プログラミング言語とは?
システム開発にはプログラミング言語の存在が欠かせませんが、そもそもプログラミング言語とはどういったものなのでしょうか?
ここでは、プログラミング言語とは何かについて解説していきます。プログラミング言語は何のために使い、どのようなものを作れるのかについて説明します。
プログラミング言語はコンピュータに命令するための言語
プログラミング言語とは、簡単に言うと「コンピュータに命令するための言語」のことです。コンピューターは「1」と「0」で構成された「機械語」と呼ばれる数字しか読み取ることができません。しかし、「1」と「0」で構成された機械語は人間にとってはわかりにくく、理解できるものではありません。
そこで、プログラミング言語を使って命令を記述し、それを機械語に翻訳することでコンピュータに命令を出すという方法をとります。プログラミング言語から機械語への翻訳は、「コンパイラ」と呼ばれる機械が自動的に行ってくれるため、人間はプログラミング言語を覚えるだけで済みます。
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プログラミング言語には文法がある
プログラミング言語には文法があり、決められた規則に則って書く必要があります。プログラミング言語の文法を覚えるには、ある程度の学習時間を要します。
また、プログラミング言語にはいくつかの種類があり、それぞれ文法が異なります。言語によって文法が簡単なものもあれば難しいものもあります。最近のプログラミング言語は学習がしやすいように、文法が簡単なものが多い傾向にあります。
プログラミング言語によって開発できるものが異なる
プログラミング言語には、PHP・Java・Cなどの種類がありますが、それぞれ開発できるジャンルが異なります。たとえばPHPはWebアプリ開発において多く使われます。
プログラミング言語は種類によって文法だけでなく、処理速度の速さや使える機能、セキュリティ面の強さなども異なります。そのため、それぞれの開発分野で向いている言語・向いていない言語があるので、その都度適切な言語を選択する必要があります。
実務で使われるプログラミング言語は限定されている
プログラミング言語は200種類以上ありますが、システム会社で実際に使われているものはそこまで多くありません。言語の中には実務で使いやすいもの・使いにくいものがあるためです。
また、プログラミング言語には流行り・廃りがあります。昔は頻繁に使われていた言語でも、上位互換の言語の登場などによってほとんど使われなくなることがあります。たとえば、iPhoneアプリ開発ではObjective-Cが使われることが多かったですが、最近ではSwiftの人気が高くなってきています。
そのため、プログラミング言語を習得して収入を得たい場合は、実務でどのような言語が使われているのか、今後流行る言語は何かを調べる必要があるでしょう。
代表的なプログラミング言語一覧
プログラミング言語の中でも実務で多く使われているものを10個まとめました。
- C
- C++
- C#
- Java
- PHP
- Python
- Ruby
- JavaScript
- Swift
- Kotlin
これらの言語は機能面や利便性が高く評価されています。なお、HTMLはマークアップ言語と呼ばれており、プログラミング言語には含まないことが一般的です。
プログラマーの年収
これらプログラミング言語を使ってプログラミングを行うのが「プログラマー」です。システムエンジニアが作成した仕様書や設計書に基づいてプログラミングを行い、システムやソフトウェアなどを作ります。プログラミングとテスト・修正を繰り返しながら、製品を作り上げていきます。
IT化の加速に伴い需要が増しているプログラマーですが、年収はどのくらいなのでしょうか。プログラマーの年収は、「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は344万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、マイナビ調査でのプログラマーの年収は一般平均年収よりもやや低め、経済産業省の調査結果ではやや高めであることが分かります。
一般的に、プログラマーはエンジニアが一番最初に就く職種です。スキルや経験値を上げることで上位職のシステムエンジニア、さらに上位のプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーに昇格することができます。
あるいは、特定分野のスペシャリストとして「エキスパート系プログラマー」を目指すこともできます。このようにスキルアップと経験を積み重ねることによって年収も上げることができます。
