Java入門
システム開発やWebアプリケーション開発に使用されるプログラミング言語は多種多様にありますが、その中でもJavaは世界中で利用されている人気や需要が高い言語の1つです。レバテックが公表している2019年度プログラミング言語別新規求人割合ランキングを見ると、Javaは1位となっています。そのため、Javaを習得すると市場価値が高いエンジニアになることができるでしょう。 ( 参考:https://career.levtech.jp/guide/knowhow/article/606/ )
ここでは、Javaの入門として概要やメリットについて詳しく紹介します。
Javaとは
Javaのプログラミング言語は1995年頃にサン・マイクロシステムズ社によって開発されました。Javaエンジニアの求人や案件は他のプログラミング言語と比較して多く、プログラマーなどのエンジニアを目指すのであれば、まず押さえておきたい言語と言えるでしょう。
Javaはオブジェクト指向型言語であり、オブジェクト指向の概念を理解する際に学習コストがかかることが懸念点として挙げられます。しかし、Javaのプログラミングスキルを習得すれば、他のプログラミング言語を学習する際にも活かすことが可能です。
Javaを使用するメリット
まずJavaのメリットとしてOSに依存しない点が挙げられます。プログラミング言語には、特定のコンピュータやOSでないと動作しないことも少なくありません。しかし、Javaの場合であればMacOS・Windows・LinuxなどのOSに依存せず、どのような環境でも動作させることが可能です。あらゆる動作環境で互換性があることは、Javaのプログラミング言語のメリットと言えます。
またJavaはフレームワークが充実しているため、開発効率の向上や運用コストの削減が期待できます。フレームワークとは、プログラミング言語で開発を行う際に、よく使用される機能をまとめて提供してくれるもののことです。汎用性の高い機能をまとめてあるライブラリやAPIがあらかじめ多数用意されていることも、Javaのメリットと言えます。
Javaの基本事項
Javaのプログラミング言語は需要が高い言語ということは理解できたでしょうか。ここでは、Javaの基本事項について詳しく紹介します。
クラスとは
クラスとは、Javaなどのオブジェクト指向と呼ばれるプログラミング言語の基礎となるもので、1つの処理を実現させるために、必要なものを集めたものを指します。クラスを定義する場合には「class クラス名{}」のように記述します。「class」を記述後クラスの「名前」を記し、「{」と「}」の間に、実施したい処理のプログラムの記載していきます。
ここからは具体例を見ていきましょう。
class Test{
public static void main(String[] args){
System.out.println("Hello World!");
}
}
「public static void main(String[] args)」はJavaのプログラムを実行するために、必要不可欠なメソッドです。メソッドの概要については後述します。ここでは「Test」というクラスを定義しました。このクラスは画面に「Hello World!」というメッセージを表示させる処理を実現するためのものです。Javaのプログラムはこのようなクラスを1つもしくは複数組み合わせて作成されます。プログラムが複雑になると、1つのアプリで使用されるクラスの数も多くなるでしょう。
メソッドとは
メソッドとは、クラスの中で特定の処理を実行するために必要なプログラムをまとめたものを指します。メソッドを定義する場合は、下記のように記載します。
class クラス名{
void メソッド名(){
}
}
メソッドは行頭に戻り値のデータ型を記述後、メソッドの名前を記します。括弧「()」の中にはメソッドが呼び出される際に、渡される値を受け取るための仮引数を記述することが可能です。そして、 「{」「}」 の間にメソッドが呼び出された際に実行されるプログラムを記述します。ここからは具体例を見ていきましょう。
class Test{
public static void main(String[] args){
Test test = new Test();
test.hello();
test.bye();
}
void hello(){
System.out.println("Hello!");
}
void goodbye(){
System.out.println("Goodbye!");
}
}
「Test」のクラスの中には、挨拶の処理を行う「hello」と「goodbye」、そして最初に呼び出される「main」の3つのメソッドがあります。また、下記のように挨拶というメソッドにまとめて記述することも可能です。
class Test{
public static void main(String[] args){
