SQLとは?概要・できること・プログラミング言語との違いを解説
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SQLとは?概要・できること・プログラミング言語との違いを解説
アンドエンジニア編集部
2024.01.30
この記事でわかること
SQLとはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)を操作するためのデータベース言語
SQLはプログラミング言語ではなくデータベース言語
SQLは国際標準化機構 (ISO)によって標準化されているため汎用性が高い

SQLとは

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SQLとは、リレーショナルデータベース管理システムのデータの操作や定義を行うためのデータベース言語です。特にデータベースを扱うデータベースエンジニアにとっては、SQLのスキルは習得すべきでしょう。

ビッグデータというトレンド用語もあるように、データベースを使いこなせるエンジニアの需要は年々増加傾向にあります。経済産業省が公表している資料によると、今後ITの人材不足がさらに深刻化し、2030年には約79万人のIT人材不足が予想されています。

その中でも、セキュリティスキルを持つ人材やAI・ビッグデータを使いこなせる人材が必要とされています。このことから、データとセキュリティの知識を持っているデータベースエンジニアは将来性があると言えるでしょう。

ここでは、そんなデータベースエンジニアに必要なスキルの1つであるSQLの概要やデータベースについて初心者の方でもわかるように詳しく紹介します。

【参考】:IT分野について経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課

SQLの概要

SQLはRDBMSを操作するためのデータベース言語です。RDBMSとはリレーショナルデータベース管理システムのことで、主にデータベースへのデータ入力・更新・削除をする際に用いられます。

データベースの中には、数百万件ものデータが保存されていることもあるため、SQLを使用することで効率よくデータベースを使いこなすことができます。

また、SQLは国際標準化機構 (ISO)によって、国際的に標準化されているデータベース言語のため、さまざまなデータベースで利用できる汎用性があります。データベース製品によって異なる部分はありますが、一般的な仕様はどのデータベースでも同じです。

例えば「Oracle Database」「MySQL」「PostgreSQL」「Microsoft SQL Server」などよく実務現場で使用されるデータベースでは、SQLを利用できます。以上のことからSQLは汎用性が高く、さまざまなデータベースに関する操作を行うことができると言えるでしょう。

【参考】:Oracle Databases-公式

【参考】:MySQL-公式

【参考】:PostgreSQL-公式

【参考】:Microsoft SQL Server-公式

SQLの入門編:初心者から経験者まで役立つSQL情報を掲載!

SQLでできること・できないこと

SQLでは何ができるのでしょうか。例えば、データの検索・挿入・更新・削除や、テーブルの作成・更新・削除、テーブルの主キーの設定、ユーザー権限の付与などができます。SQL文の種類・使い方を覚えると、データベースにあるデータを効率良く活用できます。

なおSQLはプログラミング言語ではないため、SQLのみでシステムを作成することはできません。システムを作成する場合は、Java・C・PHPといったプログラミング言語と組み合わせる必要があります。

SQLでできることとは?SQLの活用例や就ける仕事を解説!

データベースとは

データベースとは、決まった形式で整理されたデータの集まりを指します。データベースは大量にあるデータを管理しやすくしたもので、コンピュータ上で整理されたデータ群です。

例えば、顧客情報を「名前」「年齢」「住所」「電話番号」などの項目ごとに整理したり、商品情報を「商品コード」を利用して、一意に分類したりしたものがデータベースです。

データベースはデータを1つの領域に集めたものですが、それだけではデータベースとは呼べません。データベースの役割や目的は、集積したデータの抽出・更新・検索・共有などが簡単にできるようにすることです。

そのため、データベースを利用すると必要なデータを容易に取り出すことができます。実際の現場では、大量のデータを編集し分析に活かしたり、複数人でデータベースを同時に編集したりすることも多いです。

また、データベースは主に「階層型データベース」「ネットワーク型データベース」「リレーショナルデータベース(RDB)」の3つに分類されます。階層型データベースでは、ツリー状にデータを関連付けて保存します。

ルートが限定されるため、データ検索が速いのがメリットです。ネットワーク型データベースでは、関連のあるデータを結び付けて保存します。データの重複登録を防ぐことができるのがメリットです。

リレーショナルデータベースとはRDBとも呼ばれ、表形式でデータを管理する種類のデータベースです。柔軟性があり、現在最も主流のデータベースといえます。

データベースとは?今更聞けないその内容をITエンジニアとして改めて学ぶ

SQLが使えるデータベース

SQLが使えるデータベースには、「Oracle Database」「MySQL」「PostgreSQL」「Microsoft SQL Server」などがあります。データベースによってSQL文の細かい部分は異なりますが、共通している部分もあります。

「Oracle Database」と「MySQL」はオープンソースデータベースで、「PostgreSQL」は無償版と有償版があります。「Microsoft SQL Server」はWindows製品のため、Windows Serverと一緒に使う場合に相性が良いです。

