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応用情報技術者試験合格に必要な勉強時間は?効果的な学習法も解説
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応用情報技術者試験合格に必要な勉強時間は?効果的な学習法も解説

アンドエンジニア編集部
2024.09.20
この記事でわかること
応用情報技術者試験は高度IT人材としてのスキルが問われる
応用情報技術者試験に合格するための勉強時間は、エンジニア経験者で200時間前後
応用情報技術者試験は既出問題が出やすいため、過去問の反復が合格の鍵となる

応用情報技術者試験はどのくらいの勉強時間が必要?

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応用情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門と言われる基本情報技術者試験の上位試験として位置づけられており、主に、ある程度の経験を積んでいるITエンジニアを対象とした試験です。

この資格は、IT業界で通用する必要な知識やスキルを備えた人材とみなされ、転職時のアピールポイントとして有効な資格です。

応用情報技術者試験は、主催団体のIPAの定義によればスキルレベル3に位置しており、合格率も20%台の難関試験です。そのため、初めて挑戦する人は「合格するために必要な勉強時間はどの程度必要なのか」という疑問を抱いている方も少なくないでしょう。

この記事では、応用情報技術者試験に合格するために必要な勉強時間、効果的な勉強方法、おすすめの教材について紹介していきます。

応用情報技術者試験の位置づけ

応用情報技術者試験は、ITスキル標準(ITSS)のレベル3に位置しています。ITSSとは「IT Skill Standard」の略称で、高度IT人材育成を目的に作成された、ITスキルを評価する指標です。経済産業省が2002年12月に公表し、現在ではIPA(独立行政法人情報処理推進機構)により管理されています。

レベル3とは、「高度IT人材としてのスキルを有している」レベルにあり、要求された作業を独力で遂行できる人材としてのスキル証明です。IPAが主催する試験としては、レベル1はITパスポート、レベル2には基本情報技術者試験があり、応用情報技術者試験はその上位に位置しています。

【参考】:ITスキル標準(ITSS) | デジタル人材の育成 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

【参考】:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

試験概要

応用情報技術者試験とはどのような試験なのでしょうか。実施概要について確認してみましょう。

▪受験資格:受験者に関する制限なし(学歴や年齢を問わず誰でも受験可能) ▪受験料:7,500円(税込) ▪受験日程:筆記により春期(4月)、秋期(10月)の年2回開催       試験の申込期間は、試験日の3ヶ月前から1ヶ月前までの2ヶ月間 ▪合格発表:試験日からおよそ2ヶ月後(詳細日程はIPAのサイトで試験実施日の夜に公表) ▪合格証書:合格発表後、約1週間程度で発送 ▪試験会場:全国主要都市の会場で開催 ▪試験の構成:以下に記載

【午前】 出題形式:記号選択式 出題数:80問 合格ライン:60% 試験時間:150分 備考:概ね50問以上正答で合格ライン

【午後】 出題形式:記述式 出題数:11問中5問(1問必須、4問選択) 合格ライン:60% 試験時間:150分 備考:概ね5問中3問正解で合格ライン

【参考】:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報技術者試験の申し込み方法は?試験概要から日程まで解説
応用情報技術者試験がCBT化されないのはなぜ?その理由を徹底考察

出題範囲【午前試験】

応用情報技術者試験の午前問題は80問が出題されます。各分野ごとに毎回決まった問題数が出題されています。テクノロジ系から50問、マネジメント系から10問、ストラテジ系から20問の合計80問です。

・テクノロジ系(情報技術領域):基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術 ・マネジメント系(経営管理):プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント ・ストラテジ系(経営戦略):システム戦略、経営戦略、企業と法務

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱

午前試験は計算問題では時間がかかりますが、どの分野でも用語が分かれば即答できる問題が多いため、優先的に解答していくのがおすすめです。また、過去問に酷似した問題が多数出題されますので、過去問をやり込むことが合格の鍵となるでしょう。

【参考】:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2024年度、令和6年度) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

【午前】応用情報技術者試験の対策とは?出題傾向や過去問を紹介

出題範囲【午後試験】

応用情報技術者試験の午後試験は筆記形式で行われ、以下の分野が出題範囲です。(公式サイトより一部抜粋)

・経営戦略に関すること ・情報戦略に関すること ・戦略立案・コンサルティングの技法に関すること ・システムアーキテクチャに関すること ・サービスマネジメントに関すること ・プロジェクトマネジメントに関すること ・ネットワークに関すること ・データベースに関すること ・組込みシステム開発に関すること ・情報システム開発に関すること ・プログラミングに関すること ・情報セキュリティに関すること ・システム監査に関すること

各分野ごとにさらに詳細が記載されているので、以下のリンクより試験範囲を確認しましょう。

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱

午後試験は応用問題として実務に即した内容が多く出題されます。長文問題が多いため、読解力・対応の実践力・応用力が問われます。

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応用情報技術者試験の午後問題のコツは?おすすめの参考書5選紹介

合格に必要な勉強時間

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応用情報技術者試験の概要については理解できました。では、合格するにはどれくらいの時間が必要なのでしょうか。IT分野が未経験の方と、ある程度経験を積んでいる方とでは、必要な時間は大きく異なります。

SNSを参考に、試験に合格した方の勉強時間を見積もってみたところ、受験者の知識レベルや経験レベルによって大きく異なるようです。合格に必要な勉強時間を経験者と未経験者それぞれについて見ていきましょう。

応用情報技術者試験は独学で合格できる?出題範囲や勉強法を解説!

