Pythonはできることが多く初心者におすすめ
人気の言語であるPythonですが、Pythonから入門し、第1言語として学びたいという初心者の方が増えています。この記事では、Pythonでできること、どのような仕事に活用できるのかを初心者向けに解説します。
Pythonが初心者におすすめな理由
Pythonを初心者の方におすすめする理由としては、Pythonは非常にシンプルで読み書きがしやすい言語という点です。学びやすいということは、挫折しにくいことでもありますが、サンプルプログラムに面白いプログラムが多数あり、学んでいて飽きづらいという利点があります。
また、Pythonには豊富なライブラリがあり、自分で実現したいことがライブラリを利用して簡単に行えることが挙げられます。さらに、Pythonは幅広い分野で利用されており、活躍機会が非常に多くある点も見逃せません。
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Pythonでできること7選
Pythonは非常にシンプルなプログラム言語ですが、汎用性に優れ、あらゆる分野や場面で活用されています。ここではPythonで「できることの例」を7選として紹介します。
機械学習やAIの開発
Pythonといえば、機械学習やAIの開発をイメージする方が多いでしょう。Pythonは、機械学習やAI開発などに用いられています。
AIの実現には機械学習が欠かせません。Pythonには機械学習に関するライブラリやフレームワークが豊富に揃っています。特にSciPy、NumPyなどの科学技術計算に強いライブラリがよく知られています。
Webアプリケーションの開発
Pythonが多く使われている分野としてWebサービスが挙げられます。Pythonが開発言語として使用された事例としては、「YouTube」「Instagram」などがあります。
Webサイトの開発には、大別すると「フロントエンド」と「バックエンド」があります。
■「フロントエンド」とは私たちがユーザーの立場で直接見ている画面のなどのことです。 ■「バックエンド」とは、私たちユーザーの目に触れない、サーバー側の処理のことです。
Pythonが利用されるのは主にバックエンドの部分ですが、Pythonには有名なDjangoというWebアプリのフレームワークがあり、フロントエンドからバックエンドまでをカバーするオールインワンのパッケージとして人気です。
【参考】:Django
ゲームアプリの開発
Pythonがゲームアプリの開発に利用されていると聞くと、意外に思う方もいると思いますが、PythonにはPygameやCocos2d-xというゲーム開発用のフレームワークがあり、面白いプログラムが簡単に組めるのも一般ユーザーには人気の理由です。
スクレイピング
Pythonの得意分野の1つであるスクレイピングができます。スクレイピングとは、自動的に取得したHTMLデータから必要な情報を抜き出す技術のことです。
PythonにはSeleniumというWebの自動操作を行うライブラリがあり、Seleniumを用いることで、ブラウザの操作や情報収集が可能です。
【参考】:Selenium
データの処理、分析・解析
データ分析といえば、以前はR言語が主流でしたが、近年はPythonのデータ分析関係のライブラリ充実により、Pythonがデータ分析に利用されるケースが増えています。Pythonのデータ分析ライブラリとしては、Pandas、NumPy、Matplotlibなどがよく利用されています。
【参考】:Pandas 【参考】:NumPy 【参考】:Matplotlib
深層学習による画像認識、音声認識
深層学習(ディープラーニング)はコンピュータ自身に学習をさせ、AI(人工知能)を生成する学習技術です。この深層学習によって学習した情報により画像認識や言語認識処理が行われます。顔認識システムなどもこの深層学習が使われています。
Pythonの深層学習ライブラリとしては、TensorFlow、PyTorchがよく知られています。
【参考】:TensorFlow 【参考】:PyTorch
Excelの自動化
PythonではExcel操作やExcelの自動化ができます。Excelの自動化にはVBAがよく知られていますが、PythonにはExcel操作のライブラリとしてopenpyxlやxlwingなどがあり、VBAに代わる新しいツールとして注目されています。
Pythonが苦手なこと
あらゆる分野で利用されるPythonですが、Pythonにも弱点があります。ここでは、Pythonが苦手な分野が何かについて解説をしていきます。
高速処理が苦手
Pythonはインタプリタ言語のため、処理のたびにコンパイル(機械語への翻訳)を行います。Pythonはコンパイラ言語であるJavaやC系言語と比べて処理速度が遅くなるため、Pythonは高速処理が求められるようなゲーム開発や大規模システム開発には不向きだと言えるでしょう。
Webデザインはできない
Pythonはカバーできる範囲が広く、汎用性が高い点が特徴ですが、Webデザインはできません。Webデザイン系の開発を行う場合は、HTML・CSS・JavaScriptを学ぶ必要があります。
スマホアプリの開発もあまり得意ではない
オールマイティのPythonには、QPythonやPyDroidなどのスマホアプリ開発をサポートするライブラリがありますが、未だそれほど利用はされていません。
スマホアプリの開発なら、PythonよりはJavaやSwift(iOS系)、Kotlin、C#などが適しています。ただし、kivyというフレームワークを利用すると、Pythonによるスマホアプリが容易に行えます。
