HTMLとCSSの違い
HTMLはウェブページに欠かせないものですが、学んでいくとHTMLとCSSなどの用語が出てきます。古いドキュメントではHTMLしか登場しなかったので、不思議に思う方もいるでしょう。
この違いを見ていくと、以前はHTMLに見栄えや装飾に関する機能も含まれていたのですが、HTML5以降は役割が分離しており、リッチなウェブコンテンツにはHTMLとCSSの組み合わせで対応します。整理すると、以下のような役割分担となります。
ウェブコンテンツ=基本構造となる文章の構成(HTML)+見栄えや装飾の体裁(CSS)
利用方法ですが、CSSは単独で利用するのではなく、HTMLと組み合わせて使用します。HTMLとCSSの組み合わせで見栄えが左右されることから、CSSの重要性が高まっています。
HTMLとCSSの違いを例えると
違いを着こなしに例えてみると、HTMLは着物にするか、洋装のカジュアルにするかフォーマルにするかなどの全体構成を決めるようなものです。CSSは決まった服装にあう小物やアクセサリー、あるいはお化粧方法を決め、スタイル全般を整えるようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
HTMLとは
HTMLとは、ハイパーテキスト記述言語(HyperText Markup Language)の略で、ウェブコンテンツの記述言語を指します。
ハイパーテキストとは、複数の文書を相互参照するためのリンク(ハイパーリンク)機能を表し、ウェブ系システムやコンテンツ作成で標準利用されています。ウェブコンテンツはHTMLで記述されており、ウェブページとして表示されます。
ウェブページは、ウェブサーバーから情報をHTTP通信プロトコルを用いて転送し表示させたり、直接PCに格納されたHTML文書をブラウザで表示させたりすることができます。
CSSとは
CSSとは、カスケーディングスタイルシート(Cascading Style Sheets)の略で、ウェブページを作成する際に使用するHTML言語を装飾するための言語です。
スタイルシートとはコンテンツの見栄えを良くするために記述するもので、スタイルシートを用いることで色やフォント、レイアウトが希望通りに柔軟に指定できます。このようにCSSを利用することでコンテンツの体裁全体を最適化し、視覚効果を高めることができます。
HTML/CSSでできること
ウェブコンテンツは、ますます高精細で使い勝手が良くなっています。これまでは、見栄え含めてすべてHTMLで記述することでブラウザ処理が増加し、総じてウェブ表示の負荷が高くなっていました。CSS登場により、ウェブブラウザエンジンのCSS最適化が進んだことで、ストレスなく表示させることができます。
このほか、HTMLとCSSのみで以下のことが可能になります。
ウェブサイトを美しく装飾できる
これが一番のメリットになります。利用の多様化に合わせてコンテンツもリッチになっています。HTMLとCSSで文字や背景の色や配置等、多岐に渡り調整が可能ですので、小さい画面から大画面高精細のモニターまでデザインの再現性を高められます。
構造をシンプルにできる
HTMLの体裁処理が、HTMLとCSSに分離したことで構造がシンプルになります。テキスト自体はHTMLが担当し、見栄えはCSSが担当します。そのためドキュメント作成と装飾の作業担当を分けることも可能で、編集作業と改訂作業の効率や保守性が向上します。
カスタマイズしやすくなる
HTMLとは別にCSSを設定可能ですので、別のCSSファイル(スタイルシートファイル)に保存することもできます。そのためウェブサイト全般のスタイル調整も可能です。ファイルが複数にわたる場合も同じ見栄えが実現できるので、変更時も一括で対応することができます。
HTML/CSSとJavaScriptの違い
一歩進んだ使い方として、JavaScriptを利用することも増えています。JavaScriptは、オブジェクト指向のプログラミング言語です。動的コンテンツが簡単に作成できるため、近年ではウェブ系フロントエンドからバックエンドアプリまで対応可能になっています。JavaScriptはスクリプト要素を用いて直接記述することもできますし、"src="を指定して別ファイルから読み込むこともできます。
HTML/CSSとJavaScriptの違いですが、役割が違うだけで補完関係にあります。具体的には、HTMLやCSSとJavaScriptを組み合わせて使うと、HTML/CSSのみに比べて以下の効果が得られます。
動的コンテンツが作成できる
条件に応じて、タグの要素を差し替えることができます。例えば時間に応じてあいさつ文を変更したり、天候に応じておすすめコンテンツを更新したりできます。CSSのみならずHTMLについても動的に変更することができます。
アニメーションに対応できる
