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基本情報技術者試験の日程は?
基本情報技術者とは、「情報処理の促進に関する法律第29条第1項」に基づいて実施される国家試験「情報処理技術者試験」の区分の1つです。ITエンジニアを目指している方やIT業界の新入社員の方が取得するのにおすすめの資格です。
ここでは、基本情報技術者試験の試験日程について紹介します。
随時開催でいつでも受験が可能
試験は随時開催されており、自分の都合に合わせた試験日程を組むことができます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
基本情報技術者試験は「科目A試験」と「科目B試験」の2種類の試験があり、両方に合格することで資格を取得できます。試験時間は科目Aが90分、科目Bが100分です。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
2023年4月より新試験になった
基本情報技術者試験を受ける前に、試験の内容と解答方式について理解しましょう。ここでは、2023年4月に変更されたポイントについて解説します。
試験は通年実施へ変更
変更前の基本情報技術者試験の試験日は春期と秋期の年2回のみでしたが、令和5(2023年)年4月から試験の通年実施が行われています。受験者の好きな日時で試験を受けることができ、受験者の利便性が向上しました。
【参考】:通年試験:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA
公平性を保てる採点方式へ
以前は正解数がそのまま得点に反映される「素点方式」を採用していました。しかし、試験が通年実施となったことで、受験者ごとに出題される問題が異なる可能性があるため、問題の難易度によっては不公平感が出てしまいます。
そこで、受験者全体の正答率や問題の難易度によって、配点が調節される「IRT方式」が採用されました。これにより、難易度の異なる問題が出題されても、公平な採点が可能となっています。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
試験時間は大幅に短縮
試験時間は科目A(午前試験)が150分から90分に、科目B(午後試験)が150分から100分に短縮されました。問題数も科目A(午前試験)は80問から60問に減っています。また、科目B(午後試験)は選択式の長文形式から、必須回答の小問20問に変更となりました。
全体的にコンパクト化されたものの、1問にかけられる時間は少なくなっているため、よりスピーディーに解答していく力が求められます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験の概要
ここからは受験方法や合格率など、基本情報技術者試験の概要について解説します。
受験方法
基本情報技術者試験は令和2年から、CBT(Computer Based Testing)方式が導入されています。CBT方式とは、試験会場に設置されているコンピュータを使って解答する方式です。
CBT方式が導入された背景としては、採点ミスの防止・紙といった資源や人件費のコスト削減などが挙げられます。
なお、身体的な理由でCBT方式での解答が難しい場合は、他の解答方法も用意されています。必ず事前に確認してください。
【参考】:通年試験:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA
出題範囲【科目A】
基本情報技術者試験における科目Aの出題範囲は、以下の通りです。
▪テクノロジ系(情報技術領域)
(1)基礎理論:基礎理論・アルゴリズム・プログラミング
(2)コンピュータシステム:コンピュータ構成要素・システム構成要素・ソフトウェア・ハードウェア
(3)技術要素:ヒューマンインタフェース・マルチメディア・データベース・ネットワーク・セキュリティ
(4)開発技術:システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術
▪マネジメント系 (経営管理)
(5)プロジェクトマネジメント:プロジェクトマネジメント
(6)サービスマネジメント:サービスマネジメント・システム監査
▪ストラテジ系 (経営戦略)
(7)システム戦略:システム戦略・システム企画
(8)経営戦略:経営戦略マネジメント・技術戦略マネジメント・ビジネスインダストリ
(9)企業と法務:企業活動・法務
IPAでは、科目Aにおいて特に「テクノロジ系」の(3)技術要素であるセキュリティについて「重点分野である」としています。昨今のIT化に伴い、セキュリティに関する理解や知識が重要視されています。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
出題範囲【科目B】
基本情報技術者試験における科目Bの出題範囲は、以下の通りです。
(1)プログラミング全般に関すること
・実装するプログラムの要求仕様(入出力、処理、データ構造、アルゴリズム他)の把握 ・使用するプログラム言語の仕様に基づくプログラムの実装 ・既存のプログラムの解読および変更 ・処理の流れや変数の変化の想定 ・プログラムのテスト ・処理の誤りの特定(デバッグ)および修正方法の検討など ※プログラム言語について、基本情報技術者試験では擬似言語を扱います。
(2)プログラムの処理の基本要素に関すること
型、変数、配列、代入、算術演算、比較演算、論理演算、選択処理、繰り返し処理、手続・関数の呼出しなど
(3)データ構造およびアルゴリズムに関すること
再帰、スタック、キュー、木構造、グラフ、連結リスト、整列、文字列処理など
(4)プログラミングの諸分野への適用に関すること
数理・データサイエンス・AI などの分野を題材としたプログラムなど
