システムエンジニア(SE)の仕事内容とは?
数あるITエンジニアの職種の中で最も知られているものの1つが、システムエンジニアです。しかし、実際にシステムエンジニアの仕事内容について、具体的に説明できる方はそう多くはないのではないでしょうか。
本記事では、システムエンジニアに興味がある方や、なりたいと思っている方のために、その立ち位置や仕事内容、なるために役立つ情報をわかりやすく解説していきます。
システムエンジニアはシステム開発の上流工程を担う
システムエンジニアの仕事内容を簡単に説明すると、システムの要件定義から詳細設計までの上流工程を担当します。実際にコーディングを行うことはあまりなく、顧客の要望に合ったシステムの設計図を作り、設計図通りに完成したかをテストすることがメインです。
システムの根本となる仕様作成を担当していることから、システム開発の中核を担う職種であることが分かると思います。システムエンジニアの仕事内容は上記のように幅広く、マネージメントを行うこともあります。
今回は、一般的にシステムエンジニアが担当する業務領域に焦点を当てて、具体的な仕事内容を解説します。
そもそもシステムエンジニアとは?
前述のように、システムエンジニアとはシステム開発の上流工程を担うエンジニアです。具体的な仕事内容に入る前に、システムエンジニアがエンジニアの中でどのような立ち位置なのかを見ていきましょう。
プログラマーとの違い
まず気になる点は、プログラマーとの仕事内容の違いでしょう。プログラマーもITエンジニアの中ではかなり知名度の高い職種なのではないでしょうか。プログラマーは、上流工程を担当するシステムエンジニアの指示や設計に基づいてプログラムを作成することが中心業務です。
こうしたことから、両者は役割分担が明確に分かれており、はっきりとした違いがあります。したがって、実際にコーディングを行いプログラム作成をするのがプログラマーで、どのようなプログラムを作ればよいか指示を出すのがシステムエンジニアと言うこともできます。
システムエンジニアの年収は?
システムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収よりもほぼ程度であると言えます。
こうしたことから、システムエンジニアの年収にはある程度ばらつきがありますが、年齢や企業によっては一般よりも高い給与を目指せる可能性があります。今よりもスキルを身に付けて転職することで、給与アップを目指すこともできるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
「きつい」「やめとけ」は本当?
システムエンジニアという職種が話題に挙がったとき、よく言われるのが「きつい」「やめとけ」です。本当にそうなのでしょうか。確かに、システムエンジニアが担当する上流工程は責任が重く、システム設計の難易度の高さから激務になる可能性もあります。
しかし、システムエンジニアにも様々な働き先があり、必ずしもきつい仕事になるとは限りません。自分に合った企業選びをすることが重要です。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの立ち位置を説明したところで、本題となる仕事内容についてを詳しく解説していきます。ここでは、システム開発のステップごとに説明をしていきます。
要求分析
システム開発において、システムエンジニアの最初の仕事は要件分析です。ここでは、システムを必要としている顧客が、どのような機能や仕様を必要としているかをヒアリングしていきます。
要求分析は相手の要求を聞くだけでなく、顧客のニーズを探ることも必要であり、営業的な側面も含まれています。自分たちが作るシステムはどのようなもので何のためにあるのか、ということを見つけないといけないため、非常に重要なステップであると言えます。
要件定義
次に、得られた要求分析結果からシステム開発に必要な要件を整理していきます。ここで定義した要件に基づいて設計仕様書が作られるため、顧客の要求を適切に要件に落とし込めなければ顧客の望むシステムを作ることはできません。
ここでの要件定義に不足があれば後工程で大幅な後戻りとなるため、システム開発において最も重要なステップであるとも言えるでしょう。ここで定義した要件について認識違いがないように、顧客と入念に擦り合わせを行うことも非常に重要です。
基本設計・詳細設計
要件定義が固まれば、次はいよいよ設計段階に進んでいきます。まず、基本設計のステップではどのようなシステムを作っていくのか、その大枠を要件定義に基づいて考えていきます。例えば、ユーザが操作する画面のレイアウトや扱うデータの種類、操作方法などを考えていく形です。
ここで決めた大枠を元にして、提供する機能をどうやって実装するかを決めていきます。
次のステップが詳細設計であり、プログラマーがどのように機能を実装すべきか指示を作成していきます。この指示は仕様書というドキュメントとして管理され、後々行われるテストの仕様作成や仕様変更の際の変更規模の確認に使用されます。
システムエンジニアはコーディングを行うことはあまりありませんが、仕様書を作成する際にはコーディングの知識や経験が必要不可欠です。仕様書が完成したら、プログラマーへ引き渡し、システムの開発が本格的にスタートします。
テスト
プログラマーによる設計が完了したら、最後のステップとしてテストが行われます。テストはいきなりシステム全体の動作確認をするわけではなく、システム内の機能単位でテストが行われていきます。
テスト仕様を仕様書から作成し、その進捗を管理するのもシステムエンジニアの仕事です。
最終的に全ての機能を総合的に評価するシステムテストが行われ、それに合格すればシステム開発は完了です。不具合等があれば、基本設計や詳細設計に立ち戻り、再設計となることもあります。
システムエンジニアになるためには?
システムエンジニアの具体的な仕事内容を説明しましたが、興味が出てきた方もいらっしゃるでしょう。次にどうすればシステムエンジニアになれるのか、そのために役立つ情報を紹介していきます。
向いている人とは?
そもそも、システムエンジニアにはどのような人が向いているのでしょうか。エンジニアと言えば、論理思考力やプログラミングへの適性があるかをイメージする方も多いと思いますが、システムエンジニアではそれらに加えてコミュニケーション力が非常に求められます。
これは顧客と緻密なコミュニケーションを取り、顧客の求めているものを引き出したり、時には説得することも必要となるからです。こうしたことから、システムエンジニアは技術だけでなく、コミュニケーションを重視する人が向いているとも言えるでしょう。
おすすめの資格
システムエンジニアを目指すにあたって、有利になる資格はどのようなものがあるのでしょうか。IT系の資格は数多くありますが、その中でも「基本情報技術者試験」は特におすすめできる資格と言えます。
国家資格であり、IT系の基本知識を網羅できるこの資格は、勉強する過程でシステムエンジニアとして働くのに必要な知識を多く身に付けることができます。本資格を持っていればシステムエンジニアになりやすくなるとは言えませんが、取得する価値があると言えるでしょう。
【参考】:基本情報技術者試験
志望動機はどうすればよいか
システムエンジニアを目指す場合、どのような志望動機が有利になるのでしょうか。一般的な転職と同様に、なぜその職種であるかを説明できるようにしなければなりません。
システムエンジニアでは前述の通りIT系の知識や技術だけではなく、顧客とのコミュニケーションが重要であるため、製品を使用するユーザと直接携われることが特徴的です。したがって、そういった点を自身の能力ややりたいこととつなげることで、説得力のある志望動機を作成することができると考えられます。
システムエンジニアを目指すために
本記事では、システムエンジニアの仕事内容を主に紹介しました。同職種について理解が深まり、目指したいという気持ちが強くなった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、数ある求人サイトの中から自分に合った会社を選ぶことは簡単ではありません。また、システムエンジニアになるためにどのようなアプローチを取ればよいか分からない方も多いと思います。
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