C言語とC++の違いとは?それぞれの特徴・メリットについて解説
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C言語とC++の違いとは?それぞれの特徴・メリットについて解説
アンドエンジニア編集部
2023.09.23
この記事でわかること
C言語は組み込み開発などで多く使われているプログラミング言語
C++はC言語にクラスなどの機能が追加されたプログラミング言語
学習難易度はC++よりC言語の方が若干低め

C言語やC++の違いとは?

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まずは、C言語・C++の基礎知識についてまとめました。また、C言語やC++と名前が良く似たC#についても説明します。

C言語とは?

C言語とは、1972年頃に発表されたプログラミング言語です。プログラミング言語としての歴史が長く、今でも組み込み系開発やOS開発などで現役で使われています。また、C言語はさまざまな言語と元になっているのも特徴です。たとえばPHPやPythonといった現在主流で使われている言語も、C言語の影響を受けています。

C言語を勉強することで他の言語も理解しやすくなるといったメリットがあります。そのこともあり、情報系の大学ではC言語を始めに勉強することも多いです。

C++とは?

C++(シープラスプラス)は、1983年頃に発表されたプログラミング言語です。その名前から連想されるように、C言語を機能拡張して作られました。具体的にはC言語にオブジェクト指向ができる機能などを追加しており、より効率よくプログラムを組めるように進化しています。C++もC言語同様に多くの開発現場で使われている言語であるため、将来性も比較的高いと言えるでしょう。

C#とは?

C#(シーシャープ)は、2000年頃にマイクロソフト社によって開発されたプログラミング言語です。C++同様にC言語を拡張して作られた言語ですが、C言語とは文法などが異なる点が多く、どちらかと言えばJavaなどに近い作りです。

活用される分野もC言語とは異なり、Windowsアプリ開発やゲーム開発といった分野で使われています。ゲーム開発でUnityというプラットフォームが使われることが多く、C#はUnityで動かすことができる言語の1つです。また、C言語に比べると学習難易度は低めとなります。

C言語とC++の共通点

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C言語とC++にはよく似たプログラミング言語であるため、共通点もいくつかあります。ここでは、C言語とC++の共通点について5つまとめました。

コンパイルが必要

C言語もC++も、ソースコードを実行する際にコンパイルが必要です。プログラミング言語はインタプリタ型とコンパイル型の2種類に分類分けされます。インタプリタ型はソースコードを機械語に翻訳しながら実行する方式のことで、コンパイル型はソースコードを機械語にまず一括で翻訳しそれから実行する方式のことです。

C言語・C++はコンパイル言語に該当します。コンパイルする手間がかかるため、Webアプリやスマホアプリ開発などスピーディーな対応が求められる分野にはあまり使われない傾向があります。

静的型付け言語

C言語とC++は、静的型付け言語にも分類されます。静的型付け言語とは、変数などの値をコンパイル時に検証する言語のことです。対して、動的型付け言語は変数などの値を実行時に検証します。

動的型付け言語の場合、プログラムを実行する度に型が変更されてしまうリスクがありますが、静的型付け言語はその心配がないのがメリットです。ただし、ソースコードを記述する際は変数の型をあらかじめ指定する必要があります。

処理速度が速い

C言語やC++は処理速度が速いのが特徴です。コンパイル言語はまず機械語に翻訳してから実行するため、PHPやPythonなどのインタプリタ言語に比べて処理速度が速くなっています。そのため、組み込み開発などリアルタイムで処理を行う必要がある分野に適していると言えるでしょう。

また、C言語やC++はCPUやメモリを効率的に活用できるプログラムも作りやすく、プログラマーの技術次第でさらに処理速度を極めることが可能です。

学習難易度が高め

C言語もC++も学習難易度が高い傾向があります。PHPなど最近の言語に比べて文法が難しめであるうえに、ポインタという概念が初心者にとっては理解が難しいと言われています。ポインタを理解するには、コンピュータの内部処理にまで目を向けなくてはならず、ハードウェア面の前提知識がないと完璧に習得するのは難しいでしょう。

そのため、C言語・C++を勉強してみて難しいと感じた方は、他の言語から勉強するのもおすすめです。

汎用性が高い

C言語もC++も汎用性が高く、さまざまな分野で活用されています。元々C言語はUnixの移植目的で作られたのですが、徐々に言語としての優秀性が認められていき、他分野でも使われるようになりました。そのためC言語・C++を習得することで、さまざまな開発分野に参入することが可能です。

