルに応じた内容の問題が出題されます。この記事では、C言語の特徴とともに、C言語プログラミング能力認定試験の概要や勉強方法を解説していきます。
【参考】:C言語プログラミング能力認定試験
そもそもC言語とは
C言語はAT&Tベル研究所で開発され、誕生から50年を経過する汎用プログラム言語です。もともとは、UNIX OSの開発を目的に作られました。C言語は読みやすい言語で、メモリー制御やIO制御の必要がない高水準言語でありながら、ハードウェア制御が行なえる低水準言語としての特徴を兼ね備えています。
そのため、C言語はOSの開発から基幹システム開発、ロボット、家電、IoT機器などの制御、宇宙開発まで、実に幅広い分野で活用されています。
こうした汎用性の高さから、50年経った今でもC言語は高い人気を誇っています。オランダのソフトウェア企業TIOBEが公表している、人気プログラミング言語検索数ランキング「TIOBE Index」でも2位にランクインしています。2023年8月の上位5言語は以下の通りです。
・1位 Python
・2位 C言語
・3位 Java
・4位 C++
・5位 C#
【参考】:TIOBE Index - TIOBE
C言語の特徴
「C++」や「C#」のように、C言語から派生したプログラミング言語は多く、C言語を学ぶことでプログラミングの基礎から応用まで幅広く習得できます。そのため、C言語から学ぶ人も少なくありません。
最近は人気が高く学びやすいと言われる「Python」と比較されるC言語ですが、C言語には次のような特徴があります。
▪汎用性が高い C言語は基幹系のシステムから、家電のような組み込み系システムまで幅広く活用できる、汎用性の高いプログラミング言語です。
▪実行速度が速い C言語は「コンパイル言語」です。PythonやPHPのように一行ずつコンパイルしながら実行する「インタープリタ言語」と比較して、処理速度が速いのが特徴です。
▪習得難易度が高い C言語にはハードウェアを制御する機能があり、メモリやCPUを意識しながらプログラミングを行う必要があります。そのため、習得すべきことが多く、その分だけ他の言語と比べて難易度が高くなります。ただし、教材や学習サイトが充実していることから、独学での習得も可能です。
C言語と比較される言語
C言語から派生した言語として、「C++」や「C#」がありますが、C言語とそれらの言語にはどのような違いがあるのか、確認しておきましょう。
▪C++ 「C++」は「シープラ」や「シープラプラ」と短縮して呼ばれることが多いですが、正式には「シープラスプラス」です。C言語の誕生から約10年遅れて1983年にリリースされました。
C言語のベースに「オブジェクト指向」の概念を取り入れた言語で、C言語とは互換性があり、組み合わせて使われることもあります。
▪C# 「C++」の後継言語的な位置づけにあり、Microsoftによって開発されました。C#はC++にJavaの要素が取り入れられ、C言語とは別物になっています。C#はMicrosoft製品であり、Windowsアプリ、Webアプリ、ゲーム開発環境のUnityを使用したゲームアプリ、VRアプリで利用されています。
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C言語プログラミング能力認定試験について
C言語に関する資格としては、株式会社サーティファイ主催の「C言語プログラミング能力認定試験」(C-Language Programming Skills Qualification Test)があります。民間資格ではありますが、C言語のスキル証明となる資格です。
基礎レベルの3級から高レベルの1級まで3種類があり、就職や転職時のスキル証明として取得したいのなら、2級以上の取得を目指す必要があります。
【参考】:C言語プログラミング能力認定試験
試験概要
3級から1級まで、それぞれの概要とレベルを一覧でまとめました。試験時間や受験料も異なるのでチェックしておきましょう。
【3級】 ・実施形態:リモートWebテスト・筆記試験(多肢選択解答形式・マークシート形式) ・試験時間:60分 ・受験料:5,200円 ・試験レベル:C言語の概念を理解しており、簡単なプログラムを組めるレベル
【2級】 ・実施形態:リモートWebテスト・筆記試験(多肢選択解答形式・マークシート形式) ・試験時間:90分 ・受験料:6,400円 ・試験レベル:各種基本的なアルゴリズムを理解しており、500行程度の小規模なプログラムが組めるレベル
