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基本情報技術者試験は意味ない?
IT業界で働く人の登竜門とも言われているのが、基本情報技術者試験です。元々は年2回実施されておりましたが、2023年4月(令和5年度)から通年試験に移行いたしました。
基本情報技術者試験はITに関わるさまざまな知識を問われる国家試験ですが、一部では「意味ない」「持ってない」「時代遅れ」といったネガティブな意見も聞かれます。
なぜ否定的な意見があるのかを探るため、本記事では基本情報技術者試験の基本情報や、メリット・デメリットについてまとめました。
ITエンジニアには十分価値のある資格
「取得しても意味ない」という声がある理由の1つには、年齢や経験を問わず誰でも受けられる点が挙げられます。実際、基本情報技術者試験の受験者数は例年10万人を超えており、かなりの人気資格です。
とはいえ、決して易しい内容ではない上に経済産業省が認める国家試験のため、ITエンジニアにとっては十分価値のある資格です。特に、今後キャリアアップや転職を目指す方、IT業界で働きたいと考えている大学生は、取得しておいて損はありません。
【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 応募者・受験者・合格者の推移表
基本情報技術者試験(FE)の基本情報
基本情報技術者試験(FE)は、IPA(独立行政法人:情報処理推進機構)が行う国家試験の1つです。その対象者には、「高度IT人材として必要な基本的知識・技能、実践的な活用能力」が求められます。
ここからは類似の資格であるITパスポートとの違いや、実際の試験日程・難易度など、基本情報技術者試験の概要を解説します。
ITパスポートとの違い
基本情報技術者試験はITパスポート試験とよく比較されますが、両者は対象とする人が異なります。基本情報技術者試験はITエンジニアや、ITエンジニアを目指す人に必要なスキルの習得を問いますが、ITパスポートはエンジニア以外の職種の方に必要なITの基礎知識を求めます。
将来の方向がIT系と定まっている方は、基本情報技術者を受験してください。一般企業の方で、ビジネススキルの一環としてITスキルを身に付けておきたい方、部門の情報リーダーを目指す方はITパスポートを選択するとよいでしょう。
【参考】:iパス ITパスポート試験
基本情報技術者試験の日程・受験手数料
基本情報技術者試験は、CBT「Computer Based Testing」と呼ばれるコンピュータを使った試験方式で実施されます。全国の試験会場で、パソコンを利用して受験する形です。
令和5年4月より通年での実施となり、都合のいい日に受験できます。受験手数料は消費税込み7,500円です。
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【参考】:令和5年度試験情報
基本情報技術者試験の概要・合格点
基本情報技術者試験は科目A試験90分と、科目B試験100分を両方受ける必要があります。A試験は四肢択一の60問で、基礎理論から開発技術、経営戦略まで幅広い知識が求められます。
一方、B試験は多肢選択問題20問で、アルゴリズムとプログラミングが16問、情報セキュリティが4問という内訳です。科目A・B共に1,000点満点中600点が合格基準点です。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
基本情報技術者試験の難易度・合格率
基本情報技術者試験はスキルレベル2で、レベル1のITパスポート試験よりは難しく、レベル3の応用情報技術者試験よりは易しいという位置づけです。
基本情報技術者試験は易しい試験と見られがちですが、決して難易度が低い試験ではありません。令和4年度の合格率は40%を下回っており、25%を下回る年もあるほどです。現役エンジニアで3回続けて落ちたという人もいます。そのため、より若いうちに取得できれば、周囲から「すごい」「ITの知識がある」と認めてもらえる可能性が高まります。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表
基本情報技術者の就職先・転職先
IT企業の多くは、基本情報技術者試験の受験を推奨しています。受験費用の負担を行っている企業は多く、資格手当を付与している企業もあるほどです。IT系企業では基本情報技術者試験の資格を、それだけ重要な資格として認識している証です。
このことから、基本情報技術者試験合格者の就職先・転職先としてはIT業界が圧倒的に多くなります。
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基本情報技術者試験のデメリット
ITに携わる方にとっては意味のある資格ですが、やや残念な面があるのも事実です。ここでは少しネガティブな目線で、基本情報技術者試験のデメリットについて考察してみましょう。
外資系企業ではあまり評価されない
基本情報技術者試験はあくまでも、日本の国家資格です。そのため、ヘッドオフィスが外国にあるような外資系企業、外国人従業員が多い企業では、基本情報技術者試験の認知度は低く、あまり評価されません。外資系企業ではむしろ、OracleやCISCO、AWSなどの資格を取得した方が高い評価につながるでしょう。
国家資格としては世間の評価が低い
前述したとおり、基本情報技術者試験は試験範囲が広く、「難しすぎ」といった声もあるほど幅広い知識を問われる資格です。一方で、基礎的な内容を問われる問題が多く、受験者数も多いことから、世間的な評価はあまり高くありません。
このことが、「いらない資格」「意味ない資格」と揶揄される所以です。基本情報技術者試験を受ける方は、この資格を登竜門・上位資格への足掛かりとして捉え、長期スパンでスキルアップを考えていくとよいでしょう。
基本情報技術者試験のメリット
ここからは、基本情報技術者試験の資格取得で得られるメリットについて述べます。実利につながるメリットもありますので、受験をためらっている方はぜひ参考にしてみてください。
ITの基本知識を体系的に身に付けられる
基本情報技術者試験は、IT関連の仕事で活躍するための入門的な試験です。ITエンジニアに必要な基礎知識を浅く広く、体系的に習得することができます。プログラマー・システムエンジニア・アプリケーションエンジニア・サーバーエンジニア・WEBデザイナーなどを目指す方には取得をおすすめします。
