Javaでできることとは?
Javaはさまざまな用途で使用されている人気のプログラミング言語です。Javaで作られたアプリやサイトは数多くありますが、具体的にどういった成果物があるのか、気になる方も多いでしょう。そこでこの記事では、Javaでできることを初心者にもわかりやすく解説していきます。
そもそもJavaとは
Javaとは1995年にSun Microsystems社によって公開された、人気のオブジェクト指向プログラミング言語です。応用力が高く安定性もあるため、さまざまな開発現場で用いられています。
特に大規模なシステム開発に使用されることが多く、Googleが開発に用いている三大言語の一つでもあります。
Javaの関連言語について
ここではGoogleが開発に使用している「C++」と「Python」、またJavaと名前がよく似ている「JavaScript」というプログラミング言語について、簡単に紹介していきます。
■「C++」とは
C言語の機能を拡張させたプログラミング言語のことで、WebアプリケーションやIoT技術の開発などに使用されています。
■「Python」とは
機械学習を用いたソフトウェアやWebアプリケーションの開発によく使用されているプログラミング言語です。
■「JavaScript」とは
画像の拡大表示など動きのあるWebページの開発・作成によく使用されるプログラミング言語のことで、Javaとは異なる*ものになります。Javaを学んだら関連言語についても習得すると良いでしょう。
Javaでできること8選!
Javaのプログラミングスキルを身に付けると、具体的にどのようなことができるようになるのでしょうか。ここではJavaでできることや使用例を詳しく紹介していきます。
Webサイトの制作
近年ではWebサイトを使用したさまざまなWebサービスが誕生しており、仕事や生活に必要不可欠なツールとなっています。Webサイトを制作できるプログラミング言語にはさまざまな言語がありますが、Javaで実装することも可能です。
例えば多くの人が利用しているXは当初Rubyで開発されていました。しかし、ユーザーが増加するにつれて遅延が生じるようになったため、使用するプログラミング言語をRubyから実行速度の速いJavaへ変更したのです。
また、Javaで作られたサイトの代表例として、楽天などの大規模なECサイトが挙げられます。他にも、チケットの予約サイトや物件情報サイトなど、Javaで作られたサービスは多数存在します。
Webアプリの開発
WebアプリとはWebサーバー上で動作するアプリケーションを指し、WebサイトやWebサービスとは明確に区分されていません。そんなWebアプリの開発にはプログラミング言語としてJavaが使用されていることが多いです。Javaで開発されている有名なWebアプリとしてGoogleが挙げられます。
Androidなどのアプリ開発
Android端末で利用されるアプリの開発にもJavaがプログラミング言語として使用されていることがあります。アプリ開発はさまざまなプログラミング言語で実装可能ですが、Javaを使用して開発を行うエンジニアが多い傾向にあります。
例えばEclipseと呼ばれるコンパイラやエディタ・デバッグなどの開発に必要な機能がまとまっている統合開発環境は、Javaによって開発されています。
ソフトウェア開発
Javaでできることとしてソフトウェア開発も挙げられます。Javaの場合、WebアプリやWebサービスの開発をイメージする方が多いですが、PCにダウンロードして使用するソフトウェアの開発も可能です。CGソフトウェアやロケットに搭載されているソフトウェアなどが代表例として挙げられます。
組み込みシステム開発
Javaは組み込みシステムの開発に強みをもっているプログラミング言語でもあります。Javaによって開発された組み込みシステムの代表例として、スマートフォンが誕生する前の携帯電話やBlue-Rayプレイヤーなどが挙げられます。
基幹システム開発
Javaは開発実績が多い点やセキュリティが高い点から、銀行システムやクレジットカードシステムの金融機関の基幹となるシステム開発にもよく利用されています。具体例としてみずほ銀行や三菱UFJ銀行などの銀行システムが挙げられます。
ゲームの開発
Javaのプログラミング言語を使用してゲーム開発を行うこともできます。ただし、ゲーム開発に強みをもっている言語は他にあるため、実際にJavaが使用されることはそれほど多くありません。Javaで作られたゲームの代表例としては、Minecraftが挙げられます。
IoTの開発
IoTとは、身の回りのあらゆるモノをインターネットに接続する技術のことです。例えば、声やアプリで簡単に操作可能なスマート家電には、IoT技術が用いられています。その他にも、自動運転や産業ロボットなど、さまざまな分野で活用されています。
そんなこれからの快適な生活に欠かせないIoTの開発には、Javaが適したプログラミング言語であり、多くの技術者がJavaを活用して開発を行っています。
Javaのデメリット
多くの用途があるJavaですが、いくつかのデメリットもあります。ここでは、Javaのデメリットについて詳しく紹介します。
学習コストがかかる
Javaのデメリットとして挙げられるのが学習コストの高さです。プログラミング初心者がJavaを習得することは、他のプログラミング言語を習得することと比較して難易度が高いと言われています。また、Javaのスキルを身に付けるには実務経験も必要になってきます。
小規模システム開発には向いていない
Javaは一人で作成するような小規模プログラムや、個人開発システムにはあまり向いていません。Javaの強みである拡張性や再利用性が上手く活かせないことが理由として挙げられます。また、Javaを使用してコーディングを行うとソースコードが長くなり、開発コストが大きくなってしまう可能性があります。
Javaのメリット
いくつかのデメリットがあるJavaですが、それ以上に多くのメリットがあります。ここでは、Javaのメリットについて詳しく紹介します。
就職や転職する際に有利になる可能性がある
Javaは大手SIer企業など大規模なシステム開発を行う企業でよく使用されています。実際に、多くのSIer企業の新人研修でJavaが用いられています。