(5)情報セキュリティの確保に関すること
・情報セキュリティ要求事項の提示(物理的・環境的セキュリティ、技術的・運用のセキュリティ) ・マルウェアからの保護 ・バックアップ ・ログ取得および監視 ・情報の転送における情報セキュリティの維持 ・脆弱性管理、利用者アクセスの管理 ・運用状況の点検など
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
合格率や難易度
IPAが発表している統計資料によると、令和6年6月度における基本情報技術者試験の受験者の平均年齢は26.2歳でした。エンジニアとしてキャリアを始める際に、基本情報技術者試験を受験している方が多いことが理解できます。
情報処理技術者試験は、難易度が4つのレベルに区分されています。基本情報技術者試験はレベル2にあたり、情報技術全般に関わる基本的なスキルをもっていることを証明できます。ちなみにレベル1はITパスポート試験で、レベル3は応用情報技術者試験です。
基本情報技術者試験を取得したあとは、応用情報技術者試験の資格取得を目指すと良いでしょう。
合格率は、令和6年6月度の試験で42.8%でした。令和5年4月からは概ね40〜50%前後であり、それ以前は25%程度であったことを考えると、現在の試験制度になったことで合格率が大きく変化したことが分かります。
【参考】:試験区分一覧-IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:基本情報技術者試験-IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:統計情報(基本情報技術者試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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受験資格や年齢制限
受験するための資格や年齢制限は設けておらず、誰でも受験できます。合格率から考えると難易度は高くないように感じますが、しっかりと準備しないと合格は難しいでしょう。
受験者の年齢層は10代〜30代の学生から社会人までと幅広く、エンジニアを目指す方やIT企業に勤めている方が多い傾向にあります。
合格発表の日程と方法
試験の合否は、試験を実施した月の翌月中旬に発表されます。2024年6月に受験した方々の合格発表日は7月12日でした。今後も同様の日程になるでしょう。
なお、合格発表はIPAのホームページ上で行われ、合格者の受験番号が掲載されます。さらに、後日官報にも合格者の受験番号が掲載されます。
合格発表の日程は、以下のリンクより確認できます。
【参考】:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
再受験規定(リテイクポリシー)
万が一、申し込み日に受験できなかったり、不合格になったりした場合の再受験規定は、以下のように定められています。
・1度受験申し込みをした試験への再申し込み可能日時
申し込み済みの試験の終了時刻を過ぎた時点で、再申し込みが可能です。ただし、システム処理の都合上終了時刻が過ぎても、再申し込みが可能になるまでには数時間から1日程度掛かる場合があります。
・1度受験した試験に再申し込みする際、受験日に指定できる日
前回の受験日の翌日から起算して、30日を超えた日以降を受験日として指定できます。ただし、前回の試験を受験せずに欠席した場合は適用外です。
申し込み方法や受験費用
ここでは、基本情報技術者試験の申し込み手順や受験費用について詳しく紹介します。
申し込み手順
基本情報技術者試験の申し込みは、インターネットのみで受付されています。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
上記リンクを参考に、申し込み手順を以下にまとめました。
①受験者登録(マイページアカウントの作成)
受験者登録には利用者IDとパスワードの取得が必要です。登録は以下のURLより行います。なお、ITパスポート試験を除いて、1つのアカウントで他の情報処理技術者試験の各試験区分や、情報処理安全確保支援士試験の申し込みが可能です。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 マイページ
②マイページにログイン
利用者IDの登録が済んだらマイページにログインし、「CBT受験申込」から申し込みに進みます。
③受験予約
以下の流れに沿って申し込み手続きを済ませます。
・受験したい試験の選択 ・アンケート回答 ・試験の日程、会場、時間を指定 ・郵便物送付住所の入力 ・支払い手続き
④申し込み完了
上記手順が全て完了すると予約完了メールが送信されるので、内容を確認して問題なければ申し込みは完了です。予約変更は試験3日前まで受付可能です。
受験費用
基本情報技術者試験の受験手数料は、7,500円(税込)です。領収書は申し込み後に発送される受験票に記載されています。領収書を失くした場合は再発行できますので、IPA公式サイトから申請してください。
ただし、領収書の再発行は1年以内です。また振込済みの受験費用は理由はどうであれ返還されないため注意しましょう。経済産業省またはIPAの判断により試験が中止となった場合は返還されます。
支払方法はコンビニ払い・Pay-easy払い・クレジットカード払いから選択可能です。コンビニ払い・Pay-easy払いとクレジットカード払いでは、予約の仕方が異なります。コンビニエンスストア払い・Pay-easy払いの場合は、入金までに時間や別途手数料がかかるため注意しましょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
受験に関する注意点
基本情報技術者試験を受ける前・試験当日でそれぞれ注意すべき点があります。事前に注意点を把握し、しっかり準備してから試験に臨みましょう。
