
システムエンジニアの仕事はやりがいがある?

ITエンジニアには様々な種類のエンジニアがいますが、知名度が高く人気のエンジニアといえば、システムエンジニアを思い浮かべる人が多いでしょう。男子高校生のなりたい職業ランキングでは2位にランクインするなど、若い世代の間でも注目度の高い職業です。※
一方で、SNSなどではシステムエンジニアの仕事は「やりがいがある」という肯定的な意見から「きつい」「苦労が多い」といった否定的な意見もあり、システムエンジニア志望の方は悩むところだと思います。
また、システムエンジニア人気は一過性のものだと考える人もいますが、IT人材の不足※2が深刻化しており、システムエンジニアの将来性は依然として高いと考えられます。
この記事では、システムエンジニアの仕事にはやりがいがあるのか、あるとすればどういった部分でやりがいを感じているのかについて見ていきます。
【参考】:※高校生のなりたい職業、女子・男子別の1位は?|マイナビニュース
システムエンジニアはきつくてもやりがいがある

一般的に「やりがい」とは充足感や達成感によって感じとることができます。それは、自分自身が十分に能力を発揮できたり、苦労が報われたりした時に得られます。
システムエンジニアは決して楽な仕事ではありません。システムの開発には乗り越えるべき幾つもの壁があり、納期や予算といったプレッシャーもあります。そのため、思うように仕事が進まない時には大きなストレスを感じ、「きつい」「つらい」と感じることがあります。
そうした逆風があるからこそ、乗り越えたときの充足感や達成感が大きなやりがいにつながるのだと考えられます。結論から延べると、システムエンジニアはやりがいのある職業であると言えます。その理由については後ほど詳しく紹介します。
システムエンジニアとは

システムエンジニアの主な役割は、クライアントのニーズや要望を汲み取り、クライアントの要求を満たせる最適なシステムを開発することです。ここでは、システムエンジニアの仕事内容と年収について見ていきましょう。
システムエンジニアの主な仕事内容
システムエンジニアの主な仕事はシステム開発です。システム開発現場において、主に要件定義から基本設計・詳細設計・テストなどの上流工程を担当し、開発プロジェクトやチームの予算・要員の管理・進捗管理なども行います。次項からは、主に開発工程を中心にシステムエンジニアの仕事について解説します。

1.要件定義
ユーザ(クライアント)の要求を直接ヒアリング、要求分析を行って、開発システムに盛り込む機能を決定する工程です。この要件定義フェーズで漏れがあると、開発工程の後半から大きな手戻りが発生し、納期遅延を招く原因となりますので、細心の注意が求められます。

2.基本設計
要件定義にもとづいて、要件を機能レベルに落とし込み、何を実現させるのか、操作方法やアウトプットまでの基本仕様や構成を決めていきます。
3.詳細設計
基本設計フェーズで定義された基本仕様や動作に従って、システムの詳細を定義していきます。具体的には、プログミングレベルの仕様書、指示書まで落とし込んでいきます。

4.プログラミング
プログラム仕様書などの詳細設計書に従って、プログラミングを行います。プログラミングは主にプログラマーが行いますが、スケジュール遅延が起こりそうな場合には、システムエンジニアがプログラミングを行ったり、単体デバッグを行ったりすることがあります。
5.単体テスト
作成したプログラムが、設計書や指示書通りに動作をするかどうかについて確認テストを行います。基本的にはプログラマーが行いますが、テスターやデバッガと呼ばれるテスト要員が行う場合もあります。
6.結合テスト・総合テスト
単体テストを通過したプログラム同士を連結させ、一連の流れを通すテストが結合テストです。結合テストでバグや不具合が発見された場合にはプログラム修正を行い、その後、総合テストで本番と同じ環境で、システム全体を通してテストを行います。

7.運用移行
総合テストを終えてシステムが完成したら、本番稼働に向けてシステム運用担当者に引継ぎを行います。運用に必要なドキュメント類が企業ごとに決まっているため、それぞれの定型フォームでドキュメント類は作成しておきます。
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システムエンジニアの年収
システムエンジニアの平均年収は、「マイナビエージェント職業別年収ランキング」によれば455万円です。経済産業省が2017年に発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(SE・プログラマ[ソフトウェア製品の開発・実装])によれば平均年収は約569万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、システムエンジニアは一般平均年収とほぼ同程度であることが分かります。マイナビエージェントの調査では、20代の平均年収は432万円となっていますが、30代の平均年収480万円は民間企業平均年収433万円を上回っています。
システムエンジニアのキャリアバスとしては、ITコンサルタント・プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー・クラウドエンジニア・セキュリティエンジニア・AIエンジニア・フルスタックエンジニアなど非常に多くの職種があり、キャリアアップによって年収も増加する可能性があります。
【参考】:システムエンジニア(制御・組み込み)|職種別平均年収ランキング【2020年版】│マイナビAGENT ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7)「SE・プログラマ[ソフトウェア製品の開発・実装]」 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
システムエンジニアがやりがいのある職種である理由

