どのJavaフレームワークを使えばいい?
Javaでシステム開発をする場合、どのフレームワークを使用するかが開発をスムーズに進められるかどうかのポイントの1つでもあります。Javaで使用できるフレームワークの種類は多く、それぞれ特徴も異なるため、Javaエンジニアの方にとってはどれを学習すれば良いか迷うこともあるでしょう。
この記事では、Javaフレームワークを活用したい方のために、フレームワークの基礎知識や、フレームワークを使うメリット・デメリットを解説し、おすすめのJavaフレームワークを5つピックアップして紹介します。
Javaフレームワークの知識があれば幅広い現場で活用でき、Javaエンジニアとしての市場価値を高めることにもつながります。ぜひ参考にして、Javaフレームワークについて学ぶ機会にしてみてください。
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フレームワークとはどんなもの?
ここでは、フレームワークがどのようなものなのかを解説していきます。また、ライブラリやIDEとの違い、 Javaフレームワークの需要やJavaを業務で使用するエンジニアの年収など、気になるポイントについて説明します。
フレームワークは開発の土台となる骨組みを提供する
フレームワークとは、システムやアプリケーション開発をするときに土台として使用できるソフトウェアのことです。
事前に記述された再利用可能なコードの集合体で、様々なシステム開発において共通して使用できるテンプレートとして動作します。
大規模なシステムやアプリケーションになると、膨大なプログラミングを行う必要がありますが、Javaフレームワークはその骨組みとなります。開発に必要なものがまとめて提供され、開発者はプログラミングのすべてをゼロから行う必要がなく、大幅にプログラミングの工数を減らすことができます。
ライブラリやIDEとの違いは?
フレームワークに似たものとしてライブラリやIDE(開発統合環境)があります。フレームワークのことを知るにあたって、その違いを把握しておくと理解が早まるでしょう。
■ライブラリ ライブラリは、クラスや関数といった汎用性の高いプログラムを1つにまとめた、プログラミングに使う部品のような役割で、それ単体では動作しません。Javaではクラスライブラリとも呼ばれます。
Java用のライブラリには、GUIアプリケーションを作成するのに便利なJavaFXや、画像処理を行うOpenCVなどがあります。
フレームワークと違うのは、ライブラリは機能を部品化したもので、プログラムや特定の処理の中で呼び出して使うという点です。フレームワークは、システム開発するために必要な機能が揃った骨組みが用意されており、追加のプログラムがなくてもアプリケーションとして動作します。
■IDE IDE(開発統合環境)は、コードディタやコンパイラ、リンカ、デバッガなどのシステム開発に必要なソフトウェアを組み合わせたものです。1つの画面で統一的な操作方法により、コーディングやコンパイル、テストなどを実施することができる開発環境を提供します。
Javaで使用されるIDEとして知られるものには、NetBeans・Eclipse・Oracle JDeveloperなどがあります。
フレームワークと違う点は、IDEは開発に必要なソフトウェアを集めて提供するものであるのに対し、フレームワークは開発を効率化するためのプログラムの骨組みであるということです。
Javaフレームワークの需要とは?
Javaは世界中で使われている実績のあるプログラミング言語です。大規模開発にも向いており企業の中枢システムなどにも使われる一方で、Web開発やAndroid向けアプリなどの開発にも多く採用されており、多様な開発分野でJavaが使用されています。
そのため、Javaフレームワークも高いニーズがあると言えます。Javaフレームワークの中でもよく使われるものについて知っておけば、今後もJava開発の現場で活躍していけることでしょう。
Javaを活用できるエンジニアの年収はどれくらい?
