未経験でもデータサイエンティストになれる?
AIやビッグデータの活用によって新たなビジネスチャンスが生まれることもあり、各企業でデータサイエンティストの存在が重要視されています。データサイエンティストは高度な専門知識を必要とする職種ですが、IT業界未経験でもなれるのでしょうか?
以降で、データサイエンティストに求められる条件やデータサイエンティストが活躍する企業を紹介します。また、データサイエンティストの年収も紹介しますので、参考にしてください。
求められる条件
データサイエンティストへの応募条件は、企業によって異なります。求められるスキルや実績はさまざまですが、プログラミング経験1年以上、Python/Rによる機械学習プログラムの実装経験、解析ツールを使用した分析コンサルティング経験などが例として挙げられます。
歓迎条件として挙げられているものには、データ整理や解析などといったデータに関する業務経験、数学が得意な人などがあります。
【参考】:データサイエンティストの求人|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
データサイエンティストが活躍する企業
データサイエンティストが活躍する企業には、以下のような企業があります。
・総合商社系SIer ・コンサルティングファーム ・ITコンサルティング会社 ・データ分析請負会社
上記以外の企業でも、さまざまな企業でデータサイエンティストが必要とされています。データサイエンティストは商品開発や顧客獲得などといった売り上げに直結する重要な仕事を任されており、業界・業種問わず重宝される存在と言えます。
データサイエンティストの年収
データサイエンティストの年収は、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の高度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)を参考にすると、平均年収778万円(※2023年2月執筆時点)と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、データサイエンティストは一般平均年収よりやや高いことが分かります。
高度な専門スキルを必要とされる職種のため、データサイエンティストの年収も日本の平均年収よりやや高くなっています。ちなみに、似た職種であるデータベースエンジニアの平均年収は、「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」によると424万円です。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データサイエンティストの仕事とは
データサイエンティストの仕事内容は幅広く、データの収集、分析、分析結果の検証などをします。ここでは、データサイエンティストの仕事内容について具体的に説明します。
ビッグデータを活用してビジネスに活かす
多くの企業では商品開発やマーケティングのために、トレンドや顧客の嗜好などを把握することが重要になっています。そのためには多くの情報を収集し、分析した結果から課題や新たなアイディアを見つけることが必要です。
そこで必要になるのが、データを分析し・その意味を発見し・ビジネスに活かす仮説を立てる「データ×ビジネス」のプロであるデータサイエンティストです。
データから課題を見つける
データサイエンティストの仕事は、ビジネスの課題をデータから抽出するところから始まります。システム開発に置き換えるなら、要件定義のさらに上流工程の「何をするのか」から始めるとも言えます。
つまり、データサイエンティストの仕事はIТスキルやプログラミング技術以外に、ビジネスの課題を抽出したりデータから筋の良い仮説を立てたりすることが必要となっています。
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データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストに必要なスキルは、IТスキル・統計学・マーケティングの3つです。ここでは、その重要な3つのスキルについて詳細を解説します。
ITスキル
データの抽出や加工・分析もすべてコンピュータで行うため、データサイエンティストにはエンジニアリング、IТスキルは必須です。最もよく使われるプログラミング言語は、統計解析に必要な「R言語」、AIでの統計処理(機械学習)に必要な「Python」などです。
また、データベースの操作に必要な「SQL」も使用することがあります。
統計学のスキル
統計学は、そのままでは意味をなさないデータから意味を正しく読み取る学問です。データ相互の見せかけの相関関係(偽相関)に惑わされずに、仮説を立ててデータから意味を検証するには統計学の知識が欠かせません。統計学を学ぶには、確率論や行列などの数学的知識も必要です。
マーケティング、ビジネスのスキル
データサイエンティストの役割はデータをビジネスに活かすこと、端的に言えば会社がより利益を上げるための仕事をすることです。そのため、マーケティングや自社のビジネスについても理解する必要があります。
また、データに基づくビジネス戦略を実行するには、社内の多くの部署との協業が必要です。そのため、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などのヒューマンスキルも必要です。
未経験からデータサイエンティストを目指すには
IT業界未経験の方がデータサイエンティストになるためには、どのようなスキルや知識が必要なのでしょうか。ここでは、IT業界未経験の方がデータサイエンティストを目指す際に必要とされる知識やスキルを紹介します。
プログラミング言語の知識を身に付ける
データサイエンティストにもプログラミング言語の知識が必要です。よく使うプログラミング言語には、Java・Python・Rなどがあります。プログラミング言語は、参考書・オンライン学習・プログラミングスクールなどで学ぶことができます。