【参考】:QPython 【参考】:PyDroid 【参考】:kivy
Pythonの魅力
ここまでは、Pythonが苦手なことを解説しましたが、これから学習を進めていく上で利点となるPythonの魅力について解説します。
言語がシンプルで初心者でも覚えやすい
Pythonの人気の理由として、コードが少なくシンプルで書きやすいことが挙げられます。Webサイト・Webアプリケーションによく利用されるJavaと比べると、予約語の数がJavaの半分以下の35しかないということから、覚えることが少なく、初心者でも習得しやすい点が魅力です。
環境構築が簡単
Pythonは環境構築が簡単なことも魅力です。Pythonに対応しているOSとネットワークがあれば、すぐに開発・動作環境を構築できます。
Pythonの公式ホームページにアクセスすると、Pythonの環境構築のためのプログラムをダウンロードできます。画面上部のメニューから「Download」にマウスを合わせるとメニューが表示されるため、メニューから使用するOSに合ったPythonをダウンロードします。
ダウンロードする際は、必ず最新のプログラムをダウンロードしましょう。ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストールが開始されます。
【参考】Python.org
読み書きが簡単でライブラリが豊富
Pythonはシンプルで読み書きがしやすいだけではなく、ライブラリも豊富です。シンプルでライブラリが豊富なことから、コーディングがしやすいこともPythonの大きな強みです。また、他人が書いたコードもすぐに解読できるため、メンテナンスやバグ修正がしやすいことも開発者にとっては大きなメリットです。
高い汎用性で活躍範囲が広い
ここまでできることを解説した通り、他言語と比較してもPythonの用途は幅広く、AIの機械学習分野・ビッグデータの収集と解析・Webアプリ開発・仮想通貨のブロックチェーン技術などがあります。他にもAI技術によるIoT開発・ロボット制御・デスクトップアプリ・ゲームアプリなどで活用されており、あらゆる分野にPythonが浸透しています。
Pythonを活かせる仕事
Pythonで「できること」「苦手なこと」を理解したところで、Pythonエンジニアが活躍できる仕事にはどんな職種があるのかについて見ていきましょう。Pythonでできることを理解した上で、どの領域を目指していくかを見据えておくことは重要です。
AIエンジニア
今やDXと並んで脚光を浴びるものにAIビジネスがあります。車の自動運転・ロボット・顔認識・音声認識などさまざまな分野でAIが活用されています。
将来は多くの職業がAIに置き換わると言われているように、それを実現するAIエンジニアの需要も急速に高まっています。実際、AI開発に必要なPythonエンジニアの求人は急増し、その募集年収条件も他の職種よりは高くなっている傾向にあります。
Webアプリケーションエンジニア
Facebook・Instagram・Dropboxなどが開発言語にPythonを採用したこともあり、Webアプリケーション分野でもPythonエンジニアが必要とされています。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、意思決定をする人がデータによる合理的な判断を行えるようサポートする職務を担う人です。Pythonは機械学習・深層学習・科学技術計算などのライブラリが豊富で、データサイエンティストにもよく利用されています。
データサイエンティストはITスキルに加え、統計解析に強く、ビジネス関係や市場トレンドなどに関する幅広い知見が求められますので、そうした分野の学習も欠かせません。
マーケティング分野
マーケティングは消費者ニーズ・潜在需要・トレンドなどを把握し、商品政策や販売戦略などに活かす仕事です。そうした施策に必要な情報を集めるには、スクレイピング技術やデータ分析技術が求められます。
Pythonにはマーケティング分野に最適なライブラリが豊富にあり、シミュレーションなども可能です。自らPythonを使いこなし、マーケティング戦略を立案できるマーケターは益々重宝される存在となるでしょう。
Pythonを扱う仕事の年収
ここでは、Pythonを扱うエンジニアの年収について紹介します。参考例として、今回はシステムエンジニアの年収を記載しています。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのシステムエンジニアの平均年収は431万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収と比較すると、同程度かやや高めであることが分かります。
Pythonは様々な開発で需要の高い言語のため、Pythonが使えることをアピールすることで採用時に有利に働くケースがあります。Pythonを専門的に扱うエンジニアとしてさらに高収入を狙うのであれば、スキルや実績を積むことはもちろん、資格取得などにも励むことが重要です。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonの学習方法
Pythonを学ぶのはプログラミングを学ぶことと同じですが、プログラムは「面白い」という事を実感できなければ、挫折する確率が上がります。ここでは、初心者におすすめの独習をする方法にフォーカスしてご紹介します。
Pythonの独学は可能?
