プログラミングの考え方
プログラマーはITエンジニアの登竜門と言われています。システムエンジニア志望の皆さんも最初はプログラミングを学んだことと思います。しかし、プログラミングが「つまらない」「なかなか上達しない」と嘆くエンジニアの方は少なくありません。
そのような人は、恐らくプログラミングの考え方の理解が不足しているか、プログラミング脳が十分に鍛えられていないのかも知れません。
この記事では、プログラミングの考え方を理解し、プログラミング脳を鍛える方法について解説していきます。プログラミングで挫折しそうになっているエンジニアの皆さんはぜひ参考にしてみてください。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
プログラミングの考え方を身に付ける
「プログラミング」はコンピュータに対して作業の手順を指示するためのプログラムを作ることであり、それがプログラミングの考え方です。
プログラミングを行うためにはプログラミング言語を覚えることも必要ですが、それとともに大切なことは、コンピュータに指示する手順、すなわちアルゴリズムを鍛えることです。
ここでは、プログラミング言語の種類やアルゴリズム、プログラマーの年収などについて紹介します。
そもそもプログラミング言語とは?
システム開発においてプログラミングの行程はとても重要な役割を持ち、プロジェクトの内容によって使用される言語が異なります。プログラミングの考え方を知る前に、まずはプログラミング言語にはどのような種類があり、それぞれどういった場面で活用されるのかを理解しましょう。
以下に、システム開発においてよく使用される言語を用途別にまとめました。
【Webサイト制作】 ・HTML ・CSS ・JavaScript ・PHP ・Rudy ・Java
【アプリ開発】 ・Swift ・Java ・C# ・Kotlin
【ゲーム開発】 ・C# ・JavaScript
【AI(人工知能)・機械学習】 ・Python ・C++
アルゴリズムを理解し習得する
アルゴリズムとは何らかの問題を解決するための手順です。この手順が正しくなければ、コンピューターは正しく動作してくれません。従って、正しいプログラミングを行うためにはアルゴリズムを鍛えなければなりません。
プログラミング言語には基本的なアルゴリズムは用意されていますが、アルゴリズムに対する理解がないと使えません。また複雑な処理を行うプログラムでは、自分で手順を考えてアルゴリズムを組む必要があります。
アルゴリズムは論理的思考で編み出される
プログラミングとはアルゴリズムを組み立てることですが、アルゴリズムはロジカル・シンキング(論理的思考)によって編み出されます。ロジカル・シンキング(論理的思考)とは、複雑なものを整理して、シンプルにしていく思考方法のことです。
特に問題解決の際に論理的思考が役立ちます。以上を整理すると、プログラミングにおいて重要なのはアルゴリズムであり、それにはロジカル・シンキングが重要だということです。
プログラマーの年収例
前述のように、システム開発においてはさまざまなプログラミング言語を駆使し、アルゴリズムを理解せねばなりません。こういったスキルを習得している代表的な職種例には、プログラマーが挙げられます。プログラマーを目指す上で、どの程度の年収を得られるのでしょうか。ここでは、プログラマーの年収例を紹介します。
「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は344万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収と比較すると、調査媒体によって年収に幅があることが分かります。
プログラマーは現場で用いる様々な言語を身につけ、多種多様な要求に答えられるようにスキルアップを目指すことで、より高収入を目指せます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
プログラミング脳の鍛え方
プログラミングが得意な人は、プログラミング脳を持っている人です。プログラミング脳とはロジックを組み立てる力を持った脳のことで、これを鍛えると日常生活や仕事でも役立ちます。ロジックとは、プログラムにおける処理内容・手順・方法のことを指します。
プログラミングスキルを高めるためには、ロジックを組み立てられるプログラミング脳を鍛えることが有効です。
プログラミング脳を鍛える5つのステップ
プログラミング脳を鍛えるには、論理的思考力を高めることが有効ですが、プログラミングによってもプログラミング脳を鍛えることは可能です。そのためには、次のステップでプログラミングを行うことです。
1.プログラム仕様を理解する プログラムの目的を設定し、プログラムの要件を満たすための要求事項を理解し、ロジックを組み立てます。
2.確認を行う 組み立てたロジックが正しいか、ロジックに間違いがないかなどの確認を行います。思い込みで誤ったプログラミングを行わないためにも、第三者に確認してもらうことも必要です。
3.プログラムのフローを考える プログラムの工程を細分化して、最適なフローを考えます。フローチャートを使ってみると良いでしょう。
4.コーディングを行う プログラムの工程を組み立て、フローに落とし込んでから実際のコーディングに取り掛かります。この手順を踏むことで、プログラミング脳が鍛えられます。
5.コードの改善 プログラミングの最後のステップとして、コードを見直し、改善を行います。料理で言えば仕上げです。無駄なコードや冗長なコードを見直します。この習慣を付けることで、読みやすく分かりやすい、効率の良いプログラミングスキルが身に付いていきます。
論理的思考力を高める
プログラミングにおいて論理的思考力(ロジカル・シンキング)が重要ですが、論理的思考力は先天的なものではなく、後天的に身に付けられるスキルです。
論理的思考力を高めるには、次のようなトレーニングが有効です。
▪何事にも疑問を持ち、自問自答する ▪結論から話す ▪理由を整理する ▪物事を分類したり、整理したりする ▪文章にして書き出す ▪データを用いて説得力を高める
これらは反復して習慣化していくことが大切です。ぜひ試してみてください。
プログラミングが上達しない人の良くない行動パターン
プログラミングがなかなか上達しない、プログラミングが面白くないという人には共通する行動パターンがあります。ここでは、誰もが陥りやすい間違ったプログラミングの方法を挙げていきます。思い当たる節があれば、1度プログラミング方法を見直してみましょう。
直ぐに回答を探してしまう