Test test = new Test();
test.greeting("Hello!");
test.greeting("Goodbye!");
}
void greeting(String message){
System.out.println(message);
}
}
上記のように簡単なプログラムの場合は1つのメソッドにまとめて記述しても良いですが、例えば「Hello!」と挨拶する場合と「Goodbye!」と挨拶する場合で、異なる処理を行うプログラムを記述したいときには別々のメソッドにしたほうが良いでしょう。
フィールドとは
フィールドとは、クラスの中でデータの値を保存する際に使用するものを指します。フィールドを定義する際には、下記のように記載します。
class クラス名{
データ型 フィールド名;
}
フィールドは行頭に格納したいデータのデータ型を記述後、フィールドの名前を記します。ここからは具体例を見ていきましょう。
class Test{
String name = "太郎";
String color = "緑";
}
上記のようにフィールドを用意しておけば、後に使用する可能性があるデータを保存しておくことができます。この場合、データ型には「String」を使用しています。
Javaのコメント記述方法
プログラムを記述する際に、定義したクラスやメソッド、フィールドに対して日本語でメモを残しておくと、第3者がソースコードを確認したときに理解しやすいでしょう。例えば、クラスの作成者や作成日などを残すのは一般的です。このときに使用するのがコメントです。コメントは定められた規則に従って記述すれば、プログラムの処理に影響を与えることはありません。Javaではコメントの記述方法が3つあります。ここでは、コメントの記述方法についてそれぞれ詳しく紹介します。
単一行コメント
コメントの記述方法の1つ目は「//」を使用します。この方法では、単一行のみコメントにすることが可能です。「//」から行末までがコメントになります。例えば「//」を行頭に記述してその行をコメント行にしたり、行の途中で「//」を記述してその位置から行末までをコメントにしたりすることが可能です。ここからは具体例を見ていきましょう。
int sum = 0;
// 25回繰り返す
for (int i = 1 ; i <= 25 ; i++){
sum = sum + i; // 数値を1ずつ加算する
}
System.out.println(sum);
この場合「25回繰り返す」と「数値を1ずつ加算する」がコメントアウトされます。処理結果として「25」が出力されます。
複数行コメント
コメントの記述方法の2つ目は
「/`*`」と「`*`/」
を使用します。この方法では、複数行をコメントにすることが可能です。
「/`*`」から「`*`/」
までがコメントです。
「/`*`」から「`*`/」
までの間に改行を含められるため、複数行をコメントにすることができます。ここからは具体例を見ていきましょう。
int sum = 0;
/`*`
25回繰り返す
変数「sum」に1ずつ値を加算していく
最後に処理結果を出力する
`*`/
for (int i = 1; i <= 25; i++){
sum = sum + i;
}
System.out.println(sum);
この場合「25回繰り返す」から「最後に処理結果を出力する」までがコメントアウトされます。処理結果として「25」が出力されます。
Javadocを使用する方法
コメントの記述方法の3つ目は「Javadoc」と呼ばれるツールを使用し、プログラムに記述したコメントからドキュメントを自動で生成する方法です。書式は一般的には複数行コメントと同様ですが
「/`*`」「`*`/」
ではなく
「/`**`」と「`*`/」
を使用します。下記が具体例です。
/`**`
コメント
コメント
コメント
`*`/
クラスやメソッドを定義する前にこの形式でコメントを記述しておけば、 Javadocを使用して自動でドキュメントを生成することが可能です。
Javaをマスターするには充分な時間の確保が大切!
これまでに、Javaの概要や基本事項、コメントの記述方法について解説しました。Javaは今もなお需要が非常に高いプログラミング言語の1つであり、大規模システム開発を行う際などによく使用されています。Javaはオブジェクト指向の考え方を取り扱っているため、学習コストが大きいことに注意しましょう。
ここで紹介したのはJavaの基礎の中のほんの一部です。他にも変数・データ型・演算子・インスタンス化・コンストラクタ・クラスの継承などさまざまなことを覚えなければ、実務で役立つスキルに到達することはできません。そのため、Javaを学習する際にはマスターするには時間がかかることを念頭におき、書籍や学習サイトを活用して実際に手を動かしながら勉強しましょう。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから