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応用情報技術者試験は難しすぎ?

応用情報技術者試験はITエンジニアが受けるべき試験として有名ですが、その評価にはバラつきがあります。「難しすぎ」「受かる気がしない」と尻込みする人や「すごい」と憧れる人がいる一方で、「意味ない」と評価をしない人もいます。
応用情報技術者試験をこれから受験しようと考えている方にとって、こうした世間の噂や評判は気になるところでしょう。
ここでは、応用情報技術者試験は本当に難しいのか・取得するメリット・合格するための勉強方法・将来性など、ITエンジニアの皆さんが関心を抱く点について考察していきます。
応用情報技術者試験(AP)の概要
応用情報技術者試験(AP)はIPA(独立行政法人:情報処理推進機構)が主催する国家試験の1つです。その歴史は長く、2000年までの約30年間は「第一種情報処理技術者試験」として知られていました。
「高度IT人材として必要な応用的知識や技能、高度IT人材としての方向性を確立している」ことを対象者像としており、主に数年の経験を積んでいるプログラマ、システムエンジニアを主な対象に想定しています。
応用情報技術者を含む情報処理技術者試験には受験者制限はなく、実務経験がない高校生や大学生でも受験が可能です。
試験は年2回、春期(4月)と秋期(10月)に開催されます。合格の条件は、午前試験と午後試験ともに60%以上の得点を取ることです。例年、午前試験は選択式問題(四肢一択)で80問、午後試験は記述式問題が出題されています。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)


応用情報技術者試験の難易度や合格率
応用情報技術者の合格率は例年20%前後とやや低めです。ただ、2014年度に試験方式が改定され、これまで午後試験で必須だった経営戦略やプログラミングの設問が選択式になり、IT系以外の方も受験しやすくなっています。
そのため、アルゴリズムやプログラミングが必須の基本情報技術者試験よりは受験しやすいと見る人もおり、基本情報技術者試験を飛ばす受験者が少なからずいるようです。
試験の難易度(スキルレベル3)は基本情報技術者試験(スキルレベル2)、上位資格の高度情報処理技術者試験の(スキルレベル4)の中間に位置し、受験対策をしっかりしておけば十分に合格を狙える試験と言えるでしょう。



応用情報技術者の就職、就職先
IT企業の多くは、社員に対して基本情報技術者試験とともに応用情報技術者試験の受験を推奨しており、受験費用を企業側で負担しているケースは少なくありません。また、合格者に対して資格手当を付与している企業が増加しています。
IT系企業では、応用情報技術者資格は必要な資格と認識しているところが大半であり、応用情報技術者の就職先、転職先としてはIT業界が圧倒的に多くなります。その他、一般企業の情報システム部門、官公庁などでも応用情報技術者は優遇されるでしょう。
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応用情報技術者資格のデメリット

応用情報技術者資格は「難しすぎ」「意味ない」などマイナスな評価をされることもありますが、それはなぜなのでしょうか?ここでは、応用情報技術者資格のデメリットについて考察します。
出題が広範囲で難しい
応用情報技術者試験の出題範囲は大きく分けて「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3つです。テクノロジ系だけでも出題範囲が広範囲に渡りますが、マネジメント系やストラテジ系も加わり、真剣に勉強をしないと合格は難しいでしょう。
数年の経験を有するITエンジニアを受験対象者として想定していますが、特に中堅社員として多忙な日々を送る人にとって、まとまった勉強時間の確保は厳しいです。試験内容の難しさに加えて、働きながら資格取得に向けて勉強をする難しさもあります。
【参考】:応用情報技術者試験(レベル3)シラバス
IT分野以外では評価されにくい
応用情報技術者試験では、IT技術以外にマネジメント系やストラテジ系の勉強が欠かせません。IT人材としての総合的なスキルアップが求められるのです。
しかし、IT系以外の一般企業ではそのスキルを十分に活かせない、あるいは評価されない可能性があります。身を置く環境によっては必要とされるスキルが限定されるケースがあるからです。
そのため、IT系企業以外の方にとっては資格を取得しても高い評価がされにくい点がデメリットとなります。
応用情報技術者資格のメリット