SNS上でシステムエンジニアをつらいと考える人には「納期厳守など大変なことが多い」「残業や休日出勤がある」といった声もある一方、やりがいを感じる人の声が少なからずあります。では、システムエンジニアの仕事にやりがい感じる理由はどこにあるのでしょうか?主なものを挙げていきます。
努力に見合った報酬が得られる
システムエンジニアは特に資格が必要な職業ではないため、ハードルはそれほど高くはありません。さらに、システムエンジニアの平均年収は民間給与の平均と比較すると高い傾向にあり、苦労や努力に見合うだけの報酬が得られます。
ものを作り上げる楽しさがある
システムエンジニアの仕事はシステムを作り上げることです。時には大きなプロジェクトを任され、企業に大きなインパクトを与えるような大規模システムの開発に携わることがあります。自分の能力・アイデア・努力によってシステムを作り上げていく楽しさは、システムエンジニアの大きなやりがいの1つです。
様々な業務や技術に関われる
システムエンジニアは様々な開発案件に携わります。勘定系のシステム開発に携わったかと思えば、情報分析系システムの開発に関わることもあります。対象業務は異なり、また用いる技術も異なります。様々な業務に接し、様々な技術を知ることで自身の成長にもつながります。
達成感を得られる
システム開発は納期に追われ、予算に縛られ、様々な制約の中で大変な努力が求められます。これらがプレッシャーやストレスの原因ですが、それらを乗り越えてシステムが完成した時には、プロジェクトメンバー全員で達成感を味わえます。この達成感がやりがいの理由の1つです。
クライアントに感謝される
人から感謝される仕事には、大きなやりがいがあります。システム開発では、クライアントの望むシステムを開発し、クライアントから高い評価を得たり、感謝されたりすることがあります。この評価や感謝の言葉に、システムエンジニアをやっていて良かったというやりがいを感じます。
未経験からシステムエンジニアになるには

システムエンジニアを目指すには、適性や資格を有し、明確なキャリアパスを描けていることが重要です。資格に関しては、IT関連の基本的な資格の取得、プログラミング資格の取得をおすすめします。

システムエンジニアに向いている人
システムエンジニアとして適性がある人、向いている人は以下のようなスキルを有する人です。スキルチェックを行い、不足するスキルは自ら強化を図るようにしましょう。
■ マネジメントスキル: 開発プロジェクトの工程管理や要員、予算の管理を行うためにマネジメントスキルが求められます。
■ 論理的思考力 システム開発の要件定義・設計・デバッグ・テストなど、あらゆる工程で論理的思考力が求められます。
■ コミュニケーション能力 システムエンジニアはクライアントからプロジェクトメンバー・関係エンジニア・ITベンダーなど、多くの人とコミュニケーションを行う必要があり、高いコミュニケーション能力が求められます。
■ 業務スキル 要件定義や設計では業務知識が欠かせません。IT未経験者でも業務経験は有効なスキルなので、積極的に業務スキルを身に付けておくとよいでしょう。

おすすめのIT関連資格3選
IT関係未経験の方がシステムエンジニアとして転職する場合は、ITスキルの証明となる資格の取得をおすすめします。資格手当制度を導入している企業、資格取得を昇格の条件にしている企業への転職は、取得した資格が入社に有利に働く可能性があります。
以下、IT未経験者に認知度が高くてスキル証明となる、おすすめの国家資格を3つ挙げます。「ITパスポート」<「基本情報技術者試験」<「情報セキュリティマネジメント試験」と難易度は上がっていきますので、段階を踏んで上位資格の取得に努めると良いでしょう。
■ ITパスポート試験(IP) 情報技術、情報処理の分野における基礎的な知識を問う試験です。資格取得者は一般企業においては、主にIT推進役としての活躍が期待されます。
【参考】:ITパスポート試験(IP)

■ 基本情報技術者試験(FE) 高度IT人材を目指す上で必要となるITに関する基本知識や技能を問う試験です。ITパスポートの上位視覚となる試験で、ITエンジニアとして主にシステム設計・開発・運用分野での活躍が期待されます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)

■ 情報セキュリティマネジメント試験(SG) 情報セキュリティを担える人材の育成を目的として誕生した資格試験です。ITパスポートの上位資格に当たる試験で、比較的取得しやすい資格です。
【参考】:情報セキュリティマネジメント試験(SG)
プログラミング知識を習得する
プログラマーはシステムエンジニアへの登竜門と言われています。プログラミングスキルがない方でも、システムエンジニアになっているケースはありますが、プログラミングスキルがあるとシステムエンジニアの仕事はしやすくなります。
それは、プログラムにバグと呼ばれる不具合が潜んでいる場合、プログラミングスキルを有するシステムエンジニアはバグの発見を早くできるからです。また、プログラミング経験があるシステムエンジニアはプログラマー目線で、プログラマーが理解しやすい仕様書の作成が行えます。
初めてプログラミングの勉強をする方には、データベース言語の「SQL」、もっともよく利用されている汎用言語の「Java」、シンプルな構文で覚えやすい「Python」などがあります。Web系を目指すなら、HTML・CSS・JavaScriptの3点セットは必須です。以下のような資格を取得するのもおすすめです。
【参考】:ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 【参考】:Javaプログラミング能力認定試験3級 【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 | Python試験 【参考】:ウェブデザイン技能検定(3級) 【参考】:Microsoft試験 98-382の概要(JavaScript)

出身学部は気にする必要はない
システムエンジニアは理系出身者の方が有利だと考える傾向がありますが、文系・理系は意識する必要はありません。システムエンジニアはコミュニケーション能力や文系の知識が求められるケースがありますので、文系出身だからといって気にせず、ぜひシステムエンジニアを目指してください。

明確なキャリアプランを描いておく
転職の際の面談では高確率で「あなたはキャリアパスを描いていますか」といった内容の質問を受けます。システムエンジニアを経験した後に、どのようなキャリアパスを目指すのか、必ず考えておきましょう。
システムエンジニアのキャリアパスとしては、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー、システムコンサルタントなどを挙げる人が多いでしょう。転職におけるキャリアパスで悩む方は、気軽に転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
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システムエンジニアとして転職に成功するには

ここまで、システムエンジニアの仕事内容・年収・やりがい・必要な資格やスキルなどについて解説しました。IT業界未経験の方にとって、システムエンジニアへの転職は不安がつきまとうでしょう。
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