ITパスポートの難易度は?合格点や必要な勉強時間、勉強方法を解説
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ITパスポートの難易度は?合格点や必要な勉強時間、勉強方法を解説
アンドエンジニア編集部
2024.01.18
この記事でわかること
ITパスポートの難易度はやや低めで、合格率はおよそ50%程度
ITパスポートの出題範囲は、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系に分かれる
エンジニア経験者はITパスポート以外の資格もおすすめ

ITパスポートの難易度は高い?低い?

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ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の1つであり、ITの基礎的な知識を問う国家試験です。

情報処理技術者試験の試験区分は、試験の難易度を4つのレベルに分けており、ITパスポートは最も易しいスキルレベル1にあたります。そのため、非IT企業において仕事でITに触れる機会がある方や、これからIT企業に入社したい方にもおすすめの試験です。

【参考】:試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ここでは、ITパスポートの合格率から難易度を見ていきましょう。

合格率50%前後で比較的取得しやすい

ITパスポートの合格率は、近年50%前後を保っています。IPAが公表する統計情報によると、合格率を社会人と学生で分けた場合、2023年4月から2023年9月までの社会人の合格率が54.4%に対し、学生の合格率は38.8%です。

他のIT資格は合格率10%未満のものもあるため、全体的な割合で2人に1人程度受かるITパスポートは、比較的取得しやすい資格と言えます。

【参考】:iパスー統計情報

IT企業に勤めていない社会人や学生の受験者も多く、その目的は単なるIT知識の習得だけでなく、進学や就職において活かすこともできます。ITパスポートを取得した後は、上位資格に挑戦することで、よりIT知識を深めることができ、就職やキャリアチェンジの際にも有効です。

ITパスポート試験の合格率は?受験者層や難易度なども解説!
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ITパスポートの概要

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ITパスポートはITを利活用する全ての社会人や、これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できます。IT化が進む現在の日本において、ITに関する基礎知識は職種を問わず求められており、IT資格の入門とも位置づけられています。

【参考】:iパスーiパスとは

ここでは、ITパスポートの受験資格や実施方法、受験料などの試験概要についてまとめました。また、合格に必要な勉強時間についても触れていきます。

ITパスポートとは?詳細や必要性、勉強方法について徹底解説!

試験の概要

ITパスポートの試験概要は、以下の通りです。

・試験開催時期:随時開催(通年式) ・開催場所:47都道府県 ・受験資格:誰でも受験可能 ・申し込み方法:公式サイトより申し込む ・試験実施方法:CBT方式 ・受験料:7,500円(税込)

申し込みにあたっては、利用者アカウントの作成が必要です。IDとパスワードでログインし、利用者画面を表示します。受験関連メニューから「受験申込」をクリックし、地域・試験会場・試験日時を選びましょう。

後は内容を確認して支払い手続きを済ませたら申し込みは完了です。

【参考】:【ITパスポート試験】受験要領

試験問題はすべて4択

ITパスポートが比較的取得しやすい理由の1つに、試験の出題形式が全問4択の方式である点が挙げられます。記述問題はないため、解答時間が足りなくなる可能性は少ないでしょう。

また、試験は手書きではなく会場に設置されているパソコンを使って解答するCBT方式です。パソコンの画面に問題が出題され、マウスで1つずつ解答していきます。1度解答した問題の答えを戻って修正したり、問題の表示倍率を変更したりすることも可能です。

CBT試験とは?概要やメリット、採用されている資格一覧を紹介!

ITパスポートの合格点

ITパスポート試験は1,000点満点です。総合評価点で1,000点中600点以上、分野別評価点が1,000点中300点以上であれば合格となります。総合得点のみ合格ラインを超えれば良い訳ではなく、各分野で合格点を満たさないとならない為注意してください。

問題は全部で100問あり、配点は問題によって異なります。1問10点の決まりではないので注意が必要です。

【参考】:iパスー試験内容

合格に必要な勉強時間

初心者の方や文系出身の方がITパスポート取得に向けて必要な学習時間は、およそ180時間程度と言われています。1日3時間学習に費やす場合、およそ2ヶ月程度で合格できるため、IT資格の中でも取得しやすいと言えるでしょう。

なお、既にIT関連の基礎知識がある方の場合、およそ100時間程度の学習時間で合格できる可能性もあります。ITパスポートの合格を目指す方は、スキマ時間を上手く活用し、学習を進めていきましょう。

ITパスポートを取得するための勉強時間は?詳細やメリットも解説
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ITパスポートの出題範囲

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ITパスポートで出題される問題には大きく分けて3種類あります。ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系です。ここではそれぞれのカテゴリーごとにどのような問題が出されるのか、詳しく解説していきます。