ここでは、応用情報技術者の資格取得で得られるメリットについて述べます。ITの分野では実利を得られる面が多いため、「難しすぎる」と受験をためらっている方も今一度メリットに目を向けてみましょう。
就職・転職に有利
システムエンジニアとしての就職・転職において、応用情報技術者資格取得者は実務に必要な能力とスキルがある人物だと評価される可能性が高いでしょう。特にIT系企業への就職や転職ではより有利になります。
転職の場合には、即戦力となれることの裏付けにもなり、下位資格である基本情報技術者資格と比較するとそのアピール力は強いと言えます。採用の可能性も高まるでしょう。
資格手当や報奨金を貰えて年収アップ
多くのIT企業は社員の情報系資格の取得を奨励しており、資格取得による資格手当、資格取得報奨金などを支給するケースが増加しています。企業によって幅はありますが、平均すると応用情報技術者には10,000円/月前後が支給されているようです。
一部の企業では会社案内やホームページで資格保有者数を公表しているケースもあり、社員の資格取得は企業のブランド価値向上にも役立っています。転職の際は転職エージェントを活用して、このように取得した資格を最大限活かせる企業を見つけましょう。
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一部国家資格は試験免除も
応用情報技術者の資格取得により、以下の国家試験において一部科目免除申請が可能です。
・「中小企業診断士試験」の一部科目(経営情報システム)免除 ・「弁理士試験」の一部科目(理工V・情報)免除
任用資格付与や昇任試験加点
応用情報技術者の資格取得により、一部国家公務員の任用資格付与や昇任試験への加点などの優遇措置があります。例えば、警視庁特別捜査官の3級職のコンピュータ犯罪捜査官任用資格や現職自衛官の昇任試験の加点などの特典が付与されます。
【参考】:IPAの公式サイト_国家試験等の一部免除、公的制度の応募資格・募集条件など
応用情報技術者の年収と将来性

資格取得によってどのくらいの年収が得られるのか、また将来性はあるのか気になっている方もいるでしょう。ここで、応用情報技術者の年収と将来性について解説します。
応用情報技術者の年収
応用情報技術者の年収は明確には分かりませんが、ここでは一例としてシステムエンジニアの年収を参考に考察していきます。
システムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアの年収は一般平均年収と同じくらいか、やや高めであることが分かります。
応用情報技術者はITに関する幅広い知識を持ち、IT業界で必要とされる存在です。企業によっては一般平均年収よりも高い年収を得ることができます。加えて専門スキルを磨いていけば、さらに高い年収を望むことができるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
応用情報技術者の将来性
近年、IT人材の不足が深刻化しています。日本経済の再生のためにはデジタル分野での遅れを取り戻すことが大前提となっていますが、DX分野やAI分野を中心に人材不足が生じています。
このような状況下で、応用情報技術者の資格はITエンジニアとしてのスキルの証になります。すなわち、即戦力として期待できるレベルにあるということを意味します。
経済産業省は『IT人材需給に関する調査』で「2030年にIT人材が45万人不足する」と予測しており、即戦力として期待される応用情報技術者の需要はさらに高まるでしょう。
また、応用情報技術者の先にはさまざまな専門職種があります。この資格を足掛かりとしてさらに専門分野を究めていくことができます。将来の選択肢の広さという点でも、応用情報技術者の将来性は高いと言えるでしょう。
【参考】:IT人材需給に関する調査


応用情報技術者資格を取得する方法

応用情報技術者資格はIPAのスキルレベル3と比較的難易度の高い試験であり、合格率は20%程度とやや低めです。出題範囲が広いため、時間を確保して計画的に勉強をしないと合格レベルに達することはできません。ここでは、応用情報技術者試験に受かる方法について解説していきます。
応用情報技術者試験に落ちる人
応用情報技術者試験の合格を目指す前に、どんな人が試験に落ちやすいのかについて考察してみます。失敗に学ぶことで同じ轍を踏まず、効果的な学習を行うことができるでしょう。ここでは試験に落ちる原因を3つに絞って挙げてみます。
1.過去問を解かず、テキストだけに頼った人 過去問を解くのは試験対策として非常に有効な手段です。テキストによる学習だけで理解した気になっていると、実際の問題を解く時の感覚とずれが生じる可能性があります。学習にはテキストに加えて、過去問の活用が欠かせません。
2.午後試験を軽視した人 午前試験は四肢択一です。解けない設問があっても、運が良ければ合格ラインの60%は取れる可能性があります。しかし、午後試験は記述式問題のため、運だけでは60%は取れません。分野選択ができますので、得意分野を2つは作れるように学習を進めましょう。