また、一口にプログラマーと言っても活躍する分野や使用する言語は様々です。どのような分野(企業)でどのような製品に携わるかによって年収にも違いが出てきます。需要の高さなども考慮しながら言語を習得することで、安定した収入を得ることができるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
プログラミング言語の種類
続いて、プログラミング言語の種類について解説します。各開発分野ごとにどのような言語が使われるかについてまとめました。これから学ぶ言語を選ぶ方は参考にしてください。
Webアプリ向け言語
Webアプリ開発で使われる言語は、PHP・Python・Ruby・JavaScriptなどです。WebアプリとはECサイトやSNS、掲示板などブラウザ上で使えるアプリのことであり、スマホの普及により需要が高まっている開発分野でもあります。
Webアプリは、ユーザーの要望や流行に従ってスピーディーに改良を行う必要があります。そのため、PHPなど文法が分かりやすくて改良がしやすい言語が使われることが多いです。
また、Webアプリ開発は大きく分けてフロントエンド開発とバックエンド開発に分けられます。フロントエンド開発ではJavaScriptが使われ、バックエンド開発ではPHP・Python・Rubyのいずれかが使われることが多いです。
スマホアプリ向け言語
スマホアプリ開発で使われる言語は、Kotlin・Java・Swift・Objective-Cなどです。スマホアプリとは、スマホにダウンロードして使うアプリのことであり、スマホで使えるゲームや位置情報アプリなどが該当します。
スマホにはAndroidとiPhoneの2種類があり、それぞれのアプリ開発で使われる言語は異なります。Androidアプリの開発にはKotlinかJava、iPhoneアプリの開発にはSwiftかObjective-Cが使われることが多いです。最近では学習コストが少なかったり、エラーが出にくい構造だったりすることから、KotlilnとSwiftが使われることが増えています。
社内システム向け言語
社内システム開発で使われる言語は、Java・COBOLなどです。社内システムとは企業の人が業務で使うシステムのことであり、顧客管理システムや販売管理システムなどが該当します。
特にJavaは社内システム開発で多く使われており、高いシェア率を獲得しています。Javaはプログラムをわかりやすく表現できる「オブジェクト指向」で書くことができ、大規模なシステムでもソースコードの修正が容易である点がメリットです。
社内システムの中でも、汎用機を用いて基幹システムを構築する場合はCOBOLが多く使われています。COBOLは数値計算に強みをもっており、1つのミスも許されないシステムの開発に適しています。
組み込み系ソフト向け言語
組み込み系ソフト開発で使われる言語はCなどです。組み込み系ソフトとは、家電製品や車のカーナビなどに組み込まれるコンピュータのことを言います。昨今ではIoT製品の流行もあり、注目されている技術分野の1つです。
カーナビなどのコンピュータは高速で処理を行う必要があるため、処理速度が速いC言語が使われることが多いです。また、C言語は処理が高速なだけでなく、CPU・メモリを効率的に活用するプログラムを作りやすいというメリットがあります。
ゲーム向け言語
ゲーム開発で使われる言語は、C#・JavaScriptなどです。Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム機のソフト開発でも安定して需要があります。ゲームを開発する場合、キャラクターの挙動やストーリーの進行などすべてをプログラムで書く必要があります。
ゲーム開発ではUnityという開発プラットフォームが使われることが多いです。Unityは3Dゲームの開発を手軽に行えるのですが、扱える言語が限られています。Unityで扱える言語の中でも人気が高いのが、C#とJavaScriptです。
【参考】:Unity のリアルタイム開発プラットフォーム | 3D/2D、VR/AR のエンジン
人工知能向け言語
人工知能開発でよく使われる言語はPython・Rです。機械学習やディープラーニングによって、レコメンド機能の実装やデータ分析などを行うことができます。人工知能が発達すれば人々の生活や働き方が大きく変わると言われており、トップクラスに注目されている技術分野の1つです。
PythonやRには人工知能開発で使えるライブラリが豊富にあります。ライブラリとは、よく使うプログラムがあらかじめひとまとめになったもののことであり、ライブラリを使えば自分で1つずつコードを書かなくて良くなります。
