Javaを勉強する前の基礎知識
Javaの勉強方法を紹介する前に、まずはJavaの基礎知識について解説します。Javaはどういったプログラミング言語なのか、Javaで作れるものは何かについて説明します。
Javaとは?
Javaはプログラミング言語の1つであり、1996年にサン・マイクロシステムズによって発表され、現在はオラクル社が管理しています。
JavaはWindowsやMac、Androidなど多くの環境で動かすことができる点や、オブジェクト指向で書けるため大規模開発に向いている点などが評価されており、多くの企業で使われています。
Javaで作れるもの
Javaは多くの開発で使うことができるのが利点と言えます。Javaで作れるものの代表例をまとめました。
- 業務システム
- Webアプリ
- Androidアプリ
- ゲームアプリ
- デスクトップアプリ
- 組み込みシステム
このようにさまざまな開発で用いられているため、Javaを学ぶことで他の分野の開発にも参入しやすくなり、転職しやすくなるメリットもあるでしょう。
Javaを勉強する際の目安時間は?
Javaは他のプログラミング言語と比較して、習得するのが難しい言語と言われます。その理由として、オブジェクト指向という独特のルールを理解しなければならないこと、コードの記述量が多いこと、実践にあたってはプログラミング以外の知識も求められることなどが挙げられます。
そのため、未経験の方がJavaを実務で扱えるようになるまでは、独学であれば2,000時間以上必要になることがあります。一方、その他の言語を習得済の方や、オブジェクト指向について理解している方は、50~200時間程度で簡単なプログラムを記述できるレベルに到達できる可能性があります。
このようにJavaの勉強時間は、個々のレベルや事前知識によって大きく異なります。なるべく短期間で習得したい場合は、費用はかかるものの、専門のスクールで学ぶのが最も効率的でしょう。
Javaを勉強する際のロードマップ例
続いて、Javaを勉強する際のロードマップについて解説します。あくまで例ですが、この手順で勉強していけば、勉強を途中で挫折する可能性を下げることができるので参考にしてください。
学習の目的を決める
まずは、学習の目的を決めることが大切です。解説した通りJavaはさまざまな開発で使える言語ですが、開発分野によって学ぶべきものはそれぞれ異なります。
たとえば、Webアプリ開発を行う場合、Webサイトの仕組みやデータベース、JavaScriptと通信を行う方法なども学ばなくてはいけません。何を作りたいかを明確化させることで、何を学ぶべきかも明確化させることが可能です。
開発環境を整える
次に、Javaの開発環境を整えます。Javaの勉強を行う場合はJDK(Java Development Kit)というJavaを動かせるソフトウェアをインストールする必要があります。また、Javaのソースコードを記述し実行結果を確認するためには統合開発環境(IDE)が必要です。
開発環境の構築は初心者がよくつまずく箇所ですが、Javaの場合はそこまで難しくありません。ただし、公式サイトのレイアウトが変更されるなどでインストール手順が変わることもあるため、なるべく最新の情報を参考にして開発環境を整えることが大切です。
Javaの基礎文法を学ぶ
次に、Javaの基礎文法を学びます。四則演算から始まり、ループ処理や条件分岐、入出力処理などを1つずつ丁寧に覚えましょう。文法を理解しないと、Javaでアプリやシステムを開発することはできません。また、主要な関数の使い方なども少しずつ覚えていくことが重要です。
ライブラリやフレームワークを学ぶ
システムやアプリを開発するにあたっては、膨大なプログラムを書かなければなりません。特に、Javaはコードの記述量が多くなる言語であり、いかに効率化を図れるかが重要なポイントです。
短時間でセキュリティの高いプログラミングを行うためには、ライブラリやフレームワークを活用することが必要不可欠です。ライブラリとは頻繁に使う機能を取り出してまとめたもの、フレームワークは必要な機能が準備されている枠組みと言い換えられます。
Javaには多くのライブラリやフレームワークがあるため、必要に応じて使い分けられるように学んでおくようにしましょう。
簡単なアプリを作ってみる
文法を覚えたらJavaで簡単なアプリを作ってみましょう。WebアプリやスマホアプリなどはJava以外の知識も必要で作るのが難しいため、最初は電卓やカレンダーなど簡単なデスクトップアプリを作るのがおすすめです。
アプリを実際に作ってみることで、自分の理解が足りていない点はどこか判断できます。また、実際に動かしてみることで、デバッグの方法など実際の開発の手順についても学ぶことができます。
Javaのおすすめの勉強方法
続いて、Javaのおすすめ勉強方法について解説します。これらの勉強方法を組み合わせることで、効率的にJavaを学ぶことが可能です。
学習サイトを使う
学習サイトは空いた時間でスマホから手軽に勉強できるのが利点です。また、講師の方に質問ができる学習サイトもあります。無料のものから有料のものまでJavaを学べる学習サイトは多くあるので、利用しやすいものを選択すると良いでしょう。
参考書を購入する
参考書に沿って勉強することで、着実にJavaの基礎を抑えることができます。参考書を購入するときは、なるべく最新のものを選ぶのがポイントです。古い参考書の場合、Javaの最新機能に関する説明が不足していたり、インストール手順が異なっていたりする場合があるためです。
プログラミングスクールで学ぶ
独学でJavaを勉強するのが難しい場合、プログラミングスクールに入会するのもおすすめです。スクールで講師の方に学習管理を行ってもらえば、途中で挫折する心配は少ないでしょう。また、分からない箇所はいつでも質問することが可能です。
資格取得を目指す
Javaの習得にはかなりの時間を要するため、途中で目標を見失い挫折してしまう方も少なくありません。そんな時は、資格取得を目指すのもいい方法です。