SQLのメリット

SQLを習得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、開発できるシステムの幅が広くなり、活躍の場が増えるという点があります。特に業務系システムの開発ではデータベースの知識が必須のため、SQLスキルはプログラマーとして活躍するために重要です。

また、サーバ・ネットワークなどの管理をするインフラエンジニアにとっても、SQLスキルは重要です。SQLを利用することによって、データベースの構築・サーバの運用やメンテナンス作業の幅が広がり、さまざまなシステムのインフラに携わることができます。

データベース言語とプログラミング言語の違い

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SQLはプログラミング言語ではなく、「データベース言語」です。実務経験者でも間違えることがあるため注意しましょう。ここでは、データベース言語とプログラミング言語の違いについて詳しく紹介します。

プログラミング言語

プログラミング言語とは、コンピュータ言語のうち、コンピュータプログラムを記述するための形式言語のことです。プログラミング言語は手続き型の言語であり、プログラムを作成するときに使用します。

つまり、コンピュータに対してどのような処理を行うかを、プログラミング言語を使用してソースコードとして記述します。プログラミング言語はデータベース言語と比較すると複雑で、種類もさまざまなものがあります。

プログラミング言語の種類には、HTML・CSS・JavaScript・Java・PHP・Python・COBOLなどがあります。それぞれのプログラミング言語には長所と短所があり、目的に応じて使い分けます。

大規模なシステムを構築する場合にはJavaを使用したり、Webサイトを制作する場合にはHTML・CSS・JavaScriptを使用したりします。

データベース言語

データベース言語とは、データベース管理システムに対する処理を命令する制御言語であり、非手続き型言語とも言います。データベース言語は、データを管理してユーザーが指定した条件と一致するデータの検索・抽出などをするための言語で、それ以上の機能はありません。

そのためシンプルなのが特徴で、プログラミング言語と比較すると文法や仕様は全く異なります。SQLでは一般的に、1文ごとに結果を要求します。データベースに対する操作を記述した文を入力すると、その命令が実行されるという方式です。

この仕組みは対話型と呼ばれます。データベースに対して複雑な操作を行いたい場合は、プログラミング言語で記述したソースコードの中にSQLの文を埋め込むことも可能です。この仕組みは埋め込み型と呼ばれます。

SQLの種類

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ここでは、SQLを使用してデータベースを操作する際に、よく使用する3つの言語について詳しく紹介します。

データ操作言語(Data Manipulation Language)

データ操作言語は「DML」と略称で呼ばれることも多く、データベースに対してデータの挿入・更新・削除などを行う命令文のことです。

DMLで使用される命令文には「SELECT(データの検索)」「INSERT(データの追加)」「UPDATE(データの更新)」「DELETE(データの削除)」があります。DMLはSQLを使用して命令文を記述する際に利用することが多いです。

データ定義言語(Data Definition Language)

データ定義言語とは「DDL」と略称で呼ばれることも多く、テーブルを作成・削除したり、設定を変えたりするための命令文のことです。

DDLで使用される命令文として「CREATE(テーブルの作成)」「ALTER(テーブルの設定変更)」「DROP(テーブルの削除)」「TRUNCATE(テーブルデータの削除)」があります。

データベースを管理するにあたって、DDLを覚えるのは重要です。「TRUNCATE」はDMLの「DELETE」と似ていてデータ削除を行う命令ですが、テーブル内の全てのデータを削除します。DMLとDDLの違いに気を付けながら学習することが大切です。

データ制御言語(Data Control Language)

データ制御言語とは「DCL」と略称で呼ばれることも多く、データ操作言語やデータ定義言語の使用を制御するための命令文のことです。DCLで使用される命令文として、「GRANT(権限の付与)」「REVOKE(権限の剥奪)」があります。

こちらもデータベース管理者にとって、DCLを覚えるのは重要です。DCLを利用すれば、ユーザー単位やテーブル単位でのデータ操作を制限できます。

例えば、部長Aにはテーブルの中にデータを追加する権限を与えるが、従業員Bにはテーブルの中のデータを検索する権限しか与えないといったことが可能です。

データベースエンジニアを目指すならSQLスキルを身に付けよう!

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これまでに、SQLやデータベースの概要・SQLでできること・プログラミング言語とデータベース言語の違いなどについて解説しました。SQLとは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)を操作するためのデータベース言語です。

プログラミング言語とデータベース言語は全く異なります。SQLはプログラミング言語ではないという点に注意しましょう。また、SQLは、国際標準化機構 (ISO)によって標準化されているデータベース言語であるため、汎用性があります。

データベースエンジニアになった場合さまざまなデータベース製品を扱いますが、実務で使用するデータベース製品の多くではSQLを使用することが可能です。そのため、データベースエンジニアを目指すなら、まずSQLのスキルを習得することをおすすめします。

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