また、システムの設計・開発を行う際、開発に用いるプログラミング言語を一度定めると他のプログラミング言語へ変更することは難しいです。そのため、大手企業などでは大規模システムの開発実績が多数あるJavaを用いる傾向にあります。
これらのことから、Javaのプログラミングスキルがあると就職や転職のときに選択肢が広がると言えるでしょう。
実行速度が速い
Javaは実行速度が速いこともメリットの一つです。要件定義の際には、クライアントから実行速度の基準を設けられることもあるため、プログラミングの実行速度は大切な要素となります。
Javaの実行速度が速い理由としては、Javaがコンパイラ型のプログラミング言語であることが挙げられます。
豊富なライブラリがある
Javaは開発に使用可能なフレームワークやライブラリが充実しています。大規模なシステム開発の場合、数百人・数千人の規模で開発を進めていくことも少なくありません。そのような場合にフレームワーク等を活用することで、開発効率の向上や運用コストの削減が期待できます。
プラットフォームに依存しない
Javaはプラットフォームに依存せず実行することが可能です。Javaのプログラムは、OSやハードウェアに依存しない中間形式のコードに一度変換されます。そしてJavaはプログラムを実行する際にJava仮想マシン(JVM)と呼ばれるソフトウェアによって、さまざまなプラットフォームで実行可能な形式に変換されるのです。
プラットフォームに依存しないということは、さまざまなOSや端末で動作させることができるということです。これはJavaが誕生してから20年以上経った今でも、人気のある言語として利用されている理由の一つでしょう。
Javaを習得するには
ここまでJavaというプログラミング言語ができることやメリット・デメリットについて紹介してきました。ここからは、Javaを身につける方法についていくつか紹介していきます。
Javaの学習方法
Javaを習得するためには、専門学校やスクールに入って学ぶのが最も早く確実です。しかし、時間や費用を考えるとなかなか難しいという方も多いでしょう。Javaは難しい言語ではあるものの、時間をかけることで独学でも習得は可能です。独学での勉強には、サイトや書籍を利用する方法がおすすめです。
独学サイトにはJava以外のプログラミング言語についても学べるものや、動画を視聴して学ぶものなどがあります。また、サイトの中には無料のものと有料のもの・一部有料のものがあるため、自分に合ったサイトを探すことが大切です。
おすすめの書籍については後述しておりますので、そちらに目を通してみてください。また、Javaにおすすめの資格も紹介しています。
Javaの学習に役立つ書籍
Javaを独学で習得する際に役立つのが書籍です。ここではJavaをこれから学ぶ方やエンジニア初心者におすすめの入門本を2冊・Javaの基本をおさえた方におすすめの本を1冊紹介しています。
入門編とも言える書籍を読破したら応用編にあたるものを読み、さらなるスキルアップを目指すのがおすすめです。
・「スッキリわかるJava入門 第4版」
基礎からオブジェクト指向まで、初心者がつまづきがちな疑問が徹底解説されています。約300点の豊富なイラストがわかりやすく、すっきりマスターできる定番入門書です。第4版では、Java17~21を基準に全面的に情報が更新されています。
▪著者:中山 清喬、国本 大悟・監修:株式会社フレアリンク ▪ページ数:760ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2023/11/6
【参考】:スッキリわかるJava入門 第4版
・「1冊ですべて身につくJavaScript入門講座」
ここまで丁寧に解説している入門書はないと言われるほど、初心者に寄り添ったやさしい解説が人気の書籍です。これからJavaScriptを学びはじめたい人はもちろん、以前にJavaScriptの学習を試みたが、途中で挫折してしまった人にもおすすめします。プログラミングの基本や実装方法はもちろん、最新の技術も身につけられます。
▪著者:Mana ▪ページ数:344ページ ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2023/3/1
・「プロになるJava」
「プログラミングを仕事にしたい」「エンジニアとして働きたい」「ほかの言語で開発しているが、Javaも使えるようになりたい」という方に向けて、プログラミングの知識から書き方までわかりやすく丁寧に解説されています。開発現場で使えるJavaプログラミングのノウハウを身に付けたい方におすすめの書籍です。
▪著者:きしだなおき、山本裕介、杉山貴章 ▪ページ数:512ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/3/19
【参考】:プロになるJava―仕事で必要なプログラミングの知識がゼロから身につく最高の指南書
Javaにおすすめの資格
Javaの知識をより深める方法として「資格の取得」があります。資格取得を目標に据えることでモチベーションが維持でき、試験に合格すれば自身のスキル証明にもなります。Javaの資格には「Oracle認定Javaプログラマー」や「Javaプログラミング能力認定試験」などがあります。
【参考】:Oracle認定Javaプログラマー 【参考】:Javaプログラミング能力認定試験
Javaは将来性のあるプログラミング言語!
Javaは大規模開発に向いているプログラミング言語です。Javaでできることは多岐に渡り、Webサイト・Webアプリ・組み込みシステム・基幹システムの開発などが代表例として挙げられます。
Javaの特徴には「実行速度が速い」「ライブラリが豊富」「プラットフォームに依存しない」「学習コストがかかる」「小規模開発に向いていない」などがあります。
Javaは習得することで自身のスキルアップやキャリアアップに繋がります。時間を要するかもしれませんが、将来に向けてぜひ習得を目指してみてはいかがでしょうか。
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