経験者では200時間前後

合格者の方の中には、1日2時間、1ヶ月ほどの勉強で合格したという方もいれば、300時間勉強したのに不合格だったという方もいました。勉強法にもよりますが、エンジニアとして2〜3年の経験がある方の場合は、200時間程度の勉強で合格しているケースが多いようです。

一夜漬けで合格したという方はほぼ見当たりません。経験者の方でも勉強スケジュールを立て、計画的に勉強しておくことが求められます。仮に200時間の勉強時間を確保する場合、1日2時間を勉強に当てても100日間、約3〜4ヶ月の期間が必要です。

未経験者では300時間から500時間

未経験者の場合、仮に300時間の勉強時間が必要だとすると、土日も含めて1日2時間勉強したとしても、150日、5ヶ月程度の期間が必要です。土日を休みにし、余裕期間を設けるとなると8ヶ月程度の勉強期間が必要になります。

いきなり応用情報技術者試験を受験するのは?

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位試験ですが、いきなり応用情報技術者試験を受験しても問題ないでしょうか?結論から言えば、全く問題はありません。

エンジニア経験を積んでいる方や、基本情報技術者試験に受かる自信があるという方は、いきなり応用情報技術者試験からチャレンジしてみても良いでしょう。

反対に、応用情報技術者試験の過去問題を見て「勉強しても受かる気がしない」という方は、まずは基本情報技術者試験から順にチャレンジした方が良いかもしれません。

【参考】:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報技術者試験の難易度は高い?合格率の比較や独学方法を紹介!
応用情報技術者試験の合格率は?試験の概要と合格するメリット・デメリット

勉強スケジュールの立て方

合格するために勉強スケジュールは必須ですが、無理な計画は長続きしません。仕事をしている人であれば、平日1時間、土日は2時間程度に抑えておいた方が長続きするでしょう。

また、通勤時間や移動時間などのスキマ時間はスマートフォンなどを利用して有効活用しましょう。

ここでは、エンジニア経験が2〜3年の方向けの勉強時間配分例を紹介します。これはあくまでも1例であり、スキルや実情に合わせて調整してください。

■ 時間配分を決める(経験者:勉強時間200時間)(例) ▪参考書の読破:30時間(できるだけ通勤時間などを利用) ▪午前試験の過去問解答:50時間(過去問道場で反復、スキマ時間を積極活用) ▪午後試験の過去問解答:100時間(過去問道場で反復、覚えにくい箇所はノートなどを利用して図解する) ▪予備時間:20時間(苦手な分野の復習)

■スケジュール表に記入する 週間スケジュールを作成し、週ごとに行う勉強方法を記入します。また翌週の日別のスケジュールを立て、完了したものからチェックしていきます。

週単位の日別スケジュールでは、具体的に「〇〇分野□□について読み込む」「過去問道場、午前試験、令和3年春期問題を解く」というように具体的に記入し、週末に達成の可否を判断し、翌週スケジュールを作成します。

スケジュールに遅れが生じた場合には、当初設けた予備時間を利用するか、挽回するために有給休暇などを活用しましょう。

■成績記録を履歴として残す 勉強の成果がどの程度上がっているのかを定量的に把握することが重要です。過去問や問題集に解答したら、採点をして点数をExcelなどで記録していきましょう。回を重ねる毎に得点が上がっていくと自信に繋がっていきます。また、連続してご解答した問題は、メモを残し、必ず復習するようにしましょう。

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応用情報技術者試験合格者の年収

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応用情報技術者試験の合格者が就く仕事としては、システムエンジニアが最も多いと考えられます。ここでは、システムエンジニアの年収について見ていきましょう。

「マイナビエージェント 職種図鑑」でのシステムエンジニアの平均年収は431万円(※2024年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円であり、システムエンジニアの年収とほぼ同程度ですが、年齢を考慮するとシステムエンジニアの年収は民間企業平均年収よりはやや高めと考えられます。

また同じシステムエンジニアでも上流工程を担当したり、マネジメント職に就いたりすることで年収がアップしやすくなるため、常にスキルアップを心がけるといいでしょう。

【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

システムエンジニアになるには?資格やプログラミング経験は不要?