3.勉強時間の確保が出来なかった人 学習計画を立てたのに思うように学習時間を確保できず、勉強できなかった分野があるといった人も試験に落ちやすいです。学習時間の確保は難しいですが、まとまった時間が取れなくとも、スキマ時間などをうまく利用して勉強しましょう。
テキストなどで一通り勉強する
独学で合格を目指すなら、最低限テキストによる勉強と過去問回答による対策が欠かせません。テキストは数多く出版されていますが、ここでは評判のよいテキストを2冊紹介します。
『令和05年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本』 応用情報技術者試験以外にも旧試験、高度試験などを網羅的に詳しく分析しています。本試験午前問題(最新15回分)を解くことができる問題演習Webアプリ「DEKIDAS-WEB」も付いており、PCやスマホ、タブレットで学習ができます。
採点結果から全体順位が分かり、進捗状況を示すメダルが表示されるなど、学習意欲を高める工夫がされています。応用情報技術者試験受験者にはおすすめの1冊です。
▪著者:大滝みや子,岡嶋裕史 ▪ページ数:800ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022年12月14日 【参考】:令和05年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本
『2023 応用情報技術者 午後問題の重点対策』 午後の記述式問題に特化した参考書です。分かりやすく丁寧な解説に定評があり、毎年多くの受験者に支持されています。
付属のコンテンツとして「演習問題解答シート」と「過去本試験問題」がダウンロード可能で、本番の試験を想定して時間や時数なども意識しながら取り組むことができます。
▪著者:小口達夫 ▪ページ数:884ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2022年11月02日 【参考】:2023 応用情報技術者 午後問題の重点対策

過去問題を解く
過去問を解くのは資格試験の学習効率を上げ、成果につなげるための早道です。資格試験は過去問から出題されることも多く、試験対策になります。また、自らの実力を知る上でも本試験と同レベルの難易度である過去問は極めて有効です。
過去問はIPA公式サイトで公開されているほか、過去問がランダムに出題されるWeb問題集などもあります。スマホやタブレットなどで移動中や喫茶店などで気軽に解くことができるため、場所や時間を気にせず効率的に勉強することができます。
▪IPA公式サイトの問題集 【参考】:IPA-過去問題
▪応用情報技術者試験.com-応用情報技術者過去問道場 過去問題2560問からランダムに出題される完全解説が付いたWeb問題集です。 【参考】:応用情報技術者試験.com-応用情報技術者過去問道場
必要な学習時間
初学者の場合、応用情報技術者試験合格に必要な勉強時間は500時間と言われています。1日4時間の学習で半年ほど必要です。
数年程度のITエンジニア経験がある方でも、延べ200時間程度は勉強が必要と言われています。仕事をしながら学習するには、1日2時間の勉強時間を確保できるとしても5ヶ月程度は必要です。半年のスパンで考えて計画的に学習することが求められます。

応用情報技術者試験合格には試験対策が大切

応用情報技術者試験は「難しすぎ」という声もありますが、この記事で解説したように計画的に勉強をすれば必ず合格できます。また、この資格の取得に対して「意味ない」との声もありますが、得られるメリットは多くあります。
将来の可能性を広げるきっかけにもなるので、ITエンジニアとして3年~5年程度の経験を積んだ方や基本情報処理技術者資格を取得した方は、ぜひ応用情報技術者を目指してみてください。
特に、今の環境を変えたいと思っている方や年収を上げたいと思っている方にはおすすめの資格です。資格を取得すれば転職にも有利になり、待遇もよくなる可能性が高いです。
しかし、自分で収集できる情報には限界があり、希望する環境がある企業を探すのが難しいこともあります。そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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