予約はキャンセルできない
申し込み後はいかなる理由であっても予約自体のキャンセルはできないため、十分に確認しましょう。日程変更や申し込み内容の変更については、試験日の3日前までなら可能です。詳細は以下のリンクから確認できます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
また科目A・科目B試験から免除試験への変更、免除試験から科目A・科目B試験への変更もできません。
試験当日の注意点
試験日程の日に焦らないためにも、試験当日に必要なものは事前に確認しましょう。試験当日には、免許証といった本人確認書類が必要です。本人確認書類についてや詳しい試験当日の流れについては、公式サイトに記載されているので事前に確認してください。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
試験当日の持ち物
基本情報技術者試験の当日の持ち物については、必要なものは本人確認書類のみです。本人確認書類が提出できない場合は、いかなる理由があっても受験することができないため注意しましょう。
また、メモ用紙やボールペンなどは会場で用意されるため、筆記用具類は必要ありません。当日試験教室内へ持ち込む物については受付でチェックされます。荷物が多いと確認作業に時間がかかる他、会場によってはロッカーの有無が異なるため、なるべく荷物は少なめにした方がスムーズです。
試験室の机上に置けるもの
試験会場に持ち込めるものは、ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬、ログイン情報シート(会場で配布)、会場で用意する備品(メモ用紙、ボールペン)です。持ち込みが許可されているもの以外は基本的に持ち込みできません。
なお、携帯電話といった電子機器や参考書をバッグに収納していない場合はカンニング行為と見なされ、受験が無効となる可能性もあるので注意しましょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
科目A試験免除制度とは
基本情報技術者試験には、科目A試験が免除される制度があります。講座を受講して、基本情報技術者試験の科目A試験レベルにあたる修了試験に合格すれば、基本情報技術者試験の科目A試験が1年間免除となります。
【参考】:科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
講座の受講方法
修了試験を受ける前の講座受講方法には、以下2つのパターンがあります。
・IPAが認定した講座を受講する
IPAが認定したカリキュラムを受講してIPAが提供する修了試験に合格することで、基本情報技術者試験の科目A試験が免除されます。講座は47都道府県で受講できます。科目A試験免除制度を利用したいと考えている方は、最寄りの地域で講座を開講している学校や団体を確認しましょう。
・国が認定した講座を受講する
IPAが認定した講座とは別に、構造改革特区の一環として国が認定した講座もあります。構造改革特区とは、地方公共団体や民間事業者などの自発的な立案によって地域の特性に応じた規制の特例を導入する特定の区域のことです。
修了試験の実施方法
修了試験を実施する方法は、民間資格を活用しない方法と活用する方法があります。民間資格を活用しない場合は、受講項目を全て受講したあとに、IPA提供もしくは審査問題により修了試験を実施します。
民間資格を活用する場合は、民間資格の取得によって受講項目の一部が免除となります。
修了試験の日程
修了試験は毎年6月・7月・12月・1月の計4回実施されています。修了試験の内容は、基本情報技術者試験の過去問題からの流用が多くなっています。修了試験の過去問もIPAの公式サイトで公表されているため、積極的に活用しましょう。
【参考】:科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE)|IPAの提供する修了試験の過去問題・解答
科目A試験免除制度を利用するメリットと注意点
ここでは、科目A試験免除制度を利用することで得られるメリットと注意点について詳しく紹介します。
・科目B試験対策に集中できる
科目A試験免除制度を利用することで、基本情報技術者試験の科目A試験を受ける必要がなくなり、科目B試験に専念できます。科目B試験は科目A試験に比べて難易度が高い傾向があるため、十分な対策が必要です。
また科目B試験では、科目A試験に関する基礎知識を身に付けておく必要があります。科目A試験免除制度を得ることができていれば、基礎知識は身に付いているといえるでしょう。
・修了認定日から1年間は科目A試験が免除となる
科目A試験が免除されるのは、基準を満たした日である修了認定日から1年間であるため、免除期間については注意しましょう。
好きな日程を選んで基本情報技術者試験を受験しよう
これまでに基本情報技術者試験の概要・日程・申し込み方法などについて解説しました。基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構IPAが主催している国家試験の1つです。
試験は通年で行われており、自分の都合にあわせて日程を選ぶことができます。また、基本情報技術者試験には科目A試験が免除される制度を用意しているので、効率的に活用しましょう。
基本情報技術者試験は「ITエンジニアとして働くうえでの登竜門」とも呼ばれており、今後キャリアアップを目指すのであればぜひ取得しておきたい資格です。
「技術レベルは上がっている気がするけど、給料は上がらない……」そう感じているなら、それは人生の転機なのかもしれません。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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