応用情報技術者試験の対策

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応用情報技術者試験(AP)の試験概要、出題範囲を理解したところで、試験対策について解説をしていきましょう。この試験は非常に出題範囲が広いことから、どのように勉強を進めていけばよいのか悩みますが、あくまでも合格ラインは60%です。

十分な勉強時間を確保できない場合には、全ての分野を満遍なく勉強をする必要はありません。以下、もう少し具体的に見ていきましょう。

試験勉強の進め方

試験勉強を進める際には、午前問題への対策を行ってから、午後問題対策へと進みましょう。なぜなら、午後問題は午前問題の延長線上にあるからです。従って、午前問題を中心に基本知識を学んでから応用知識の習得という流れで学習を進めましょう。

午前問題の勉強法

午前問題の勉強法としては、以下の4つの手順で進めることをおすすめします。

■参考書を一通り読み、全体像をつかむ 後で紹介するおすすめの参考書に一通り目を通しましょう。初めて知った箇所はマーカーを入れたり、付箋を挟んだりして、後で重点的に読み返すとよいでしょう。

■『応用情報技術者試験ドットコム』で過去問を反復する 応用情報技術者試験ドットコムの過去問道場で、過去問題(5年間分)にチャレンジします。

【参考】:応用情報技術者試験.com-応用情報技術者過去問道場

■過去問で不正解の箇所をメモする 過去問で不正解となった問題や、よく分からなかった問題はメモをしておきます。

■参考書で重点的に反復学習する メモした過去問に関する箇所を参考書で確認し、最後に改めて不正解だった過去問を解いていきます。

おすすめの参考書や学習サイト

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独学で合格を目指すためには、参考書などによる勉強と過去問の回答が不可欠です。応用情報技術者試験の参考書は非常に多く、選択に迷いますが、ここでは定評があり、おすすめの教本や過去問集を紹介します。

応用情報技術者試験合格におすすめの参考書・過去問・問題集8選!

キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和06年

すべての解説がイラストベースとなっており、分かりやすく、飽きにくいテキストです。また用語解説が豊富で、辞書としても利用できます。文字だけでは覚えづらいこともイラストで自然に理解できるため、読書が苦手という人にもおすすめします。

▪著者:きたみりゅうじ ▪ページ数:944ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2023/12/2

【参考】:キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和06年

令和06年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本

「いちばん詳しく、わかりやすく、何でも調べられる」と評判の参考書です。最新版では特に全体の構成も細かく見直されており、巻末にはサンプル問題が掲載されています。また最新19回分の午前問題にチャレンジできる演習アプリの「DEKIDAS-WEB」が付録として付いています。

▪著者:大滝みや子,岡嶋裕史 ▪ページ数:800ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2023/12/14

【参考】:令和06年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本

応用情報技術者試験ドットコム

応用情報技術者試験ドットコムの「応用情報技術者過去問道場」は、過去問題2880問からランダムに出題され、完全解説付きの無料Web問題集です。応用情報技術者試験に関する試験情報以外に、受験生向けの掲示板があり、質問を投げることもできます。

また、スマートフォンやタブレットからも勉強サイトとして利用できるので、通勤時などのスキマ時間に手軽に勉強できるため、忙しい方にはおすすめします。

【参考】:応用情報技術者試験.com-応用情報技術者過去問道場

Udemy「令和6年秋版:現役講師が教える【応用情報技術者試験 午前版】講座」

応用情報技術者試験の最新シラバスに対応した、40.5時間のオンライン講座です。午前問題を実例やシミュレーションソフトを交えて学習していくことができます。午前問題で80点を取得するために必要な深い知識を学べるとともに、午後問題で60点の取得に必要な応用力が身に付きます。

【参考】:令和6年秋版:現役講師が教える【応用情報技術者試験 午前版】講座

Udemy「令和6年秋版:現役講師が教える【応用情報技術者試験 午後版】講座

前述の講座の午後版で、59.5時間のオンライン講座です。午前版同様に網羅的に実例を重視し、実践的に学習を進めていくことができます。特に午後問題は応用情報技術者試験合格の鬼門と言われますが、この講座では実践的な解答への道筋を立てることができます。

【参考】:令和6年秋版:現役講師が教える【応用情報技術者試験 午後版】講座

応用情報技術者試験の鬼門?午後試験で合格点を取る方法やコツとは

応用情報技術者資格を活かしてさらなる活躍を

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ここまで、応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間、試験対策、おすすめの教材について紹介してきました。日本ではDX化や、AI活用、IoTなどのIT課題が山積し、エンジニア人材の不足が深刻化する一方で、エンジニア求人は潤沢にあり、特に転職希望者には大変有利な状況が生まれています。

また、応用情報技術者資格はエンジニアとしてのスキル証明に大変有効な資格ですが、資格の取得だけでは転職準備が整ったとは言えません。

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