任意のタイミングで画像を描画・移動させることができ、移動速度を加減したりバウンドさせることが簡単にできます。画像表示をローディングやクリックなどの動作と連動させることもできます。
マルチメディアに対応できる
JavaScriptでは動画や音声を単純再生するだけではなく、マルチメディアプレイヤーを呼び出しコントロールすることもできます。マルチメディアプレイヤーをコントロールすることで、再生や停止、一時停止・再生コンテンツの変更などを簡単に行うことができます。
HTMLとCSSの学習本と学習サイト
HTMLとCSSの学習方法ですが、学習本により自習したり学習サイトを活用したりすることでスキルアップが可能です。最初のステップは、机上でベースの知識を得ることから始め、その後実際にコンテンツ作成に挑戦するのが良いでしょう。以降では、おすすめ本や学習サイトを紹介していきます。
これだけで基本がしっかり身につく HTML/CSS&Webデザイン1冊目の本
初心者向けで、HTML/CSSとWebデザインの基本を学びます。「SNSリンク集」「ブログサイト」「Web招待状サイト」「レストランサイト」といった、作成ストーリーにしたがってスキルアップを目指します。
▪著者:竹内 瑠美 ▪ページ数:288ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2021/10/14 【参考】:これだけで基本がしっかり身につく HTML/CSS&Webデザイン1冊目の本
1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座
HTML&CSSとWebデザインについて、Webデザイナーである著者が解説していきます。初心者向けとして、コンテンツデザインに加えてサイト制作の工程についても解説を加えています。
▪著者:Mana ▪ページ数:280ページ ▪出版社:SB クリエイティブ ▪発売日:2019/03/16 【参考】:1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座
HTML&CSSとWebデザインが1冊できちんと身につく本[増補改訂版]
コーディングの基本学習から始められ、HTML/CSSについて架空のカフェのショップ紹介やネットショップサイトを紹介しながら理解を深めていきます。初心者向けながら、チュートリアル情報が多数掲載されています。
▪著者:服部 雄樹 ▪ページ数:384ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/01/07 【参考】:HTML&CSSとWebデザインが1冊できちんと身につく本[増補改訂版]
ほんの一手間で劇的に変わるHTML & CSSとWebデザイン実践講座
Webデザイナーである著者が、ひと手間加えることで装飾やグラフ・アニメーションを活用したWebデザインを解説する実践講座です。さらに一歩進んだWebサイト制作の知識が得られる、基本学習を終えた中級者向けのの参考本です。
▪著者:Mana ▪ページ数:352ページ ▪出版社:SB クリエイティブ ▪発売日:2021/02/20 【参考】:ほんの一手間で劇的に変わるHTML & CSSとWebデザイン実践講座
HTMLとCSSの学習サイト
HTMLとCSSの学習サイトですが、多くのサイトがあります。まずは基本的な考え方をリファレンス情報としてい掲載している、MDN(モジラ・デベロッパー・ネットワーク)を確認してみましょう。
MDNは、2005年からHTMLやCSS・JavaScriptなどのWeb技術のドキュメントを公開しています。その情報は精度が高く網羅されているため、Mozillaの技術文書としてGoogleやマイクロソフトもサイト情報を引用しています。 【参考】:MDN Mozilla Developer Network
実際に手を動かしてみたい方は、全てのブックが無料の「CODEPREP」を活用するのが良いでしょう。そのほか、無料・有料コースがある「スキルハブ」「ドットインストール」「Progate」など用途に合わせて検討することをおすすめします。
【参考】:CODEPREP 【参考】:スキルハブ 【参考】:ドットインストール 【参考】:Progate
HTMLとCSSの違いを学んだらコンテンツ作成に挑戦しましょう
HTMLはコンテンツの基本構造となる文章の構成で、CSSはその見栄えや装飾を担当することが分かりました。そこから先は、より高度な装飾技術を学んでいくだけです。そのためには実際にコンテンツを作成し、個々の機能を身に着けるのが近道です。机上学習後は、実際にコンテンツ作成に挑戦することをおすすめします。
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