応用情報技術者試験の申し込みは複雑?
応用情報技術者試験はインターネットを通じて申し込みを行います。申し込み業務は株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズという会社に委託されており、同社のWebサイトにアクセスし、利用者IDを作成する必要があるため、慣れない場合は若干複雑だと感じるかもしれません。
しかし、申し込み期間内であれば、自宅のパソコンやスマホからいつでも申し込みができる上に、手順に沿って入力するだけなので、実際はそれほど難しくないでしょう。
また、応用情報技術者試験は春期と秋期に実施されており、年2回受験のチャンスがあります。これまで、春期は4月、秋期は10月に実施されています。春期の申し込みは1月中旬頃、秋期の申し込みは7月初旬頃です。
【参考】:情報処理推進機構(IPA)受験申込み 【参考】:令和5年度春期試験について(受験申込み)
そもそも情報処理技術者試験とは
応用情報技術者試験は情報処理推進機構(IPA)が主催する、情報処理技術者試験の一つです。情報処理推進機構(IPA)は経済産業省が所管する独立法人で、日本のIT国家戦略を支える技術の確保や人材の育成を担当しています。
情報処理技術者試験は文字通りIT技術者向けの試験で、基本情報技術者試験(FE)・応用情報技術者試験(AP)、そして9つの高度情報技術者試験からなる試験区分で構成されています。
試験区分ごとに想定受験者や難易度、試験範囲などが定められており、自分のレベルや職業に合わせて最適な試験を選択できます。
【参考】:情報処理推進機構(IPA) 試験区分一覧
応用情報技術者試験の位置づけ
応用情報技術者試験はITの基礎知識をカバーするとともに、高度IT人材としてステップアップするために必要とされる応用知識や機能を持つ人を対象としています。略称APといい、「Applied Information Technology Engineer Examination」が英語の名称です。
情報処理技術者試験制度で定義されているスキルレベル1から4の中で、応用情報技術者試験はレベル3に位置づけられています。
【参考】:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験の位置づけ
応用情報技術者試験を目指す前に受けておきたいのが、基本情報技術者試験です。本試験は、情報処理技術者試験の最初のステップとなる試験です。
略称FEと言い、「Fundamental Information Technology Engineer Examination」が英語の名称です。スキルレベル1から4の中ではレベル2に位置づけられます。
企業の中には情報処理技術者試験合格者に、資格手当を支給しているところもあります。研修制度が整っている場合もあり、未経験から知識をつけながら働くことも可能です。未経験からITエンジニアを目指すなら、自分のスキルにあった企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。
【参考】:情報処理推進機構(IPA) 基本情報技術者試験(FE)
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応用情報技術者試験の申し込み方法は?
情報処理技術者試験では、年間の試験実施スケジュールを公開しています。応用情報技術者試験は年に2度実施されており、受験料は税込7,500円です。
2023年度(令和5年度)の試験は、4月16日と10月8日に実施されました。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 スケジュール、手数料など
申し込みはいつから?2024年度の試験日程
2024年度の試験日程はまだ発表されていませんが、例年の日程を見ると、春は4月の第3日曜日、秋は10月第2日曜日に実施されています。
このことから、2024年度の応用情報技術者試験日程は、2024年4月21日と2024年10月13日だと予想できます。ただし、あくまでも推測の日程なので、正式な日程はホームページをこまめにチェックして確認しましょう。
また、2023年度の申し込み期間は春が1月16日から2月9日まで、秋が7月7日から7月26日までと、試験日よりかなり前に締め切られており、期間も3週間程度と短めです。
2024年度も同程度の期間になる可能性が高いので、申し込みの機会を逃さないように注意してください。
【参考】:令和5年度 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の実施予定について
申し込みの流れ
情報処理推進機構(IPA)の受験申し込みから「申込受付ページ」をクリックすると、株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズの Webサイトへ飛びます。受験が初めての方は、まず利用者IDの新規作成を行いましょう。その後、画面の案内に沿って必要事項を入力します。
試験地は全国に56箇所設けられており、申し込み時に好きな会場を選択可能です。ただし、正式な試験地は試験日の約2週間前に発送される受験票に記載されているので、しっかり確認しましょう。
受験料の7,500円は、クレジットカードやコンビニエンスストア振り込みで支払います。
【参考】:CBTS受験者専用サイト
申し込みを忘れた場合の対処法
先述した通り、応用情報技術者試験は年2回の試験実施日が設定されていますが、申し込み期間は短めです。もしも、期限を過ぎた場合は申し込みができないので、次回以降に受験することになります。また、1度申し込んだ場合、受験手数料は理由を問わず返還されません。
情報処理推進機構(IPA)では、申し込み忘れの防止のためにメールニュースを配信しているため、心配な方は配信登録をするのが良いでしょう。
