R言語とは?特徴やできること、Pythonとの違いを解説!
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R言語とは?特徴やできること、Pythonとの違いを解説!
アンドエンジニア編集部
2022.08.17
この記事でわかること
R言語は統計解析に強みを持つインタプリタ型のプログラミング言語
R言語を使用すれば統計解析・テキストマイニング・グラフ作成・t検定・ベイズ統計ができる
R言語とPythonのプログラミング言語の大きな違いは汎用性

R言語とは

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R言語とは、統計解析に強みを持つインタプリタ型言語のプログラミング言語です。インタプリタ型言語とは、人間がプログラミング言語で記載したソースコードを、コンピュータが理解できる機械語の形式へと逐次に翻訳しながら、プログラムを実行するプログラミング言語のことです。

例えば、Perl・PHP・Ruby・Python・BASIC・Lisp・JavaScriptなどもインタプリタ型のプログラミング言語です。また、R言語はオープンソースのプログラミング言語であるため、誰でも利用できます。以降で、R言語の特徴について詳しく紹介します。

【参考】:R言語-公式サイト

R言語入門!概要や基礎、正規分布のグラフの作成方法について解説!

統計解析に特化している

これまでにも説明しましたが、R言語は統計解析に特化したプログラミング言語であり、統計解析のためのライブラリや機能が多いことが特徴です。データ解析を行いグラフを出力するなどの機能に優れているため、さまざまなグラフを出力するプログラムを簡単に作成できます。

AIの発展により注目を浴びている

R言語は機械学習の分野でも使用されることが多く、生命科学の分野に特化したパッケージもよく利用されています。近年では少子高齢化の影響もあり、働き手不足からAIが注目を集めています。

特に機械学習はAIと密接な関係があるため、ビッグデータの解析をする企業もR言語を採用しています。以上のことから、R言語は年々学習する人が増加傾向にあるプログラミング言語の1つです。

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R言語の使い方

ここでは、R言語をパソコンにインストールして使用するまでの流れを説明します。まず、R言語の公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールします。次に、R言語の統合開発環境であるRStudioをインストールします。

R言語はコンソール上でも利用可能ですが、RStudioを使うとより効率的です。RStudioの画面は4つに分かれており、スクリプトファイル、変数、コンソール、ファイルや実行結果の確認などができます。

【参考】:R言語ダウンロード-公式サイト

【参考】:RStudiorダウンロード-公式サイト

R言語でできること

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R言語は統計解析やグラフィックの分野に強みを持っています。統計解析を行う際に、簡単なソースコードで複雑な統計の計算が実施できるパッケージも充実しています。ここでは、R言語を使用してできることついて詳しく紹介します。

統計解析

R言語は統計解析用のプログラミング言語として開発が行われました。そのため、統計解析に非常に強みを持っています。R言語を利用するための統合開発環境として、RStudioもあります。

ライブラリは、最先端技術やアルゴリズムなどの研究成果から公表されることも少なくありません。ライブラリに頼らなくてもデータ分析できる機能が最初から備わっている点も、R言語の特徴と言えます。

テキストマイニング

R言語では「MeCab」と「RMeCab」を使用して形態素解析を行い、テキストマイニングを行うことができます。テキストマイニングとは、社内に蓄積している膨大なテキストデータを自然言語処理を活用して分析し、有益なデータを抽出することです。

R言語ではテキストデータから頻出語の抽出・ワードクラウド作成・単語の共起ネットワーク分析などを行うことができます。また、テキストマイニングソフトウェア「KH Coder」の一部にもR言語のソースコードが使用されています。

【参考】:MeCab-公式サイト

【参考】:RMeCab-公式サイト

【参考】:KH Coder-公式サイト

グラフの作成

R言語では、統計分析する際に用いられるグラフを比較的簡単に出力することができます。例えば「hist(data)」というソースコードのみで、ヒストグラムの作成が可能です。他にも「plot(x,y)」というソースコードを使用するだけで、散布図を作成できます。

t検定

t検定とは、帰無仮説が正しいと仮定する場合に、統計量がt分布に従うことを活用する統計学的検定法の総称のことです。R言語では、2つの群における平均値の差のt検定は「t.test(group1, group2, var.equal=TRUE)」という簡単なソースコードで実行できます。

また、t検定の実行結果の数値を活用して、95%信頼区間のグラフ作成を行うことも可能です。

ベイズ統計

R言語には、統計解析のライブラリだけではなくベイズ統計のライブラリも充実しています。ベイズ推定では、マルコフ連鎖モンテカルロ法を利用することがよくあります。R言語ではマルコフ連鎖モンテカルロ法を実行できます。

例えば「bayesAB」というライブラリを利用すると、ABテストをベイズ統計手法で実施できます。ABテストの結果分析はベイズ統計のほうが理解しやすいためおすすめです。他にもt検定のベイズ統計版パッケージなどもあり、ベイズ統計版の統計処理をR言語を使用して実行できます。

統計学の勉強ツール

R言語は統計解析に優れているため、統計学の勉強ツールとして利用できます。机上の勉強に加えて取り入れることで、統計解析についての理解が深まるでしょう。

実際の統計解析で用いる計算をR言語を使用して実行しながら勉強すれば、より効率的に統計学を学ぶことができます。

例えば、平均値・中央値・分散・標準偏差・最小値・最大値などの基本統計量の算出にR言語を使用できます。また統計解析用のデータがあれば、ヒストグラム・箱ひげ図・散布図などのグラフも作成可能です。