人工知能開発では一見複雑な処理を書く必要があるように思えますが、ライブラリを使えば複雑な処理を書く手間が省けるため、開発ハードルが大きく下がります。
プログラミング言語の選択方法
最後に、プログラミング言語の選択方法について解説します。どのような基準で最初に学ぶプログラミング言語を決めるべきなのか、そのポイントをまとめました。
作りたいもので選ぶ
1つ目は、作りたいもので選ぶ方法です。ここまで解説した通り、プログラミング言語によって作れるものは異なります。自分が作りたいものにはどのプログラミング言語が使われているかを調べ、その言語を中心に勉強していくようにしましょう。
開発分野によっては、複数のプログラミング言語を覚えなくてはいけないこともあります。たとえばWebアプリ開発の場合、JavaScriptに加えてPHP・Python・Rubyのいずれかを覚えることで、バックエンドとフロントエンドの両方の開発を行えるようになります。
習得難易度で選ぶ
2つ目は、習得難易度で選ぶ方法です。プログラミング言語は種類によって習得のしやすさが異なります。たとえば、PHPやPythonなど「スクリプト言語」と呼ばれる種類は習得しやすい言語と言われています。一方で、C言語には「ポインタ」と呼ばれる概念があり、コンピュータの内部的処理まで理解する必要があるため習得が難しいと言われています。
需要・将来性で選ぶ
3つ目は、需要・将来性で選ぶ方法です。プログラミング言語には流行り・廃りがあります。プログラミング言語を学んで収入を得たい場合、需要が高い言語を選択する方が良いでしょう。
たとえば、Pythonは機械学習やデータ解析など流行りの技術分野で多く使われており、将来性が高いと言われています。また、C言語やJavaは昔から安定して需要があります。
「TIOBE Software」という海外企業がプログラミング言語検索数ランキングを毎年公開しています。こういった情報も参考に、どのような言語が需要・将来性があるのか調べてみると良いでしょう。
需要や将来性の高いプログラミング言語を習得すれば、プログラミングスキルを仕事で活かすチャンスも高まります。企業選びの際には、スキルや経験に合わせてサポートしてくれる転職エージェントをぜひご利用ください。
【参考】:index | TIOBE - The Software Quality Company
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プログラミング言語の学習方法
プログラミング言語の学習方法は大きく分けて2つあります。学習サイトや参考書などを活用しながら習得する方法と、スクールなどに通う、つまり教えてくれる先生がいる環境で学ぶ方法です。
学習サイトや参考書を活用する
参考書を活用した学習方法では、自分のペースで学習を進められます。一般的にスクールではカリキュラムや学習期間が決められていますし、学習サイトでも期限が設けられている場合があります。
学習サイトについては、たくさんの種類があるので選択肢は豊富です。料金やコース・カリキュラム、扱う言語はそれぞれ異なります。無料で利用できるものもあるので、初心者の方はまず無料のコースを試してみるのも良いかもしれません。参考書も併用すれば知識が深まるでしょう。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールの魅力は、わからない所はすぐに質問でき教えてもらえること、そしてサポート体制が充実していることです。プログラミング習得後の就職・転職までサポートしてくれるところが多いです。オンラインスクールも多くあります。
独学では、わからない箇所から進むことができず挫折してしまう人もいます。先生が教えてくれるという環境ではそのような心配はありません。また、一緒に勉強する仲間ができればモチベーションも上がるでしょう。
まずはどれか1つのプログラミング言語を勉強してみよう
本記事ではプログラミング言語とは何かについて解説しました。プログラミング言語によって何ができるのか、どのような種類があるのかなどお分かりいただけたかと思います。
プログラミング言語は用途によってさまざまな種類があります。1度に複数のプログラミング言語を覚えるのは難しいので、まずはどれか1つを覚えることをおすすめします。どれか1つのプログラミング言語を覚えれば、他の言語もスムーズに習得できるようになるでしょう。
プログラマーは未経験からでも目指せる職種です。プログラミングを習得してそれを仕事にしたいと考えるなら、未経験でも安心な転職エージェントの利用をおすすめします。
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