【参考】:【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲

ストラテジ系

ストラテジとは、ITを使って企業戦略を行うことです。ITパスポートのストラテジ系の問題では、ITを駆使して企業課題をクリアしたり、経営戦略をマネジメントしたりする方法に関する問題が出されます。

ITのみならず、幅広いビジネスの視点から問題を考える必要があるでしょう。また、情報処理技術に関する基礎用語の意味を問う問題も多く出されます。

企業活動とITの関わりについて知っているかが問われることが多く、これらに関する基礎知識がない場合、ストラテジ系の勉強に多少時間を使うことになるかもしれません。

マネジメント系

マネジメント系では、ソフトウェア開発の流れや環境設備の整え方に関する問題が出題されます。そのため、要件定義・簡易設計・詳細設計・開発・テスト・リリースの工程について理解し、どんなプロジェクトマネジメントが必要か考える必要があります。

また、ソフトウェア開発における見積もりの出し方や、システム監査などについても出題されます。マネジメント系について学ぶことで、ITエンジニアになる前にシステム開発の基本的な流れを押さえることが可能です。

テクノロジ系

テクノロジ系では、プログラミングやアルゴリズムなどのIT技術全般についての問題が出されます。そのため、専門用語に関する知識だけでなく、コンピュータが実際にどう動いているかやコンピュータの構成要素についても考える必要があります。

ITエンジニア未経験者にとっては、テクノロジ系に多くの学習時間を費やすことになるかと思います。逆にITエンジニア経験者にとっては、既にある知識で対応できる問題が多く、そこまで苦戦はしないでしょう。

ITパスポートを取得しても意味ない?

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「ITパスポートは取得しても意味がない」と言われることもあります。確かにITパスポートは他の資格に比べ取得しやすいため、評価されにくい印象を持つ方も多いでしょう。しかし本当に意味がないのでしょうか。

ここでは、ITパスポートを取得するメリットについて解説した後、ITエンジニア経験者に向けて、さらにおすすめの資格などを紹介していきます。

ITパスポートを取得するメリット

ITエンジニア未経験者の方にとっては、ITパスポートの取得は意味があると考えます。ITパスポートを通じて、IT系の専門用語やコンピュータに関する基礎知識を押さえられるためです。クライアントとの会議でも専門用語が分かれば、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。

また、多少のパソコントラブルが発生したときも、ITエンジニアの力を借りず自分で解決できるかもしれません。

面接に関しては、ITパスポートを取得したからといってそこまで有利にはなりませんが、ITに関する基礎知識があることはアピールできます。ITパスポートを取得する上でどのような勉強をしてきたか、それによってどのような知識を得たかを面接で話すと、より効果的なアピールになるでしょう。

このように、ITエンジニア未経験者にとってITパスポートは意味のある資格です。

ITパスポートのメリットは?デメリットや活用方法も解説!

ITエンジニア経験者は他のIT資格も狙いたい

ITエンジニア経験者の場合、ITパスポートだけ取得しても、そこまで実務で役立つことはないでしょう。ITパスポート取得で表明できることは、ITに関する初歩的な知識がついていることだけだからです。例えば、ITパスポートのプログラミングに関する問題が解けても、実際にアプリが開発できる訳ではありません。

基礎知識の復習、という意義はありますし、ITパスポートが全く意味がないとは言えません。しかし、ITエンジニアとして活躍していきたいのであれば、他のIT資格の取得も目指すと良いでしょう。

ITパスポート以外のおすすめのIT資格

エンジニア経験者におすすめのIT資格は、ITスキル標準レベル2の「基本情報技術者試験」です。基本情報技術者試験は、プログラマーやシステムエンジニアとして働くための知識を持っていることが試される資格です。アセンブラプログラムの穴埋め問題など、ITパスポートに比べ難しい問題が出されます。

さらに難易度の高いIT資格には、ITスキル標準レベル3の「応用情報技術者試験」というものもあります。応用情報技術者試験は、高度IT人材となるために必要な知識が問われる資格です。記述問題も一部あり、問題の難易度も上がっていきます。

【参考】:基本情報技術者試験 【参考】:応用情報技術者試験

基本情報技術者試験とは?資格のメリットや学習方法を解説!
応用情報技術者試験は難しすぎる?その真偽やメリット、試験対策など

資格取得者の年収

ITパスポートが活かせるIT職種としては、テクニカルサポートが挙げられます。ここでは資格取得者の参考年収として、テクニカルサポートの年収を紹介します。

「マイナビエージェント 職種図鑑」での「テクニカルサポート/ヘルプデスク」の平均年収は310万円(※2023年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「顧客サポート/ヘルプデスク」を参考にすると、平均年収390万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、テクニカルサポートは平均年収よりもやや低いことが分かります。