統計計算だけでなくデータの分布状況などを視覚的に理解できるため、勉強ツールとしてR言語を活用することもおすすめです。

R言語のメリット・デメリット

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ここでは、R言語を使用する上でのメリットとデメリットを紹介します。メリットとデメリットを両方理解し、R言語を活用する上での参考にしてください。

統計解析に優れている・仕様がシンプルなど

R言語のメリットは、統計解析に便利な機能が数多く実装されている点です。非常に多くのパッケージが一般に対して公開されているため、あらゆる統計解析を行うことができます。また、R言語の文法や仕様は比較的シンプルであるため、学習コストが少なく済むのもメリットと言えるでしょう。

近年では機械学習やビッグデータ分析が注目され、それに伴いR言語の需要が高くなっています。R言語を習得すれば、エンジニアとしての活動の場も広がると期待できます。

汎用性が低い・英語力が必要など

R言語は統計解析に特化したプログラミング言語であるため、統計解析以外の機能が少ないのがデメリットと言えます。例えば統計解析ではなく、Webアプリやスマホアプリを開発したい場合には、他のプログラミング言語を学習する必要があります。

また、R言語の知識を深めたとしても、統計学の知識がない場合は上手く統計解析を行うことができないのもデメリットと言えます。

さらに、R言語のリソースの多くは英語となっています。そのため、英語のリソースの意味を読解しながら勉強したり運用したりする必要があるのも難点です。

R言語とPythonの違い

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R言語と同じく統計解析に用いられるプログラミング言語にPythonがあります。ここでは、R言語とPythonの違いについて詳しく紹介します。

Pythonの方が汎用性に優れている

PythonはR言語に比べて汎用性が高いです。R言語はこれまでにも説明したように、統計解析専門のプログラミング言語です。そのため、R言語だけではWebアプリやWebサービスを開発できません。

一方、Pythonは汎用性が高いプログラミング言語であるため、さまざまなものを開発できます。例えば、AI・ブロックチェーン・Webアプリ・スマホアプリなどが挙げられます。統計解析は、Pythonでできることの中の1つと言えるでしょう。

R言語とPythonどちらを勉強すべきか

統計解析に特化したR言語と汎用性が高いPythonでは、両方とも統計解析が可能です。どちらのプログラミング言語を勉強したらよいか迷う方もいるのではないでしょうか。

R言語は統計解析を専門としているため、Pythonよりもデータ分析に関する機能が豊富に備わっているという特徴があります。一方Pythonは、統計解析だけではなく、さまざまなことができるため、覚えることが比較的多い傾向にあります。

例えば「統計解析の専門家・研究者を目指したい」「データサイエンティストになりたい」と考えている方は、R言語を勉強するのがおすすめです。

一方「統計解析だけではなく、Webアプリも作成できるようになりたい」「汎用性の高いエンジニアになりたい」と考えている方は、Pythonを学びましょう。プログラミング言語を勉強する目的や将来のキャリアに応じて、学ぶプログラミング言語を選択することが重要です。

Pythonでできること・できないことは?自動化のための入門編

R言語を扱う職種

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ここでは、R言語を扱うITエンジニアの職種を紹介します。統計解析や機械学習に優れているR言語は、データ解析やAIなどの分野で活用されています。以下でそれぞれの職種について解説します。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータから情報分析を行い、課題や課題の解決方法を提案する職種です。具体的には、顧客情報や市場動向などを分析し、より良い商品やサービスなどの開発に活かします。

データサイエンティストの業務では統計解析やデータ分析がメインとなるため、R言語もしくはPythonを使用することが多いです。

データサイエンティストとは?おすすめの資格から年収まで解説

データエンジニア

データエンジニアの仕事内容は、データ分析のためのシステム、ツール、データベースなどの開発がメインです。システムの開発にはR言語やPythonを使用します。データエンジニアが開発したシステムを使って、データサイエンティストが情報分析をすることも多いです。

なお、データエンジニアはデータサイエンティストと混合されることもあります。両者の違いは、データ分析のためのシステムを開発するのがデータエンジニア、データを分析し分析結果から課題を発見・解決するなどをするのがデータサイエンティストです。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、機械学習システムの開発が主な仕事です。設計や構築、運用までの一連の流れを担当します。R言語は機械学習のためのパッケージも豊富にあるため、R言語を使ってシステムを開発することも多いです。

また、開発したシステムの運用や保守も行います。使用するデータや目的によってシステムの用途が異なるため、開発後のフォローも重要な役割となっています。

機械学習エンジニアの仕事内容とは?スキルや将来性についても解説

統計解析に特化した人材になりたい方はR言語を学習しよう!

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これまでに、R言語の特徴やメリット・デメリット、R言語でできること、R言語とPythonの違い、R言語を扱う職種について解説しました。R言語とは、統計解析に強みを持っているインタプリタ型のプログラミング言語のことです。

R言語を使用すれば、統計解析だけではなくテキストマイニング・グラフ作成・t検定・ベイズ統計などを行うこともできます。

R言語とPythonのプログラミング言語の大きな違いは汎用性です。どちらも統計解析を行うことはできますが、R言語のほうが統計解析に特化していて、Pythonのほうが汎用性が高いです。

そのため、自分のキャリアに合わせて学習するプログラミング言語を選択することが重要です。統計解析に特化した人材を目指すなら、R言語の習得を視野に入れてはいかがでしょうか。

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