プログラミングとクイズはよく似ています。クイズは自分の頭で考え、答えを見つけるから楽しいのです。それと同じように、答えをすぐに検索してしまうとプログラミングの楽しさは半減します。プログラミングスキルも上がりにくく、検索でしか答えをみつけられなくなってしまいます。
目的や目標がない
プログラミングは問題解決の手段です。問題意識がなく、目的や目標も、ただ機械的にプログラミングをこなしているだけではモチベーションは上がらず、プログラミングの達成感も得られません。
コピペを多用している
プログラマーの中にはコピペを多用する人がいます。コピペが悪いわけではありませんが、多すぎると自ら考える機会が減り、成長が期待できません。また他人のプログラムを流用しているため、達成感や成長をしている実感もありません。
誰にも相談しない
プログラミングで壁にぶつかった際には、まず自己解決です。1人で考えても答えが見つからない場合は、先輩や周囲の人に尋ねて教えてもらいましょう。分からないのは恥ではありません。分からなければ、先生・先輩・プログラミングが得意な同僚に相談しましょう。
自分で一旦調べてから相談することで理解が早まり、教えてもらったことは自分の知識になります。
プログラミングを上達させる3つのコツ
プログラミングの勉強をしてもなかなか馴染まないという方、勉強しても上達しないという方に試してみてほしい方法が3つあります。ぜひお試しください。
コードを写す
お経を書き写すことを「写経」と言いますが、プログラミングの上達に「写経」は有効です。参考書などのサンプルコードを見ながら、実際にコーディングをしてみましょう。これを行うことで、プログラミング言語ごとの基礎文法の理解が進み、言語固有のコード構成や特徴が身に付きます。
プログラミングの考え方が次第に理解できるようになります。さらに、プログラムが実際に動くことで達成感を得ることができます。ただし、コピペでは何も覚えられないのでやめましょう。
とにかく自力でプログラミングをしてみる
プログラミングはコピペに頼らず、自分の頭と手を使ってプログラミングを行うことが大切です。コピペは思考停止を招きます。実際にプログラムを動かしてエラーが出たら、エラーの原因を調べて修正します。その繰り返しによって次第にプログラミングスキルが高まっていきます。
自己解決できなければ聞く
エラーの解決に執着をし過ぎるのもよくありません。30分考えても分からない時は、分かる人に尋ねましょう。自力解決は大切ですが、一定時間以上掛かると、自力解決は難しくなります。
限界を感じた時は遠慮なく質問しましょう。自分で1度考えて調べた後に質問することで理解が早まり、スキルが身に付きやすくなります。
エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビIT エージェント』へ!
プログラミング脳を鍛えるのにおすすめの書籍
プログラミングでは、プログラミングの考え方を理解し、プログラミング脳を鍛えることが重要です。これから、プログラミング脳に必要なロジカル・シンキング(論理的思考力)を高め、プログラミング脳を鍛えるのに役立つ、おすすめの本を紹介します。
東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座: ケース問題で「広い視野」「深い思考」をいっきに鍛える
本書は35万部以上を誇る「東大ノート」シリーズの1つであり、広い視野と深い考察で解決する思考法やそのトレーニング法を体系化した書籍です。論理的思考についてつまずきやすい部分をわかりやすく解説しており、誰でも論理的思考力が身につきやすくなります。
応用編として、理解度がチェックできる例題もついているため、理解できている部分と不足している部分を把握できるためおすすめです。
▪著者:白木 湊、東大ケーススタディ研究会(編集) ▪ページ数:272ページ ▪出版社:東洋経済新報社 ▪発売日:2022/04/01
【参考】:東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座: ケース問題で「広い視野」「深い思考」をいっきに鍛える
ニュートン別冊 論理的思考 事例編
本書は、問題を解決する能力として重要なロジカルシンキングを身につけるためのトレーニング方法を紹介している書籍です。謎解きゲームなど、大人でも楽しく学べるさまざまなトレーニング方法がまとめられています。
また、レジの待ち時間や両親の血液型、自転車と徒歩など、日常の中にあるちょっとした部分で活用できる論理的思考についても事例を紹介しています。これからロジカルシンキングについて学習したい方におすすめの書籍です。
▪著者:高橋 昌一郎(監修)、山﨑 紗紀子(監修)、小谷善行(著) ▪ページ数:144ページ ▪出版社:ニュートンプレス ▪発売日:2023/02/25
【参考】:ニュートン別冊 論理的思考 事例編
プログラミングの達人を目指して
ここまでプログラミングの考え方をベースに、プログラミングが苦手で上達しないと嘆くエンジニアの方に向けて、プログラミングの考え方、プログラミング脳の鍛え方、プログラミングが上達する方法について解説してきました。
プログラミング脳を鍛えると、自ずとシステムエンジニアとしてのスキルも上がります。日常生活や仕事においても良い影響を与え、問題をうまく解決できるようになります。
また、プログラミングスキル自体も向上させることでプログラマーやシステムエンジニアなどへの転職も可能です。数多くある求人の中から、今よりも好条件の優良企業を1人で探すのは簡単なことではありません。サポートしてくれるサービスを活用するのが懸命です。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向け、無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案します。
アドバイザーは企業側と直接連携を取れるので、求人票に載っていない情報も確認することができます。こちらで、働き方などをしっかり確認の上、応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
未経験からのキャリアチェンジは心身ともに本当に大変だと思います。少しでもご自身の負担を減らすべく、エージェントサービスを活用して、失敗のない転職活動に臨んでいただければ幸いです。
エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビIT エージェント』へ!
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから