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Python3エンジニア認定データ分析試験とは
Python3エンジニア認定データ分析試験とは、一般社団法人のPythonエンジニア育成推進協会が運営しているPython資格試験の1つです。他に、初心者向けの「Python3エンジニア認定基礎試験」などがあります。この2つには、以下のような違いが見られます。
■「Python3エンジニア認定基礎試験」 Pythonに関する基本的な文法、データ構造、クラス、標準ライブラリなどに関する知識を問う試験
■「Python3エンジニア認定データ分析試験」 Pythonの基礎知識に加えて、数学の基礎知識、ライブラリを利用した分析など、Pythonを用いたデータ分析に関する知識を問う試験
Pythonエンジニアを目指す皆さんは、どちらを受けるか迷うところですが、「Python3エンジニア認定データ分析試験」は「Python3エンジニア認定基礎試験」よりも難易度は上がります。迷った方は、後ほど紹介する模擬テストサイトで自身の実力を判定してから決めても良いでしょう。
この記事では、「Python3エンジニア認定データ分析試験」の試験概要や勉強法などについて解説していきます。
Pythonエンジニア認定試験の種類
Pythonの資格認定試験としては、Pythonエンジニア育成推進協会運営の「Python3 エンジニア認定基礎試験」(以下、基礎試験)と「Python3 エンジニア認定データ分析試験」(以下、データ分析試験)、そして2022年11月29日より実施された「Python3 エンジニア認定実践試験」(以下、実践試験)の3種類があります。
この新しい試験は、毎年受験者数が増加するPython試験において、Python初学者の学習指針とし、プログラマーのスキル向上を図った、より実践的なPython文法を問う試験です。
【参考】:Python 3 エンジニア認定実践試験 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
試験区分による違い
「データ分析試験」の概要について、「基礎試験」「実践試験」と比較しながら見ていきましょう。
【Python3エンジニア認定】
項目: 【基礎試験】 【データ分析試験】 【実践試験】
▪実施日: 通年 通年 通年
▪申し込み: 各会場 各会場 各会場
▪受験方式: 全国CBTテストセンター 全国CBTテストセンター 全国CBTテストセンター
▪問題数: 40問 40問 40問
▪出題形式: 選択式 選択式 選択式
▪試験方式: CBT CBT CBT
▪試験時間: 60分 60分 75分
▪合格基準: 正答率70% 正答率70% 正答率70%
▪受験料(一般):11,000円(税込) 11,000円(税込) 13,200円(税込)
(学生):5,500円(税込) 5,500円(税込) 6,600円(税込)
▪試験内容: 文法基礎 データ分析の基礎や方法 実践的な文法を問う
▪主教材:
【基礎試験】 「Pythonチュートリアル第4版」(オライリー・ジャパン)
【データ分析試験】「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)
【実践試験】「Python実践レシピ」(技術評論社)
「データ分析試験」と「基礎試験」との違いは、試験の主題範囲や内容、認定テキストの違いだけです。先に「基礎試験」を受験した人であれば、「データ分析試験」の受験で戸惑うことはないでしょう。
【参考】:Python試験(Python資格)
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データ分析試験のポイント
「基礎試験」では、主にPython3に関する基礎知識、文法知識を問う問題が中心でしたが、データ分析試験ではどんな知識を問う問題が出題されるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
主教材(参考書)
データ分析試験の主教材(参考書)は以下の通りです。必須書籍ですので、受験の際には必ず揃えましょう。
■「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版」 ▪著者:寺田 学、辻 真吾、鈴木 たかのり、福島 真太朗 ▪ページ数:336ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/10/24 【参考】:Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版
データ試験の出題範囲は主教材に準拠しており、出題範囲と出題割合はPythonエンジニア育成推進協会のWebサイトでも公表されています。
【参考】:データ分析試験 | Pythonエンジニア育成推進協会公式
データ分析試験に出るライブラリ
主教材で解説されているPythonライブラリは「NumPy」「Pandas」「Matplotlib」「scikit-learn」です。多少ともPythonを学んだエンジニアなら、誰もが知る有名なライブラリです。
データ分析試験の問題数は40問の内、27問がテキスト第4章の「ライブラリによる分析実践」から出題されていますので、ライブラリ関係の問題が合否の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
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データ分析試験の難易度やおすすめしたい人
データ分析試験にチャレンジしてみたいが、難易度や合格率が気になる方は少なくないでしょう。ここでは、データ分析試験の難易度や合格率、データ分析試験の受験をおすすめしたい人について解説していきます。
難易度
データ分析試験の難易度に関しては公表されたものがないため、推測の域を出ませんが、そもそもPython自体が習得の難易度が他のプログラミング言語に比べて低いという特徴があります。そのため、「基礎試験」の場合はPythonの基礎を習得し、多少なりともライブラリの利用経験がある方であれば、さほど難易度は高くはないと考えられます。
「データ分析試験」は基礎試験よりも応用編として難易度は少し上がると見られますが、それでも難易度が高い試験とは言いづらい位置付けだと言えるでしょう。基礎試験に合格している方なら十分に合格を目指せますが、初学者の場合は難易度が高く感じるかも知れません。