【1級】 ・実施形態:パソコンを使用した実技形式・会場集合試験 ・試験時間:150分 ・受験料:7,800円 ・C言語を駆使して、言語処理系やユーティリティなどの応用プログラムを作成できるレベル及び、使用しているOSに関して理解できている
試験日
1級及び2級は1月下旬・6月中旬の年2回、3級は1月下旬・6月中旬・9月中旬の年3回実施されています。ただし、1級の公開試験(個人受験)については、2024年6月の第63回を最後に休止となります。
詳細および申し込みは下段の参考リンクで確認してください。
第61回 2023年9月10日(日) 3級
第62回 2024年1月28日(日) 1級・2級・3級
第63回 2024年6月(日付未定) 1級・2級・3級
【参考】:公開試験案内・申込の流れ【C言語プログラミング能力認定試験】|資格検定のサーティファイ 【参考】:情報処理能力認定委員会|お知らせ
難易度・合格率
C言語プログラミング能力認定試験の2022年度平均合格率は、試験主催者のサーティファイ発表で65.75%です。IT系の資格試験の中では高い合格率と言えますが、試験対策や勉強を怠れば、合格は難しいでしょう。
また、合格に必要な得点率は60%以上です。3級と2級はWebでの多岐選択式問題であるため、比較的難易度は低いと考えられます。ただし、1級はパソコンを用いたプログラミング実技試験があるため、難易度は一気に上がります。
C言語の資格を活かせる職種と年収
ここからは実際にC言語の資格を活かせる職種と、資格を取得することで年収にどのような影響があるかを解説します。
組み込み・制御系エンジニア
組み込みエンジニアとは洗濯機、炊飯器、冷蔵庫といった家電や、スマホ、パソコンなど電気で動くあらゆる機器を、正常に作動させるソフトウェアを組み込むエンジニアです。また、それらのシステムを制御するのが制御系エンジニアです。
組み込みや制御の分野ではC言語が多く使用されているため、C言語の資格を取得する方が多くなっています。
開発系エンジニア
車や医薬品を製造する産業用ロボット開発の分野でも、C言語は活用されています。これらの分野は、今後ますます成長していくと見られます。また、パソコンのパッケージソフト開発や人気のゲーム開発でも、C言語は欠かせないため、C言語の資格を取得しておくといいでしょう。
C言語を扱うエンジニアの年収
組み込みや制御を行うシステムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング」での平均年収は455万円(※2023年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収603万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアの年収は一般平均年収と比べて、やや高めであることが分かります。
C言語は習得が困難であること、また活用分野が広いことから、C言語を扱えるエンジニアの需要は今後も増えていくと予想されます。そのため、C言語の資格を取得してスキルを証明できれば、さらなる年収アップも期待できます。
【参考】:マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
C言語の資格を取得するメリット
年収アップのほかにも、C言語の資格を取得するメリットはいくつも考えられます。ここではその中から主なメリットを3つ紹介します。
仕事の幅が広がる
先述したとおり、C言語を習得できれば家電ソフトの組み込みや、ロボットの開発といった需要の高い仕事にも携われます。既に、JavaやPythonといったプログラミング言語を習得している方も、仕事の幅を広げるならC言語の習得がおすすめです。
C言語の資格を目指すことで目標が明確になり、着実にスキルが身につけられます。
知識の確認ができる
自分の知識レベルを確認するためにも、C言語の資格取得は有効です。これからC言語を本格的に習得しようとしている方はもちろん、業務で使用している方も、今のレベルがどれくらいなのかを確認することで、抜けている知識を補うことができます。
就職や転職で有利になる
C言語を活用する職場に就職や転職しようと思った際、資格を取得していることは大きな強みになります。特に、C言語プログラミング能力認定試験の2級や1級を取得していれば、即戦力として採用される可能性もあります。