Javaを使用するエンジニアとして代表的な職種であるプログラマーの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は344万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、Javaエンジニアは一般平均年収よりもやや低めから高めであることが分かります。
Javaエンジニアはスキルや携わる案件によって大きく年収が異なります。様々なJavaフレームワークを用いて柔軟に対応できればエンジニアとしての市場価値が高まり、年収アップにつながります。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Javaフレームワークおすすめ5選
ここでは、多くの開発現場で使用されているものを中心として、おすすめのフレームワーク5選を一覧で紹介します。Javaによる開発を行うのであれば知っておきたいものばかりですので、事前に知識をつけておきましょう。
Spring Framework
Spring Frameworkはカバー範囲が広く、従来のアプリケーションにおける様々な問題を解決しているオープンソースアプリケーションフレームワークとして、多くの開発現場で使用されています。特徴的な機能として、DI(Dependency Injection:依存性注入)を備えています。
依存性注入とは、オブジェクトの成立に必要なコードを分離してプログラムの実行時に注入するものです。依存性のあるプログラムは外部から取り入れて、クラスの依存関係を解消できるため、コードを改修する場合にも最低限の変更で済むため、開発が楽になります。
どのフレームワークを勉強するか悩んだら、まずはこのSpring Frameworkを学習すると良いでしょう。ある程度の習熟期間は必要ですが、活用の機会も多いと考えられます。
多機能なSpring Frameworkの機能を使いやすくする、Spring bootというフレームワークもあります。こちらも学習すると、よりSpring Frameworkを活用できるでしょう。
【参考】:Spring Framework 【参考】:Spring Boot
Apache Wicket
Apache Wicketは、Apacheソフトウェア財団により開発されているオープンソースのJava Webアプリケーションフレームワークです。
Apache Wicketの大きな特徴は、画面上のラベルやテキストフィールドなどのすべてをJavaのオブジェクトとして扱い、ほぼJavaとHTMLだけでWebアプリケーションを作成することができることです。
基本的な設定ファイルはweb.xmlのみで、画面の作成もHTMLだけを使用しJSPなどの特別なファイルを使用しません。そのため、HTMLエディタで作成したデザインをそのまま使うことができます。
【参考】:Apache Wicket
Play Framework
Play Frameworkは、JavaとScaraの2つのプログラミング言語で使えるWEBアプリケーションフレームワークの1つで、Ruby on Railsからの影響を強く受けたフレームワークとして有名です。
CPUリソースやメモリ使用量が少なく軽量で、スピーディで柔軟性に優れていることが特徴のフレームワークです。
【参考】:Play Framework - Build Modern & Scalable Web Apps with Java and Scala
JSF(JavaServer Faces)
JSF(JavaServer Faces)は、Oracle社が開発・提供しているフレームワークです。ユーザーインターフェースを簡単に構築することができることが特徴です。企業向けのプラットフォームであるJakarta EE(旧 Java EE)の一部として取り込まれているため、新しくライブラリをプロジェクトに追加しなくても使うことができます。
JSFを使用することで、Webアプリケーションのユーザーインターフェースのデザインとビジネスロジックを分離して開発を進めることができ、機能別の分業などの効率が向上します。
【参考】:JavaServer Faces Technology
Spark Framework
Spark Frameworkは、RubyのSinatoraというフレームワークに影響を受けたフレームワークで、GitHubの統計でエンジニアからの高い人気を得ています。
Spark Frameworkはシンプルで軽量なJavaマイクロフレームワークで、スピーディな開発を行うことができます。機能は最小限に抑えられているため、大規模開発よりは、中小規模向けの開発に適していると言えます。
同じく「Spark」が名前に付く「Apache Spark」とは別のフレームワークであるため、混同しないようにしましょう。
【参考】:Spark Framework: An expressive web framework for Kotlin and Java
フレームワークを使うメリットとは?
フレームワークを使うメリットとはどのようなものなのか確認していきましょう。
開発の速度が向上する
テンプレートや再利用可能なクラス、ライブラリなどで構成されたフレームワークを使用することによって、多くのコーディングを削減することができます。これにより開発の速度が向上、開発期間の短縮にも繋がります。
バグやエラーを低減できる
フレームワークを使用すると、フレームワークを使わないで自力でコーディングするときに比べて、バグやエラーを減らすことができます。
フレームワークでは、すでに多くの人に使用されている機能をそのまま使用することができ、既知のバグはすでに解決されていることが多いです。そのため、それを再利用することによりバグを少なく抑えることができます。
多人数での開発がしやすい
Javaは対応できる幅が広い言語であり、コーディングするプログラマーによって書くコードの内容が大きく異なる場合があります。フレームワークを使用すれば、コードの統一性を保持することができ、多人数での開発が行いやすくなります。
特に、Javaによる大規模システム開発の現場などでは多くのプログラマーがコーディングするため、フレームワークを使用したコーディングの統一は、開発をスムーズに進めることを助けます。
そのため、大規模開発を含む様々な現場でその技術を活かせることが、主要なJavaフレームワークを習得することの大きなメリットの1つでしょう。
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フレームワークを使うデメリットとは?
フレームワークを使用すればスムーズな開発が可能ですが、デメリットと言える部分もあります。把握して使用することが大切です。
Javaプログラミングの理解が遅くなる場合がある
Javaフレームワークを使用することで、プログラミング言語を深く理解していなくても機能が実現できる場合があります。そのため、Javaというプログラミング言語の理解が充分にできず、なぜ動いているか分からないまま開発できてしまいます。
経験豊富なJavaエンジニアであれば問題なくJavaフレームワークを有効活用できますが、まだこれからJavaを学ぶ必要があるエンジニアはフレームワークに頼り切るのではなく、Javaの勉強をしっかりと行いながら利用することが重要です。
フレームワークの脆弱性を考慮する必要がある
フレームワークの中には脆弱性が発見されるものもあり、脆弱性を報告されたフレームワークを使用して開発されたシステムやソフトウェアには、セキュリティの問題を抱えてしまいます。フレームワークを利用する場合は、事前に脆弱性の報告の有無を確認して利用することをおすすめします。
Javaフレームワークを学んで自らのキャリアに活かそう
ここまで、フレームワークの基礎知識やメリット・デメリットを解説し、おすすめのJavaフレームワーク5選を紹介してきました。どのようなJavaフレームワークがあるかお分かりいただけたと思います。
Javaフレームワークを使えるように学習したら、携われる現場の幅も広がります。Javaエンジニアとしてのキャリアアップのために、習得した技術を活かせる職場へ転職することを検討するのも良いでしょう。
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