未経験者がシステムエンジニアとして転職するのは可能？

AI・IoT・ビッグデータ・DXブームなどによって、ITエンジニアの需要が大きく増えています。そんな売り手市場を背景に、未経験からシステムエンジニアへの転職を希望される方が少なくありません。新卒や第二新卒に加え、30代や40代の方の転職希望者も増加しています。

はたして未経験からシステムエンジニアになるのは可能なのでしょうか？結論から言えば、可能性はあります。今やITは経営の4大資源の1つとなり、IT活用はあらゆる企業の課題になっています。

この結果、IT人材が絶対的に不足する状況が生まれ、未経験者を採用して自社で育成する動きが見られるようになりました。システムエンジニアの求人情報に「未経験者歓迎」の文字を見る機会が増えましたが、ここでは未経験者の方がシステムエンジニアになるための方法を紹介します。

【参考】：IT・エンジニアの職種図鑑：システムエンジニア（マイナビIT AGENT）

システムエンジニアになる鍵は強い意志と不断の努力

「未経験者歓迎」は必ずしも募集企業の本音ではありません。どの企業でも転職者採用では即戦力を期待していますが、人材の確保がままならない状況から、採用条件を緩めているのです。

システムエンジニアの養成には時間が掛かり、教育費用も必要です。そのため未経験者採用では、できるだけ将来性があると思われる有能な人材の発掘に努めます。

「システムエンジニアはきつい、辛い」と嘆く人たちの多くは、しっかりとした心構えを持たずに転職した人たちです。そうならないよう、自分はシステムエンジニアになって何を実現したいのか、明確な目標を抱き、自らの考えやアピールポイントを整理した上で面接に臨むようにしましょう。

システムエンジニアはやめとけと言われる理由7選！対応法も解説

未経験者のシステムエンジニア転職では「システムエンジニアとして必要な資質」に加えて「強い心構え」、「不断の努力」が欠かせません。

システムエンジニアの仕事を一言で表すと、顧客のニーズや要望に基づいて、彼らが必要とするシステムの開発を行うことです。

そのため顧客のニーズや要望を汲み取り、要件定義を行うところから仕事は始まります。確定した要件に従ってシステム仕様書を作成し、プログラマーにプログラミングを指示します。続いて、単体テスト・結合テスト・総合テスト・運用移行を経てシステムを稼働させます。

システムエンジニアは要件定義・基本設計・詳細設計・プログラミング・単体テスト・総合テスト・運用、保守のほぼすべての「システム開発工程」※に関与し、仕事の幅が広い点が特徴です。

※「システム開発工程」

1.要件定義： ユーザーやクライアントの要求を分析し、これから開発するシステムにどのような機能や要素を盛り込むのかを決める工程です。

2.基本設計： 要件定義の内容をもとに要件を機能単位に分割し、各機能が「何を実現するのか」を決める工程です。

3.詳細設計： 基本設計で決めた動きや機能をどのように実現するかについて決める工程です。

＜以上、システムエンジニアが担当します。＞

4.プログラミング： 詳細設計に従って、動きや機能を実現するためのプログラムを作成します。

5.単体テスト： 作成したプログラムが設計書通りの動きをするのかについて確認を行います。

＜以上、プログラマーが担当します。＞

6.結合テスト・総合テスト： 単体テストを行ったプログラムを繋いで連続して行うテストが結合テストです。総合テストはさらに大規模なテストで、システム全体を通して行うテストです。

 ＜以上、システムエンジニアとプログラマーが共同で担当します。＞

7.運用移行： 完成したシステムの本番稼働を行うに際し、システムエンジニアからシステム運用担当者にシステムの引継ぎを行う工程です。

システムエンジニアに必要なスキルとしては、以下のものが挙げられます。

▪ITスキル

▪マネジメントスキル

▪論理的思考能力

▪コミュニケーション能力

▪業務スキル

これらのスキルは意識を高め、訓練することによってさらに高めることが可能です。システムエンジニアへの転職を目指す方はこれらのスキルを習得し、スキルアップを図っておくことをおすすめします。

システムエンジニア（SE）とは？仕事内容や年収、必要スキルを解説！

システムエンジニアの仕事の範囲は、システム開発から運用・システム管理など、IT関連のほぼ全てです。年収については求人情報サイト「マイナビAGENT」の調査によると、システムエンジニア（プログラマーを含む）の平均年収は431万円と、他のIT職種と比較してやや低めです。

これは数字に含まれるプログラマーの平均年齢が低いことが原因として想定され、システムエンジニアだけに限れば、この数字よりは高いと考えられます。

▪システムエンジニア年収：431万円

【参考】：※IT・エンジニアの職種図鑑　システムエンジニア（マイナビAGENT）

未経験からシステムエンジニアになる方法

未経験からシステムエンジニアに転職するには、アピールできるスキルが必要です。プログラミング知識とIT関連資格の取得は転職活動において大きな武器となるはずです。

プログラマーはシステムエンジニアの登竜門とも言われます。システムエンジニアは時にはプログラム仕様書を作成したり、プログラマーをマネジメントしたりします。

プログラミングが分かるエンジニアはシステム開発で主導的役割を果たせ、プログラマーからも信頼されます。

プログラミングのバグ（不具合）を見つける能力は、システム開発において大きな力となります。未経験者でもプログラミングを覚えることは可能です。システムエンジニアへの転職を決意したら、ぜひプログラミングの勉強をしておきましょう。