データベース関連では、ビッグデータの活用には欠かせないHadoop・保存システムなどに関わるMySQL・NoSQLなどの運用スキルを求められます。
【参考】:Hadoop とは– AWS公式
数字に騙されない統計学の知識を身に付ける
統計学をきちんと学ぶことも重要です。統計学はデータから価値のあるものを抽出する際に必須となる知識で、仮説を作るにも仮説を検証するにも統計学の知識が必須です。
ビジネスに活かすという観点から統計学を見ると、確率分析・相関関係(偽相関・因果関係)・統計的検定・回帰分析の4つを理解することが求められます。データを可視化するときに、数字に騙されないための基礎知識と言えます。統計学は、確率や行列などの数学的知識があると効率良く学べるでしょう。
マーケティング知識とビジネスマインドを持つ
ビジネスマインドもデータサイエンティストとっては重要です。市場や顧客を理解し、チームで戦略を立てて実行するといったビジネスマインドは、データサイエンティストにとって最も重要なスキルとも言えます。
また、クライアントや関係部署の人と積極的に関わる、プロジェクトリーダーを務めるなどでコミュニケーション能力を養うことも、データサイエンティストとして働く際に役に立つでしょう。
システム開発の世界で言うと、UI(ユーザーインターフェイス)、UX(ユーザーエクスピアリエンス)が重視されるため、「顧客発想」ですべてを見る姿勢を身につけることも、データサイエンティストになったときに役立ちます。
【参考】:データサイエンティストの求人|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
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データサイエンティストになるための勉強方法
文系出身かつIT未経験でデータサイエンティストに必要な知識やスキルがゼロの状態だとハードルは高いかもしれませんが、新卒ではなく既に社会に出て働き始めている20代・30代でもポテンシャル採用のチャンスはあります。
IT業界は未経験でもマーケティング職やアナリストなど分析職の経験があれば、あとは足りないITスキルを補うだけなので、データサイエンティストへの転職もしやすいです。
未経験の状態でも、以下のような方法で学習を重ね、さらに資格も取得すれば転職活動を有利に進められるでしょう。
基本的なスキルを身に付ける方法
データサイエンティストに必要な知識やスキルを身に付ける方法としては、書籍で学ぶ・講座を受講する・プログラミングスクールに通うなどの方法がありますが、未経験の方には独学ではなく講座やスクールを利用することをおすすめします。
以下で紹介する2つの講座のほかにも、民間のさまざまな講座やスクールがあります。必要に応じて参考書などの書籍や無料で公開されている動画なども活用することで、より充実した学びになるでしょう。
■データサイエンス・オンライン講座 総務省統計局が提供する、社会人や大学生に向けたデータサイエンス講座です。誰でも無料で受講することができ、5週(+補講・演習)に渡ってビジネスの現場で求められるデータサイエンスの基礎を習得します。
【参考】:社会人のためのデータサイエンス演習
■現代統計実務講座 一般社団法人実務教育研究所が運営する文部科学省認定の通信講座です。カリキュラムは8単元構成になっており、統計の知識と実践力を培うことができます。1か月1単元として約8か月で修了可能です。
【参考】:現代統計実務講座 - 内閣府移行認可
おすすめの資格
データサイエンティストになるのに資格取得は必須ではありませんが、取得しておくと自身のスキル証明になるので転職活動の際にも役立ちます。データサイエンティストを目指す方におすすめの資格には、以下のようなものがあります。
■情報処理技術者試験 IPA(情報処理推進機構)が主催するIT全般に関する資格試験です。12の試験区分があり、中でも基本情報技術者試験やデータベーススペシャリスト試験はデータサイエンティストにおすすめです。
【参考】:情報処理技術者試験
■データサイエンティスト検定 2021年4月に一般社団法人データサイエンティスト協会が開始した、データサイエンスに特化した唯一の検定です。新しい検定資格ではありますが、データサイエンティストを目指す方は取得しておきたい資格の1つです。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル|一般社団法人データサイエンティスト協会
■統計検定 一般財団法人統計質保証推進協会が主催する全国統一試験です。統計学に関する知識や活用力を評価します。統計のスキルはデータサイエンティストに必要不可欠なものです。
【参考】:統計検定
■データベース系の資格 データサイエンティストはデータベースを操作するのに必要な「SQL」を扱うこともあるため、データベース系の資格も有効です。有名なものでは、ORACLE MASTERやOSS-DB技術者認定試験などがあります。
【参考】:ORACLE MASTER Portal 【参考】:OSS-DB
IT業界未経験からデータサイエンティストを目指すには
すべての企業にDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要と言われており、ビッグデータの活用が企業にとって重要となっています。データを活用して企業にとっての課題・ビジネスチャンスを見つけるデータサイエンティストは、さまざまな企業で必要とされています。
IT業界未経験からデータサイエンティストを目指すには、プログラミング言語といったITスキルに加え、統計学やマーケティングなどの知識を身に付ける必要があります。また、実際に転職活動をする際は、IT業界未経験でも採用している企業を選ぶことになるでしょう。
しかしIT業界未経験の方は特に、企業選びや選考などをどのようにアプローチをすれば良いのか、分かりづらいと思います。
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