資格取得に向けて勉強することでより深い知識が身に付くと共に、資格取得を目標に据えれば勉強のモチベーションも維持できるでしょう。Javaの資格には「Oracle認定Javaプログラマー」や「Javaプログラミング能力認定試験」などがあります。
【参考】:Oracle認定Javaプログラマー 【参考】:Javaプログラミング能力認定試験
初心者がJavaを勉強する際のおすすめ本
続いて、初心者がJavaを勉強する際におすすめの本について解説します。ここでは、イラストや図が多く、基礎から応用まで初心者でも分かりやすく解説されている本をピックアップしました。
Java[完全]入門
Javaの知識がゼロの方でも、安心して学習できる入門書です。開発環境の導入からJava言語の基礎まで丁寧に解説されており、段階的に知識を積み上げられます。動作を試せるサンプルプログラムも豊富に掲載されているため、最終的に本格的なアプリ開発を行いたい方にもおすすめです。
▪著者:松浦健一郎/ 司ゆき ▪ページ数:656ページ ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2024/03/02
【参考】:Java[完全]入門
独習Java 第6版
最新バージョンであるJava 21に対応した書籍です。Javaの基本的な知識・概念・機能はもちろん、文法やプログラムの書き方も体系的に習得できます。解説→例題→理解度チェックという3つのステップで、プログラミング初心者の方でも一歩踏み込んだ知識を身につけられます。
▪著者:山田 祥寛 ▪ページ数:672ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2024/02/15
【参考】:独習Java 第6版
スッキリわかるJava入門 第4版
見やすさとわかりやすさに定評のある大人気のJava入門書です。 Javaの基礎からオブジェクト指向まで、初心者がつまづきがちな「なぜ?」が必ずわかる解説が掲載されています。また、約300点の豊富なイラストで、理解が難しい文法や概念もすっきりマスターできます。
▪著者:中山 清喬/国本 大悟 監修:株式会社フレアリンク ▪ページ数:760ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2023/11/06
【参考】:スッキリわかるJava入門 第4版
スラスラわかるJava 第3版
スラスラわかるJavaはプログラミング初心者におすすめできる本です。基本的な演算処理からストリーム処理の方法まで解説が網羅されており、これ1冊で基礎文法はマスターできます。
ソースコードも多く掲載されているうえに、コードは短いものが多いため初心者でも理解しやすいでしょう。さらに、イラストや図も多く解説がわかりやすく、練習問題も多く掲載されているため理解度を確認しながら勉強を進めることができます。
▪著者:中垣 健志 / 林 満也 ▪ページ数:582ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/09/12
【参考】:スラスラわかるJava 第3版
プロになるJava―仕事で必要なプログラミングの知識がゼロから身につく最高の指南書
この書籍はJavaの基礎知識に加え、業務に必要な知識について解説された1冊です。MavenやJavadoc、Gitなどの開発ツールの使い方や実践的なJavaプログラミング、SQLやデータベースなどについて学ぶことができます。
Javaの基礎がある程度固まっており、これからプロとして仕事をできるようになりたい方におすすめです。
▪著者:きしだなおき / 山本裕介 / 杉山貴章 ▪ページ数:512ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/03/19
【参考】:プロになるJava
Javaを勉強するメリット
最後に、Javaを勉強するメリットについて解説します。どのプログラミング言語を勉強しようか迷っている方は参考にしてください。
需要がある
Javaは多くの企業で使われており需要があるのが特徴です。求人数が多いためJavaをマスターするだけで多くの企業に応募することができます。
TIOBEの2024年のプログラミング言語検索数ランキングでは、JavaはPython、C、C++に次いで4位となっています。恐らくJavaの需要はしばらく続くことが予想されます。
【参考】:TIOBE Index for January 2024
オブジェクト指向の基礎を学べる
Javaを学ぶことでオブジェクト指向の基礎を習得することができます。オブジェクト指向はJavaだけでなく、Python・Rubyなど多くの需要のある言語で使われています。オブジェクト指向で書くことでチームで作業分担がしやすくなり、大規模開発もスムーズに進められるメリットがあるためです。
オブジェクト指向をマスターすることで他言語も理解しやすくなり、さらに多くの企業を視野に入れて転職活動できるようになります。
分からない箇所を調べやすい
Javaは需要がある言語のためネットに情報が多く、分からない箇所を調べやすいのもメリットです。特に初心者のうちはエラーの解決方法などもネットで逐次調べることも多いですが、情報が少ない言語だと調べるのに時間がかかってしまい勉強が進まないこともあります。
Javaのエラー解決方法やライブラリの使い方などについて解説されたサイトは多くあります。また、Javaは利用者が多いため、質問サイトなどを通じて分からない箇所を質問しやすいのもメリットです。
ロードマップを設定して効率的に学習しましょう
本記事ではJavaの勉強方法について解説しました。Javaの学習ロードマップ例や学習方法、おすすめ本などについてお分かりいただけたかと思います。
Javaは多くの企業で使われている人気の高い言語であり、今後も長く使われ続けることが想定されます。また、Javaはネットに情報が多く調べやすいため、プログラミング初心者でも自ら疑問を解決しながら学習を進められるでしょう。Javaに興味のある方は本記事を参考にして勉強を始めてみてください。
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