おすすめの言語としては、データベースを扱う際に必要な「SQL」、汎用言語の「Java」、覚えやすく人気の「Python」などがあります。

未経験からシステムエンジニアを目指すには、客観的なスキル証明となるIT関連の資格を有していると有利です。

また企業によっては、資格手当を支給し、昇給や昇格の条件にしているところもあります。初心者向けのおすすめの国家資格を以下に挙げておきますので、ぜひ自身のレベルに合わせてチャレンジしてください。

情報処理技術者試験を主催するIPAが定義している難易度（レベル1〜4）の中で、ITパスポートはレベル1、情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験はレベル2です。ITパスポートは一般常識程度のレベルですので、アピール度はやや低いと考えてください。

【参考】：ITパスポート試験（IP）

【参考】：情報セキュリティマネジメント試験（SG）

【参考】：基本情報技術者試験（FE）

システムエンジニアがキャリアアップするのにおすすめの資格を解説！

未経験者からのシステムエンジニア採用では、豊富な業務知識や経験が評価されることがあります。例えば、流通系のシステム開発を主に行っているITベンダーであれば、流通業の業務知識や経験があると優遇される場合があります。

それは要求分析や要件定義フェイズにおいて業務知識が大いに役立つからです。自身に得意な業務分野があれば、そこはしっかりアピールするべきです。

システムエンジニアは「理系出身の男性」というイメージがありますが、これは大きな誤解です。システムエンジニアはコミュニケーション能力が求められます。

ユーザーやクライアントのニーズを聞き取り、システム化の要件を定義したり、プロジェクトメンバーとのやり取りを密にしたり、さまざまな局面でコミュニケーションスキルを問われます。

理系出身者にはコミュニケーションに苦手意識を持つ人も少なくありません。

こうしたコミュニケーションの部分で、文系出身者や女性が力を発揮できることもあります。文系出身者や女性の方は気後れせず、自信を持ってシステムエンジニアを目指してください。

【参考】：文系だってSE（システムエンジニア）になれる！IT業界で活躍する方法とは（マイナビAGENT）

システムエンジニアは文系者が向いている？理由やキャリアパスを解説！

ここまで、未経験からシステムエンジニアになる方法について述べてきました。文系出身者や性別を問わず、未経験からでもシステムエンジニアになることは可能です。しかし、年齢的に40代以上の未経験者のシステムエンジニア転職は難易度が高いと考えてください。それは以下の理由からです。

▪システムエンジニアは時に深夜残業などがあり体力が要求される。

▪常に新しい技術が求められ、知識の吸収力があり、柔軟性が求められる。

▪40代以上はマネジメント職として期待される。

以上のことから、40代以上の未経験者を対象としたシステムエンジニアの求人は少ないと考えてください。

システムエンジニアに転職するメリット

システムエンジニア職には次のようなメリットがあります。自身がどのメリットを求めて転職をしたいのか、自身の目的を明確にしておきましょう。

システムエンジニアの主な仕事は「システムを作る」ことです。ユーザーやクライアントが抱える課題に対し、システムによってそれらを解決、実現することです。

このシステム開発のプロセスは時に困難を伴いますが、システムが完成し、ユーザーやクライアントから感謝や賞賛の言葉を得た時の喜びはひとしおです。この「やりがい」や「達成感」はシステムエンジニアになるメリットの1つです。

システムエンジニアほどキャリアプランが豊富なIT職種は他にありません。システムエンジニアの志望動機として、これを挙げる方も少なくありません。

システムエンジニアのキャリアプランには、プロジェクトマネージャーやシステムコンサルタント、セキュリティエンジニア、AIエンジニア、データサイエンティストなどのスペシャリストに加え、マネジメント職を目指すキャリアプランもあります。

システムエンジニアは業務範囲が広く、フリーランスとして独立しやすい職種です。プログラマーやデータベースエンジニアなど、ITエンジニアの仲間や人脈があれば、小規模な開発案件を一括して請け負うことも可能です。将来フリーランスとして独立を目指したい方には適した職種と言えます。

【参考】：マイナビIT エージェント

システムエンジニアの転職先選びが転職成功の鍵

ここまで、「未経験からシステムエンジニアへの転職」について探るとともに、システムエンジニアの仕事や役割、必要なスキル、年収などについて解説をしてきました。

未経験者のシステムエンジニア転職は決して生易しいものではありませんが、強い意志と不断の努力によって勝ち取ることは可能です。そして大切なことは、未経験者を積極採用し、社内でシステムエンジニアを育成できる企業を見つけることです。

そのためには未経験者のシステムエンジニア転職に関するノウハウ、募集企業とのコネクション、情報量の多さが転職成功の鍵となります。

システムエンジニアに転職するには

システムエンジニア転職への不安を払拭し、未経験からのシステムエンジニア転職を成功させるには、企業選びが重要だと分かりました。

数も限られ、企業によって求める人物像が異なるシステムエンジニアの求人から、あなたにピッタリな求人を探すのは大変でしょう。

そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。

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未経験からのキャリアチェンジは心身ともに本当に大変だと思います。少しでもご自身の負担を減らすべく、エージェントサービスを活用して、失敗のない転職活動に臨んでいただければ幸いです。