ITパスポートは上位資格への足がかりとして活かせるため、試験に合格できたら前述した「基本情報技術者試験」などにチャレンジしましょう。キャリアアップや転職の際に役立つはずです。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

ITパスポートの学習方法

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ITパスポートは、経済産業省が公表したITSS(ITスキル標準)によるとレベル1に該当するため、難易度は比較的低いと言えます。しかし、全く勉強せずに合格するのは難しいかもしれません。特にITエンジニア未経験者は、基礎からじっくり押さえていく必要があります。

そこで、ここではITパスポートに合格するための学習方法をまとめました。これらの学習方法を実践すれば、合格に近づくことが可能です。

【参考】:2.ITスキル標準とは -ものさしとしてのスキル標準 | デジタル人材の育成 | IPA 【参考】:ITスキル標準V3 2011 1部概要編

参考書で学習する

最もベーシックな勉強方法は、参考書で学習することです。ITパスポートは知名度の高い試験のため、対策本が数多く売られています。中には専門用語に関して図やイラストを用いて分かりやすく説明しているものもあります。

IT系専門用語の知識に自信がない方は、このような本で基礎を押さえてから本格的な学習に挑みましょう。

ITパスポート試験に合格するための必要な問題集は?試験概要も紹介

おすすめの参考書

ITパスポートに関連する参考書は様々な出版社から発刊されています。ここでは、初心者におすすめの基礎的内容をまとめた書籍を紹介します。

■2024年度版 みんなが欲しかった! ITパスポートの教科書&問題集 本書はイラストや図解を多く取り入れており、初心者の方に分かりやすい参考書のためおすすめです。通信講座を運営している会社が提供している参考書なだけあり、ポイントをしっかりと押さえられています。

また、付録で赤シートも付属しているため、何度も繰り返し復習できるのも特徴です。全てカラーページなため、読みやすい参考書としてもおすすめできます。

▪著者:TAC出版情報処理試験研究会 ▪ページ数:656ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2023/11/23 【参考】:2024年度版 みんなが欲しかった! ITパスポートの教科書&問題集

■【令和5年度】 いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集 本書は「ITパスポート試験に短期間で1発合格」を強く掲げた試験対策本です。1発合格を掲げているだけあり、試験の出題傾向の分析や、図・イラストによる解説が細かく記されています。

また、各章で「試験にはコレが出る!」という欄が設けられており、覚えておくべき単語などが分かりやすくまとめられているのもポイントです。

▪著者:高橋 京介 ▪ページ数:560ページ ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2022/12/20 【参考】:【令和5年度】 いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集

過去問を解いていく

ITエンジニア経験者の場合、参考書を買わずにいきなり過去問を解く学習方法もおすすめです。既に基礎が固まっている人にとって、過去問は最適な教材と言えるでしょう。過去問を解けば、時間配分や問題の傾向なども次第に分かってきます。

過去問は本としてまとめられているものを購入しても良いですし、無料の勉強サイトで解くことも可能です。スキマ時間に学習するには最適と言えるでしょう。

また、過去問は3年分(計6回)は遡って解きましょう。3年分を繰り返し学習することにより、おおよそ600問解くことになるため、着実に合格へと近づくでしょう。

通信講座を利用する

独学が難しい方は、通信講座を利用する方法もあります。基礎から段階に沿って学べるため、複雑な専門用語も理解しやすくなります。忙しくても効率的に学習できることが、通信講座のメリットと言えるでしょう。

通信講座は特に基礎的な学習となるため、IT業界未経験者の方におすすめですが、経験者の方にはそこまで必要ないかもしれません。ITパスポートは難易度のやや低めな試験のため、過去問を解くだけでも十分合格が可能と言えるためです。ただ、1から勉強をやり直したい方にはおすすめできます。

スマホアプリを活用する

ITパスポート試験にはスマートフォン用の無料アプリも多数提供されています。普段手にしているスマートフォンで勉強できるため、スキマ時間で勉強することが可能になるほか、場所を取らずどこでも学習できます。

学習アプリは事前に知識をある程度付けた後、移動先やスキマ時間でおさらいをする際におすすめです。繰り返し学習し、しっかりと記憶に根付かせましょう。

ITパスポートを取得してスキルアップを目指そう

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本記事では、ITパスポートの難易度について解説しました。ITパスポートの合格率や出題範囲など、受験に必要な情報がわかりました。

ITパスポートは、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に比べると、取得しやすい資格と言えます。出題範囲は幅広いものの、ITに関する基礎を問う問題が中心であるため、そこまで長時間の学習を必要としません。

そのため、IT知識に自信がない方は、まずはITパスポートから挑戦すると良いでしょう。しかし、ITエンジニアとして更に評価されるためには、ITパスポートよりも難易度の高い資格の取得もおすすめです。

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