Pythonはプログラミング経験の無い人でも独学で習得することが可能な言語です。その理由は、コードがシンプルで読み書きがしやすい言語である点が挙げられます。
同じ機能を持つプログラムを書く際に、PythonはJavaの半分から1/3程度のコード量で済みます。少ないコードで直ぐに結果が分かるため、学習進捗を判断しやすい点からも独学で充分習得が可能です。
Pythonのスキルを身につけたら、エンジニアとして活躍するために自身にあった企業を探すことが重要です。
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入門書で独習する
Pythonの独学には書籍を活用することも重要です。まずは入門書から知識をつけ、より実践的な書籍で学んでいくことで、簡単なプログラムは作成できるようになるでしょう。ここでは、以下におすすめの書籍を4冊ご紹介します。
■スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング 増補改訂版 本書は、Python未経験者に最適な入門書です。各文法をわかりやすく解説しているだけでなく、サンプルコードも多く掲載されています。さらに、プログラムの1行1行の意味を丁寧に解説しているため、「自分が今何をしているのかわからない」といった状況になるのを防いでいます。 「増補改訂版」では後半に初心者向けデータ分析の解説もされており、Pythonによるデータ分析を体験できます。
▪著者:リブロワークス ▪ページ数:208ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2021/07/26 【参考】:スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング 増補改訂版
■きれいなPythonプログラミング クリーンなコードを書くための最適な方法 本書は、綺麗なコードを書くためのコマンドライン・コード整形・型チェッカー・リンター・バージョン管理といったツールを分かりやすく解説しています。よくある注意点などもまとめられているため、コード記述に自信のない方におすすめしたい1冊です。
▪著者:岡田佑一 ▪ページ数:384ページ ▪出版社:マイナビ出版 ▪発売日:2022/02/15 【参考】:きれいなPythonプログラミング クリーンなコードを書くための最適な方法
■Excel、データ整理&分析、画像処理の自動化ワザを完全網羅! 超速Python仕事術大全 シンプルなコードで、データ整理・Webリサーチ・売上予測などのさまざまな作業を自動化するためのコツが詳しく記載されている参考書です。全編解説動画付きなので、本を読むのが苦手な方でも読みやすく分かりやすくなっています。
▪著者:伊沢剛 ▪ページ数:304ページ ▪出版社:宝島社 ▪発売日:2022/01/07 【参考】:Excel、データ整理&分析、画像処理の自動化ワザを完全網羅! 超速Python仕事術大全
■Pythonでプログラミングして理解する 機械学習アルゴリズム Pythonを扱う上で重要なアルゴリズムを解説し、流れが理解できるような構成になっている本です。線形回帰・過剰適合・最尤推定法・カーネル法といった項目を徹底的に学習することで、機械学習を使いこなせるようになります。
▪著者:神野健哉 ▪ページ数:196ページ ▪出版社:近代科学社 ▪発売日:2022/02/25 【参考】:Pythonでプログラミングして理解する 機械学習アルゴリズム
認定試験にチャレンジする
将来のエンジニア像や職種の目標を持って学ぶことは大切ですが、資格取得もモチベーションアップにつながります。また認定試験に合格する事で、より活躍の場も広がります。Pythonをしっかり習得したい方は、以下の2つの資格取得を目指してみましょう。
どちらも一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の認定資格です。それぞれの公式サイトには、勉強法・模擬試験などのコーナーがありますので、是非アクセスしてみてください。
■Python 3 エンジニア認定基礎試験 この試験では、Pythonの基本的な使い方や仕組み、文法の基礎などに関する知識について出題されます。まずは、この試験の習得を目指しましょう。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験
■Python 3 エンジニア認定データ分析試験 こちらはPython3の基礎を習得した方が対象で、Pythonの基礎、数学の基礎に加えて、ライブラリによる分析実践などについての設問があり、Pythonを使ったデータ分析について問われます。
主教材は「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)です。
Pythonを学ぶには、Pythonでできることが何かを知ることが大切
人気がある・学びやすいという点だけでPythonを選択すると、将来困ることになりかねません。Pythonによって何ができるのか・その中で自分は何をしたいのか・将来どんな分野で活躍したいのか、そのイメージを持たずに学習を始めると、いざ進路選択を迫られた際に困ってしまいます。
ただ漫然と学ぶのではなく、明確な将来の活躍イメージを抱くことが大切です。そのためには、Pythonで「できること」をしっかり理解することが第一歩です。
さらに今後Pythonエンジニアとして活躍するためには、スキルの向上や実績作りが欠かせませんが、それを評価してくれる企業選びも重要です。「Python 求人」で検索した際に数多くの募集がヒットしますが、その中で自分に合う企業を見極めなければなりません。数が多すぎると精査するのも一苦労です。
そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。
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