収入アップが見込める
基本情報技術者試験を受験する方が多いサーバーエンジニアの年収は、「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は429万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、サーバーエンジニアは一般平均年収と同等かやや高めであることが分かります。
基本情報技術者試験はベーシックな資格のため、大きな手当は期待できませんが、企業によっては受験料・資格手当・報奨金を出すケースも増えています。そのため、将来の収入アップに繋がる可能性があります。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
自身のITスキルのチェックができる
基本情報技術者試験ではITの知識以外に、IT系で必要となるビジネス知識も学ぶことになります。この資格を学ぶことで、ITエンジニアに求められる知識が分かり、自らのITスキルのチェックを行うことができます。自身の強み、弱みを知ってさらなるスキルアップに繋げられるでしょう。
基本ITスキル習得の証となり、就職や転職が有利になる
基本情報技術者資格を取得することで、基本的ITスキルを有する客観的な証明が可能です。履歴書に保有資格として記入することができるため、より有利に作用するでしょう。この資格は、即戦力を求めるベンチャー系企業よりも、大手企業への就職・転職に有利です。
さらに有利な条件で転職したいと考えている方には、プロに相談できる転職エージェントの利用がおすすめです。ITの転職事情に精通したキャリアアドバイザーが、個々の能力に合ったぴったりの求人を提案してくれます。
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基本情報技術者の合格を目指すには?
基本情報技術者試験の合格率は、25%に満たない年もあるほどの狭き門です。しっかり勉強をしておかないと、現役エンジニアでも合格は難しくなります。ここでは、基本情報技術者試験に受かる方法について解説します。
テキストなどで一通り勉強する
上述したように、基本情報技術者試験の合格ラインは60%です。幅広い知識が求められるため、より多くの情報に目を通して理解しておくことが重要です。ここでは、おすすめのテキストを1冊紹介します。
「令和05年【上期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング予想問題集」 2023年4月からの新制度に対応した問題集です。出題分析をもとにした問題と解説のほか、「計22回分の過去問題と解説」「300語以上の重要・頻出用語集」をダウンロードできる読者特典が付いています。
▪著者:山本三雄 ▪ページ数:448ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/12/17
【参考】:令和05年【上期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング予想問題集
過去問題を解く
過去問を解くのは資格試験の常道ですが、問題集を並べて順に解いていくのはなかなかの苦痛です。しかし、スマホで移動中や喫茶店などで気軽に解くことができたら、そのハードルは一気に下がるでしょう。
令和2年度以降の問題は非公開となっていますが、IPAのサイトではそれ以前の過去問が無料掲載されているので、積極的に利用しましょう。また、スマホなどから簡単に挑戦できる、過去問の無料サイトも便利です。
・IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題 2009年度~2019年度までの過去問を自由に利用できます。問題冊子・解答例・採点講評がPDF形式で掲載されており、ダウンロードして本番同様に取り組むのがおすすめです。
・基本情報技術者試験.com-基本情報技術者過去問道場 過去問題2560問からランダムに出題し、完全解説が付いたWeb問題集です。スキマ時間を利用して、いつでもどこでも勉強できるため大変便利です。
【参考】:基本情報技術者試験.com-基本情報技術者過去問道場
必要な学習時間は?
一概には言えませんが、IT業界の経験がなく、ITに関しては特に学んだ経験が無い方は、合格までに200時間程度は必要でしょう。1日4~5時間の学習で2カ月ほどが目安です。
3年程度のITエンジニア経験がある方なら、100時間ほどでも合格できる可能性があります。1日3~4時間の勉強時間を確保できるなら、約1カ月で合格レベルに到達できます。自分の苦手分野を知って、効率的な学習を心がけましょう。
基本情報技術者を飛ばして応用情報技術者を受ける?
基本情報技術者試験の上位に、応用情報技術者試験があります。基本情報技術者試験に価値を見出さない人、ITエンジニアとしてスキルの高い人の中には、基本情報技術者試験を飛ばして、いきなり応用情報技術者試験に挑戦する人がいます。
どちらが良いのか、それは個々の能力や考え方の問題であり、正解はありません。
他に、両方を同時期に受験(ダブル受験)する方法もあります。応用情報技術者試験は春と秋の年2回と試験日が決まっていますが、基本情報技術者試験は通年実施でいつでも受験可能なため、両方を一気に取得したい方は挑戦してみる手もあります。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者をスキルアップの第一歩に!
基本情報技術者試験の資格を取得したからといって、将来が保証されるわけではなく、特定の職種に就けるというものでもありません。しかし、基本情報技術者試験はスキルアップに向けた大きな一歩になるはずです。
将来の目標が定まらない人は、まず基本情報技術者試験にチャレンジし、ITの基本について学びましょう。その上で、自らの適性や方向性を見定めて、次なる資格へ挑戦するのがおすすめです。
今何の資格を持っていないエンジニアの方は、自己変革の第一歩として基本情報技術者試験を目指してみてはいかがでしょうか。資格を取得することで、次へのステップアップを目指すきっかけにもなります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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