ただし、Webアプリやスマホアプリ開発などはC言語・C++でもできないことはありますが、実務で使われることは少ないので注意しましょう。

C言語とC++の具体的な4つの違い

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ここでは、C言語とC++の具体的な4つの違いについて解説します。これらの違いを理解することで、C言語とC++のどちらを学ぶべきか判断できるようになるでしょう。

クラスが追加

C++では、クラスが追加されオブジェクト指向で書けるようになりました。オブジェクト指向で書くことで作業分担がしやすくなり、大規模な開発もスムーズに行えるようになります。PythonやJavaなど人気の高い言語の多くはオブジェクト指向で書くことができるため、C++を通じてオブジェクト指向を学ぶことで、他言語も理解しやすくなるでしょう。

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ジェネリックプログラミングが可能

C++ではジェネリックプログラミングが可能になりました。ジェネリックプログラミングとは、同じコードで異なるデータ型を処理できる機能のことで、C++ではテンプレートとも呼ばれています。

テンプレートを使うとデータ型に依存しないコードを書くことが可能です。C言語の場合、関数を定義する際は引数のデータ型を確定させる必要があります。引数のデータ型が違う場合、その関数を使うことはできないため、別の関数を別途用意しなくてはいけません。C++の場合、引数のデータ型が違う場合でも同じ関数を利用できるため、コードの簡略化につながります。

例外処理が可能

C++では例外処理も可能となりました。例外処理とはプログラムを実行するときにエラーが発生した際、エラー発生用の処理を行える機能のことです。例外処理を使いこなすことで通常時とは違う処理を一元管理することができ、ソースコードの可読性向上にもつながります。また、どこで何が原因でエラーが発生したのか分かりやすくなるメリットもあります。

標準ライブラリSTLが追加

C++では標準ライブラリのSTLが追加されています。STLはtemplateという機能が使われている汎用性の高いライブラリです。ライブラリが豊富な分C++はC言語よりも活躍の場が広がり、GUIやネットワーク機能の開発に使われることもあります。ただしSTLの使い方を覚えなくてはいけない分、学習コストも上がっている点は注意です。

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C言語とC++はどちらを学ぶべき?

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最後に、C言語とC++はどちらを学ぶべきなのかについてまとめました。どちらの言語を習得するのがおすすめなのか、場合別にまとめています。

プログラミング初心者ならC言語

C言語とC++では、どちらかと言えばC言語の方が機能が少ない分初心者にも優しいと言えます。プログラミングの経験が浅い方はまずはC言語をマスターし、その後にC++の独自機能を覚えていくようにすると学習がスムーズになると言えるでしょう。

ただし、C言語も難しめの言語であることには変わりありません。C言語を勉強してみて難しいと感じる方は、PHPやPythonなど簡単な言語から勉強を始めることが大切です。無理して難しい言語から勉強すると、プログラミングそのものに挫折してしまう可能性があります。

組み込み系開発がしたいならC言語

組み込み系開発がしたいならC言語をおすすめします。家電製品やカーナビなどに組み込まれるプログラムを開発する場合、C言語が使われる場合が多いです。とはいえ、C++が使われている現場もあるため、余裕があれば両方取得するのが望ましいです。

最近ではIoT製品などが流行しており、組み込み系開発の需要も高まっています。C言語は難しめの言語のため習得する人が減っていますが、その分習得すれば希少性の高いエンジニアになれることでしょう。C言語をマスターした組み込み系開発の市場価値も高まる可能性が高いでしょう。

ゲーム開発がしたいならC++

ゲーム開発がしたいならC++をおすすめします。C++は処理速度が速いうえに実行ファイルが小さいため、処理量が多く重くなりやすいゲーム開発と相性が良いと言えます。またC++はライブラリが豊富であり、C言語よりも開発効率を上げやすいのもゲーム開発が多く使われる理由です。

ただし、C++は学習難易度が高いため、プログラミング初心者でゲーム開発がしたいなら、C#から学んだ方が良いかもしれません。C#はC++よりも構文が優しく、挫折する心配が少ないです。

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本記事ではC言語とC++の違いについて解説しました。C言語とC++はよく似た言語ですが、相違点も多くあります。特にC++のオブジェクト指向ができる特徴は大きく、これにより言語としての汎用性が広がりました。ただし、さまざまな機能が追加された分学習難易度はC言語よりも上がっています。

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