同試験の合格体験記がPythonエンジニア育成推進協会公式サイトに多数掲載されていますので、ぜひ目を通してみてください。
【参考】:合格体験記(Pythonエンジニア育成推進協会公式)
合格率
データ分析試験の合格率も公表されていませんが、「Python3エンジニア認定基礎試験」の合格率は過去に公表されたものがあり、約80%でした。データ分析試験は基礎試験よりは難易度は上がりますが、合格率はそれに準ずるレベルと考えていいでしょう。それは、出題範囲が限られ、模擬試験など受験環境が整っていることにも起因しています。
【参考】:マイナビエージェント:Pythonの資格試験について徹底解説!難易度や受験の流れについて
無料で再受験可能
比較的合格しやすい試験といっても、試験日の体調や、うっかりミスで受験に失敗することがあります。しかし、Pythonエンジニア認定試験には、無料で再受験ができるという救済措置(期間限定)が用意されています。詳しくは以下を参照してください。
【参考】:Python基礎試験・データ分析試験リベンジキャンペーン
受験をおすすめしたい人
データ分析試験の受験は、合格体験記(前記)などから、次の条件に該当する方におすすめします。
▪ 日常、Pythonプログラミングを行っている方、Pythonをある程度勉強している方 ▪ 「Python3エンジニア認定基礎試験」に合格した方
以上、いずれかの条件を満たしている方であれば、さほど苦もなくデータ分析試験には合格できるでしょう。試験に合格することでスキル証明が可能ですので、転職時などで有利に働きます。ぜひ取得しておきましょう。
Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアは、Pythonを活用するエンジニアである「AIエンジニア」「Webアプリケーションエンジニア」「データサイエンティスト」などの職種があります。ここでは、データサイエンティストに近いアナリストの年収例を参考に紹介します。
「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は824万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、アナリストは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
このように、データサイエンティストを含むPythonエンジニアは、スキルを活かせる職種に就くことで、比較的高収入が期待できることが分かります。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データ分析試験に合格するための勉強方法
データ分析試験はそれほど難易度が高い試験ではありませんが、準備を怠れば合格は難しくなります。これから解説する内容に関しては、しっかり勉強することをおすすめします。
必要な勉強時間
データ分析試験に合格するための必要な勉強時間については、Pythonについてどの程度知識やスキルがあるかによって変わります。目安としては、すでにPythonを扱ったことがある人の場合、1日1〜2時間程度の勉強時間を設ければ、1ヶ月程度で合格に達する実力が身につくと考えられます。
Python初学者の場合は、もう少し期間を設ける必要があるでしょう。いずれにせよ、きちんとした勉強時間を確保できれば誰でも十分に合格を目指せる試験です。
主教材による学習
最低限、データ分析試験の主教材である「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版」は通読し、理解できていない箇所はマーカーを引くなどして、反復しましょう。
特に、テキストに載っている「Numpy」「pandas」「Matplotlib」「scikit-learn」などの分析ライブラリ、数値計算ライブラリの勉強は、頭だけで覚えようとせず、実際に手を動かして実行してみることをおすすめします。
以下、出題されるライブラリに関して、それぞれの機能や特徴についてまとめてみました。参考にしてください。
▪NumPy ビッグデータ処理に適したライブラリです。多次元配列データの高速演算を得意としています。
▪Pandas 表形式データの処理を行うライブラリです。csv、excel、SQLデータベースなどが対象です。
▪Matplotlib グラフ描写ライブラリで、ヒストグラムや円グラフ、折れ線グラフなど多様なグラフを容易に作成できます。
▪scikit-learn 機械学習のための代表的なライブラリです。機械学習の実装に必要なあらゆるアルゴリズムが用意されています。
動画解説付き模擬試験
「PRIME STUDY」の「Python 3 データ分析 模擬試験」(動画解説付き)はPythonエンジニア育成推進協会認定の参考教材で、何度でも無料で受験をすることが可能です。
模擬試験はデータ分析試験の主教材「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版」に完全に即しており、主教材の通読し、この模擬試験・解説による反復学習で、合格に必要な実力を身に付けることが可能です。
また、データ分析試験は基礎試験と同様に過去問がありませんので、「PRIME STUDY」の模擬試験を繰り返し受験することをおすすめします。
【参考】:PRIME STUDY「Python 3 データ分析 模擬試験」(動画解説付き)
Pythonエンジニアとして一層活躍するために
ここまで、「Python3エンジニア認定データ分析試験」の概要や勉強法などを解説しました。AIやビッグデータを扱う企業の増加により、AI開発やビッグデータの分析や解析に関するシステム開発の需要が急速に高まっており、Pythonエンジニアの求人数が飛躍的に増えています。
データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析のスキル証明となり、Pythonエンジニアとして一層の活躍を目指す上で1つのきっかけとなります。自身のキャリアアップのためにも、Pythonエンジニアとして活躍を目指す方は、基礎試験に続いてデータ分析試験へチャレンジしましょう。
試験に合格した後は、資格を活かせる職場探しに努めてください。多くの求人の中から自分に合う企業が分からない場合は、転職のプロに託す手段もおすすめです。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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