【参考】:情報処理推進機構(IPA)メールニュース
申込内容の変更方法
情報処理技術者試験では、申し込み後の申込内容変更期間が設定されています。申込内容の誤登録や変更が生じた場合は、変更期間内であれば修正登録が可能です。ただし、試験区分の変更には一定の制限があります。また、別人の受験への変更はできません。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 よくある質問
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応用情報技術者試験の詳細
応用情報技術者試験は基本知識に応用力を加えた、より専門性が求められる技術者です。その次の段階として、より専門性を高めた高度IT人材を目指すことも可能です。
上位資格は、ITストラテジスト試験(ST)やシステムアーキテクト試験(SA)、プロジェクトマネージャ試験(PM)など、9つの区分の試験が設定されています。職種や職務に応じて、資格取得を進めることができます。
応用情報技術者試験の試験概要
応用情報技術者試験は午前と午後に分かれており、午前が150分で80問の四肢択一です。午後も150分ですが記述式で、11問中5問を解答します。午前も午後も60%以上で合格です。午後は情報セキュリティが必須解答ですので、取りこぼしのないように準備しましょう。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.5.2
応用情報技術者試験で求められる知識と技能
応用情報技術者試験で要求される知識と技能は、次の通りです。
■戦略立案に必要な知識と技能 経営戦略や情報戦略に関する要件や方針を理解し、動向や情報を収集できること、提案の一部を担当し作成すること、などが期待されます。
■システムの設計・開発・運用に必要な知識と技能 システム要求を整理し必要な技術調査を行うこと、担当分野のサービス提供と安定稼働の確保、プロジェクトにおけるプロジェクト管理の役割に応じた実施、上位者の方針に従い自ら問題解決にあたること、などが期待されます。
応用情報技術者試験の難易度
IPAが公表している統計資料を参考にすると、令和における応用情報技術者試験の合格率は以下の通りです。
・令和元年度秋期:23.0% ・令和2年度10月:23.5% ・令和3年度春期:24.0% ・令和3年度秋期:23.0% ・令和4年度春期:24.3% ・令和4年度秋期:26.2% ・令和5年度春期:27.2%
直近の合格率は23〜27%程度です。受験者には現役エンジニアが多い試験であるにもかかわらず、4人に1人程度しか合格できないということから見ても、難易度は高めであると言えます。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
応用情報技術者試験が活かせる職業と年収
深い知識が求められる応用情報技術者試験は、具体的にどのような職業で活かすことができるのでしょうか。また、合格者の年収についても解説します。
活かせる職業
応用情報技術者試験が活かせる職業としては、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、ゲームプログラマーなどが挙げられます。
いずれも、ソフトウェアやネットワークシステムの設計、開発、導入、保守に関して深い知識を必要とする上に、高いプログラミング技術も求められます。また、プロジェクトの計画、実行、監視という大きな責任感を伴うプロジェクトマネージャーでも、応用情報技術者試験の知識は役立ちます。
合格者の年収
資格を活かせる職種としてシステムエンジニアを例にとって見てみると、「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアの年収は一般平均年収と比べて、同水準かやや高めであることが分かります。
システムエンジニアを含むITエンジニアの報酬は、スキルが重要視される傾向があります。そのため、難易度の高い応用情報技術者試験に合格することで、さらなる年収アップや上位職へのキャリアアップに繋がる可能性が高まります。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
応用情報技術者試験の勉強方法
難易度の高い応用情報技術者試験に合格するためには、効率よく勉強することが大切です。まずは、過去問で試験内容の傾向を掴みましょう。応用情報技術者試験の過去問は、公式サイトで公開されています。平成21年度以降の問題と配点割合、解答例などが掲載されており、許諾や料金は不要で利用可能です。
午前の出題は基本的な考え方に変更がないものもありますので、過去数年の問題の反復演習をおすすめします。一方、記述式の午後試験については、参考書を併用するのがいいでしょう。
【参考】:情報処理推進機構(IPA) 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 過去問
応用情報技術者試験の申し込み機会を逃さないようにしよう
応用情報技術者試験は必要性の高さから、春と秋の年2回実施されています。ただし、申し込みは試験日の2ヶ月以上前に締め切られる上に、申し込み期間も3週間程度と短いことから、機会を逃さないように注意が必要です。
年2回の申し込み機会を活かして応用情報技術者試験に合格すれば、さらなるキャリアアップも可能です。しかし、せっかく合格しても、資格を活かした仕事がなかなか見つけられないということもあります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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