未経験からC言語を扱うエンジニアを目指すなら、自分のスキルに合った企業を探してくれる転職エージェントの活用がおすすめです。
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C言語資格取得に向けたおすすめの勉強法
C言語試験には挑戦してみたいと思っても、具体的な学習方法が分からないという方も少なくないでしょう。スクールなどを利用する方法はありますが、相応の費用と時間が必要です。
そこで、ここでは独学でC言語プログラミング能力認定試験の合格を目指す方におすすめの方法を紹介します。
サンプル問題をチェックする
まずは、公式サイトで公開されているサンプル問題をチェックしましょう。それぞれの級で問題が公開されているので、どの程度のレベルの問題が出題されるのか、問題のボリュームはどのくらいかを確認してから本格的な勉強に入るのがおすすめです。
過去問題をひたすら解く
公式からは過去問題集が発売されています。過去問題集を解くことで、問題の傾向が掴めます。また、繰り返し解けば自分の苦手な分野や、間違えやすいポイントもわかるので、不安な場合は2〜3回解くようにしましょう。以下に、公式の過去問題集を紹介します。
・「C言語プログラミング能力認定試験 3級過去問題集 第11版第1刷」
2018年度の第1回から第3回、2019年度の第1回から第3回の、計6回分が収録されています。
▪著者:サーティファイ情報処理能力認定委員会 ▪ページ数:79ページ ▪出版社:サーティファイ ▪発売日:2021/4/14
・「C言語プログラミング能力認定試験 2級過去問題集 第12版第1刷」
2016年度の第3回、2017年度の第1回と第3回、2018年度の第1回と第3回、2019年度の第1回の、計6回分が収録されています。
▪著者:サーティファイ情報処理能力認定委員会 ▪ページ数:135ページ ▪出版社:サーティファイ ▪発売日:2021/5/8
・「C言語プログラミング能力認定試験 1級過去問題集 第5版第2刷」
平成27年度の第3回、平成28年度の第1回と第3回、平成29年度の第1回の、計4回分が収録されています。
▪著者:サーティファイ情報処理能力認定委員会 ▪ページ数:79ページ ▪出版社:サーティファイ ▪発売日:2022/11/7
公式の推薦書籍で理解を深める
過去問を解く中でわからない点や理解が曖昧な点がある場合は、参考書を見て理解を深めましょう。以下に、公式が推薦する書籍を2冊紹介します。
・「スッキリわかるC言語入門」
C言語プログラミングの初学者向けに、環境設定なども分かりやすく解説しています。テキストとしての厚みはありますが、対話形式や豊富な図解を多用して分かりやすく説明してあるため読みやすい内容になっています。コードエラーの対処法なども巻末に載っていますので、実践でも役立つ本です。
▪著者:中山 清喬 ▪ページ数:760ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2021/12/14
【参考】:スッキリわかるC言語入門 第2版
・「わかりやすいC 入門編 第2版」
C言語プログラミングの基礎が丁寧に解説されているので、はじめてプログラミングを学ぶ人でも理解しやすい内容となっています。また、例題が豊富なため、自分のペースでC言語をマスターしたい方にもおすすめです。
▪著者:川場隆 ▪ページ数:544ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2019/6/25
【参考】:わかりやすいC 入門編 第2版
C言語の資格を取得して活躍の場を広げよう
C言語は汎用性が高く、あらゆる分野で利用されている人気のプログラミング言語です。既にほかのプログラミング言語を習得している方も、複数の言語を習得しておくことで仕事の幅が広がります。ぜひ、第2言語としてC言語を選んでみてはいかがですか。
また、C言語を勉強する際は、スキルの証明になる「C言語プログラミング能力認定試験」を目標に据えるのがおすすめです。
C言語の資格を取得すれば、現在の知識が再確認できるとともに転職でも有利になります。とはいえ、資格を活かせる職場が見つかるか不安な方も多いでしょう。
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